能勢の谷で火を熾すと、杉の香りが夜気に溶けていく。ぱち、と薪が鳴くたび、心のざわめきがひとつずつ消えていった。
20年以上キャンプと焚き火に向き合ってきた僕が言えるのは──炎ほど正直なものはない、ということ。
火は、あなたの心の状態をそのまま映す。風が強ければ落ち着かず、湿った薪では決して燃えない。だからこそ、焚き火は“自然との対話”なんだ。
関西には、そんな対話を楽しめる名キャンプ場が数多くある。
湖畔に揺れる炎、山あいに灯る光、海風に包まれる夜──それぞれの場所に、焚き火の個性がある。
この記事では、アウトドアライターとして300泊以上のキャンプを経験してきた僕が、「本当に焚き火が心地いい」と感じた関西の14スポットを厳選。
直火OKか、焚き火台が必要かといったルールはもちろん、現地で感じた“火の表情”まで丁寧に解説する。
“火を囲む時間は、人を自由にする。”
この言葉を胸に、あなたの次の夜を燃やす場所を、一緒に見つけよう。
関西で焚き火を楽しむ前に|直火・焚き火台・防火マナーの基本
1) 直火って結局なに?|「地面で直接燃やす」行為=大半のキャンプ場でNG
直火=「地面に直接、薪を組んで燃やす」こと。関西の多くの人気サイトは芝や砂浜・湖畔を守るため直火NGです。
例えば琵琶湖の六ツ矢崎浜は直火禁止+足付き焚き火台必須が公式ルール。
高原系のマキノ高原も直火“固く禁止”で、焚き火シートの併用を求めています。
逆に大阪・能勢「自然の森ファミリーオートキャンプ場」は指定場所で直火OK。各サイトに「かまど」まで備わっていて、
直火文化を大切にしている名門。僕はここで何度も“土から伝わる輻射の暖かさ”を体で学びました。
2) 必携セットはこれ|焚き火台+防炎(耐熱)シート+火消し壺
芝サイトでは焚き火台+防炎シートが“関西標準装備”。「台だけOK」ではない場所もあります。
兵庫のハイマート佐仲は公式で「直火&焚き火台のみNG」=防炎シートを敷き、場内の木製台の上で扱うという超・具体ルール。
僕は佐仲で一度、シートの端がズレて芝を少し焦がしかけて冷や汗……。以来、四隅をペグで留めてから着火がマイルールです。
海寄りは火の粉管理がさらに重要。和歌山リゾート大島は直火禁止+焚き火台&焚き火シートを明確化。海風が強い夜は炎を低く、小割りにして制御しよう。
3) 風速・距離・消火|僕の「安全三原則」
20年以上のフィールド経験で、事故ゼロを続けてきた僕の基準を共有します。現場でマジで効きます。
- 風速の基準:体感5m/s超は中止判断。炎が横倒しになる前にやめる。高原の若杉高原おおやでも強風日は焚き火を控えます(同キャンプ場は直火禁止&焚き火台必須)。
若杉高原おおや(公式FAQ)|直火禁止・焚き火台 - 距離の基準:テント・タープから最低2m、風下の可燃物(テーブル・チェア・薪束)から1.5m離す。火の粉が飛ぶ夜はさらに+1m。湖畔や砂地は油断しがちなので要注意。
- 消火の基準:「完全消火→触っても熱くない→灰は所定へ」。
炭を砂で埋めるのはダメ(翌朝再着火のリスク)。水+かき混ぜで徹底的に冷やす。施設によっては消し炭置き場があるので必ず従う(例:若杉は分別・消し炭置き場あり)。
4) 現場で効く「超・具体」テク
- 焚き火シートは“余白”が命:直径+30〜50cmの余白を確保。端はペグで固定。僕は耐熱900℃クラスを愛用。
- 火床はいつも“浅く・広く”:薪を大量に積まない。炎の高さは膝〜腰まで。強風時は「コールマンの三脚+風防」で炎を低めに抑える。
- 薪は広葉樹7:針葉樹3:着火は針葉樹、熾火づくりは広葉樹。湖畔は湿気るので、通気のいいケースに小割を多めに。
- 片付けは“灰ゼロ主義”:痕跡を残さない。これは関西の人気スポットを守る一番の近道。
よくある質問(友人からのLINEに答える感じで)
