佐賀の海辺キャンプの記事を出すたびに、必ず聞かれる質問があります。
「風間さんって、やっぱり海キャンプ派なんですか?」──これ。
たしかに、七ツ釜の断崖や波戸岬の夕日みたいな、いわゆる“玄界灘ドーン!”系の景色は、キャンパー歴が長い僕でも毎回テンションが上がります。海辺キャンプの魅力は、胸を張って語れる。だってもう何十回も通って、その度に焚き火台を塩まみれにしてきたので(笑)。
でもね、ある程度海を経験し尽くしてくると、ふとスイッチが入る瞬間があるんです。
「今日は、波じゃなくて沢の音で眠りたいんだよな……」って。
佐賀は、海が主役に見えるけれど、本当は山側に“隠し味”みたいなフィールドがしっかり残っている県です。地元のベテランキャンパーしか知らないような、看板もない細道の先に、ひっそりと静かなサイトがあったりする。僕が初めてその静けさに触れたとき、思わず「何これ、佐賀、海だけじゃないじゃん」と声に出たくらい。
この記事では、キャンプ歴15年以上の僕・風間 陸が、実際に泊まって「ここは海じゃなくても記事にしたい」と感じた、山あいのソロ向けキャンプフィールドを紹介していきます。
佐賀の山キャンプは、派手じゃない。でも、その“地味さ”にこそ価値がある。
静けさを探して旅するキャンパーにとって、たぶん刺さりまくる場所ばかりです。
なぜ“海県・佐賀”であえて山側キャンプなのか

焚き火の音を、いちばん近くで聞けるのは山側だから
海のそばで焚き火をすると、どうしても主役は「波の音+風の音」になります。あれはあれで最高なんだけど、山あいのキャンプ場に行くと、主役の座がガラッと入れ替わるんですよ。
- 水の音:小さな沢の「さらさら」
- 風の音:木立を抜ける「カサカサ」
- 焚き火の音:耳元で鳴る「パチパチ」
この3つの音だけで夜が組み立てられるのが、山キャンプのいいところ。
とくにソロで入ったときなんて、焚き火の音が自分の心拍とシンクロしてくる感じがあって、海とはまったく違う落ち着き方をするんですよね。
僕もずっと海キャンプ大好き人間なんですが、何度か玄界灘沿いを回っているうちに、ある日ふとこう思ったんです。
「今日は、波のドーンじゃなくて、沢の“さらさら”で眠りたいな」と。
たとえば、佐賀県の山側だと、北山エリアや天山・多良山系の周辺に、沢音がしっかり聞こえる林間サイトが点在しています。
県立の自然公園や森林公園として整備されているところも多くて、公式サイトではトレッキングコースやキャンプエリアの概要が確認できます。
山に入ると、波の低い重低音が消えて、その代わりに
- 焚き火の薪がはぜる音
- マグカップを置く「コトン」という小さな音
- 寝袋の中で体勢を変えるときのシュルッという音
こういう“ふだんはBGMにもならない音”が、急に大事になってくる。
静けさの種類を変えたいとき、山側ってほんと刺さります。
佐賀の山キャンプは“ほどよく地味”だから居心地がいい
ここ数年で、高規格キャンプ場や映え系グランピングが全国的に増えましたよね。
スパもあって、レストランもあって、ナイトライティングもドーン!──みたいなところ。
あれはあれで楽しいんだけど、「静かなソロをやりたい」ってモードのときには、ちょっと情報量が多すぎることもあります。
その点、佐賀の山側キャンプ場って、いい意味で「ほどよく地味」なんですよ。
- インスタでバズるような派手な仕掛けが少ない
- 大型遊具やテーマパーク感より、「自然そのまま+最低限の設備」が多い
- 「予約戦争」「争奪戦」みたいな雰囲気より、常連さんが静かに通っている場所が多い
たとえば、県や市が管理している森林公園キャンプ場なんかはその典型で、
設備的には必要十分+ちょっと素朴、くらいのバランスに落ち着いているところが多いです。
ソロキャンパー目線で言うと、これはかなりありがたくて、
- 「また来よう」と素直に思える
- でも「あんまり人には教えたくないな…」という気持ちも同時に湧いてくる
そんなフィールドが、佐賀の山側にはちゃんと残っています。
海キャンプの記事ばかり書いていると、「佐賀=玄界灘」のイメージが一人歩きしがちなんですが、
実際にフィールドを歩いている僕からすると、
