——夕暮れ、最初の薪が割れる音。湖面が群青に染まり、空と水の境界が消えていく。
僕は焚き火台の脚を確かめ、芝を守るシートを敷く。
火を地に置くことの意味を、300泊を超えるキャンプの中で学んできた。
北海道のキャンプ場を取材して十数年——直火の許可がある場所は、いまや“文化財”のように貴重だ。
けれど、守るべきルールを知っていれば、火はもっと美しく燃える。
火と湖と星。その三つが出会う瞬間に、人は自然と心を取り戻す。
その場所を、僕はこの地図の中にすべて記した。
本記事の使い方|「直火可・湖畔・星空」で探す完全マップ2025
このマップは、「直火可」×「湖畔」×「星空」の3条件で北海道のキャンプ場を一気に横断できる“実戦用ガイド”です。僕(風間 陸)はこれまで300泊以上、道内も各地取材してきました。現地で本当に使える目線で、まずは次のポイントだけ押さえてください。テンション上げていきましょう。
まずブックマーク!公式の一次情報(予約・ルールは必ずここで再確認)
- 支笏湖・モラップ(休暇村公式):https://www.qkamura.or.jp/shikotsu/camp/
- 支笏湖・美笛(公式案内):https://www.shikotuko.jp/ja/guide/ / 予約・注意事項:https://www.shikotuko.jp/ja/checklist/
- かなやま湖畔(南富良野 公式/観光公社):https://minamifurano-kousya.com/camp.php / 行政ページ:https://www.town.minamifurano.hokkaido.jp/all-facility/camp/
- 朱鞠内湖(公式):https://www.shumarinai.jp/accommodation/camping/
- 直火サークルあり:焚き火キャンプ場 士別ペコラ
- 直火可サイトあり:えこりん村 “SHEEP SHEEP” CAMPING FIELD
「直火可」の定義(ここ大事。誤解しやすい)
近年は自然保護の観点から、北海道の多くのキャンプ場が直火禁止=焚き火台必須です。例えば、
- モラップ(支笏湖)は公式ページに「直火は禁止」と明記。焚き火台・コンロを使えばOKです(詳細は上記リンク先)。
- 美笛(支笏湖)も「直火は禁止」。炭の捨て方や時間帯の注意が細かく書かれています。
一方で、例外的に直火を楽しめる場所もあります。士別ペコラは石造りの直火サークルでの焚き火が可能、えこりん村は区画の一部に直火可サイトが設定されています。どちらも「指定場所の中だけ」という条件付き。ここを守れる人だけが楽しめる“特権”だと思ってください。
このマップの見方(僕の実体験ベースで解説)
- 🔥 直火可:「指定サークル or 指定区画のみ直火OK」。場外直火は一発アウト。僕は耐熱板+火消し壺も必携にしています。
- 💧 湖畔:水辺まで徒歩1分以内 or 湖面ビュー。風の通り道になるので、風速7m/s超は焚き火をやめるのが僕の基準。
- 🌌 星空:光害が少ない・視界が開けているサイトを“具体的に”記載。朱鞠内湖は特に星景撮影の相性が抜群(寒暖差の体感は本州の晩秋クラス)。
当事者目線の“使い倒し”ガイド
- 予約と規約は必ず公式で二度見。まとめサイトは便利だけど、直火可否や閉場日がズレることがあります。リンク集から各公式へ飛んで、「直火」「焚き火」「炭・灰の処理」「静粛時間」の4点を確認。
- 直火サークルは「装備で質が変わる」。士別ペコラの石サークルは素晴らしいけど、耐熱手袋・火ばさみ・火消し壺・送風具の有無で片付け時間が倍変わる。僕は消火→余熱管理→灰の処理まで15分一本勝負で回すのが定番。
- 湖畔は風と冷え。支笏湖は日没後の体感がグッと落ちます。焚き火シート+脚高台+ウインドスクリーンが安心。火の粉でタープを溶かさない位置取り、これ超重要。
- 星空は「灯りを消す人」から見える。朱鞠内や富良野方面は、サイトの照明配慮が行き届いている場所が多い。赤色ライト運用+就寝帯のマナーで、みんなが天の川を共有できます。
こんな時はここへ(具体ルート例/僕の推し方)
- “直火の原点”を味わいたい:士別ペコラ(石サークルで直火)。羊の気配と炎の音、これだけで来た価値あり。
- “青い湖×星”で王道:モラップ → 美笛。どちらも直火は禁止なので焚き火台運用が基本。
- “家族で湖畔デビュー”:かなやま湖畔。芝がきれいで動線が素直。風が出たら焚き火は早めにクローズ。
- “星景を撮りに行く”:朱鞠内湖。結露対策(レンズヒーター or 使い捨てカイロ+ゴム)で歩留まりが激変。
- “牧場×直火サイト”を推し体験:えこりん村の直火可サイト(区画限定)。シートと耐熱板は必ず。
※現地ルールは更新されます。直火の可否・焚き火台の必須可否・静粛時間・灰の処理は、必ず当日の公式情報で最終確認してください。
よくある質問(友だちからのDMに僕が即レスする感じで)