Q. 直火できる場所、ホントにある?
A. ある。大阪・能勢の自然の森は指定場所で直火OK。各サイトにかまど付き。最初は管理人さんの説明をしっかり聞こう。
Q. 琵琶湖で“砂浜直火”ってアリ?
A. ナシ。六ツ矢崎浜は直火禁止で足付き焚き火台が必須。湖畔は景観保全の最前線だよ。
Q. 防炎シートって本当に必要?台だけじゃダメ?
A. 場所によっては台だけNG。兵庫のハイマート佐仲は「直火&台のみ禁止」→防炎シート+場内の木製台の上がルール。ここで一度怒られて覚えた(笑)。
Q. 海沿い(南紀)でのコツは?
A. 風。リゾート大島は直火禁止+焚き火台&シートが明記。海風の日は炎を低く、小割り多めで。消火→灰処理は完全に。
Q. 強風か迷ったらどう判断する?
A. 体感5m/s超はやめとこ。炎が横倒しになり始めたら即中止。僕は若杉高原おおやで星見ナイトに切り替えたこともある(ここは直火禁止・台必須)。
【大阪・能勢】家族で火を囲む名門
自然の森ファミリーオートキャンプ場|指定場所で直火OK・各サイトにかまど完備
結論:初めての“直火”を安全に体験するなら、まずここ。僕はここで直火デビューした友人を何人も連れていきました。理由はシンプル。指定場所で直火OK・各サイトにかまど完備で、スタッフさんの安全アナウンスも徹底。火床が明確だから、初心者でも「どこで・どうやって」燃やすか迷わない。
- 現地で効いたコツ:かまどは底面に余裕があるので、焚き付けは杉葉と細割を多め→熾火ができたら広葉樹にリレー。直火は輻射が足元から来るので、冬はチェアを少し後ろに引き、靴底の熱で消耗しないよう調整。
- 子連れポイント:キッズは火ばさみ係に任命。火床から半径1mの“入っていい線”を昼のうちにロープで可視化すると事故が減ります。
- 買い物・温浴:能勢方面は食材の仕入れが分散するので、行きのルートでまとめ買い推奨。温浴は能勢温泉や周辺の施設が便利。
- 静粛時間:ファミリー比率が高く、夜はとても静か。焚き火トークは声量控えめが吉。
能勢温泉キャンプ場|直火NG・焚き火台+温泉併設の癒し時間
結論:温泉×焚き火の“ご褒美ループ”。直火はNGだけど、足付き焚き火台なら問題なし。僕は“焚き火→温泉→星見→焚き火”の2ループが定番。燃焼効率のいい台+防炎シートで芝を守りつつ、片付け前に温泉へ入るなら火消し壺は必携。
- サイト選び:温浴動線を重視するなら管理棟〜温浴の距離が短い区画が便利。
- 焚き火メシ:温泉後は体が緩むので、調理はシンプルに。小割を多めで火力を微調整して失敗を減らす。
【滋賀・琵琶湖】水際&高原で燃やす焚き火
六ツ矢崎浜オートキャンプ場|直火禁止・足付き焚き火台必須
結論:湖面リフレクション×足付き台=絵になる夜。ここは直火禁止。足付き焚き火台に火の粉ガードと防炎シートのセットが鉄板。僕は風下を湖側に取り、火の粉の飛びを最小化して撮影も同時進行。水場近くは人の動線が多いので、焚き火は少し奥で。
- 風対策:湖風で炎が寝る夜は、薪を“井桁小さめ+密度高め”に組み、炎高を膝下でコントロール。
- 混雑回避:ハイシーズンは夕方直前の入場が重なるので、早着して風向き良い列を確保。
マキノ高原キャンプ場|直火固く禁止・焚き火シート併用がマナー
結論:ロケーション選びが楽しすぎる“多面体”キャンプ場。林間・芝・川原とバリエーション豊富。直火は固く禁止で、公式も焚き火シート併用を推奨。僕は“林間で熾火料理→高原で星見コーヒー”の二部構成にすることが多い。夜露が多い日は薪にタープ端をかけて湿気をカット。
- サイトの相性:川原は石の反射熱で暖かいけれど、足場は不安定。椅子はローチェア+脚ゴム付きが安心。
- 撤収術:朝露が強いので、焚き火後のシートは一度乾かす→畳むの順で。濡れたまま袋行きは臭いの元。
【京都】温泉×ブランド体験で炎を楽しむ
GRAX(るり渓)|焚き火台付きサイトで手軽にグランピング体験
