焚き火の音には、不思議な力がある。ぱち、ぱち──と火がはぜるたび、日常のざわめきが静かに溶けていく。僕がキャンプに魅せられたのは、十代の山岳部時代。野営の夜、炎の前で交わした無言の時間が、今でも心に残っている。
あれから二十年以上。アウトドアメーカーの現場でギアを試し、300泊を超えるキャンプを重ねてきた。数え切れない失敗と発見の中で気づいたのは、「最初の道具選び」こそが、その人のキャンプスタイルを決めるということだ。
本記事では、僕・風間 陸が、これからキャンプを始める人に向けて、初心者がまず揃えるべきキャンプ用品の必需品を、経験と実践の視点からやさしく解説する。さらに、信頼できるおすすめブランドや、失敗しない選び方・収納のコツも紹介しよう。
火を囲む時間は、人を自由にする。あなたの初めての夜が、ただの「体験」ではなく、心に残る“物語の始まり”になるように──そんな思いを込めて書きました。
キャンプ用品を揃える前に知っておきたい「5つの基本」
まずはここだけ。メーカー勤務時代の現場検証と、通算300泊の実体験から「最初に迷わないための土台」をまとめました。机上の空論じゃなくて、僕が本当にやってよかった順序と判断基準です。テンション高めでいきます。
- スタイルを決める(荷物量=快適度を左右)
ソロ/デュオ/ファミリー/デイキャンプで必要量は激変。
僕の鉄則:最初は「行く人数+1人」想定で考えると余裕が出ます。例:大人2人なら2〜3人用テント、チェアは人数分、テーブルは横幅90cm以上。
参考:定番ブランドの入門導線(公式)… Coleman「きゃんさぽ!」 / Snow Peak For Beginners - 季節と天候に合わせる(装備は“温度”で決める)
春秋は夜の冷え、夏は蒸れと日差し、梅雨は防水。
僕の失敗談:春の高原で3シーズン寝袋+薄マットは震えました。以後、寝袋は「快適温度+余裕2〜5℃」、地面冷え対策にインフレータブルマットを必須化。レインウェアとタープも“保険”として常備。
参考:装備目安の考え方… mont-bell 登山装備ガイド(温度とレイヤリングの基本) - 優先順位は「寝る・食べる・くつろぐ」(この3本柱でブレない)
テント/寝袋/マット → バーナー/クッカー → チェア/テーブル/ランタンの順で満足度が跳ね上がります。
僕の結論:見た目より“睡眠の質”が先。寝不足だと翌日ぜんぶ萎む。まずは寝具と明かりに投資。
メーカーの基本設計も同趣旨… Coleman「アイテム選び編」 / Snow Peak 入門ガイド - 最初から買い切らない(1泊テストで“自分の正解”を掘る)
いきなりフル装備は高確率でムダが出ます。
僕のやり方:まずは1泊(オートサイト)でテスト。足りない/過剰だった物を洗い出し→2回目で補正。レンタルや友人のギア借用で型番の相性も把握。
“スターターセット”という選択肢… Coleman 公式 / Snow Peakのスターター施策は季節特集で案内例あり For Beginners - 安全・マナーは最優先(楽しい=安全が前提)
火気・刃物・夜間動線・撤収時の消火・音量配慮は徹底。初回は特にチェックリスト化。
僕の現場ルール:就寝前に「火消し壺 or 徹底散水」「刃物はシース収納」「ランタンは転倒防止」「子どもは火元に大人同伴」。
体系的に学ぶなら… 日本レクリエーション協会「キャンプ初心者のための基礎講座」
この5つが決まると、買い物の迷いが劇的に減ります。僕の読者コミュニティでも、まずはこの順序で整えた人は“ムダ買い”がほぼゼロ。結果、キャンプの満足度と回数が伸びます。
風間 陸のミニFAQ(友だちからの質問に即答)
- Q. 初回、いきなり山奥はアリ?
- A. 僕はオートサイト推し。駐車場が区画横で荷運びが楽、トイレも近い。まずは道具の扱いに慣れるのが先。山奥デビューは2〜3回目でOK。
- Q. テントは何人用を選ぶ?
- A. 「人数+1人分」が基本。2人なら2〜3人用。前室の広さと出入口動線は現地の快適さに直結。公式の入門ページもサイズ目安を示しているよ → Coleman アイテム選び編
- Q. 寝袋はどこを見ればハズさない?