佐賀は「海の県」じゃなくて、「海と山をどっちも楽しめるコンパクトな県」なんですよ。
山側のキャンプ場に一度でもテントを張ってみると、その意味がけっこうすぐ体で分かると思います。
【本命】山あいのフリーサイトで、“音の少ない夜”を味わう

ポイントは「沢の音」「車通りの少なさ」「サイトのキャパ」
具体的なキャンプ場名はここではあえて伏せます(本気で静かなので、正直あまり広めたくない…)。
ただ、イメージが湧くようにだけ言うと、佐賀市内から車でだいたい1時間ちょっと。山あいの小さな集落を抜けた先にある、林に囲まれたフリーサイトです。
特徴をざっくり挙げると、こんな感じ。
- サイトのすぐ脇を流れる小さな沢がBGMになってくれる
- 周辺の車通りがほとんどなく、夜は本当に静か
- サイトのキャパがそこまで大きくない(=大人数グループが入りにくい)
- 炊事場・トイレは「ちゃんとあるけど過剰じゃない」レベルで、掃除はきっちりされている
ソロキャンパー目線で言うと、こういう条件が揃っている時点でほぼ「当たり確定」フィールドです。
派手な遊具やグランピング施設はないけれど、そのぶん「音の少ない夜」をしっかり味わえる。
ちなみに、佐賀県内だと、北山エリア(北山湖周辺のキャンプ・レジャー施設)や、県立・市町村立の森林公園に、こうしたタイプの静かなサイトが点在しています。
具体的な場所を探すときは、まず佐賀県や市町村の公式サイトで「キャンプ」「森林公園」「キャンプ場」あたりのキーワードで調べてみるのがおすすめです。
設営のコツ:あえて“沢の音が一番よく聞こえる場所”を選ぶ
この手の山あいフリーサイトに着いたとき、僕が必ずやるのが、まず5分間「何もしない」時間をつくることです。
テントも荷ほどきもいったん置いておいて、サイト全体をぐるっと歩きながら、
- 沢の音が一番気持ちよく聞こえる場所
- 風の通り道になっていそうな場所(強風時にタープが暴れそうなライン)
- 駐車スペースから近すぎず遠すぎない位置
この3つを意識してチェックします。
おすすめなのは、
- 沢から近すぎず、遠すぎず(増水の安全距離はしっかり取りつつ、音はちゃんと届く距離)
- 風を完全に遮断するのではなく、テントの後ろ側で一度受け止めてくれる木立がある場所
- 炊事場・トイレには歩いて行けるけど、他のキャンパーの人の流れからは少し外れたポジション
海キャンプだとつい「一番抜けのいいオーシャンビュー」に目が行きがちですが、山ソロの場合は、あえて
「絶景<音環境」
で張る場所を決めると、一気にフィールドとの馴染み方が変わってきます。
「今日は沢の音をBGMにしたいから、あの木の下だな」
そんなふうにサイトを選べるようになると、山キャンプの楽しさは一段階上がります。
夜の過ごし方:焚き火+本+シンプルなごはんで十分
山側の静かなフリーサイトに来たとき、僕が意識しているのは「あえてやることを増やさない」ことです。
具体的には、こんなセットに落ち着くことが多いです。
- ソロ用の小さめ焚き火台(地面から高さがあるタイプ)
- ご飯は、鍋ひとつで完結するメニュー or スキレットで焼くだけ料理
- あとは本を一冊と、温かいコーヒーかお茶
これ以上予定を詰め込まなくても、夜は勝手に満たされます。
焚き火台の上で薪が静かに燃えているのを眺めながら、ページを一枚ずつめくる。
ふと手を止めて顔を上げると、沢の音と、木立が揺れる音だけが聞こえてくる。
その「何も起きていない時間」を、ぜいたくに使えるのが山ソロの良さです。
海キャンプのようなドラマチックな夕日や、波の迫力はないかもしれない。
でも、山あいのフリーサイトで過ごす夜には、「自分のペースを取り戻せる静けさ」があります。
もし、最近キャンプの予定を詰め込みすぎてちょっと疲れてきたな…と感じているなら、
次の一泊は、こんな「音の少ない夜」を味わいに行ってみるのも、かなりアリだと思います。
静かな“山の湖畔サイト”で、朝も夜も水のそばにいる贅沢

海じゃないけど「水のキャンプ」ができる場所
佐賀〜福岡県境あたりまで視野を広げると、ダム湖や人造湖の湖畔サイトがいくつか候補に入ってきます。
「海じゃない水辺キャンプ」ができる、いわば山版・水辺フィールドですね。