結論:道具を持っていなくても“ちゃんと焚き火”ができる。焚き火台付きプランが用意されていて、食事や設備も整っているから、友だちの“焚き火デビュー”に最適。僕はここを入口にして、次回は直火文化のキャンプ場へ段階アップという流れをよく提案します。
- 楽しみ方:湯冷め前に小型ケトルで湯を回し、モクモクしないハーブティでクールダウンが最高。
- 撮影スポット:ライトの映り込みを避けたいなら、灯りの少ない側の区画へ。写真が一段上がる。
スプリングスひよし/DOD CAMP PARK KYOTO|ブランド連携の焚き火体験
結論:DODの世界観で“手ぶら〜持ち込み”まで幅広く楽しめる。手ぶらプランもあり、芝サイトでの焚き火は焚き火台+シート前提。僕はここで初心者の友達にDODギアを実際に触ってもらい、次のギア選びの基準を体感で学んでもらっています。
- 食の満足度:地産食材のBBQが旨い。焚き火→軽食→また焚き火の“間食ループ”が楽しい。
- 注意:芝保護意識が高い施設。火の粉マネジメントはいつも以上に丁寧に。
笠置キャンプ場|2022年以降直火禁止、焚き火台必須
結論:直火OKから直火禁止へ。いまは“台必須”。以前の直火可のイメージで来る人がたまにいるけれど、2022/4/1から直火禁止。僕はここで耐熱シート+火消し壺+フタ付きバケツの3点セット運用に変えました。河原は風が巻くので火の粉の方向に要注意。
【奈良・下北山】湖畔の静けさと焚き火のぬくもり
きなりの郷キャンプサイト|直火不可・焚き火台で自然を楽しむ
結論:静けさの密度が高い。焚き火の“音”を味わえる場所。芝ゾーンは直火NG。湖畔寄りは風の抜けが良いので、焚き付けは針葉樹+フェザースティックで着火→広葉樹へ。僕は就寝前に熾火を小さくまとめ、完全消火を徹底。朝の冷え込みで飲む1杯が格別。
【兵庫・淡路島】星空と海風に似合う焚き火
若杉高原おおやキャンプ場|直火禁止・星降る高原の焚き火
結論:星空が本命。焚き火は“低い炎”で長く楽しむ。直火は禁止。高原は風が読みにくいので、炎の高さは膝〜腰に抑え、風向きが変わったら即座に炉の向きを調整。ここは消し炭置き場も運用が整っていて、分別のルールが明快。星見用のダウンを一枚余分に。
ハイマート佐仲オートキャンプ場|直火NG・防炎シート+台上ルール
結論:“芝を守る”を徹底する名所。ここは直火NGなのはもちろん、焚き火台のみもNGで「防炎シート+場内木製台の上」が必須。僕も最初は戸惑ったけど、慣れると非常に合理的。火の粉で芝を焦がさないから、翌朝の景観がキレイなんです。消し炭の処理もスタッフさんが手厚い。
FBI AWAJI|全エリア焚き火OK・自由なスタイルの海辺キャンプ
結論:“映え”と“自由度”が両立する希少地。FBIは全エリア焚き火OKで、なんと直火OK(ビーチエリア除く)。ただし海風は侮れないので、僕は火床を低くして燃料は小割多め、風速が上がったら即座に焚き火台へ切替える“2段構え”で安全第一。サンセットの時間帯が、とにかく最高。
吹上浜キャンプ場|直火不可・焚き火台&シートで夜風を楽しむ
結論:海風×区画サイトで“整う夜”。ここは直火不可、焚き火台+焚き火シート推奨。温水シャワー・炊事棟が整い、家族連れでも運用しやすい。僕は砂地で脚が沈みにくいよう、台の脚に耐熱板をかませることも。風が上がる前に火床を小さくまとめる癖をつけると安全。
【和歌山・南紀】海と渓に揺らぐ炎
リゾート大島|直火不可・焚き火台+焚き火シート必須
結論:絶景と快適さのバランスが最高峰。ここは直火不可。焚き火台+焚き火シートのルールが明確。海風がある夜は炎を低く、火の粉の行方を常にチェック。音に厳しめの施設方針も個人的に好き。夜は静かに、火の音を聴けるから。
円満地公園オートキャンプ場|焚き火台OK・渓谷の静けさを楽しむ
結論:水音がBGM。焚き火の集中力が上がる。渓谷の反響で周囲の音が小さく感じられ、火に没入しやすい。焚き火台OKが公式明記で、薪販売もあり安心。僕はここで“熾火スキレット”にハマりました。低火力でじっくり、が似合う場所。
風間 陸に届いた“友だちノリ”のQ&A(実体験ベース)