- A. 快適温度表記を基準に、想定最低気温より2〜5℃余裕。春秋の高原は冷える。薄着で寝る前提は危険。断熱はマットが本体、寝袋はその上の“フタ”。
- Q. 何から買うのが正解?
- A. 「寝る→明かり→座る→食べる」の順。僕は最初にマットへ投資して世界が変わった。メーカーの導線もほぼ同じ考え方だよ → Snow Peak 入門ガイド
- Q. 安全面の“これだけは”ある?
- A. 焚き火の完全消火(火消し壺 or くめ水でかき混ぜて灰まで冷却)、刃物の即シース収納、夜間はヘッドライト常備。基礎は動画で一気に理解 → 日レク「初心者のための基礎講座」
ここまで整えば準備8割完了。次章では、この土台を踏まえて「最初に揃えるべき具体ギア」を、僕の現場目線で深掘りしていきます。
初心者が最初に揃えるべきキャンプ用品リスト【必需品編】

ここがキャンプ準備の“心臓部”です。僕もメーカー時代から300泊以上キャンプしてきましたが、最初の頃に一番失敗したのが「量と順番」。買えば買うほど使わないギアが増え、車のトランクがカオスになる(笑)。
だからこの記事では、最小構成で「本当に満足できる」道具だけを紹介します。実際に僕が現場で「これで十分だった」と感じたアイテムと、メーカー公式で推奨されている基準もあわせてリンクします。
1. テント:自分の“家”になる場所は妥協しない
テントはキャンプの象徴。選び方ひとつで夜の快適度が180度変わります。僕のおすすめは自立式ドームテント。設営・撤収が早く、風にも強い。2人で行くなら2〜3人用サイズが絶妙です。
- 軽量化重視派:mont-bell クロノスドーム
- 快適重視派:Snow Peak エントリーパックTT
- 初心者向け万能:Coleman タフワイドドーム
僕の実感:初回の1泊目は「広さより高さ」が重要。前室があると荷物も雨も安心。結露対策にベンチレーション構造もチェック。
2. 寝袋(シュラフ):快眠=成功キャンプの鍵
“寝袋は価格じゃなくて温度で選ぶ”。これは僕の座右の銘。
快適温度表示を基準に、予定気温より2〜5℃下のモデルを選ぶと失敗しません。特に春秋キャンプは冷え込み要注意。
- 3シーズン対応で信頼度No.1:Snow Peak セパレートオフトン
- 軽量でコスパ良:mont-bell ダウンハガーシリーズ
僕の体験談:格安寝袋で標高1000mキャンプに挑んで震えた夜があります…。寝袋は“保険”。一番ケチっちゃダメ。
3. マット/コット:地面の冷えを断つバリア
寝袋が“布団”なら、マットは“ベッドマットレス”。どんな高級寝袋でも、下から冷えると意味がありません。
僕はエア注入式のインフレータブルマットを愛用。寝心地は段違いです。
- 定番の安定感:mont-bell フォームパッド
- 快適志向:Snow Peak キャンピングマット2.5w
現場感覚:厚み5〜8cmがバランス良。あと、朝方の地面の“冷たさ”を舐めたらダメです。体力の消耗が違います。
4. チェア&テーブル:キャンプの「時間」をつくる場所
ギアの中で一番「性格」が出るのが椅子とテーブル。焚き火を眺めたい人はローチェア派、調理中心ならハイスタイル。
- ソロ/ミニマル派:Helinox チェアワン
- 家族キャンプ派:LOGOS ファミリーテーブル
僕のこだわり:「長く座っていられる椅子」が正義。腰痛持ちの僕はハイバックチェア+ヘッドレスト必須。地味だけど一番幸福度が変わる。
5. ランタン:夜の安心を照らす“もうひとつの太陽”
光の選び方は安全と雰囲気を決めます。僕はLED+ガスの2灯使い。LEDはテント内、ガスは焚き火サイト用に。
- 初心者の定番:Snow Peak たねほおずき
- ファミリー向け明るめモデル:Coleman ノーススターLPガスランタン
実感:夜に照らされたテントの影が「自分の基地」みたいで、毎回ワクワクする。明かりの色温度は“感情”を変えます。
6. クッカー&コンロ:食事の時間はキャンプのご褒美
最初は1バーナー+クッカーセットで十分。家庭の鍋やフライパンでもOKですが、炎の強さに耐える専用品はやはり安心。