Q. 「直火可」って、好きな場所で燃やしていいの?
A. ダメ。指定サークルや指定区画だけがOK。例えば士別ペコラは石の直火サークル内のみ、公式でもその前提。場外直火は一発アウトです。
Q. 支笏湖で直火できる?
A. できません。モラップも美笛も直火は禁止。モラップ公式/美笛公式に明記あり。焚き火台+シートでスマートに。
Q. 風が強い時、どうしてる?
A. 風速7m/sで即中止が僕のルール。続けるなら火床は低く、小割材で空気を回し、開口を風下に。湖畔は風の通り道だから無理せず撤退が最適解。
Q. 子連れで星を見たい。どこが安心?
A. かなやま湖畔の芝サイトは動線が読みやすい。赤色ライト運用+焚き火の周囲に“見えない結界”(ロープやチェア配置)で安全度が上がるよ。
Q. 星景撮影の最短レシピを教えて!
A. 広角(14〜24mm)+三脚で、まずはISO 6400 / F2.8 / 10秒。ピントはライブビュー最大拡大で星に合わせる。曇ったら焚き火の長秒露光(1〜2秒)で“炎の筆”を描くと作品化できる。
Q. 公式情報とポータルで直火表記が食い違う時は?
A. 100%公式優先。この記事のリンク集から各公式へ飛んで、その日の告知を確認。僕も遠征前は必ず二度見してます。
【直火可】北海道の“火を地に置ける”特別サイト

士別ペコラ|直火サークルで「焚き火の原点」に還る
ここは“直火ができる”と公式に明言している、道内でも超レアなキャンプ場。しかも石造りのストーンサークル(直火炉)が各サイトに用意されていて、芝や地面を傷めない設計。直火OKでも「どこでも自由に」はNG。サークル内で丁寧に焚くのがこの場所のルールであり、作法です(公式に「直火可能なストーンサークルをご用意」と明記:公式)。
僕の実体験ポイント:初めて火を落とした夜、風が止んだ瞬間に“ごうっ”と炎柱が上がり、薪の芯まで乾いていることがわかる音がしました。サークルは熱がよく回るので、焚き初めは細割りの比率を高めに。慣れてきたら太薪でゆっくりロングバーンに移行。火床が低い分、イスの座面も低めがベスト(僕はローチェア+耐熱手袋&火ばさみを常備)。
- 焚き付け:フェザースティック+松ぼっくり少量。着火剤は使い切りタイプで痕跡ゼロ。
- 消火:火消し壺→翌朝まで余熱管理→灰は完全鎮火後に指示に従って処理。
- 耐熱対策:サークル外には絶対に灰や炭を落とさない。軍手より耐熱グローブ必須。
環境の魅力:日中は放牧の気配がゆるく流れ、夕方は羊の声が遠くでこだまする。消灯後は、風の切れ間に北斗七星と火の粉が同期する瞬間があって、その時間のために来たと言い切れるほど。
えこりん村 “SHEEP SHEEP CAMPING FIELD”|直火サイト×牧場の星空
→ えこりん村 公式「SHEEP SHEEP CAMPING FIELD」
札幌から約40分。ここはサイト設計がユニークで、「かまどサイト」では直火が可能、逆に「かまどサイト以外は直火禁止」と公式が明記しています(焚火・火の取り扱い:公式の「かまどサイト以外は直火禁止」の項目をチェック)。つまり、直火をやるなら“かまどサイト”一択。ここ、誤解しやすいので注意!
僕の実体験ポイント:“かまどサイト”は風の抜けが思ったより素直。焚き火シート+耐熱プレートは念のため持参(僕は直火でも敷く派)。牧草地の向こうに落ちる星は、街の近さを忘れるレベル。夜は22時消灯の運用もあって(公式の他のお客様への配慮の項を参照)、星見にはむしろ好都合でした。
- 直火ルール:「かまどサイト以外は直火禁止」明記(公式)
- 消灯・騒音・花火の可否など場内ルール:利用案内(公式)
装備のリアル:僕はここでも火消し壺・送風具(ブロワー or ふいご)・耐熱手袋を常備。撤収15分一本勝負がモットーです。直火は“片付けの速さ”までが実力だと思ってます。
直火サイトの攻め方(当事者の超具体アドバイス)
- 公式で「直火可の範囲」を二度見:士別ペコラ=サークル内のみ(公式)。えこりん村=かまどサイトのみ直火可、その他は直火禁止(公式)。
- 火の高さは“拳一個”から:直火は熱が横に回る。はじめは低く小さく、慣れたら薪の太さを上げる。
- 風速7m/sで撤収判断:直火は火の粉が舞いやすい。風下に可燃物を置かない、タープは適正距離(最低でも2m以上)を死守。
- 消火→灰処理は“痕跡ゼロ”がゴール:水で一気にかけず、火消し壺で酸欠鎮火→翌朝の余熱確認→指定方法で処理。場を美しく返す。
友だちからの質問に、風間 陸が即レス(実体験ベースのFAQ)