湖畔サイトの良いところを、僕目線でまとめるとこんな感じです。
- 海ほど風が読みにくくなくて、比較的マイルドな日が多い
- 波のドーンではなく、静かな水面+鳥の声がBGMになる
- 朝の「水面に浮かぶモヤ」や「逆光でキラキラする湖面」が反則級に気持ちいい
たとえば、佐賀市富士町の北山湖畔エリアには、湖を望めるサイトを持つキャンプ場がいくつかあって、
「海ほど荒々しくないけど、水をちゃんと感じられる」ロケーションが揃っています。
(具体例としては、北部九州最大級のサイト数を持つ北山キャンプ場など。公式サイトで設備やロケーションをチェックしてみてください)
北山キャンプ場 公式サイト
同じく、佐賀県小城市の八丁ダム周辺には、静かな湖畔でキャンプができる「八丁キャンプ場」もあります。
森に囲まれた小さなサイトで、湖と緑のセットが好きな人には刺さるタイプのフィールドです。
小城市公式|八丁キャンプ場・グリーンカルチャーセンター
僕自身、湖畔に行くときは、あえて焚き火を少し控えめ+ランタンも暗めにすることが多いです。
理由はシンプルで、「水面に映る月や夜空をちゃんと見たいから」。
炎をガンガン焚いてしまうと、それはそれで最高なんだけど、
湖畔の夜って、ライトを落とすといきなり“水の存在感”が増す瞬間があるんですよね。
- 対岸の小さな明かりが、水面に細い線を引いている
- 風が止んだ瞬間だけ、焚き火の音と自分の呼吸しか聞こえない
- ふと見上げたら、湖の向こうに浮かぶ星がいつもより近く感じる
海キャンプとはまた違う、「静かな水と一緒にいる時間」。
それを味わえるのが、山の湖畔サイトのいちばんの魅力だと思っています。
湖畔ソロの注意点:サイト選びと結露対策
とはいえ、湖畔ならではの注意点もあります。
僕が毎回意識しているのは、この3つです。
- 水際ギリギリに張りすぎない(増水・朝露・冷え込みを考える)
- 冷え込みが強いので、海キャンプより結露がエグくなりやすい
- 夜〜明け方の気温差が大きく、インナーダウンやネックウォーマーなどの防寒が必須
湖って、見た目以上に「冷気のたまり場」なんですよね。
晴れていても、夜〜早朝にかけて一気に気温が下がることが多いです。
サイト選びのコツとしては、
- 水際からは少し高くなった場所を選ぶ(冷気がたまりにくい・増水リスクも下げられる)
- 風向きを見て、テントの入り口を風下に向ける
- タープは低め+コンパクトに張る(湖からの風を受けすぎないように)
そして一番のポイントが、さっきも触れた結露対策。
山の湖畔だと、
- テントのフライが朝にはベッチャベチャ
- グランドシートの裏面にも水滴びっしり
- 放っておくと、帰宅後にカビ候補生がこんにちは
みたいなことが本当に起こります(笑)。
僕が実際にやっているのは、こんな感じです。
- テントはフルクローズしすぎず、ベンチレーションを必ず開けておく
- インナーテントの荷物は、なるべく壁から少し離して置く(濡れを防ぐ)
- 朝起きたらまずタオルでざっとフライの水滴を拭き取る
- 余裕があれば、撤収前にフライだけ一回外して風に当てる
それでも全部は乾かないので、僕はいつも、
- 家に帰ったら荷ほどきより先にテントを干す
- 室内でもいいから、とにかく一度完全に乾かす
という流れをルール化しています。
「ちょっとくらい濡れてても、袋に突っ込んでおけば大丈夫でしょ」
と油断していた頃の僕は、何度かフライにポツポツできたカビを見て絶望しました…。
あのショックを味わってからは、湖畔=結露前提で動くようにしています。
でも、そのひと手間をかけてでも、
朝イチの静かな湖面と、コーヒーの湯気が重なる瞬間は、やっぱりやめられないんですよね。
海の前で飲むコーヒーと、山の湖畔で飲むコーヒー。
同じ豆でも、味の記憶がまったく別物になるので、ぜひ両方試してみてほしいです。
山側ソロキャンプで“失敗しない”ための3つのポイント

1. 明るいうちに着いて、明るいうちにテントを張る
これは山でも海でも共通なんだけど、山あいはとくに日暮れが早いです。
