夕暮れ、阿蘇の稜線がゆっくりと赤くほどけていくころ。
焚き火のぱちぱちという音に、子どもたちの笑い声が重なり、芝生の上を風のように転がっていく。
「ねぇ、明日は川行く? それとも草原を走るの?」
マグカップからふわりと立ちのぼる香りを吸い込みながら、僕はいつも思う。
――火を囲む時間は、人を自由にする。
それは、自然と家族と、自分自身の心が静かに結び直されていく“儀式”のようなものだと。
熊本には、そんな“家族の物語”を丁寧に育ててくれるキャンプ場が数多くあります。
祖父は山岳ガイド、父は林業――幼い頃から山と森を生活の一部として過ごし、
10代で野営を覚え、20代ではアウトドアメーカーに所属し世界中のキャンプ場を巡り、
独立後は年間200本以上のギアレビューを書き続けるアウトドアライターとなった僕・風間 陸が、
これまでの300泊を超えるキャンプ経験とフィールド取材で得た一次情報をもとに、
子どもがのびのび遊び、親がホッと息をつける
「本当にファミリーに優しい熊本のキャンプ場10選」を、誠実にガイドしていきます。
どのキャンプ場が、あなたの家族の笑顔をいちばん増やしてくれるのか。
焚き火の明かりのように、そっと照らすような案内になれば嬉しい。
熊本で“子どもが笑顔になる”ファミリーキャンプ場を選ぶ5つのポイント

ここからは、僕がいつも「子連れで行けるかどうか」をチェックするときに使っている
“リアルなものさし”を共有します。
キャンプ雑誌や予約サイトではなかなか書かれない、実際に家族連れを連れてフィールドを回ってきた視点です。
正直に言うと、ファミリーキャンプは
「ロマン」より先に、「安全」「安心」「トイレ」「移動時間」がめちゃくちゃ大事。
ここを外すと、一気に「二度と行かない…」キャンプになります。笑
1. 子連れに必須の設備チェック(トイレ・水場・売店)
僕が真っ先に見るのはトイレと水場です。ここ、ファミリーだと本当に命綱。
特に未就学〜小学校低学年くらいまでは、
「トイレが怖い」「暗くてイヤ」「汚くてイヤ」になると、そこで一気にテンションが落ちます。
例えば、城南天然温泉かたるの森は、
水洗トイレ・シャワー・炊事場がしっかり整備されていて、しかも敷地内に天然温泉まであるんですよね。
「テントで寝るけど、お風呂はちゃんと入りたい」というママ・パパからの支持がかなり厚いです。
歌瀬キャンプ場も、水回りの清潔さと設備の充実度はトップクラス。
炊事棟も使いやすく、売店には炭・調味料・ちょっとしたギアまでそろっていて、
「あ、あれ忘れた…」となってもリカバリーしやすい安心感があります。
湖畔のロッジとキャンプサイトが魅力の
美里の森キャンプ場ガーデンプレイスも、
ロッジにお風呂・キッチン・テラスBBQが用意されていて、
「まずはロッジ泊で様子見してから、次はテントにチャレンジ」というステップアップにもぴったりです。
逆に、トイレが遠すぎたり、夜まっ暗だったり、水場が少なかったりすると、
子ども以上に親がぐったりします。
予約前に「公式サイトで設備」「口コミで清潔さ」は必ずチェックしておくのがおすすめです。
2. サイトの地面と構造(芝生かどうかはかなり重要)
子どもと一緒のキャンプで、芝生サイトはほぼ“チート級”の安心感があります。
走る・転ぶ・寝ころぶ・裸足になる——全部OKなフィールドは、やっぱり強い。
かたるの森や
歌瀬キャンプ場、
高原ロケーションの服掛松キャンプ場なんかは、
サイト全体がきれいな芝生で管理されていて、テント設営もしやすいし、ペグもスッと入ります。
服掛松なんて、フリーサイトとオートサイトに加えてログハウスやロッジもあって、
トイレも温水洗浄便座付き・ファミリートイレあり、とにかく「家族前提」なつくり。
芝生でサッカーして、遊具で遊んで、夕方から焚き火……という王道コースが自然に組めます。
もちろん土サイトや砂利サイトがダメというわけではないですが、
「初めてテントを立てる」「子どもがまだ小さい」なら、芝生サイト優先で探すのを本気でおすすめします。
3. 「遊び」の質で選ぶ(川遊び・高原・遊具)
ファミリーキャンプは、「テントで寝ること」より「なにして遊ぶか」の方が大事だったりします。
同じ1泊でも、「遊びの選択肢」が多いと、子どもの満足度がぜんぜん違う。
たとえば、川遊びメインでいくなら、
緑川の清流に近い緑仙峡キャンプ場や、
小川での水遊びや自然体験プログラムが豊富な
ファミリーキャンプ場いもんころが候補になります。
高原でのびのび走り回るなら、
吉無田高原 緑の村や
服掛松キャンプ場。
特に吉無田はヴィラ・区画サイト・フリーキャンプ・森林サイトと、4タイプの宿泊スタイルが選べるので、
家族のレベルに合わせてフィールドを変えていけるのが魅力です。
公園+遊具で一日中遊ばせるスタイルが好きなら、
大型複合遊具がどーんと構える
潮井自然公園キャンプ場や、
芝生×遊具×温泉が揃ったかたるの森が相性バッチリです。
そして「なるべく準備を減らして、遊びに全振りしたい」なら、
グランピングも選べるCOMMON IDOEがおすすめ。
ベッド・冷暖房・シャワー・カフェ付きのフィールドで、
親は荷物少なめ、子どもは芝生や河原で目一杯遊べる、いいとこどりのスタイルです。
4. アクセスの良さと標高(初心者ファミリーはとくに)
ここ、意外と見落としがちなんですが、「車に乗っている時間」もキャンプ体験の一部です。
小さな子どもがいると、移動だけでエネルギーを使い果たしてしまうことも。
初めてのファミリーキャンプなら、熊本市内から1時間圏内がおすすめです。
例えば、かたるの森、
潮井自然公園キャンプ場、
COMMON IDOE、
美里の森キャンプ場ガーデンプレイスあたりは、
アクセスと自然感のバランスがとても良くて「週末ふらっと行ける距離」です。
もうひとつ大事なのが標高。
吉無田や服掛松、いもんころのような高原・山あいのキャンプ場は、
夏は涼しくて最高ですが、春・秋でも夜は一枚多く必要になることが多いです。
僕はいつも、「子どもの服装は一季節前」を意識しています。
例えば秋キャンプなら、子どもには「初冬」くらいのイメージでパーカーやフリースを持って行くとちょうどいいです。
5. 子どもの年齢にあったフィールドかどうか
同じキャンプ場でも、子どもの年齢によって“相性の良さ”が変わるんですよね。
これは、実際に何度も友人ファミリーを連れていって痛感しているポイントです。
- 未就学児中心:
芝生+遊具+温泉がそろう
かたるの森、
公園一体型の
潮井自然公園キャンプ場、
ロッジも選べる
美里の森のような、