Q. 「直火OK」って、好きな場所でやっていいの?
A. ダメ。指定場所のみ。士別ペコラは石サークル内限定(公式)。えこりん村はかまどサイトだけ直火OK、他は直火禁止(公式)。これ守れないなら、直火は触るべきじゃない。
Q. 初めての直火、何持ってけば安心?
A. 僕の最低限4点セットは「耐熱手袋・火ばさみ・火消し壺・送風具」。+αで焚き火シートと耐熱プレート(直火でも敷く派)。撤収は15分で終わる。
Q. 子連れでも直火、行ける?
A. 行けるけど動線設計が9割。サークル周りにチェアで結界を作って、子どもの導線を火に近づけない。あとは赤色ライトで目線の配慮を。
Q. 直火と焚き火台、どっちが“うまく”燃える?
A. 目的次第。調理の安定は焚き火台。熾火の厚みと遠赤を楽しむなら直火サークル。僕は肉→台、語らい→直火で使い分け。
Q. 撤収直前に火が残ってたら?
A. 無理に水ドバはNG。火消し壺に移して酸欠鎮火→素手で触れても温かくないまで待つ→指定の方法で灰処理。最後は痕跡ゼロ。
※本節は2025年11月時点の公式情報を確認のうえ記載しています。最新の利用条件・直火の可否・消灯時間・灰処理方法は、必ず各公式サイト(士別ペコラ/えこりん村 SHEEP SHEEP)で再確認してください。
【湖畔】鏡のような湖と焚き火台|支笏湖・屈斜路湖・かなやま湖・朱鞠内湖

支笏湖モラップキャンプ場|水辺の静寂と青の世界
直火は禁止(焚き火台必須)。でもね、ここは「湖面ギリギリ」の配置が本当にズルい。
僕は初回、風下にタープを低く張ってから焚き火台をセット。波の細かいリズムがBGMになって、炎の色が乾燥度で微妙に変わるのがわかる。夜は体感温度が急落するので、火の前にいる時間が圧倒的に増える=焚き火の幸福度が高い。
- 焚き火台は脚高タイプ+焚き火シート+耐熱プレートの“三段”で芝を守る。
- 風読み:夕方は湖→陸へ冷気が這うことが多い。開口は風下へ。
- 薪は「細→中→太」を段階投入。火勢を上げすぎないと火の粉が落ちにくい。
屈斜路湖・RECAMP砂湯|温泉と星と焚き火の交差点
全国でも珍しい湖畔×足湯の組み合わせ。焚き火は台使用がルール。僕はここで「温泉の湯気+焚き火の煙+満天の星」の三重奏を体験して、完全に沼りました。
風が走ると火の粉が流れやすいので、スパークガード(火の粉よけ網)か、火床を落とす運用が安心。火消し壺はマスト。
- 星見は消灯時間前後にヘッドライトを赤色運用。場全体の“暗順応”が保たれる。
- 結露対策:カメラにレンズヒーター、テントは前室の換気で朝が楽。
- 灰処理:場の指示に従う。炭残しは絶対NG。翌朝まで余熱確認が基本。
かなやま湖畔キャンプ場|芝生の広場と北の星
直火は禁止(焚き火台必須)。芝がきれいで動線が素直だから、ファミリーの湖畔デビューに推し。
僕は焚き火台+大判シートで芝への熱影響を徹底的にカット。満月前後は湖面が鏡みたいになって、“星が逆さに増える”夜がある。風が出たら早めに火を落として、星を見に切り替えるのがここでの勝ちパターン。
- 焚き火の周囲にチェアで結界を作って子どもの導線を管理。
- ランタンは暖色+明るさ控えめ。星見の邪魔をしない。
- 朝霧狙いなら夜露対策に焚き火後の乾燥時間を10分追加。
朱鞠内湖キャンプ場|日本一の人造湖で星を掴む
星景撮影の聖地。照明が少なく、人工光の干渉がほぼないから、天の川の粒が立つ。夜の冷えは本州の晩秋レベルで来るので、焚き火は“暖”として必須。もちろん焚き火台運用です。
僕はここでISO 6400 / F2.8 / 10秒の“最短設定”から入り、空の状態で微調整。焚き火は脚高+風下開口で火の粉を制御。
- 撮影隊がいる夜は白色ライト厳禁。赤色ライト+声かけで共存。
- 風速7m/sで焚き火は終了。無理しないことが最高のマナー。
- 灰は完全鎮火→指定方法で処理。翌朝の地表温も手で確認。
友だちからの質問に、風間 陸が即レス(湖畔編の実体験FAQ)