- 信頼の国産:SOTO レギュレーターストーブ ST-310
- コスパ良し:UNIFLAME ミニバーナー
現場メモ:僕は湯沸かし3分・朝コーヒー即湯スタイル。朝の一杯は「文明」と「野生」のちょうど中間にある至福の瞬間です。
7. クーラーボックス&収納ギア:食材と時間を守る冷蔵庫
真夏キャンプで「溶けた氷」を見た瞬間の絶望は忘れられません(笑)。保冷力重視ならハードクーラー一択。
ソフトクーラーはデイキャンやサブ用に便利。
- 鉄板モデル:IGLOO マックスコールド52QT
- 軽量派:LOGOS ハイパー氷点下クーラー
収納は“快適さの裏方”。ギアボックスを機能別(寝具/調理/火まわり)に分けると撤収が早い。僕の収納術は次章で詳しく話します。
これでまずは1泊、何も困らずに過ごせるラインナップ。
実際に僕が初心者をフィールドに連れていくときも、この構成が鉄板です。全部揃えなくてもいい、まずは「小さく始めて深く楽しむ」。それが長続きのコツです。
信頼できる「日本発」キャンプ用品ブランド5選
キャンプギアを選ぶとき、僕が一番大事にしているのは「そのブランドがどんな想いで道具を作っているか」です。見た目や価格だけじゃない。数百泊の現場でテストしてきたからこそ、“使ってみて信じられるブランド”を自信をもって紹介します。
日本のブランドは、自然との共生と職人のこだわりが詰まっています。どれも一度手に取ると“哲学”が伝わってくるようなものばかりです。

1. Snow Peak(スノーピーク):道具を超えた「野遊び文化」
僕がもっともリスペクトしているブランド。「人生に、野遊びを。」という理念を掲げ、燕三条の自社工場で全製品を開発。
現場で壊れにくく、修理体制も圧倒的に安心。初心者ガイドも神的に丁寧。
実体験:15年前に買った焚火台が今も現役。ステンレスの厚みとリベット構造が本物。まさに“一生モノ”。
2. mont-bell(モンベル):軽さと信頼のバランス
登山ブランドとして培った技術が、キャンプ用品にも応用されています。
特に寝袋・マット・ウェア系の完成度が高く、コスパが優秀。
僕は夏場のソロキャンでは、モンベルの寝袋「ダウンハガー650 #3」+フォームマットを常用しています。
ポイント:軽くて強い、収納性が高い、しかも国産品質。長野の高原キャンプで夜露に濡れても全然ヘタらない。
3. Coleman Japan(コールマン):キャンプ文化を支えてきた“定番”
コールマンはまさに「日本のキャンプ文化のベース」。
テント、チェア、ランタン、調理器具まで一式揃う安定感が強み。
初心者でも選びやすいように、公式が用意するサポートページ「きゃんさぽ!」は必見。
僕のおすすめ:テントなら「タフワイドドーム」シリーズ。風・雨・設営性のバランスが抜群。メーカー勤務時代も展示会で真っ先に人が集まってた人気モデル。
4. LOGOS(ロゴス):ファミリーキャンパーの味方
「Enjoy Outing!」のスローガン通り、家族で楽しむ設計思想が詰まったブランド。
ギア全体に遊び心があり、価格帯も優しめ。僕が家族連れをガイドするときはロゴス率が高いです。
収納やラック系のアイテムが多く、セットアップがしやすいのも魅力。
おすすめ:LOGOS Life シリーズ。色味が落ち着いてて統一感が出るので、写真も映える。
5. DOD(ディーオーディー):遊び心×機能性=初心者の救世主
名前の通り、ちょっと“ふざけてるのに超実用的”なブランド(笑)。
テントのネーミングも「カマボコテント」などユーモア満点だけど、設計はしっかりしています。
僕のリアル評価:設営が速い・収納コンパクト・カラーが可愛い。若い世代や女性キャンパーに圧倒的人気。
DODのテントを持っていくと、キャンプ場で必ず誰かに「それDODですか?」って声かけられるレベル。
この5ブランドは、僕が現場で“使って壊して確かめた”信頼の柱。どれも修理対応や情報発信がしっかりしていて、初心者でも安心して長く付き合えます。