「段差や危険箇所が少ない」「トイレが近い」サイトがおすすめです。 - 小学生:
川遊び・高原・自然体験プログラムがある
緑仙峡、
吉無田高原 緑の村、
いもんころのような
「探検」「体験」がセットになったフィールドだと、キャンプ後もしばらく思い出話が続きます。 - 高学年〜:
テント設営や焚き火を「一緒にやる」のが楽しくなる年齢。
服掛松や歌瀬のようにサイトパターンが多く、
「次はこのエリア攻めてみようか」とステップアップできるキャンプ場だと、
親子で“相棒としてのキャンプ”が楽しめます。
このあと紹介する10ヶ所は、どこも「家族と行ってよかった」と胸を張って言える場所ばかり。
それぞれのキャンプ場の個性をざっと眺めながら、
「あ、これうちの家族っぽいな」と感じるフィールドをぜひ見つけてみてください。
ファミリーに優しい熊本県内のキャンプ場10選(体験イメージ付き)
ここからは、僕がファミリーに推したい熊本のキャンプ場を10ヶ所ピックアップ。
「どんな遊びができるか」「どんな家族に向くか」の視点で紹介します。
① 城南天然温泉 かたるの森キャンプ場(熊本市南区)

熊本市街から車で約30〜40分。
「今日はちょっと外で遊びたいね」と思ったときに、本気のキャンプと日帰りのおでかけのちょうど真ん中みたいに使えるのが、城南天然温泉 かたるの森です。
もともとは地元で愛されていた温泉旅館で、今は全面芝生のオートキャンプ場+天然温泉+食事処+アウトドアショップという、欲張りすぎな(笑)複合フィールドに生まれ変わっています。
サイトはフリーサイトと区画サイトがあって、どちらも車の乗り入れOK。
区画サイトは約10m×10mで、大型テント+タープでも余裕の広さ。フリーサイトは芝生の上にテントがずらっと並んでいて、
キャンプ場に着いた瞬間から「あ、今日は絶対楽しいやつだ」とわかる雰囲気です。
しかも、受付は温泉棟の中。
チェックインを済ませたあと、そのまま大浴場の様子がちらっと見えて、
「設営終わったらあのお風呂入り放題か…」と、毎回ニヤニヤしてしまいます。
アルカリ性単純温泉のとろっとしたお湯で、キャンプ利用者は“温泉入り放題プラン”も選べるので、
夕方・夜・朝風呂とフルコースで楽しむファミリーも多いです。
- おすすめ家族像:キャンプデビュー/小さな子ども連れ/「温泉がないとママが動かない」タイプのご家庭
- 子どもポイント:ふかふかの芝生でひたすら走り回れる/ボール遊び・鬼ごっこ・シャボン玉が全部やりやすい/夜は駐車場からでも星がよく見える
- 親のご褒美:設営→ひとっ風呂→焚き火→またひとっ風呂、という「温泉サンドのキャンプ」ができること。
僕が初めてここに来たとき、一番驚いたのは「子どものぐずり時間がほぼ出なかった」ことです。
サイトが芝生で危ない段差も少ないから、設営中も子どもたちは勝手に走り回っているし、
暑くなったら温泉棟のロビーでひと休みもできる。大人の心に余裕があると、キャンプはここまで楽になるのか、と実感しました。
焚き火の前で「今日一番楽しかったこと、なに?」と子どもに聞くと、
だいたい「温泉!」「芝生で走った!」がセットで返ってきます。
“キャンプ場に温泉が付いている”というより、「温泉にキャンプが付いている」と言ってもいいくらい。
都会と自然のちょうど真ん中で、ファミリーキャンプの楽しさをギュッと詰め込める、バランス抜群のフィールドです。
▶ 公式サイト:城南天然温泉 かたるの森 公式サイト
▶ キャンプ詳細:キャンプ場案内・料金・マップはこちら
② 吉無田高原 緑の村キャンプ場(御船町)

「高原キャンプって、やっぱり一度は体験してほしいんだよね」と友だちにいつも勧めているのが、
御船町の吉無田高原 緑の村キャンプ場です。
標高約700mの高原に広がるフィールドで、草原の開放感+夜の星空+夏でも比較的涼しい気候がそろった、ザ・高原キャンプ場。
ここが面白いのは、宿泊スタイルが4タイプから選べること。
グランピング寄りの「星の森ヴィラ」、眺めのいい区画サイト、森に囲まれたテントエリア、
そして好きな場所に張れるフリーキャンプ場まで揃っていて、
「キャンプデビュー → 慣れてきた → もっと攻めたい」のステップアップが一ヶ所で完結します。
ヴィラはドーム型で中はエアコン完備、ベッドにソファ、外にはウッドデッキ。
正直、「これ、もはやホテルじゃない?」というレベルですが、
夜にデッキへ出ると頭上に星がバーッと広がる感覚は、やっぱりキャンプならではなんですよね。
4名まで1棟16,500円(別途入村料)で、最大6名まで泊まれるので、
三世代や二家族で使うのにも向いています。
テント派なら、A・B・CサイトやDサイト(フリーキャンプエリア)が楽しいです。
僕はよく、森に囲まれたフリーキャンプエリアを選ぶんですが、
車の横づけOKで、炊事場・トイレ・シャワー棟も近くて使い勝手がいい。
サイト中央にはファイヤーサークルもあって、イベント時にはここで焚き火が組まれたりします。
- おすすめ家族像:キャンプに少し慣れてきて、「今度は高原で非日常を味わいたい」ファミリー/星空や草原の景色も楽しみたい家族
- 子どもポイント:ローンスキーで草スキー遊び・MTBコース(年齢制限あり)・広い草原を全力疾走・夜の星空観察
- 親のご褒美:朝の冷んやりした高原の空気の中で淹れる一杯のコーヒー。霧がゆっくり抜けていって、阿蘇外輪山のシルエットが浮かんでくる時間がたまらないです。
僕が吉無田で好きなのは、夜と朝でまったく別の表情を見せてくれるところ。
夜、テントから一歩出ると、本当に「空に穴が開いてる?」って思うくらい星が見える日があって、
子どもに「ねえ、あの明るいのなんて星?」って聞かれて、星座アプリ片手に一緒に空を見上げる——
そんな時間が自然と生まれる場所です。
朝は逆に、少し肌寒いくらいの空気の中で、寝袋から出た子どもが「さむっ!」と言いながら芝生を走り出す。
その背中を見ながら、バーナーでお湯を沸かしてコーヒーを淹れると、
「ああ、高原に来てよかったな」と毎回しみじみします。
▶ 吉無田高原 緑の村 総合ページ:御船町観光公式サイト「吉無田高原 緑の村」
▶ キャンプ詳細・料金:吉無田キャンプ(サイト案内) / 施設利用料金はこちら
③ COMMON IDOE(コモンイドエ)(甲佐町)

「キャンプやってみたいけど、いきなり全部はちょっと不安なんだよね…」
そんな家族にまず推したいのが、甲佐町の
COMMON IDOE(コモンイドエ)。
旧・井戸江峡キャンプ場をフルリニューアルした場所で、