Q. 支笏湖って直火できる?
A. できません。モラップ公式に直火禁止が明記。焚き火台+シートの“保護スタック”でスマートに。
Q. 砂湯は風が出やすいって聞くけど、焚き火どうする?
A. 火床を低く、細割り多めでコントロール。スパークガードがあると安心。撤収は火消し壺→翌朝余熱確認までやり切るのがマナー。
Q. かなやまで星を子どもと見たい。装備は?
A. 暖色ランタン+赤色ヘッドライト。焚き火まわりはチェアで“見えない柵”。シートは大判(100×100cm以上)を推奨。
Q. 朱鞠内で“それっぽい”星景を最短で撮る設定は?
A. 広角14–24mmでISO 6400 / F2.8 / 10秒からスタート。ピントはライブビュー最大拡大で星に合わせる。曇ったら焚き火の炎を1〜2秒で“光の筆”にして遊ぶのもアリ。
※各キャンプ場の最新ルール(直火の可否、焚き火台の要否、灰の処理、静粛時間など)は、必ず公式ページで再確認してください:支笏湖モラップ/屈斜路湖 砂湯/かなやま湖畔/朱鞠内湖。
【星空】“灯りを消す”というごちそう|富良野・朱鞠内ほか

星に手のとどく丘キャンプ場(富良野)|星を見るために生まれた場所
→ 星に手のとどく丘キャンプ場 公式 /
→ ルールブック・FAQ・予約状況(公式)
ここは“星を見るために作られた”と公式が言い切るキャンプ場。現地でわかるのは、場内照明の落とし方やサイトレイアウトまで徹底して「暗さ」を守っていること。僕は初訪問の夜、チェックイン直後から白色ライトを封印して赤色モードに切り替えたら、隣のサイトからも同じ“赤”が返ってきて一気に仲間感。こういう文化が根付いてる場所は、天の川の立ち上がりが段違いです。
- 赤色ヘッドランプ+ディフューザー:手元は十分に見えて、隣サイトの暗順応を壊さない。
- 三脚は低重心:脚を広く+センターポール未使用。風で揺らさないのが歩留まりの9割。
- 防寒と結露対策:ネックゲイター+薄手ダウン。カメラはレンズヒーターor使い捨てカイロをベルクロ固定。
星景撮影ミニチート(僕の最短プロファイル)
- レンズ:広角14–24mm(F2〜2.8)。ピントはライブビュー最大拡大で明るい星に合わせる。
- 設定:
ISO 3200–6400 / F2–2.8 / 10–15秒(500ルール内)。空の状態でISOを±1段調整。 - 運用:撮る前にサイトの灯りを1段落とす→一斉に“赤”へ。戻るときも“赤”のまま。
バンガロー派にも朗報。公式ページには星見に向いたタイプのバンガロー情報がまとまっていて、
テラス付きで寝転びながら星が見られるタイプなど“星前提”の宿泊が選べます。予約前にルールブックとFAQを必ずチェック(直火や場内の細かな運用は季節で変わることあり)。
→ 展望テラス付きバンガロー(公式) /
8帖タイプバンガロー(公式)
朱鞠内湖|道北のダークスカイで“粒立つ天の川”
→ 朱鞠内湖 キャンプ(公式) /
→ 料金・レンタル・ルール(公式)
道北の広い空は人工光の影響が少ない。僕はここで快晴夜に“肉眼でモクモク感のある天の川”を体験。直火は禁止・焚き火台必須なので、脚高+焚き火シートで運用しつつ、撮影時は消灯して「星モード」に切り替え。気温は本州晩秋クラスまで落ちるので、手先の保温と暖かい飲み物を忘れずに。
- 風が出たら焚き火はいったん消して星に集中。明るい焚き火は星のコントラストを下げます。
- 焚き火は脚高台+風下開口で火の粉制御。撤収は火消し壺→翌朝余熱確認までやり切る。
- レンタルや営業期間の細則は公式インフォで事前確認(季節運用あり)。
(番外)屈斜路湖・砂湯で“温泉×星”のご褒美ルート
砂浜を掘ると温泉が湧く“砂湯”は星見と相性抜群。焚き火は台使用で、風が走る夜はスパークガードを併用。星を待ちながら足湯、という贅沢な時間が作れます。
友だちからの質問に、風間 陸が即レス(星空編の実体験FAQ)
