キャンプは「自然と人の距離を取り戻す時間」だと、僕は思っている。
テントを立て、火を起こし、湯気立つコーヒーをすする――。その一連の所作が、いつの間にか心を整えてくれる。
ただ、最初の一歩でつまずく人も多い。
「テントが立てられない」「夜寒くて眠れない」「道具の違いがわからない」。
僕自身も若い頃、雨に打たれながらペグを探し、寒さで眠れなかった夜がある。
でも、あの失敗が教えてくれた。
“正しい道具選びこそ、キャンプの快適さを左右する”ということを。
この記事では、アウトドアメーカー勤務時代に世界中のキャンプ場でフィールドテストを重ね、
独立後も年間200本以上のギアレビューを執筆してきた僕が、
「初心者でも失敗しないキャンプ用品」を、コスパ・性能・デザインの3軸で徹底比較する。
自然を楽しむことは、決して“難しいこと”じゃない。
正しい道具と、少しの知識があれば、誰でも焚き火のぬくもりに包まれる夜を迎えられる。
さあ、あなたの“最初の夜”を、最高の思い出にしよう。
――風間 陸(アウトドアライター/キャンプギア評論家)
初心者キャンプの「最初に揃えるべき道具」リスト
全部は要らない。まずは“失敗しない核”だけ。メーカー時代からフィールドで300泊以上テストしてきて、結局ここを押さえると初回から快適になります。僕が友だちに本気で勧める基準でいきます。
カテゴリ | 推奨タイプ | 基準 & 僕の現場ポイント(公式リンク付き) |
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テント | ドーム型 or ワンタッチ |
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寝袋 | 3シーズン(快適0〜5℃) |
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マット / コット | まずはインフレータブル |
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チェア&テーブル | 軽量・折りたたみ |
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ランタン | まずはLED(+余力でガス/液燃) |
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バーナー&クッカー | シングル+深型クッカー |
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焚き火台 | 折りたたみ・安定重視 |
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僕の「これでスタート切れる」最小セット(コスパ重視でも満足度MAX)
- テント:Colemanドーム or DODワンタッチ(前室あり推奨)
- 寝袋:3シーズン(Colemanマルチレイヤー or NANGA 450DX)
- マット:インフレータブル5〜6cm + 余裕あればZ Lite下敷き
- ランタン:LEDメイン1+テント内ミニ1(Colemanカテゴリから選定)
- 火まわり:SOTO ST-310+深型クッカー1L前後
- 焚き火台:UNIFLAME ファイアグリル
本音:快適性のボトルネックはマットと照明計画。この2つを外さなければ初回から勝てます。次は、この核セット前提で実売価格と重さまで踏み込んだ具体モデル比較に進みます。ワクワクする買い物、ここから一緒に!
初心者におすすめのキャンプ用品ランキングTOP10
このランキングは、僕(風間 陸)がメーカー時代~独立後まで実戦300泊で使い倒した“失敗しない核ギア”だけ。
評価基準は 設営のしやすさ/快適性/コスパ/デザイン性 の4軸+「初回から気持ちよく使えるか」。テンション高めでいきます!
🥇1位:Coleman タフドーム/3025
評価:★★★★★
推す理由:初回設営15〜20分で形になる“安心の教科書”。アルミメインポールで風に強く、前室が広いから雨夜でも靴・荷物が濡れにくい。
現場メモ:深夜の通り雨でフロア浸水ゼロ。耐水圧約2,000mm級の実力はビギナーの味方。
Coleman公式:タフドーム/3025
🥈2位:Snow Peak エントリーパックTT(テント+ヘキサタープ)
評価:★★★★☆
推す理由:テント+タープの“完成形”が一気に揃う。3本フレームで設営シンプル、悪天候の受け流し設計で安心感が高い。
現場メモ:タープ下での調理・雨待ちが快適で、キャンプの“余白”が急に楽しくなる。