おしゃれなグランピングテント+しっかりしたキャンプサイト+カフェ&ショップが一体になった、“今っぽい”フィールドです。
グランピングエリアは、ノルディスク系の白いテントにベッド・ソファ・冷暖房・照明がきちんと入っていて、
子どもと一緒でも「今日は寝床の心配しなくていいや」と思えるレベル。
食事付きプランを選べば、夕食は地元食材を使ったBBQスタイル、朝はホットサンドやスープなど、
ほぼ手ぶらに近い感覚でキャンプの“おいしいところ”だけ味わえます。
一方で、持ち込みテント用の区画サイトもしっかり用意されているのがコモンイドエの良いところ。
僕はここで「1泊目はグランピング、2泊目は持ち込みテント」という贅沢な使い方をしたことがあるんですが、
1日目に設営の心配をしなくていいので、子どもと川辺を散歩したり、カフェでだらっとしたり、
まず“キャンプ場の空気に慣れる時間”が取れるんですよね。
敷地の奥には、かつての峡谷の雰囲気を残した河原があって、
石を投げたり、足だけチャプチャプ浸けて遊んだり(※遊泳は禁止)。
サイトまわりは芝生とウッドデッキが中心で、
「子どもが走り回っても段差が少ない」「視界が開けていて見守りやすい」のも、親としてはありがたいポイントです。
- おすすめ家族像:「テント泊はしてみたいけど、いきなりガチ野営は不安…」というキャンプビギナー家族/ママ・パパどちらかがまだキャンプに前向きじゃないご家庭
- 子どもポイント:芝生エリアでのボール遊び・フリスビー/河原での水遊び&石集め(遊泳禁止)/カフェでのアイスやドリンクで“ごほうび休憩”
- 親のご褒美:設営と撤収の負担が軽いぶん、子どもと遊ぶ時間と焚き火時間をしっかり取れること。
「今日は17時まで全力で遊んで、そこからゆっくり火を囲もう」というプランが現実的に組めます。
僕はコモンイドエを、「日常とキャンプのあいだにある、やさしい踏み台」だと思っています。
ここで「キャンプって楽しいじゃん」「テント泊って意外とイケるね」と家族のテンションが上がると、
次は吉無田や服掛松みたいな高原キャンプ場にもスッと挑戦しやすくなるんですよね。
テントや寝袋を全部そろえていなくても、
まずはグランピングで“キャンプの雰囲気”を味見してみて、
「次はどこ行く?」と家族でマップを広げる――そんな入口にぴったりの場所です。
▶ COMMON IDOE 公式サイト:https://idoe.camp/
▶ グランピング&キャンプ料金:料金・プラン一覧はこちら
④ 緑仙峡キャンプ場(山都町)

「川遊びガチ勢のファミリーなら、一度はここ行っとこう」と僕が言っているのが、
緑川の源流近くにある緑仙峡キャンプ場です。
住所は山都町緑川2012-11。山都町の観光ページでも
“くまもと名水百選の水源に囲まれた渓谷”として紹介されていて、
とにかく「清流と渓谷が主役」のキャンプ場なんですよね。
場内にはテントサイトに加えて、バンガロー棟とキャビン棟があり、
テントを持っていないファミリーでも泊まれるのがありがたいところ。
しかも、運営元の「緑仙峡フィッシングパーク」では
釣りやBBQの受付も一括でやってくれるので、
公式サイトから予約しておけば現地で迷うことも少ないです。
キャンプサイトのすぐ下を流れるのが、透明度バツグンの緑川。
深みのある場所と、子どもでも入れる浅瀬がはっきり分かれているので、
小さい子連れなら浅瀬エリアをベースに「石投げ」「生き物探し」だけでも一日遊べます。
夏場は必ずライフジャケットを持っていって、
「川には大人が1人つきっきり」をルールにしておくと安心です。
ここはヤマメの生息地としても有名で、
渓流釣りをしたいパパ・ママにはたまらないフィールド。
釣り堀エリアもあるので、
僕も子どもと一緒に竿を出して「1匹釣れたら今日は勝ち!」くらいのノリで楽しんでいます。
釣った魚はその場で捌いてもらって、場内のBBQ炉で塩焼きに。
「自分で釣った魚を、その日のうちに焚き火のそばで食べる」という経験は、子どもにとってかなり強烈な思い出になります。
- おすすめ家族像:川遊び・渓流釣りなど、とことん“自然そのもの”を遊び場にしたいファミリー/アウトドア経験がそこそこあって、山道ドライブも楽しめる家族
- 子どもポイント:膝〜腰くらいまでの浅瀬で水遊び/石を積んだり飛ばしたりする昔ながらの川遊び/虫探し・カエルやカニ探し・葉っぱの船流し など「ザ・自然遊び」がぎっしり
- 親のご褒美:テントに戻ると、常に川音がBGMになっていること。
焚き火をしながら耳を澄ませていると、日常の雑音が少しずつ水に流されていくような感覚になります。
正直、アクセスは山道をけっこう走るので、「サクッと行けるお気軽キャンプ場」ではありません。
でも、その分だけ人里から離れた静けさと、水のきれいさは段違い。
僕はいつも、「今日はとことん自然に振り切ろう」という日に、この緑仙峡を選びます。
▶ 観光情報(熊本県公式):緑仙峡キャンプ場|熊本県観光サイト
▶ 山都町公式情報:緑仙峡|山都町観光ナビ
▶ キャンプ・釣りの詳細・予約:緑仙峡キャンプ場・フィッシングパーク 公式サイト
⑤ 潮井自然公園キャンプ場(益城町)

「まずは公園感覚でテント張ってみたいんだけど…」という相談を受けたら、
僕が真っ先に候補に出すのが、益城町の
潮井自然公園キャンプ場です。
2024年にリニューアルされたばかりの大型遊具つき公園一体型キャンプ場で、
阿蘇くまもと空港から車で約12分、熊本市内からもアクセスしやすい“超・気軽なフィールド”。
一番のポイントは、土日祝は事前申請すれば無料でテント泊ができること。
「本格的なキャンプ場にお金払って行く前に、まずは道具のチェックと子どもの反応を見たい」ってときに、ここは本当にありがたい存在です。
利用には町の公式ページからの事前申請が必要なので、
日程が決まったら早めに申し込んでおくのがおすすめ。
公園としての設備もかなり本気で、
年齢別にエリアが分かれた大型複合遊具、広い芝生広場、せせらぎ水路など、
「キャンプしなくても一日遊べるやつ」です。
僕が行ったときも、テント設営が終わるやいなや子どもたちは遊具へ一直線。
親が焚き火の準備をしているあいだ、遊具エリアとサイトの距離感が近いので、目で追いやすいのも安心ポイントでした。
- おすすめ家族像:デイキャンプ感覚で気軽に試したいファミリー/未就学児〜小学校低学年が多いファミリー/「まずは近場でお試しキャンプしたい」人
- 子どもポイント:年齢別に遊べる大型遊具/芝生でのボール遊び・ピクニック/水路まわりでの水遊び(夏場は着替え必須!)