Q. 白色ライトってどのくらい嫌がられる?
A. 星見キャンプ場では一発で場の空気が壊れるレベル。僕は赤色常用+明るさは最小。星にピントを合わせるときだけ手元を一瞬照らす運用でOK。
Q. 速攻で“それっぽい”天の川を撮るには?
A. まずは広角14–24mm、ISO 6400 / F2.8 / 10〜15秒。ピントはライブビュー最大拡大で一等星に合わせる。ノイズが気になったらISOを一段下げて露出を1–2秒伸ばす。
Q. 焚き火と撮影って両立できる?
A. できます。撮るときだけ焚き火を弱火にしてコントラストを確保。撮影の合間は熾火で保温。朱鞠内は冷えるので、この切り替えが快適さを決めます。
Q. 子連れで星を見に行くなら、どっちが楽?富良野 or 朱鞠内?
A. 初回は富良野の星丘を推し。場のルールが明確で、赤色ライト文化が出来上がっている。寒さ・暗さの耐性がついたら朱鞠内で本気の天の川に挑戦、の二段構えが成功率高い。
※各施設の最新ルール・営業情報は必ず公式で再確認してください:星に手のとどく丘 公式 / ルールブック・FAQ / 朱鞠内湖 キャンプ / 料金・レンタル・ルール / RECAMP砂湯。
ルールと安全|直火禁止の理由/焚き火台の正しい使い方

なぜ“直火禁止”が増えたのか(現場で痛感した3つの理由)
僕は延べ300泊以上のキャンプ、道内取材も十数年やってきました。直火が減ったのは「昔より厳しくなったから」ではなく、被害と回復コストがリアルだからです。
- 地表ダメージが長期化:芝や表土は一度焦げると回復に季節をまたぎます。根が焼けると“剥げ”が残り、雨で土が流れてさらに悪化。
- 地下火(地中火)のリスク:灰の下にくすぶりが残ると、風で再燃。見た目は鎮火していても、翌朝でも熱いなんてことがある。
- 風の一撃が致命傷:特に湖畔は風の通り道。火の粉飛散→延焼は“想像以上に速い”。だから施設は焚き火台必須で防御力を上げるんです。
一次情報(公式で必ず再確認)
- 支笏湖・モラップ(直火禁止/焚き火台必須明記):https://www.qkamura.or.jp/shikotsu/camp/
- 支笏湖・美笛(ルール・注意事項/直火禁止):https://www.shikotuko.jp/ja/checklist/
- かなやま湖畔(直火不可・芝保護):https://minamifurano-kousya.com/camp.php
- 朱鞠内湖(利用案内・ルール):https://www.shumarinai.jp/accommodation/camping/camping-info/
焚き火台の“正しい”使い方(芝を守る三段スタック+運用の型)
現場での再現性が高いのはこの構成。北海道の芝を守り、炎を安定させ、撤収を速くするための僕のベストプラクティスです。
- 難燃の焚き火シート(100×100cm以上推奨)
— 角をペグダウンして捲れ防止。飛び火の“最後の受け皿”。 - 耐熱プレート/ブロック
— 点の熱を面に拡散。芝の焼け跡を作らない。僕は薄板アルミ+スチールで二層。 - 脚の高い焚き火台(地面から20cm以上)
— 地表との距離が一番のダメージ軽減。空気の通りも良く、煙が減って燃焼効率↑。
- 初動:細割り→中割り→太薪の三段ロケット。最初から太薪は失敗の元。
- 風対応:台の開口を風下へ。風速7m/sで即中止(湖畔は特に)。
- 火の粉対策:スパークガードを焚き火台より風上側に。タープは最低2m以上離す。
- 消火:火消し壺→翌朝まで余熱管理→手で触れても熱くない=完全鎮火。
- 灰処理:施設指定の方法に従う。炭残し・埋設は絶対NG。
当事者の“失敗から学んだ”チェックリスト
- シート小さすぎ問題:飛び火が外に落ちて黒点が残る。大判一択で解決。
- 湿った薪で煙地獄:風下のサイトに迷惑&自分も目が痛い。着火前に含水で軽くはじくと分かる(音が“パチパチ”強めは湿り)。
- 強風で炎を寝かせる:炎が横吹き→火の粉散る。潔い撤収が最強の安全策です。
公式ルールを“迷わず”確認するコツ(リンクの使い方)
予約ポータルやまとめサイトは便利ですが、直火・焚き火の可否は公式が最終回答。上のリンク集から公式へ飛んで、次の単語でページ内検索(PCならCtrl+F)。
- 「直火」「焚き火」「焚き火台」「炭」「灰」「静粛時間」「消灯」「風」
例)モラップ公式は直火禁止が明記、美笛の注意事項にも直火不可・ゴミ・時間帯の運用が整理されています。
友だちのDMに即レスする感じのFAQ(風間 陸)