Q. 直火を一度やってみたい。どこで練習すべき?
A. 自然の森。指定かまどで火床が明確。僕が友人を連れていく最初の直火スポットはいつもここ。
Q. 湖畔で燃やすなら、どっちが好き?六ツ矢崎浜 vs マキノ高原
A. 写真重視なら六ツ矢崎浜(リフレクションが出やすい)。運用の幅はマキノ高原(地形が多彩)。どちらも直火NG・台必須だよ。
Q. ギアを持ってなくても“焚き火っぽさ”は味わえる?
A. GRAXやDOD CAMP PARK KYOTO。焚き火台付きや手ぶらプランがあって、体験の入口に最高。
Q. 芝サイトの“やらかし”を避けるには?
A. ハイマート佐仲の運用が教科書。「防炎シート+台上」が体に染みると、他のサイトでもトラブルが激減する。
Q. 海風エリアの安全マイルールは?
A. リゾート大島や吹上浜は直火不可。炎は低く、小割多め、風が上がったら即縮小or消火。
Q. 直火OKの離島っぽい雰囲気、どこで味わえる?
A. FBI AWAJI。全エリア焚き火OKで、直火もOK(ビーチ除く)。ただし海風の夜は“台に切替”の判断ができる人向け。
※各施設のルールは変更される場合があります。出発前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
焚き火をもっと快適にする持ち物チェックリスト

正直、焚き火の快適さは「持ち物の質」で8割決まります。僕も昔は“なんとかなる”派だったけど、今はこのリストがないと落ち着かない。特に関西のキャンプ場は直火NGが多いので、装備が整ってるほど焚き火が自由になります。
🔥 基本セット(これだけは絶対)
- 焚き火台:足付きで高さ30cm以上が◎。地面を焦がさず空気の通りも良い。僕はSnow Peak 焚火台Lを10年愛用中。
- 防炎シート:芝を守るマナー装備。厚手のシリカファイバー製が長持ち。サイズは焚き火台より30〜50cm大きめを。
- 火ばさみ:長さ45cm以上で、先端が細いものが扱いやすい。夜間はヘッドライト+火ばさみで火の粉の制御を。
- 火消し壺:ステンレスor密閉缶タイプ。完全消火→持ち帰りまでが焚き火。LOGOS ポータブル火消し壺が定番。
- 難燃グローブ:革手袋一択。特に火ばさみを使わず薪を調整するときに違いが出る。
🌬 快適度UPの+αギア
- 風防(ウインドスクリーン):高原・湖畔では必須。炎を安定させ、燃焼効率も上がる。
- 耐熱テーブル:クッカーやケトルを仮置きできる場所を確保。地面置きより断然ラク。
- 薪:広葉樹(ナラ・クヌギ・カシ)は火持ちがよく、煙も少なめ。針葉樹は焚き付け用に少量。
- 火吹き棒:酸素コントロールが自在。熾火を再点火させるときの“魔法のストロー”。
🪵 僕のリアル愛用品(経験で残ったモノ)
- 焚き火台:Snow Peak 焚火台L
- 防炎シート:ユニフレーム 焚き火シートL
- 火消し壺:LOGOS ポータブル火消し壺
- グローブ:コロンビア 耐熱レザーグローブ
陸のひとこと:「快適=安全」です。準備を整えるほど、焚き火は静かに・美しく燃える。忘れ物チェックは焚き付けの前に。火を囲む時間を最大限楽しもう。