- 親のご褒美:キャンプ場利用料が無料なので、
「テント張ってみたけど、子どもが途中でしんどそうなら早めに切り上げる」という柔軟なプランが組めること。
キャンプデビューの“心理的ハードル”をかなり下げてくれます。
個人的には、ここは「キャンプ場」ではなく「キャンプもできる超優秀な公園」だと思っています。
しっかりした管理棟やトイレ、明るい雰囲気の芝生サイトのおかげで、
キャンプ慣れしていないママ・パパでも「ここなら行ってみてもいいかも」と思いやすいはず。
「キャンプ道具を買ったはいいけど、まだ一度も張ってなくて…」という人は、
ぜひ潮井自然公園で“0.5回目のキャンプ”をやってみてください。
テントの立て方を試してみて、足りないもの・いらないものを整理してから、
次のステップとして吉無田やかたるの森、服掛松にステージを上げていく――そんな入り口として最高の場所です。
▶ 利用案内・申請方法:潮井自然公園キャンプ場について|益城町公式サイト
⑥ 服掛松キャンプ場(山都町)

「熊本で本気の高原キャンプするなら、どこ?」と聞かれたら、
僕がかなりの確率で最初に名前を出すのが
服掛松キャンプ場です。
九州のちょうど真ん中あたり、標高約600mの高原に広がる、
フリーサイト+オートサイト+ログハウス+コテージが勢ぞろいした大型キャンプ場。
サイトの数もロケーションのバリエーションも多くて、「ここだけで何回も通える」タイプのフィールドです。
まず、メインのフリーサイトがとにかく気持ちいい。
なだらかな芝生の丘にテントがポツポツと建っていて、奥には山都の山並みがドーンと見える。
車は横づけOKなので、荷物が多いファミリーでも安心です。
一方でオートサイトは区画がしっかり区切られていて、電源付きの区画もあり。
秋冬キャンプや連泊のときは、電源サイト+電気毛布の組み合わせが本当に頼りになります。
バンガロー・ログハウス棟もかなり種類があって、
「親子3人でちょうどいいサイズ」から「二家族でも泊まれる大型タイプ」までラインナップ豊富。
キッチン・トイレ・お風呂付きのコテージもあるので、
「テント泊はまだ自信ないけど、山の上で過ごしてみたい」というファミリーにもぴったりです。
子ども目線で見ると、ここは遊び場の宝箱みたいなキャンプ場。
遊具広場には滑り台やターザンロープがあり、場内の芝生はとにかく広い。
バドミントン、サッカー、シャボン玉、なんでもできるので、
「テント立て終わったあと、子どもがヒマそうにしている」時間がほとんど出ません。
ちょっと足を伸ばせば渓谷や滝もあり、夏は水遊びスポットとしても最高です。
- おすすめ家族像:キャンプ経験あり/連泊でしっかり遊びたいファミリー/「高原らしい景色」と「設備の安心感」を両立させたい人
- 子どもポイント:広大な芝生サイトで走り放題/遊具広場/周辺の渓谷や滝での水遊び・探検/夜は星空観察
- 親のご褒美:夕暮れに山並みがオレンジ色に染まっていくのを眺めながら、焚き火で一杯。
完全に日が落ちると、周りは本当に暗くなって焚き火の火だけがぽうっと浮かぶ時間がやってきます。
その時間は、ちょっとした瞑想タイムみたいで、頭の中の雑音がスッと消えていきます。
僕自身、服掛松には季節を変えて何度も通っていますが、
行くたびに「今回はどのサイトにしようか」「連泊してあのエリアも試してみたいな」とワクワクするキャンプ場です。
サイトのバリエーションが多いからこそ、
子どもの年齢やキャンプ経験に合わせて“ベストな一泊”を組み立てやすいのが、ファミリーには本当に心強い。
▶ 服掛松キャンプ場 公式サイト:https://www.fukukake.com/
▶ サイト案内・宿泊料金:サイト紹介・料金一覧はこちら
⑦ 歌瀬キャンプ場(山都町)

「ファミリーで絶対に失敗したくないんだけど、どこ行けばいい?」
こう聞かれたら、僕が真っ先に出す答えのひとつが
歌瀬キャンプ場です。
山都町・菅尾の高原にあるキャンプ場で、
公式もInstagramで「九州の真ん中の芝生が自慢のキャンプ場」と名乗るくらい、芝生コンディションに本気。
サイトはとにかく種類が豊富で、
電源&流し台付きのオートA・B・Cサイト、川沿いのリバーサイト、気楽なフリーオートサイト、
さらにテントサイトやバンガローまで揃っています。
どのサイトも地面はきれいな芝生&水はけ良好で、ペグもサクサク入る。
「とりあえず歌瀬にしておけば、サイト選びで大きく外すことはない」と言い切れるレベルです。
僕が最初にファミリーで泊まったのは、電源付きのオートBサイト。
区画は100㎡クラスで、ファミリーテント+タープでも余裕の広さ。
区画ごとに流し台や電源が共有で付いているので、
「夜にお湯が出るシンクで洗い物ができる」「ホットカーペットや電気毛布が使える」のは正直かなり大きい。
秋〜冬キャンプで一度この快適さを味わうと、ちょっと戻れなくなります。
設備面もファミリーキャンプ目線で死角が少ないんですよね。
炊事棟にはお湯の出る流し台、シャワー棟には洗濯機、炊事棟には共同の冷蔵庫まで。
トイレはウォシュレット付きで明るく、子どもが「トイレ行きたくない…」と言い出しにくいのも嬉しいところ。
忘れ物をしても、場内の「歌瀬アウトドアライフ」ストアで、ガス缶・炭・薪・ランタン・調理道具までだいたい揃うので、
僕は「最悪、歌瀬なら何とかなる」という安心感で荷造りをしています。
- おすすめ家族像:「失敗したくない」「安心感重視」のファミリー/秋冬のキャンプに挑戦したい家族/電源サイトでぬくぬくキャンプデビューしたい人
- 子どもポイント:全サイト芝生で走り回りやすい/夏場は子どもプール&ウォータースライダー(キャンプ利用者は無料)/ブルーベリー狩りやイベントデイもあり
- 親のご褒美:設備と売店が充実していて、忘れ物をしても致命傷になりにくいこと。
「あ、トング忘れた」「ガス足りないかも」となっても、ほぼ場内でリカバリーできます。
僕が歌瀬を気に入っている理由のひとつが、イベントの多さ。
ビギナーズキャンプ、ハロウィンキャンプ、シーズンごとの企画など、
「キャンプ場というより、アウトドア好きが集まるコミュニティの拠点」みたいな雰囲気があるんですよね。
夜、芝生サイトの明かりが少しずつ落ちていって、
それぞれのサイトで焚き火だけがぽうっと灯る時間帯があります。
そのときにふと顔を上げると、
九州山地の真ん中とは思えないくらい星がよく見える日があって、