Q. 焚き火シートって本当に必要?
A. 必須。最後の防波堤。シートがあると灰の掃除も一瞬で終わる。僕は100×100cm以上を常用。
Q. 風が出てきた。どこまで粘る?
A. 粘らない。風速7m/sで終了。台を180°回しても火の粉が散るなら即撤収が正解。
Q. 消火は水で一気にかける派?
A. 僕は火消し壺→酸欠鎮火。一気に水をかけると灰が飛びやすい&泥化。翌朝まで余熱チェックで完全鎮火を担保。
Q. 子連れで安全に焚き火したい。
A. チェア結界で動線を作る+赤色ライトで足元を可視化。ルールが明確な湖畔(例:かなやま湖畔)は導線が素直で安心。
Q. 公式とポータルで直火表記が食い違う。
A. 100%公式優先。モラップや美笛のように直火禁止がはっきり書かれている場所は多い。予約前・出発前に二度見しよう。
→ モラップ公式 / 美笛 事前確認
※本節は2025年11月時点の現地運用・公式情報を前提にまとめています。実際の可否・処理方法・静粛時間などは必ず最新の公式ページ(モラップ/美笛/かなやま/朱鞠内 など)で確認してください。
星空×湖畔モデルプラン(2泊3日|新千歳IN/OUT)

このプランは、僕(風間 陸)が実際に何度も回して“歩留まりが高い”順番に並べ直したもの。
ポイントは「風を読む→星に合わせて動く→焚き火は安全優先」の三拍子。公式の一次情報も全部リンクしておくので、予約・ルールは必ず現地基準で最終確認してね。
Day1|新千歳 → 支笏湖・美笛 or モラップ
- 午前:新千歳着。薪・水・ガスを最初に確保。キャンプ場直前だと売り切れがあるから、空港周辺〜恵庭・千歳エリアで調達が鉄板。
- 午後:支笏湖へ(モラップ or 美笛)。どちらも直火禁止/焚き火台必須。
公式:モラップ https://www.qkamura.or.jp/shikotsu/camp/ / 美笛(注意事項・予約)https://www.shikotuko.jp/ja/checklist/ - 夜:風向を読んで林縁の風裏にタープ低張り。脚高焚き火台+焚き火シート+耐熱板の三段スタック。星待ちはココアかホットワイン(ノンアルでも体が温まる)。
- 支笏湖は夕方から体感温度が急落。小割り薪を増やして火力を細かく調整。
- タープ下焚き火はやめよう。最低2m以上距離、火の粉対策にスパークガード。
- 星が出ない夜は、炎の長秒露光で“光の筆”撮影が楽しい(1〜2秒)。
Day2|支笏湖 → 富良野(星に手のとどく丘)
- 午前:湖畔の青でリフレッシュ。撤収は火消し壺→翌朝の余熱確認まで。ゴミは現地ルールに従う。
- 午後:中富良野へ移動。星に手のとどく丘にチェックイン。
公式トップ https://www.hoshioka.com/ / ルール・FAQ https://www.hoshioka.com/blank-7 - 夜:場内は“星を見るための運用”。赤色ヘッドランプに切り替え、撮影は無言撤収で静けさキープ。
天の川の“最短設定”:ISO 6400 / F2.8 / 10〜15秒+広角14–24mm。ピントはライブビュー最大拡大で明るい星に。
Day3|富良野 → かなやま湖 → 新千歳
- 朝:かなやま湖畔で朝霧狙い。満月前後は湖面が鏡になって“逆さ空”が撮れる。直火禁止/台必須なので、朝のコーヒー焚き火は控えめ運用。
- 昼:湖畔で軽食。薪は残さないが基本。余ったら次の人へではなく、持ち帰るか所定回収。
- 夕方:新千歳へ。レンタカー返却前に灰・ゴミの規定処理を最終チェック。
- 装備の湿りは空港前に軽く乾燥しておくとニオイが出ない。
- レンズ・三脚は砂や灰を落としてからケースへ。
- 写真は車内で1枚だけ現像してSNS用に“当日1投稿”。旅の余韻が伸びる。
天候・風で崩れたときの“即リルート”
- 支笏湖が爆風:焚き火は中止→温泉へ退避→モラップの星は諦め、Day2の富良野で勝負。
- 富良野が曇天:夜は焚き火ミニマムで語らい→翌朝の朝焼けに全振り。昼にかなやま湖で“逆さ空”狙いへ。
- 全体がイマイチ:星は追わずに焚き火×料理へ切り替え。写真は“炎のスロー”で作品化。
友だちのDMに即レス(モデルプランFAQ|風間 陸)