季節別の焚き火の楽しみ方(風間 陸の“現場最適化”メモ)

季節が変わると、同じ焚き火台でも“別の生き物”になります。僕は300泊以上のキャンプで、風・湿度・花粉・紫外線の影響を実地で叩き込みました。ここでは「具体的に何をどう変えるか」を、公式情報へのリンクと一緒に共有します。
冬:無風の夜を狙う|輻射熱を味方に
- 狙う条件:無風〜微風。体感で風速3m/s未満が理想。目安は木の葉がほとんど揺れない程度。風の強さの目安は気象庁の資料が分かりやすい。気象庁|風の強さ(PDF)
- 設営の要点:焚き火台は地面から30cm以上の足付き+反射板(リフレクター)を背面に置くと輻射熱が段違い。チェアは火からやや離し、すね〜膝に熱が当たる角度を作る。
- 薪の配合:着火は針葉樹、保温は広葉樹(ナラ・カシ)を7:3で。熾火を扇形に薄く広げると足元が温かい。
- 安全マナー:乾燥期は延焼リスクが上がる。林野庁は乾燥・強風時の焚き火を控えるよう明確に注意喚起。林野庁|山火事予防の注意 / 消防庁|林野火災への備え
- 僕のコツ:冷え込みが強い夜は、焚き火台の風下側だけ足を少し短くして火床を微傾斜に。炎が自動的にこちらへ寄り、体感温度が2〜3℃上がる(やりすぎ注意)。
夏:湖畔は湿気対策&火の粉管理を徹底
- 狙う条件:日中は紫外線が強いので、焚き火中心なら夕方〜夜。紫外線指数(UVインデックス)は気象庁の公式でチェック。気象庁|紫外線情報(分布図) / 同(推移図)
- 設営の要点:湖畔は湿度で薪が湿りがち。ドライバッグに乾燥剤を入れて小割をストック。火床は井桁小さめ+通気高めで一気に温度を上げる。
- 火の粉管理:湖風で炎が寝やすい。火の粉ガード(スパークアレスター)+防炎シートは必須。風が上がったら炎高を膝下に抑える。
- 安全マナー:強風や乾燥時は焚き火をしないのが原則。林野庁|全国山火事予防運動(2025)では“風が強い日はたき火をしない”と明示。
- 僕のコツ:湖畔では薪を斜め45°で立てかけて“煙突効果”を作ると、湿った薪でも立ち上がりが早い。写真を撮るなら、焚き火台の風下に風防を15〜20cm立てると炎の形が整う。
春秋:乾燥と花粉時期は飛び火注意
- 狙う条件:春先は空気が乾き、山火事が多い季節。林野庁・消防庁は乾燥・強風時の焚き火自粛を強く推奨。消防庁|林野火災への備え
- 花粉対策:花粉ピーク時は目と喉の刺激で火の粉への反応が遅れがち。環境省|花粉情報サイトで飛散を確認してから出発。メガネ派は耐熱クリアゴーグルが便利。
- 設営の要点:落葉期は地面の可燃物(落ち葉)が多い。焚き火台の周囲を半径1m掃き清め、防炎シートは焚き火台より30〜50cm大きく敷く。
- 風速の判断:体感5m/s前後は中止ライン(砂ぼこりが立ち、落ち葉が舞う)。数値イメージは天気ニュースの解説も参考に。tenki.jp|風速の目安
- 僕のコツ:飛び火が不安なら、薪を“短く・細く”。炎が低く密度のある火になり、管理が楽。灰は完全消火→水切り→専用袋で持ち帰り。東京消防庁の注意喚起も“強風時はたき火をしない”が基本。東京消防庁|山林での火の取り扱い
風間 陸の“友だちLINE”Q&A(実体験ベース)