「ああ、またここに来よう」と毎回思わせてくれるキャンプ場です。
▶ 歌瀬キャンプ場 公式サイト:http://www.utaseoutdoorlife.com/
▶ サイト情報・料金:オートサイト・フリーサイト・バンガロー案内
▶ 山都町公式情報:歌瀬キャンプ場|山都町観光ナビ
⑧ 美里の森キャンプ場 ガーデンプレイス(美里町)

「テントもいいけど、おじいちゃんおばあちゃんも一緒に連れていきたいんだよね」
そんな三世代キャンプの相談を受けたときに、僕がよくおすすめするのが、
静かな湖畔に佇む
美里の森キャンプ場 ガーデンプレイスです。
熊本市内から車で約1時間、下益城郡美里町にあるロッジ&キャンプ複合型のアウトドア施設で、
「ロッジ泊」「オートサイト」「フリーサイト」の3パターンが選べるのが最大の特徴。
まずロッジがかなり充実していて、
キッチン・バス・トイレ付きのタイプから、シンプルな山小屋風のタイプまでバリエーション豊富。
僕が三世代で利用したときは、祖父母はロッジ、僕ら親子はテントというスタイルにしたんですが、
これが本当にちょうどよかった。
「夜はちゃんとベッドで寝たい派」と「せっかくだからテントで寝たい派」が、
同じフィールドでうまく同居できるんですよね。
オートサイトは、湖畔寄りの区画サイトと、林に近いエリアに分かれていて、
どちらも車の横づけOK。
サイト自体はコンパクトめですが、そのぶん炊事棟・トイレ・ロッジ棟との距離が近くて、
小さい子ども連れでも動線が楽なのがありがたいところです。
子どもたちに人気なのは、場内にある「こどもの広場」と、石窯ピザ体験。
広場には小さめの遊具や芝生スペースがあって、テント設営の間もそこで遊んで待っていてくれますし、
予約制のピザ窯体験では、生地を伸ばして具材をトッピングして、
自分たちのピザを大きな石窯に投入。
窯の前で子どもと一緒に「まだかな、まだかな」と待つ時間が、めちゃくちゃ楽しいです。
- おすすめ家族像:三世代キャンプ/テント泊とロッジ泊を組み合わせたい家族/「キャンプ初心者だけど、失敗したくない」ファミリー
- 子どもポイント:こどもの広場での遊具・芝生遊び/石窯ピザづくり体験/湖畔の散歩道でのどんぐり拾い・虫探し
- 親のご褒美:湖面が夕日に染まる時間に、テラスやサイトでゆっくり焚き火を眺めるひととき。
テント組は焚き火を囲み、ロッジ組はテラスからそれを眺める——そんなゆるいつながり方が心地いいです。
個人的には、美里の森は「キャンプを口実に、家族でゆっくり集まる場所」というイメージ。
ガチのワイルドキャンプというより、
「自然の中にある別荘地に、みんなで遊びに来た」ような感覚に近いです。
テントだけで完結させるキャンプも良いけれど、
ロッジを組み合わせることで、家族全員のコンディションを守りながら自然時間を共有できるのは、ここならではだなと毎回感じます。
▶ 美里の森キャンプ場ガーデンプレイス 公式サイト:https://misato-camp.com/
▶ ロッジ・キャンプサイト案内:施設案内・宿泊タイプ一覧
▶ アクセス・料金:料金表・アクセス情報
⑨ 癒しの森ゆ〜かむ(山鹿市)

「温泉もプールもあって、ついでにキャンプもできたら最高じゃない?」
そんな“全部盛り”な欲張りファミリーに全力で推したいのが、
熊本と福岡の県境・山鹿市鹿北町にある
癒しの森 ゆ〜かむです。
岩野川の清流と木立に囲まれた広い敷地に、温泉・屋内プール・ジム・レストラン・キャンプエリア・合宿施設まで詰め込んだ、
まさに“アウトドア総合施設”。
キャンプエリアは、芝生のフリーサイト(ペット可)に加えて、
エアコン・冷蔵庫などが完備されたテントデッキ(2棟)、木の温もりを感じるバンガロー(3棟)が常設。
さらに、テントやギアを持っていなくても泊まれる「1泊2食まるごとセット」も用意されていて、
「キャンプしたいけど道具がまだ…」というファミリーの強い味方です。
何がすごいって、この施設だけで1日が余裕で足りないところ。
屋内プールは年中利用できて(大人600円・子ども350円)、
お風呂(露天風呂つき)は大人350〜500円、子ども200〜300円とかなり良心的。
さらにフィットネスジムやスタジオ、卓球台、里山料理レストランまであるので、
「今日はどこ行く?」じゃなくて「今日は施設のどこから攻める?」になります。笑
僕のおすすめルートは、
昼:プール → 夕方:温泉 → 夜:焚き火の“ご褒美フルコース”。
子どもたちはプールで全力で遊んで、上がったらアイスを食べて、
そのあと温泉で温まって、サイトに戻るころにはちょうど日が暮れ始める。
テント前で焚き火を起こしていると、
「もう眠い〜」と言いながら寝袋に潜り込む子どもたちと、
「いや、これは大人だけでもまた来たいね…」と思う僕ら大人たちが並ぶ、あの感じが最高です。
- おすすめ家族像:温泉もプールもキャンプも全部楽しみたい欲張りファミリー/雨でも子どもを遊ばせられる場所を探している人/キャンプ+合宿っぽい“非日常”を味わいたい家族
- 子どもポイント:屋内プールで天気に左右されない水遊び/川辺の散歩道で石集め・虫探し/広場でのボール遊びや鬼ごっこ/夏休みの“林間学校ごっこ”にもぴったり
- 親のご褒美:子どもがプールと温泉で体力を全部使い切って早めに寝てくれるので、
そのあと大浴場で一日の疲れを流してから、ゆっくり焚き火タイムに戻れること。
「今日はちゃんと自分の時間もあったな」と思えるキャンプ場って、実はかなり貴重です。
正直、ここは“THE ワイルドキャンプ”ではありません。
でも、その代わりに「便利さ」と「自然の気持ちよさ」のバランスがすごくいい。
清流・木立・星空と、温泉・プール・レストランが一緒になっているから、
アウトドア初心者の家族でも、
「ちょっと頑張る」ではなく「かなりラクして楽しむ」キャンプが実現できます。
▶ 癒しの森 ゆ〜かむ 公式サイト:https://ukamu2015.wixsite.com/mysite
▶ 山鹿市公式(観光情報・料金概要):癒しの森ゆ~かむ|山鹿探訪なび
▶ 料金・設備の詳細(キャンプ予約サイト):癒しの森 ゆ~かむ|なっぷ
⑩ ファミリーキャンプ場いもんころ(小国町)

「人が多い大型キャンプ場より、家族だけで静かに自然と遊びたい」——
そんな相談をもらったときに、僕が本気でおすすめしているのが、
阿蘇・小国の山あいにひっそりと佇む