Q. モラップと美笛、どっちが初回向け?
A. 設営動線はどちらも優秀。初回はモラップのほうが「湖面ギリギリ感」を体験しやすい。どちらも直火禁止は絶対ルール(公式:モラップ/美笛)。
Q. 富良野の星丘って、白色ライトダメ?
A. “ダメというより空気が凍る”。赤色ライト常用+減光が現地の文化。撮り終えたら無言撤収、これだけ守ればみんな幸せ。
Q. かなやまは子連れでも大丈夫?
A. むしろ推し。芝が広く動線が素直。焚き火はチェアで囲んで結界を作ると安全。公式:https://minamifurano-kousya.com/camp.php
Q. ルートの運転、時間はどれくらい見る?
A. 交通次第だけど、目安は新千歳→支笏湖 約1時間、支笏湖→富良野 2〜3時間、富良野→かなやま 1時間、かなやま→新千歳 2.5時間。余裕が正義。
※最新の利用条件・営業情報は必ず公式で再確認してください:モラップ(休暇村 支笏湖) / 美笛(注意事項・予約) / 星に手のとどく丘 / かなやま湖畔。
——旅の終わりに残すのは、灰じゃなくて、次に行きたくなる根拠。
まとめ|火・湖・星——守るからこそ、美しい
僕は道内を何度も回って、直火可のサークルで火を囲み、湖畔で焚き火台を組み、富良野や朱鞠内で天の川を追いかけてきた。結論はシンプルです。「ルールがあるから、最高の景色にまた会える」。直火可は“特権”ではなく、管理と信頼の上に成り立つ約束。湖畔での焚き火は“芝を守る技術”の積み重ね。星空キャンプは“灯りを消す文化”の共有です。
- 直火は指定内だけ:例)士別ペコラは石サークル内限定(公式:https://pecora.jp/)。
- 湖畔は焚き火台が正義:支笏湖モラップ/美笛は直火禁止(公式:モラップ/美笛)。
- 星は“暗さ”が資源:富良野の星に手のとどく丘は赤色ライト文化が根付く/道北の朱鞠内湖は人工光の干渉が少ない。
僕が現場で一番大事にしているのは、「痕跡ゼロで終わる」こと。焚き火シート→耐熱板→脚高台の三段、火消し壺→翌朝の余熱確認→指定処理。この手順を守るだけで、次のキャンパーに“最初の一歩の気持ち良さ”を手渡せます。
このガイドは、僕が現場で本当に効果があったことだけを残して更新してきました。もし現地で「これ良かった!」が生まれたら、ぜひ共有してほしい。みんなで文化を育てると、北海道の夜はもっとやさしく、もっと濃くなる。
さあ、火・湖・星のラインをつなぎに行こう。ルールを守って、美しく燃やして、美しく終える。次の夜、またここで会おう。
——焚き火の音は、心のざわめきを浄化する。
FAQ|よくある質問(風間 陸がガチ回答)