Snow Peak公式:エントリーパックTT
🥉3位:DOD ワンタッチテント T2-629
評価:★★★★☆
推す理由:傘みたいに開いて30秒。夕方イン時でもサクッと建てて焚き火に直行できる。ソロ〜2人で荷物も中に置ける余裕あり。
現場メモ:撤収も速い。夜更けの小雨での“やる気低下”を防ぐ圧倒的時短力。
DOD公式:ワンタッチテント T2-629
4位:BUNDOK ソロドーム1(BDK-08)
評価:★★★★☆(コスパ特化)
推す理由:1万円台前半で前室付き・アルミポール。軽量2kg台でミニマル装備の入門にベスト。
現場メモ:春〜秋の晴れ予報で“サクッと一泊”したい日に抜群の取り回し。
BUNDOK公式(KAWASE):ソロドーム1
5位:LOGOS ROSY ファミリーベンチテーブルセット
評価:★★★★☆
推す理由:イス+テーブルが“一気に整う”スターター。高さ・安定感がビギナーにちょうど良く、サイトが一気に“食べやすい”空間になる。
現場メモ:料理→食事→カフェの流れがスムーズで、滞在満足度がグンと上がる。
LOGOS公式:テーブル/チェア関連一覧
6位:SOTO レギュレーターストーブ ST-310
評価:★★★★★(火力安定)
推す理由:低温の朝でも火が出るマイクロレギュレーター。点火性・安定性が段違いで、初コーヒーが“ちゃんとうまい”。
現場メモ:風が出てもゴトク安定、クッカー作業が怖くない。
SOTO公式:ST-310
7位:UNIFLAME ファイアグリル
評価:★★★★★(定番の安心)
推す理由:焚き火・炭火調理・ダッチOKの万能台。五徳がしっかりで初めての料理でも安定。
現場メモ:灰受け広め=消火・片付けが速い。翌朝の撤収が10分は短くなる体感。
UNIFLAME公式:ファイアグリル
8位:Snow Peak キャンピングマット2.5w(TM-193)
評価:★★★★★(寝心地ブースター)
推す理由:約6.2cm厚のインフレータブルで“布団感”に近づく。地面の冷気をカットして寝袋性能を引き出す。
現場メモ:「テント変えた?」ってくらい寝起きのラクさが違う。最優先投資はマットでOK。
Snow Peak公式ストア:TM-193
9位:Therm-a-Rest Z Lite SOL
評価:★★★★☆(下敷きで真価)
推す理由:折りたたみ式のクローズドセル断熱で、単体でも・マットの下敷きでも保温UP。
現場メモ:銀面を上にすると体感が一段暖かい。マット下に敷くだけで結露の冷えが和らぐ。
Therm-a-Rest公式:Z Lite SOL
10位:Coleman クアッドマルチパネルランタン
評価:★★★★☆(夜の作業効率)
推す理由:取り外せる4枚パネルで“置く・吊るす・配る”が自在。IPX4相当で突然の小雨にも強い。
現場メモ:テント内・サイト・トイレ移動まで全部これ一台で回る。家族・グループでも強い。
Coleman公式:クアッドマルチパネルランタン
まとめ(当事者の本音):「テント+マット+灯り」が快適性の三本柱。ここが決まると初回から“焚き火タイムに集中”できます。上位はどれを選んでも勝てる布陣。迷ったら1→6→7の順で固めるのがおすすめ。
コスパ・性能・デザインで選ぶ!初心者向けキャンプブランド比較
キャンプギアを選ぶとき、迷うのが「ブランド選び」。
僕はアウトドアメーカー勤務時代、国内外の展示会で何百ものブランドと会ってきたけれど、初心者が安心してスタートできるのは、やっぱりこの5社。
どれも「買って後悔しない」理由が明確にある。
ブランド | 特徴 | おすすめ度 |
---|---|---|
Coleman(コールマン) |
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★★★★★ |
Snow Peak(スノーピーク) |
|
★★★★☆ |
DOD(ディーオーディー) |
|
★★★★☆ |
LOGOS(ロゴス) |
|
★★★★☆ |
BUNDOK(バンドック) |
|
★★★☆☆ |
風間陸のまとめ:
“ブランド=キャンプの性格”みたいなもの。
Colemanは頼れるベテラン、Snow Peakは職人気質、DODは陽気な冒険家、LOGOSは家族想いの友人、BUNDOKはコスパを極めた相棒。
どれを選んでも正解だけど、「自分がどんな時間を過ごしたいか」を基準に選ぶと、道具がちゃんと味方になってくれる。
初キャンプを快適にする+αの便利アイテム
キャンプって、基本装備だけでも楽しめる。でも“あと少し”を足すだけで快適度が一気に跳ね上がる。
僕がこれまでに現場で「うわ、持ってきてよかった…!」と何度も実感した、+αの名品を紹介する。