ファミリーキャンプ場いもんころです。
住所は熊本県阿蘇郡小国町上田860。
「親子が安心して過ごせるキャンプ場」をコンセプトに、20年以上かけて育ててきたという、
ファミリー専用志向の小さなオートキャンプ場なんですよね。
フィールドは大きく分けて、車横づけOKのオートフリーサイトと、
木々に囲まれた森のサイト(ハンモック映えするやつ)に分かれています。
どちらも区画線がガチガチに引いてあるわけではなくて、
「この木とこの木のあいだ、いい感じじゃない?」と相談しながらレイアウトを決めていくスタイル。
サイト中央には「森の広場」があって、晴れている日はハンモックがかかっていたりして、
子どもたちが勝手に基地をつくり始めます。
場内を少し下ると、膝下くらいの深さの小川が流れていて、ここが完全に子どもの楽園。
石を積んでダムを作ったり、葉っぱの船を流したり、小さな生き物を探したり…。
僕が行ったときも、うちの子は気づいたら3時間近くそこで遊び倒していて、
「ゲームのことを一回も思い出してないな」と密かにニヤニヤしていました。
水深が浅めで流れも穏やかなので、未就学〜小学校低学年くらいの“川遊びデビュー”にもぴったりだと感じています。
いもんころがただの“山のキャンプ場”で終わらないのは、
自然体験プログラムがめちゃくちゃ充実しているところ。
ジャージーバターづくりや生キャラメルづくり、小国杉での木工雑貨づくり、草木染め、森のガイドウォークなど、
「今日はどの体験をセットにしようか」と親のほうが悩むレベルです。
ただ遊ぶだけじゃなくて、
“自然の中で学ぶ”をセットにできるキャンプ場って、実はそう多くありません。
- おすすめ家族像:人の少ない静かな環境で、じっくり自然と向き合いたい家族/大型キャンプ場よりも“小さなフィールド”が落ち着くタイプのファミリー
- 子どもポイント:場内の小川での川遊び/森の広場でのハンモック・秘密基地づくり/木育体験・自然遊び・環境学習プログラムで“学びもセット”にできる
- 親のご褒美:サイトに座っているだけで、谷あいを抜けていく風や鳥の声がよく聞こえる静けさ。
夜は真っ暗な森の向こうに星空だけが浮かんで、焚き火の火が心の中まで照らしてくれるランタンみたいに感じられます。
いもんころは、正直アクセスも楽ではないし、場内も派手な遊具があるわけではありません。
でも、その代わりに、「自然と向き合う時間」と「家族で向き合う時間」が、ちゃんと残るキャンプ場だと思っています。
僕はいつも、
「今回はにぎやかな高原ではなく、じっくり語り合える場所に行きたいな」というときに、いもんころを選びます。
▶ 公式サイト:ファミリーキャンプ場いもんころ
▶ 小国町公式観光情報:ファミリーキャンプ場 いもんころ|阿蘇 小国ツーリズム協会
▶ 料金・設備の詳細:ファミリーキャンプ場いもんころ|なっぷ
熊本のファミリーキャンプは季節でこう変わる|気候・持ち物・注意点

熊本で年間通してキャンプしていると、ほんっとうに季節ごとに「ぜんぜん違う遊び」になります。
ここでは、僕が実際に子連れキャンプで失敗しながら(笑)学んできた、
季節別のリアルなポイントと持ち物をがっつり共有します。
夏:標高と水遊びがキーワード
正直、熊本の平地の夏は昼間のタープなしキャンプはかなりキツいです。
僕も一度、河原のキャンプ場でタープをケチって、昼から夕方までずっと「暑い…」と言い続けていたことがあります。
それ以来、夏は基本的に
「標高が高いキャンプ場」か「しっかり水遊びできる場所」に絞ってます。
涼しさ重視なら、服掛松キャンプ場、吉無田高原 緑の村、いもんころのような
標高のある高原・山あいのキャンプ場が本当に頼りになります。
日中の気温が平地より数度低いだけで、タープ下の快適度がまったく違うんですよね。
「どうしても平地近くで夏キャンしたい」「高原まで行く体力がない」というときは、
緑仙峡キャンプ場や癒しの森ゆ〜かむみたいな、水辺でクールダウンできる場所が強い味方。
川沿いのサイトで、昼間は川遊びで体を冷やす → 夕方からテント周りでのんびりという流れにすると、かなりラクになります。
僕が夏に必ず持っていくものは、だいたいこんな感じです。
- 厚手のUVカットタープ(シェード性能が高いもの)
- 子ども用ライフジャケット(川遊び・湖畔用)
- 濡れてもOKなサンダル+替えの靴・サンダル
- クーラーボックス+保冷力高めの保冷剤(飲み物と保冷タオル用)
- 日差しの強い時間帯の「昼寝用コット」(意外と大事)
夏キャンプは「暑さ対策さえ決まれば、一気に楽しくなる」季節。
逆に言うと、ここをケチると大人も子どももグロッキーになるので、
予算が限られているなら、まずはタープと水遊び装備に全振りするのがおすすめです。
春・秋:焚き火ベストシーズン
個人的に「ファミリーキャンプの本領は春と秋」だと思っています。
昼はTシャツ〜薄手のロンTで動きやすく、
夜はフリースや薄手ダウンを一枚羽織るくらいの、ちょうどいい肌寒さ。
焚き火が気持ちいいし、虫も夏ほど多くない、いわばキャンプのゴールデンタイムです。
サイト選びは、歌瀬キャンプ場、かたるの森、美里の森キャンプ場のように、
芝生サイト+焚き火台OKのキャンプ場が最高。
子どもたちが芝生で走り回って、夕方からは焚き火のまわりでマシュマロ・焼き芋・ウインナー……と、
「火のまわりに家族が集まる時間」を一番楽しめる季節です。
春・秋キャンプでよくある失敗が、「思ったより夜が冷える」問題。
特に山都町や小国方面の高原は、日中との寒暖差が大きいので、
僕はいつも「一季節先の服装」を持っていくようにしています。
たとえば秋キャンプなら、子どもには“初冬”をイメージしたフリース・ニット帽・厚手の靴下を用意しておくと安心です。
春・秋にあると安心なものは、こんな感じ。
- 薄手ダウン or フリース(特に子ども用は1人1枚)
- ニット帽・ネックウォーマー(体感温度がかなり変わる)
- 湯たんぽ or 使い捨てカイロ(寝袋の足元用)
- 焚き火まわりで羽織れる難燃ブランケットやポンチョ
春・秋は、「昼キャンプ」と「夜キャンプ」がまったく別の顔を見せてくれます。
ぜひ、夜の焚き火タイムを前提に、ちょっと贅沢な防寒を準備してみてください。
冬:ファミリーは「暖房手段」が必須
そして冬。
ここは正直に言うと、準備と覚悟がないなら無理におすすめはしない季節です。
熊本の山間部は、夜は普通に氷点下まで下がります。