Q. 「直火可」って、どこでも地面で燃やしていいの?
A. ダメ。直火は“指定サークル or 指定区画の中だけ”。場外直火は一発アウト。
具体例:士別ペコラは石造りの直火サークル内限定。えこりん村 SHEEP SHEEPは「かまどサイトのみ直火可」と公式に明記。
僕は直火でも焚き火シート&耐熱プレートを敷く派。理由は「灰の回収が速い」「痕跡ゼロにしやすい」から。直火は“片付けの速さ”までが実力です。
Q. 湖畔は風が強い。焚き火はどう運用する?
A. 3点セットで安定します:風下開口・火床低め・細割り多め。風速7m/sで中止が僕の基準。
支笏湖やかなやまは直火禁止/焚き火台必須(公式:モラップ/美笛/かなやま湖畔)。
現場メモ:スパークガードは風上側に立てると効果大。タープは最低2m以上離して、火の粉の落下方向に物を置かない。
Q. 星景写真を“それっぽく”撮る最短ルートは?
A. カメラ任せにしない“固定レシピ”から入るのが近道。
スタート値:ISO 6400 / F2.8 / 10〜15秒(14–24mm)。ピントはライブビュー最大拡大で明るい星に合わせる。
空が明るければISOを1段下げてシャッター+2秒。ブレるならセンターポール非使用・脚を広く低く。
星文化が確立しているのは富良野の星に手のとどく丘(公式のルール・FAQも事前に必読)。
Q. 子連れで星見と焚き火、注意点は?
A. 「動線」と「光」の管理が9割。
- チェアで“見えない柵”を作って火口に近づかせない。
- ライトは赤色ランタン/赤色ヘッドランプにして暗順応を守る。
- 寝袋は快適温度に余裕を持つ。就寝前の温かい飲み物で体温を底上げ。
ファミリーの湖畔デビューは動線が素直なかなやま湖畔(公式)が安定。
道北で星に全振りなら朱鞠内湖(公式ルール)で“本気の天の川”。
Q. 直火と焚き火台、結局どっちが“うまく”燃える?
A. 目的で選べばOK。
- 調理の安定・片付けの速さ=焚き火台(脚高+焚き火シート+耐熱プレートの三段が最強)。
- 熾火の厚み・遠赤の心地よさ=直火(士別ペコラの石サークルが理想)。
僕は「料理=台」「語らい=直火」で使い分けます。ただし直火は“指定場所のみ”が絶対条件。
Q. 公式とポータルで“直火OK”の表記が食い違う。どっちを信じる?
A. 100%公式優先。現地の安全管理は施設の責任だから、公式が最終回答。
例:支笏湖(モラップ公式/美笛公式)は直火禁止が明記。
出発前にページ内検索(Ctrl+F)で「直火/焚き火/灰/静粛時間」を確認する癖をつけよう。
Q. 灰はどう片付ける?水で一気にかけてOK?
A. 僕は火消し壺→酸欠鎮火→翌朝余熱チェック。水ドバは灰が舞い、地面が泥化しやすい。
完全に冷めたら施設指定の方法で処理。埋設は厳禁。施設によっては灰の回収場所を指定しているので、必ずルールを確認(例:朱鞠内湖 公式ルール)。
Q. 強風の夜、どこまで粘る?
A. 粘らない。風速7m/sで終了。台の向きを変えても火の粉が散るなら撤収が正解。
代わりに星モードへ。富良野の星に手のとどく丘のように“灯りを消す文化”がある場所なら、焚き火を弱火にして星見に切り替えると最高。
※直火の可否・焚き火台の要否・灰処理・静粛時間などの最新情報は、必ず公式の一次情報で再確認してください。参考:士別ペコラ/えこりん村 SHEEP SHEEP/支笏湖モラップ/美笛(注意事項)/かなやま湖畔/朱鞠内湖/星に手のとどく丘。
情報ソース(一次情報・権威サイト/必読)
- 休暇村 支笏湖「モラップキャンプ場」:https://www.qkamura.or.jp/shikotsu/camp/
- 美笛キャンプ場(支笏湖観光協会|事前確認事項):https://www.shikotuko.jp/ja/checklist/
- かなやま湖畔キャンプ場(南富良野まちづくり観光公社):https://minamifurano-kousya.com/camp.php
- 屈斜路湖 砂湯キャンプ(弟子屈なび):https://www.masyuko.or.jp/enjoy/camp_sunayu/
- 朱鞠内湖キャンプ(朱鞠内湖公式):https://www.shumarinai.jp/accommodation/camping/camping-info/
- 星に手のとどく丘キャンプ場:https://www.hoshioka.com/
- 士別ペコラ(直火サークル):https://pecora.jp/
- えこりん村 “SHEEP SHEEP CAMPING FIELD”:https://www.ecorinvillage.com/facility/campingfield.html
上記はすべて現地運営・公式発信の一次情報です。
キャンプ場のルール、直火・焚き火・灰処理・静粛時間などは年単位で微調整されています。
特に以下の点は、現場でトラブルを防ぐためにも公式リンクで最新確認が必須です。
- 支笏湖(モラップ・美笛):どちらも直火禁止・焚き火台必須。サイト構成や消灯時間も公式で明記。
- かなやま湖畔キャンプ場:芝保護・焚き火台運用・灰処理方法を公社サイトで詳述。
- 士別ペコラ/えこりん村:指定サークル・特例区画のみ直火可。利用区画を誤認しないよう注意。
- 朱鞠内湖/富良野・星丘:星見ルール・照明マナー・宿泊規定など、公式ページに運用方針が掲載。
僕も取材のたびに、出発前日と現地到着直後の2回は公式をチェックしています。
キャンプ場の安全と文化は、こうした一次情報の再確認から守られています。
注意書き(必ずお読みください)
- 本記事は2025年11月時点の一次情報をもとに執筆しています。キャンプ場のルール・設備・予約状況は変更される可能性があります。
- 「直火可」=指定サークルや特例区画内限定。自由な場所での地面焚きは厳禁です。
- 山火事・強風・乾燥注意報が発令された場合は、施設の指示に従い焚き火を中止してください。
- 星空観察時は他の来場者の暗順応に配慮し、白色ライトを控え赤色光を使用するのが基本マナーです。
- 施設によっては灰・炭の処理方法が異なります。必ず指定の方法・場所で廃棄してください。
これらを守ることが、北海道の自然を未来に残す第一歩です。
火を使うという行為は、自然と信頼関係を築くこと。ルールはそのためにあります。
——次にその場所を訪れる誰かのために、焚き火跡を残さない。それが本当の「自然との共生」。