実際、僕も最初の頃は「高速降りてから1時間なら、まあ着くっしょ」とナメていて、山道で思ったより時間がかかって、気づけば16時半、サイトに着いたらほぼ薄暗い…なんてことがありました。
- 16時を過ぎたあたりから、一気に森全体が暗くなる季節が多い
- 山道の運転に慣れていないと、夜の移動はカーブ+対向車+獣の気配でかなりストレス
- 静かなサイトほど、暗くなってからの設営は「音」も「気配」も余計に気になる
なので、ソロで山に入るときは、僕はかなりガチ目に、
- 「15時までにチェックイン」を一つのラインにしています
- テント設営と最低限のレイアウトが終わったら、必ず一周ぐるっと散歩して、トイレ・炊事場・駐車場の位置関係を体で覚える
これをやるかどうかで、夜の安心感がほんと変わるんですよ。
一度、16時半ギリギリにチェックインしてバタバタ設営したときは、
夜トイレに行くたびに「ここさっき通った道だよな…?」ってちょっと不安になってました(笑)。
逆に、明るいうちに散策しておくと、夜は「あの木の横を曲がって、炊事場の灯りが見えて…」と、ルートが頭に入っているのでだいぶ気持ちがラクです。
2. 明かりを“落とす勇気”も持ってみる
静かな山サイトに来ると、ついつい「持ってきたランタン全部つけたくなる病」が発動するんですよね(笑)。
でも、ソロで静けさを味わいたい夜ほど、あえて明かりを絞ったほうが気持ちいいです。
- サイトの主役は焚き火
- 手元はヘッドライトか、小さめのLEDランタンひとつ
- サイト全体を「キャンプ場のカタログ写真」みたいに明るくしすぎない
明かりを落とすと、一気に音と匂いの解像度が上がるんですよ。
- さっきまで気づかなかった沢の「さらさら」が、ちゃんと聞こえてくる
- タープをかすめる風の音が、どの方向から来ているか分かる
- 焚き火の煙の匂いと、土や落ち葉の匂いの違いまでハッキリしてくる
一度、ランタンを消して焚き火だけにしてみたら、
「さっきまでこんなにうるさかったっけ?」ってくらい、木の葉の音が賑やかに聞こえてきたことがあって。
それ以来、静かな山ソロの日は「ライト控えめモード」がデフォルトになりました。
3. 「怖さ」とどう付き合うかも、山ソロの一部だと思っておく
正直に言うと、僕も初めて山でソロキャンプした夜は、けっこう怖かったです(笑)。
- ガサッ…と聞き慣れない音がしただけで、一旦動きが止まる
- ヘッドライトを消した瞬間の、闇の濃さにびっくりする
- 「もしここで熊とか出たらどうしよう」と、起きてもいないことを想像し始める
でも、この怖さを「ゼロにしなきゃいけないもの」だと思うと、しんどいんですよね。
僕は途中から考え方を変えて、
「ちょっと怖いけど、それも含めて“山に一人で泊まりに来てる”んだよな」
と割り切るようにしました。
そうすると、いつの間にか怖さが「適度な緊張感」くらいの位置に落ち着いてきて、むしろ
「今日もちゃんと山に来てるな」という実感になったりします。
それでも不安が大きいときは、無理に“ど山奥デビュー”をする必要なんて全然なくて、
- 最初は管理人さんが常駐しているキャンプ場を選ぶ
- ソロとはいえ、サイトの端っこではなく、トイレや炊事場にほどよく近い場所に張る
- 「今日はあくまで練習」と決めて、怖くなったら車中泊に切り替える前提で行く
みたいな、「逃げ道をちゃんと用意したソロ」から始めるのも、立派な一歩です。
山ソロって、インスタで見るとやたらストイックでワイルドに見えるけど、
実際は自分のペースと怖さのラインを探っていく遊びに近いんですよね。
僕もいまだに、「今日はちょっと静かすぎるな…」と思ったら、
あえて一組くらい他のキャンパーがいるサイトを選んだりします。
「全部ひとりで完璧にこなさなきゃ」じゃなくて、
「ビビりなりのソロスタイルを見つければいい」くらいのスタンスで、山側ソロキャンプに付き合ってみてもらえたらなと思います。
山側フィールドと“海キャンプ記事”をどうつなげるか

ここまで読んでくれたあなたなら、なんとなくもう気づいていると思うんだけど、
佐賀って実は、
- 玄界灘の海辺で、潮と焚き火の匂いを浴びる旅
- 山あいの静かなサイトで、沢音と焚き火の音に包まれる旅
この両方を、同じ県の中でサクッと行き来できるサイズ感なんですよね。