寒さ対策をミスると、大人はまだしも、子どもが「もう二度と行きたくない…」になりかねません。
それでも「冬キャンプに挑戦してみたい!」というファミリーは、
まずは電源サイト+温泉付きのキャンプ場から始めるのが安全です。
具体的には、歌瀬キャンプ場、服掛松キャンプ場、癒しの森ゆ〜かむあたり。
電源で電気毛布やホットカーペットが使えて、冷え切ったら温泉や大浴場で体を温め直せる、というのが冬の強い味方です。
僕がファミリーで冬キャンするときは、だいたいこんな構成にしています。
- 寝床:銀マット+インフレータブルマット+冬用寝袋(子どもは余裕を持ってワンランク上)
- 暖房:電源サイトでホットカーペット or 電気毛布(ダブルサイズを家族でシェア)
- 服装:子どもはスキーウェア級まで持っていく/大人は上下ダウン+フリース
- 予備プラン:「本当に寒すぎたら車中泊 or 近隣の宿に切り替える」逃げ道をあらかじめ決めておく
冬キャンプは、うまくハマると星空・焚き火・静けさの三拍子がそろうご褒美シーズンです。
ただし、ファミリーの場合は「装備・場所・天気」の3つが揃って初めて楽しめるので、
最初のうちは
・電源サイト付き
・温泉か大浴場がある
・天気予報で最低気温をしっかり確認
この3つをクリアしてからチャレンジしてみてください。
季節ごとのポイントさえ押さえておけば、
同じキャンプ場でも春夏秋冬ぜんぶ違う表情を見せてくれます。
「この前は夏に川遊びしたから、次は秋に焚き火しに行こうか」みたいに、
同じ場所に季節を変えて通ってみるのも、ファミリーキャンプの大きな楽しみ方のひとつです。
ファミリーキャンプを快適にする、おすすめキャンプ道具

「テントと寝袋があればなんとかなる」のは、正直ソロキャンの話です。
ファミリーキャンプで一番大事なのは、子どもが機嫌よく・安全に・そこそこ快適に過ごせるかどうか。
ここが整っていると、大人も「キャンプって楽しいね」と言える余裕が生まれます。
僕自身、年間で何十泊もファミリーキャンプをしてきて、
「これは持ってきて本当に良かった…!」と思った道具たちをピックアップしておきます。
- UVカットタープ:
熊本の夏の日差しは、マジで洒落になりません。
一度、簡易シェードだけで乗り切ろうとして全員バテた経験があってから、
僕は遮光・UVカット性能の高いタープを必須装備にしています。
朝〜昼のあいだ、タープの下にしっかりした日陰があるだけで、
子どもの機嫌と大人の体力の減り方が全然違います。 - 折りたたみキャリー:
駐車場からサイトまで距離があるキャンプ場(潮井自然公園の芝生サイトや、
一部フリーサイトのフィールドなど)では、キャリーの有無で疲労度が段違いです。
テント・タープ・クーラー・水・子どものリュック……と、
まとめてゴロゴロ運べるので、
「3往復 → 1往復」に減らせるイメージ。
僕はいつも、最後は子どもまで乗せて遊びながら運んでいます。笑 - ヘッドライト+小さなランタン:
子どもに一人一つのライトを持たせると、
夜のトイレタイムが「怖い時間」ではなく「探検タイム」に変わります。
ヘッドライトは両手が空くので転びにくく、
小さなLEDランタンはテント内の“自分の明かり”としても使えて安心感がアップ。
「ライト消したくない〜」と言われたとき用に、
明るさを落とせるタイプを選んでおくと便利です。 - 虫よけ&かゆみ止め:
川沿い・林間サイト・高原の夕方は、どうしても虫が多くなります。
スプレータイプの虫よけに加えて、
サイトの外周に置く蚊取り線香やベープもセットで使うと安心。
それでも刺されるときは刺されるので、
子ども用のかゆみ止め(ジェルやローションタイプ)も必ず一つ常備しています。 - 焚き火台+耐熱グローブ:
直火OKのキャンプ場は本当に少なくて、
今はほとんどのフィールドが「焚き火台必須」です。
ファミリーの場合、安定感があって薪が組みやすい焚き火台を選ぶと、
子どもと一緒に火を育てる楽しさも味わいやすい。
そして耐熱グローブは絶対にケチらないでください。
熱くなった五徳や薪を持つとき、手袋一つでヒヤっとするシーンをかなり減らせます。
どの道具も、「なくてもキャンプはできる」けれど、
あるだけで子どもの笑顔と親の余裕をかなり底上げしてくれるアイテムです。
まずはレンタルや安価なモデルから試してみて、
「うちのスタイルに合うな」と思ったものから少しずつアップデートしていくのがおすすめです。
まとめ|火を囲む時間が、家族の物語を育ててくれる
僕はこれまで、熊本だけでも何十回とファミリーキャンプをしてきましたが、
不思議なことに、子どもたちが「また行きたい!」と言うときに思い出しているのは、
立派なテントでも最新ギアでもなくて、たいていは焚き火のまわりでしゃべっていた時間なんですよね。
川のせせらぎ、木々を渡る風、パチパチと薪がはぜる音。
そういう音だけの世界にしばらく身を置いていると、
いつの間にか子どもの声も、いつもより少し柔らかく聞こえてきます。
普段はなかなか聞けない学校の話や、将来なりたいものの話がポロッと出てきたりして、
「ああ、こういう顔を見たくてキャンプに来てるんだよな」と毎回思わされます。
この記事で紹介した熊本のキャンプ場は、どこもロケーションも設備も個性豊かですが、
共通しているのは、「家族の記憶をていねいに焼き付けてくれる場所」だということ。
芝生の高原で全力疾走した日も、川遊びでびしょ濡れになった日も、
温泉に何回も入り直したグランピングの夜も、きっとあとから振り返ると全部「いい笑い話」になります。
もし、まだどこに行くか決めきれていなくても、大丈夫です。
まずは「移動時間」「子どもの年齢」「やってみたい遊び」あたりから、
この記事の中のキャンプ場を一つ選んでみてください。
その一回がきっかけで、「うちの定番キャンプ場」ができたり、
「次はもっと標高高いところ行ってみようか」と、家族の会話が少しずつ広がっていきます。
今日このページを閉じたあと、スマホのカレンダーを開いて、
まずは近い週末にぽん、と「キャンプ」と入れてみてください。
その一歩目が、数年後に
「あのとき、熊本で行ったあのキャンプさ…」と何度も語られる、家族の物語のはじまりになるはずです。
次の週末、どこかのキャンプ場で、あなたの物語を焚き火にくべてみませんか。
よくある質問(FAQ)
- Q. 子連れ初キャンプに一番おすすめのエリアは?