Q. どのくらいの風で中止する?見た目で判断できる?
A.僕は体感5m/sを中止ライン。落ち葉が舞い始めたらアウト。数値の目安は気象庁の風の強さ表が便利。気象庁PDF
Q. 冬でも足元が寒い…どうしたら?
A.焚き火台の背面に反射板、チェアを5〜10cm後退、火床を浅く広く。靴底の熱劣化も防げる。乾燥強風日はそもそもやらない(林野庁)。
Q. 夏の湖畔で煙が多くてつらい…
A.湿った薪が原因。ドライバッグ+乾燥剤で小割りストックを作っておく。火の粉はスパークアレスター+防炎シートで管理。
Q. 春の花粉時期、焚き火はやめた方がいい?
A.やめる必要はないけど、視界と反応速度が落ちるのは事実。環境省の花粉情報を見てピーク日を外す+クリアゴーグル推奨。
Q. 夜の写真を“それっぽく”撮るコツは?
A.炎の高さを膝〜腰に抑えて形を作る。風下に小型の風防を15cm置くと炎が立つ。湖畔は水面反射が狙い目。
※記載の安全基準・注意喚起は各公的機関の情報をもとに2025年11月時点で整理。出発前に最新情報をご確認ください:消防庁/林野庁/気象庁/環境省
予約・混雑・クワイエットタイムを知って静かな夜を

関西は“人気×近場”ゆえに土日と連休は一気に埋まります。僕は取材でもプライベートでも、「予約→到着→夜の静けさ」までをセットで設計。ここでは実際に僕がやってる混雑回避ルーティン+静粛時間(クワイエットタイム)対策を、公式情報リンクつきで共有します。
1) まずは「静けさ」を確保する予約のコツ
- “静けさ優先”で場を選ぶ:22時消灯・静粛明記の施設は夜が安定。例)和歌山・リゾート大島:21時減灯/22時消灯・焚き火禁止、兵庫・若杉高原おおや:22時消灯
- ゲートクローズ時間も要チェック:夜間の出入り制限があると“深夜の車音”が減る。例)大阪・自然の森:開門7:00〜閉門21:00(平日20:00)
- 予約タイミング:連休・紅葉期は発売直後+キャンセル拾いの二段構え。金曜の夜と前日朝はキャンセルが出やすい。
- サイト位置:トイレ/水場/炊事棟の“動線直近”は避ける。端・奥・林間側が静か。湖畔は夕方以降に人が集まりやすいので1列内側を狙う。
2) 当日の“静かな夜”を作る運用テク
- 到着は明るい時間:17時以降の受付は避けると設営が静かに進む(忘れ物の再買い出しも防げる)。
- 光害コントロール:21時以降はランタンのルーメンを一段落とす。幕内はウォーム色/幕外は必要最小限。星見派には得しかない。
- 焚き火ルールの読み合わせ:施設により22時以降焚き火禁止あり(例:リゾート大島)。焚き火継続OKでも炎高は膝下に抑えて火の粉を飛ばさない。
- 音の出る行為は21時前まで:薪割り、ペグ打ち、車移動、音楽は減灯(21時目安)までに完了が基本。
3) 代表スポットの「静粛ルール」早見表(抜粋)
| 施設 | 静粛/消灯の目安 | 備考(公式) |
|---|---|---|
| 和歌山|リゾート大島 | 21時減灯/22時消灯・22時以降焚き火禁止 | 場内ルール/利用規約 |
| 兵庫|若杉高原おおや | 22時消灯、以後はお静かに | キャンプサイト案内 |
| 大阪|自然の森 | 門21時閉門(平日20時)。夜間出入り制限で静けさ確保 | 公式トップ(開門・閉門案内) |
4) 連休・紅葉期の“勝ち取り”戦術(僕の実戦ログ)
- 1か月前の発売直後に本命を押さえる(クレカ即時決済が速い)。
- 前週金曜21時/前日7時にキャンセル再チェック(仕事都合キャンセルが集中)。
- 静かな列を狙って早着(開門直後)。場によってはチェックイン時間の前から“列文化”があるので、公式の入場ルールに従う。
風間 陸の“友だちLINE”Q&A(実体験ベース)