1. ポータブル電源&モバイルバッテリー
最初は「必要ないかな?」と思ってたけど、2泊目以降や雨天キャンプでは完全に必需品。
夜の照明・スマホ・カメラ・LEDランタンの充電がこれ一台で回る。
特に僕はJackery(公式)の400〜700Whクラスを愛用中。
小型クラスでもACコンセント対応で、ランタンを点けっぱなしでも翌朝余裕。
現場メモ:冷えた朝に湯沸かしケトルを動かしたとき、「文明ってすげぇ」って思う。
2. 折りたたみ式ランタンスタンド
灯りの高さ=快適さ。これ、冗談じゃない。
テーブル上の影が消えるだけで調理も読書も格段にやりやすくなる。
Snow Peakの「パイルドライバー」は鉄板。
打ち込むだけで高さ調整自在、設営も撤収も1分以内。
現場メモ:夜風に揺れる灯りの高さが一定だと、サイト全体が“整う”。地味だけど感動するレベル。
3. シェラカップ&調味料ケース
キャンプ慣れてくると料理がしたくなる。
そのとき手元に「お気に入りの器」があるだけでテンションが変わる。
Snow PeakやUNIFLAME(公式)のステンレス製シェラカップは丈夫で、直火OK。
調味料ケースはLOGOSの「スパイスBOX」が整理力抜群。
現場メモ:焚き火を眺めながら、シェラカップでスープをすする瞬間──あれが外ごはんの醍醐味。
4. 防虫アイテム(蚊取り・虫よけキャンドル)
夏場はこれがないと始まらない。
金鳥(KINCHO)公式サイトの蚊取り線香や、
Colemanの「シトロネラキャンドル」は香りが自然で心地いい。
テント周りを3点囲むと効果絶大。
現場メモ:虫が寄らないだけで会話のテンポが違う。夜が静かになる。
5. インフレータブルマット(寝心地アップグレード)
初心者こそ“寝心地”に投資した方がいい。
Snow Peak キャンピングマット2.5w(公式)は厚み6.2cmで寝返りが打てるほど快適。
空気を入れるだけで地面の凹凸が消え、テント泊の印象が180度変わる。
現場メモ:初めてこれで寝た朝、「あ、キャンプってこんなに疲れ取れるんだ」って素で思った。
6. あると世界が変わる“小物”たち
- 折りたたみシンク(洗い物が速く済む)
- ステンレスピンチハンガー(乾燥効率UP)
- 耐熱グローブ(焚き火・料理兼用)
- カラビナ+パラコード(サイト整理・吊り物用)
現場メモ:こういう“小技ギア”が増えてくると、もう完全にキャンプ沼。笑
風間陸のまとめ:
キャンプは“我慢の遊び”じゃない。
道具を少し整えるだけで、夜の時間が驚くほど豊かになる。
特に灯り・寝心地・電源は「快適さの三種の神器」。
この3つを揃えた瞬間、あなたのキャンプは「苦行」から「至福」に変わる。
よくある失敗とその防ぎ方(風間陸の実体験)
キャンプ歴が長くなると笑い話にできるけど、初心者の頃は本気で泣きそうになる“失敗”がある。
僕も何度もやらかした。ここでは実際に僕が現場で経験した失敗と、
「もう二度と同じ思いをしないための対策」を、全部包み隠さず話そう。
❌ 失敗①:設営に時間がかかり、日が暮れる
当時の状況:初キャンプ、昼過ぎ到着。説明書を読まずにテント設営に挑戦。結果、ペグの向きも分からず、気づけば夕暮れ。ヘッドライト片手に汗だくで設営…。
これ、99%の初心者が通る道。
対策:
✅ ワンタッチテント(例:DOD T2-629公式)を選ぶ。
✅ 初回は必ず“自宅 or 公園”で試し張り。
✅ 設営動画を事前にチェック(Coleman公式HOW TO動画が超分かりやすい)。
現場メモ:15分で張れると夕方が一気に楽になる。夜の焚き火準備に余裕が生まれる。
❌ 失敗②:夜、寒くて眠れない
当時の状況:春先の高原キャンプ。最低気温3℃。安い寝袋1枚で挑んで、夜中に震えて起きた。
息が白くなる中、タオルとレインウェアを重ね着して朝を迎えたけど、正直キツかった。
対策:
✅ 快適温度5℃以下の3シーズン寝袋を選ぶ(NANGA 450DX公式など)。
✅ マットを厚くして地面冷気を遮断(Snow Peak TM-193公式)。
✅ カイロ or 湯たんぽを寝袋にIN。
現場メモ:寒さは心を折る。けど、対策すればキャンプの夜は最高の寝心地になる。
❌ 失敗③:忘れ物でキャンプが崩壊
当時の状況:「ライターを忘れた」。それだけで、焚き火も料理もできなかった夜。
隣のサイトの人に火を分けてもらって、心に刻んだ──チェックリストの大切さ。
対策:
✅ 出発前にスマホメモで「前日・当日・帰宅後チェックリスト」を作成。
✅ 焚き火・照明・寝具系は必ず手持ちバッグにまとめる。
✅ 可能ならサブの着火アイテムを1個常備。
現場メモ:チェックリストを“ルーティン化”できると、キャンプがぐっと楽になる。