- A. 僕が友だち家族から聞かれたときにまず挙げるのは、
かたるの森・
潮井自然公園・
歌瀬キャンプ場・
COMMON IDOEあたりです。理由はシンプルで、「芝生サイトが多い」「トイレ・水場がキレイ」「アクセスがいい」から。
初キャンプでここがちゃんとしていると、大人のストレスが一気に下がります。たとえば、かたるの森は熊本市内から30〜40分で、
芝生オートサイト+温泉+食事処付きという安心セット。
「まずは近場で一泊試したい」という家族には、だいたいここから勧めています。
「公園感覚でデイキャンプからなら?」と聞かれたら、
2024年リニューアルの
潮井自然公園キャンプ場が鉄板ですね。 - Q. 熊本のキャンプで天候面で気をつけることは?
- A. 僕がいつも意識しているのは、ざっくりこの3つです。
① 夏の猛暑&夕立 ② 梅雨時期の長雨 ③ 阿蘇・小国エリアの冷え込み。特に阿蘇・小国・山都エリア(服掛松・いもんころ・歌瀬・吉無田など)は、
「平地の天気予報より1〜2枚多めに着るイメージ」で準備しておくと失敗が少ないです。
僕はいつも、山方面に行く日は気温アプリで「その場所ピンポイントの最低気温」をチェックしてから服装を決めています。あと、熊本は夏〜秋にかけて夕立・ゲリラ雷雨も多いので、
タープと雨具(子ども用レインウェア)は必ず車に積んでおくのがおすすめです。 - Q. 電源サイトはあったほうがいい?
- A. 僕の感覚だと、
・春〜秋の1泊 → なくてもOK(防寒装備がちゃんとしていれば)
・幼児連れ/冬キャンプ/連泊 → ほぼ必須特に小さい子がいる冬キャンプは、「電源サイト+電気毛布 or ホットカーペット」があるだけで、安心感がまったく違います。
歌瀬や服掛松、美里の森、ゆ〜かむ、かたるの森あたりは、
電源付きオートサイトや電源付きロッジ・バンガローがあるので、
初めての冬キャンや連泊はこのあたりから選ぶのをおすすめしています。公式サイトの電源情報はこちらを参考にしてください:
・歌瀬キャンプ場:公式サイト
・服掛松キャンプ場:サイト案内
・美里の森キャンプ場:施設案内
・癒しの森ゆ〜かむ:公式サイト - Q. ベビーカーは使えますか?
- A. これはよく聞かれますが、キャンプ場によって「かなり差がある」ところです。
アスファルトや舗装路が多くて段差が少ない
かたるの森、
潮井自然公園、
美里の森あたりは、
普通のベビーカーでもかなり動きやすいです。一方で、緑仙峡やいもんころのような
「段差多め・砂利・土・斜面あり」のフィールドは、
正直、抱っこ紐 or バギータイプ(タイヤ大きめ)のほうが現実的。
僕も、子どもが1〜2歳のころは「ベビーカー+抱っこ紐」の二刀流で行って、
場所によって使い分けていました。 - Q. 予約や料金はどこで確認すればいい?
- A. これは必ず公式情報を確認してください。
料金・サイト構成・休業日・予約方法は、シーズンや運営方針の変更でちょこちょこ変わります。このページでも各キャンプ場の公式サイト・自治体ページ・予約サイト(なっぷ等)へのリンクを載せていますが、
実際に予約を入れる前に、
「公式サイト → 自治体ページ → 予約サイト」の順で一度ざっと目を通しておくと安心です。たとえば:
・かたるの森:キャンプ場案内・料金
・吉無田高原 緑の村:御船町観光公式
・潮井自然公園:益城町公式
・いもんころ:公式サイト「料金が変わっていた」「予約方法がオンラインだけになっていた」みたいなことはよくあるので、
出発前に一度リンク先を確認してから計画を立てるのをおすすめします。
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「信頼できる一次情報」だけをまとめました。
※料金・営業情報はときどき変わるので、出発前に公式ページを必ず確認してください!
城南天然温泉 かたるの森キャンプ場|公式サイト
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吉無田高原 緑の村(御船町観光公式)
┗ 高原キャンプの魅力が一番伝わるのは、やっぱり自治体が出しているページ。
COMMON IDOE 公式サイト
┗ グランピング・区画サイト・カフェ情報など、実際に行く前に絶対チェック。
服掛松キャンプ場|公式サイト
┗ サイトの種類が多いので、初めて行く人は公式のレイアウト図をぜひ。
緑仙峡キャンプ場(熊本県観光公式)
┗ 「名水百選」レベルの清流についての説明は、県サイトが一番わかりやすい。
潮井自然公園キャンプ場|益城町公式
┗ 無料キャンプの申請方法はここが本家。必ず事前にチェック!
歌瀬キャンプ場|公式サイト
┗ 「九州の真ん中の芝生」への本気度が伝わるのは、やっぱりここ。
美里の森キャンプ場ガーデンプレイス|公式サイト
┗ ロッジの設備・ピザ窯体験など、プラン選びの基礎情報が全部そろってます。
癒しの森 ゆ〜かむ|公式サイト
┗ キャンプ+温泉+屋内プール。情報量が多いので公式ページが一番整理されています。
ファミリーキャンプ場いもんころ|公式サイト
┗ 小さな手作りキャンプ場だからこそ、最新情報は必ず公式で確認を。
なっぷ(キャンプ場予約サイト)
┗ ユーザーレビュー・空き状況を調べるときに一番使っています。
【公式】熊本県観光サイト「もっと、もーっと!くまもっと。」
┗ 熊本全体の季節情報・道路状況・観光情報を確認したいときの“本部”。