Q. 22時消灯の後も、焚き火を小さくなら大丈夫?
A.施設次第。リゾート大島は22時以降焚き火禁止が明記。若杉高原おおやは22時消灯で“お静かに”運用。場のルールが最優先、迷ったら管理棟で確認しよう。
Q. 連休の混雑、静かに過ごす裏ワザは?
A.端サイトを指名買い+減灯時間前に火力ダウン。音量も光量も早めに落とすと、周囲も自然と合わせてくれる。さらにゲートクローズがある施設(自然の森など)は深夜の車音が減って静か。
Q. DOD CAMP PARK KYOTOみたいな賑やかな場所でも静かにできる?
A.できる。芝広場は楽しいけど音が回りやすい。早め設営で人の動線から離れた列へ。公式のQ&Aや案内も目を通しておこう:DOD CAMP PARK KYOTO|FAQ
※各施設のルールは変更になる場合があります。出発前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
まとめ|火を囲む時間は、人を自由にする
僕はこの取材で関西をぐるっと回り直して、あらためて確信しました。“静かで良い焚き火の夜”は、場所選びとルール理解で8割決まる。
直火なら大阪・能勢の自然の森(指定場所で直火OK)で芯から温まり、湖畔派は滋賀の
六ツ矢崎浜(直火禁止・足付き台必須)や
マキノ高原(直火固く禁止・シート推奨)で火を育てる。
星を浴びたい夜は兵庫の若杉高原おおや(22時消灯)へ。潮風で遊ぶなら淡路の
FBI AWAJI(焚き火OK※直火は条件確認)や
吹上浜(直火不可・台&シート)。
そして静寂を最優先する夜は、和歌山のリゾート大島(21時減灯/22時消灯・22時以降焚き火禁止)が盤石。
どの場所にも“作法”があり、それを守るほど焚き火は気持ちよく、自由になります。
これだけやれば外さない|風間 陸の最終チェック
- 公式ルールを出発前に再確認(直火可否/静粛時間/ゲートクローズ)。上の各リンクから飛べます。
- 標準装備=足付き焚き火台+防炎シート+火消し壺。芝サイトや湖畔はこれが「入場券」。
- 炎高は膝〜腰でコントロール。風が上がれば即ダウン、または消火に切り替え。
- 灰ゼロ主義:完全消火→冷却→分別。消し炭置き場のある施設は必ず従う。
- 静けさ設計:端サイト指名+光量・音量は21時までにダウン。22時消灯の場は焚き火も終える(大島など)。
風間 陸の“友だちLINE”Q&A(ラスト)
Q. 直火を1回だけ体験するなら、どこがベスト?
A.大阪・能勢の自然の森。指定のかまどがあって安全に学べる。最初はスタッフさんの説明をしっかり聞こう。
Q. 湖畔で写真も焚き火も欲張りたい!
A.六ツ矢崎浜なら水面反射が狙いやすい。直火は禁止だから足付き台+防炎シートはマストね。
Q. 家族連れで“静かな夜”を確実に取りたい時は?
A.リゾート大島の“減灯→消灯”の運用はすごく整ってる。22時以降は焚き火禁止だから、寝かしつけもスムーズ。
Q. 直火は無理でも“焚き火の満足度”を上げる一手は?
A.焚き火台+防炎シート+反射板。これだけで体感温度と炎の見え方が段違い。燃料は広葉樹メインで。
最後に(僕の本音)
300泊以上、火の前で学んだのは、焚き火は“自分の整え方”そのものってこと。
ルールを知って道具を整え、場を尊重する。すると、驚くほど静かで濃い夜がやって来る。
さあ、次の週末はどこで燃やそう? 公式の最新情報をチェックして、あなたのベストな一夜を掴みにいこう。
迷ったらこの3つから:自然の森(直火OK)/
マキノ高原(シート推奨)/
リゾート大島(減灯・消灯徹底)。
※本記事の施設ルールは2025年11月時点の各公式情報を確認した内容です。最新の運用は必ず公式サイトをご確認ください。
よくある質問(FAQ)
ここは僕(風間 陸)が、実際に友人からLINEで聞かれて“何度も”答えてきた内容をまとめたコーナー。
すべて公式情報のリンクと現場での実体験をセットで載せます。迷ったらこのページをブックマークしておいて。
Q1. 関西で直火OKのキャンプ場はありますか?