たとえば僕が友だちにプランを組むときは、だいたいこんな感じで提案しています。
- 1回目の佐賀:山側デビュー編
北山エリアや、静かな湖畔サイトでソロキャンプ。
「山の夜ってこんなに音が少ないんだ」「焚き火の音ってこんなに近かったっけ?」って感覚を、まず一回体に入れてもらう。 - 2回目の佐賀:海キャンプ編
すでに読んでもらっている
「七ツ釜 → 波戸岬キャンプ場 → 呼子」海辺キャンプ旅の流れを、まるっと追体験してもらう。
七ツ釜で海の迫力をインプットして、波戸岬で夕日焚き火、翌日は呼子でイカとコーヒー。
この順番で行くと、山で感じた静けさと、海で感じた開放感が、いい意味で頭の中で比較されるんですよ。
山ソロの夜に、
- 「あ、俺は沢の音を聞きながら焚き火してるときが一番落ち着くかも」
って気づく人もいれば、逆に、
- 「いや、やっぱり俺は波の音と夕日のほうがテンション上がるな」
ってハッキリする人もいる。
どっちが正解とかじゃなくて、「自分のキャンプの軸がどこにあるか」がちょっと見えてくるんですよね。
個人的に好きなのは、こんな“佐賀ループ”です。
- 春 or 秋:山側の静かなフリーサイトでソロキャンプ
→ 沢音と焚き火、読書、早寝早起き。 - その半年後:玄界灘側で海キャンプ
→ 七ツ釜で海を眺めてから、波戸岬で夕日焚き火、呼子でトレーラーハウス泊も視野に入れる。
同じ「佐賀にキャンプしに来た」なのに、
山回と海回で、ぜんぜん違う記憶がたまっていく感じがたまらないんです。
山で、
- 「ああ、何も起きない夜って、こんなに贅沢なんだ」
としみじみして、
数ヶ月後に玄界灘を前にして、
- 「潮の匂いと焚き火のコンボ、やっぱり反則級だな」
とニヤニヤする。
そんなふうに山と海を行ったり来たりしながら、自分のキャンプスタイルの“軸”を探す旅に、佐賀というフィールドを使ってもらえたらうれしいです。
この山側記事を読んで「静かなソロもいいかも」と感じたなら、
ぜひ次のタブで、玄界灘の海辺キャンプ記事も開いておいてください。
きっとどこかで、あなたの中の
「今日は山だな」「次は海だな」
ってスイッチが、カチッと音を立てて入る瞬間が来るはずです。
山も海もキャンプも、ぶっちゃけ「これが正解!」なんてひとつもないんですよね。
高規格が好きな人もいれば、不便なサイトじゃないと燃えない人もいる。僕自身、20年以上キャンプしてきて思うのは、最後に残るのは装備の値段でもテントの種類でもなくて、
「あの夜の感じ、なんかしっくり来たな」
っていう、あの感覚だけなんです。
焚き火をいじりながら「そろそろ寝るか」とテントに潜り込んだとき、
耳に入ってくるのが波のドーンなのか、沢のさらさらなのか、林のカサカサなのか。
その違いで、「あ、このパターン自分は好きだな」って、だんだん分かってきます。
もしこの記事を読みながら、どこかで少しでも、
- 「今日は、波じゃなくて沢の音で寝てみたいな」
- 「一回、ほんとに静かな山でソロ張ってみようかな」
って思ったなら──それ、もう十分“山側スイッチ”入ってます。
次の休みは、ぜひナビの目的地を海じゃなくて山側のソロキャンプ場にセットしてみてください。
最初の一歩は、北山エリアのようなアクセスしやすくて管理の行き届いた山キャンプ場あたりからでOKです。
(「佐賀 北山 キャンプ場」「佐賀 湖畔 キャンプ」あたりで検索すれば、公式サイトや予約ページがいくつか出てきます)
実際に一泊してみて、
- 沢の音を聞きながら飲むインスタントコーヒーが、思った以上にうまかったり
- 夜、テントの中で「ちょっと怖いけど、なんかニヤニヤするな…」ってなったり
そういう生々しい体験の積み重ねが、あなたのキャンプ史にどんどん上書きされていきます。
海が好きなら、また玄界灘に戻ってくればいいし、
「いや、自分はやっぱ山派だわ」とハッキリするかもしれない。
どっちに転んでもOKです。
大事なのは、
「自分の心が一番落ち着いた夜」を、ちゃんと自分で取りに行くこと。
その一歩目として、山側のソロキャンプ場にハンドルを切る休日は、かなりコスパのいい投資だと、アウトドアライターとしてもキャンパーとしても本気で思っています。