❌ 失敗④:焚き火がうまくつかない
当時の状況:湿った薪しかなく、火が消えては吹き、消えては吹き…。
夜風の中で30分悪戦苦闘して、ようやくついた炎はまさに“ご褒美”。
対策:
✅ 着火剤+乾燥薪を必ずセットで持っていく。
✅ 火吹き棒で酸素を送りながら焦らず育てる。
✅ 初心者は焚き火台の空気流通構造をチェック(例:UNIFLAME ファイアグリル公式)。
現場メモ:焚き火は“育てる炎”。焦ると逃げる。ゆっくり向き合えば、火はちゃんと応えてくれる。
❌ 失敗⑤:雨撤収でギアがびしょびしょ
当時の状況:朝方に雨、撤収時に泥だらけ。テントもチェアも濡れたまま車へ。帰宅後、干す場所がなくて地獄だった。
対策:
✅ 100均のビニール袋+収納袋で濡れ物を分ける。
✅ テントのフライだけでも軽く拭く。
✅ 可能ならタープを最後まで残して“雨の屋根”にして作業。
現場メモ:雨撤収ができるようになると、「もう初心者じゃない」と実感する。
風間陸のまとめ:
キャンプは、失敗から始まる。
でも、ひとつ乗り越えるたびに自然との距離が近づく。
焚き火の煙も、寒さも、虫の音も──全部、外で生きる“学びの証”だ。
まとめ|“最初のキャンプ”を最高の思い出にするために
ここまで読んでくれたあなたは、もう立派な“キャンプの入り口”に立っている。
道具の名前も、選び方も、なんとなくわかってきたはず。
でもいちばん大事なのは、完璧に揃えることじゃない。
僕も最初のキャンプでは、焚き火を失敗して、夜は寒くて、朝は顔がむくんでた。
それでも――あの朝の空の青さと、コーヒーの香りだけは、今でも鮮明に覚えている。
「また行きたい」と思えた瞬間こそが、最高のスタートラインだった。
キャンプは、失敗を楽しむ遊び。
だからこそ、最初から高価なギアに頼らなくてもいい。
大切なのは、自分に合った道具と、ちょっとした準備。
それだけで自然の中の時間が何倍も楽しくなる。
あなたがこの記事を閉じたあと、もし「ちょっと外に出てみようかな」と思えたら、
それがもう最初の一歩。
そして焚き火の前で笑ってるあなたに、きっと僕はこう声をかけると思う。
「ようこそ、外の世界へ。これからが本当のキャンプの始まりだ。」
風間 陸(アウトドアライター/キャンプギア評論家)
メーカー勤務を経て独立。国内外300泊以上のキャンプ経験から、
「失敗しないキャンプの始め方」をテーマに執筆。
最新情報は Camp Style Journal で発信中。
FAQ|初心者のよくある質問
Q1. すべての道具を揃えないとキャンプはできませんか?
いいえ。最初はレンタル+最低限の自分ギアで十分です。
最近はhinataレンタルなど、
公式レンタルサービスでテント・寝袋・ランタン一式を借りられます。
買うのは「次も行きたい」と思えたタイミングでOK。
Q2. テント設営が不安です。どうやって練習すればいい?
自宅の庭や公園で1回“試し張り”するだけで全然違います。
Coleman公式HOW TO動画では、
設営手順をわかりやすく解説しているのでおすすめ。
Q3. 初心者でもソロキャンプはできますか?
もちろんできます。
まずはトイレ・炊事場が整ったオートキャンプ場から始めましょう。
例えばCAMP HACKで「初心者向けキャンプ場特集」をチェックすると失敗しにくいです。
Q4. 雨予報の時はキャンプを中止した方がいいですか?
慣れるまでは無理せず中止でOKです。
雨キャンプを楽しむのは、防水装備と撤収技術が整ってから。
ただし、Snow Peak エントリーパックTTのような
高耐水テントなら小雨程度は安心です。
Q5. 初心者におすすめの季節はいつですか?
5〜10月がベスト。虫が少なく、夜も快適。
春と秋は気温差があるので寝袋の快適温度を要確認(目安5℃〜0℃)。
参考情報・引用元
この記事は、以下の一次情報・公式サイト・専門メディアをもとに構成しています。
- Coleman Japan公式サイト(製品スペック・設営ガイド)
- Snow Peak公式サイト(製品・ブランド哲学・修理情報)
- DOD公式サイト(テント・チェア製品情報)
- LOGOS公式オンラインショップ(ファミリー向けアイテム)
- BUNDOK公式サイト(ソロ向け軽量ギア情報)
- UNIFLAME公式サイト(焚き火台・調理ギア)
- SOTO公式サイト(ストーブ・バーナー製品詳細)
- NANGA公式サイト(ダウンシュラフ製品情報)
- BE-PALオンライン(小学館)(アウトドア専門記事)
- CAMP HACK(最新キャンプギア比較)
※注意: 各製品の価格・仕様・販売状況は2025年10月時点の情報です。購入前に必ず公式サイトをご確認ください。