A.ある。大阪・能勢「自然の森ファミリーオートキャンプ場」は指定場所で直火OK&各サイトに「かまど」あり。直火文化を丁寧に守っている貴重な場所です。
- 僕の現場メモ:最初はスタッフさんの説明をしっかり聞く。焚き付けは細割+杉葉→熾火ができたら広葉樹へ。足元の輻射が効くので、靴底の劣化防止にチェアは5〜10cmだけ後退。
- 公式リンク:公式トップ / Q&A(直火可の明記)
Q2. 琵琶湖畔で直火はできますか?
A.できません。代表例として高島市の六ツ矢崎浜オートキャンプ場は直火禁止・足付き焚き火台必須。マキノ高原も直火固く禁止で焚き火シート併用が案内にあります。
- 僕の現場メモ:湖風で炎が寝るので、薪は井桁を「小さく・密度高め」に。炎高は膝下。スパークアレスター+防炎シートは必携。
- 公式リンク:六ツ矢崎浜(公式) / マキノ高原(予約案内に直火禁止)
Q3. 京都・笠置キャンプ場は今も直火OK?
A.いいえ。笠置町公式の通り、2022年4月1日から直火禁止です。観光協会ページにもルールが明記されています。
- 僕の現場メモ:河原は風が巻くので、焚き付けは小割多め→炎は低く。耐熱シートは焚き火台より30〜50cm大きめを敷くと安全域が広がる。
- 公式リンク:笠置町:直火禁止告知 / 観光協会:キャンプ場案内
Q4. 焚き火台だけで大丈夫ですか?
A.多くの芝サイトでは防炎(耐熱)シート併用が基本。特に兵庫のハイマート佐仲は「直火&焚き火台のみNG」→防炎シート+場内木製台の上という独自ルール。ここで一度運用を体に入れると、他のサイトでもトラブルが激減します。
- 僕の現場メモ:シートは四隅をペグ止めしてズレ防止。端がめくれると芝を焦がしがち。夜露で濡れたら朝に乾かしてから収納。
- 公式リンク:ハイマート佐仲:利用規則 / 同PDF
Q5. 焚き火が禁止になる条件は?
A.施設ごとの判断+公的機関の注意喚起。目安として体感5m/s以上の風は中止ライン。気象庁の「風の強さ表」でイメージを掴んでおくと判断が速い。乾燥・強風時は林野庁や消防庁もたき火自粛を推奨しています。
- 僕の現場メモ:落ち葉が舞い始めたらやらない。炎が横倒しになったら即ダウンまたは消火。判断が遅れるとだいたい後悔する。
Q6. 静かな夜を取りたいとき、どの施設が安定?
A.“時間運用が明確”な施設。たとえば和歌山のリゾート大島は21時減灯/22時消灯・22時以降焚き火禁止が明記。兵庫の若杉高原おおやも22時消灯。大阪の自然の森は21時閉門で深夜の車音が少なく静か。
Q7. 予約のタイミングと“静かな区画”の取り方は?
A.連休・紅葉期は発売直後+前週金曜21時/前日朝のキャンセル拾いが鉄板。区画はトイレ・水場・炊事棟の動線から一列内側、湖畔は夕暮れに人が集まるので端か林間寄りを指名買い。
Q8. 薪は何を買えば間違いない?
A.広葉樹(ナラ・クヌギ・カシ)メインで火持ち重視。着火だけ針葉樹を少量。湿った薪に当たることが多い湖畔では、小割りをドライバッグ+乾燥剤で常備すると立ち上がりが段違い。
Q9. 灰や炭の処理はどうしてる?
A.原則は完全消火→冷却→分別。施設に消し炭置き場があるなら必ず従う(例:若杉高原おおや)。置き場がない・分からない時は火消し壺で持ち帰り。埋めるのは絶対NG(再燃の危険)。
Q10. 直火は無理でも“満足度”を上げたい…コツは?
A.反射板(リフレクター)+炎高コントロール。チェアを5〜10cm後退、火床は浅く広く、炎は膝〜腰。写真も映えるし、体感温度が上がる。
※各施設の規約は変更される場合があります。出発前に必ず最新の公式情報をご確認ください:自然の森/六ツ矢崎浜/マキノ高原/笠置/ハイマート佐仲/リゾート大島/若杉高原おおや。公的機関:気象庁「風の強さ」/林野庁/消防庁