「まずはどこで買う?」と迷ったら、上の5社公式サイトから始めるのが間違いなし。 商品情報も丁寧で、アフターケアも日本語対応。安心感がまるで違います。
道具を選ぶことは、自分のスタイルを見つけること。
ブランドの理念や哲学を知ると、ただのギア選びが“生き方の選択”に変わる。僕がこの世界にハマったのも、そこからでした。
失敗しない「買い方」と「選び方」──店舗と通販の使い分け
この章では、メーカーで販売現場を経験し、全国のキャンプショップを巡った僕が、「どこで・どう買うか」について語ります。
実際、キャンプ用品って「どこで買うか」で満足度がまったく変わるんです。

1. 実店舗で“触って確かめる”ことの大切さ
まずはこれ。特にテント・チェア・寝袋・マットなど、体感が重要なギアは絶対に実店舗で。
写真とスペックでは分からない「設営のしやすさ」「素材感」「サイズ感」は、実際に触らないと判断できません。
僕が初心者を連れて行くときによく使うのが、Alpen Outdoorsとmont-bellの直営店。
Alpenは展示数が圧倒的で、実際にテントを設営展示してくれているので、使い勝手がリアルに分かります。
mont-bellは専門スタッフがキャンプ経験者で、どの店舗でもアドバイスが的確。
僕のアドバイス:「見に行くだけで買わない日」を作る。手触り・重さ・収納のしやすさをチェックしてからネットで最安値を探すのが、プロもやってる鉄板ルート。
2. 通販は“タイミング勝負”で使いこなす
通販は悪ではありません。むしろ、僕は型番が決まっているものはほとんどオンラインで買います。
Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング・各ブランド公式のアウトレット、それぞれに得意分野があります。
- Amazon:レビュー数が多く、配送が速い。
- 楽天市場:ポイント還元が強い。まとめ買い向け。
- Snow Peak公式オンラインストア:品質保証・修理対応が圧倒的。
- Colemanオンラインショップ:限定カラーやシーズン特価品あり。
買うタイミングは重要です。僕のおすすめは次の3つ。
- 3月:新作登場で旧型がアウトレット価格に
- 8月:夏セール(在庫処分)
- 12月:福袋・年末セール(収納ギアや小物が安い)
特にAlpen Outdoors公式オンラインは季節ごとのセールが強く、実店舗と連動して在庫が更新されるのが嬉しい。
3. 中古・アウトレットは“掘り出し物”の宝庫
僕はギアオタクなので、中古ショップも大好物です(笑)。特にハードオフやトレジャーファクトリーには、
掘り出し物のキャンプ用品が多い。スノーピークの焚火台が半額、ユニフレームのバーナーが未使用状態で出てることもあります。
僕の見分けポイント:中古でも買っていいのは「金属・ステンレス系」。
テントや寝袋などの“布系”は使用感・保管状態を要チェック。カビ臭・劣化があるものはNG。
また、最近はSnow Peak公式リユースプログラムのように、メーカーが直接中古を扱う仕組みも登場。
これは品質保証がつくので、初心者にも安心です。
4. 「まとめ買い」は地雷。1泊テストで“自分の正解”を掴む
最初の失敗パターンの典型が「全部いっぺんに揃える」こと。僕も若い頃、給料3か月分を一気に突っ込んで、半分は車の中で眠ったままのギアになりました(笑)。
正解は、“一泊キャンプ”でテストすること。
実際に使ってみると、不要なもの・必要なものが明確になります。
1回目で感じた不便こそ、あなたの“スタイル”を決める最高のヒント。
僕の定番ルート:
最初の1泊 → 補正 → 2回目で完成。
この繰り返しでギアが“自分の体の一部”になります。
5. 風間 陸の“ギア購入マインド5か条”
- 「迷ったら軽い方を買え」──移動が楽=キャンプが続く。
- 「安さより“気に入る”を優先」──お気に入りは、雑に扱わない。
- 「人の真似より“自分の時間”で選ぶ」──トレンドは追わない、体験を選ぶ。
- 「高いものは“修理”を前提に考える」──ブランドのサポート体制を必ず確認。
- 「買い替えは“育てる”の延長」──使うほどに味が出る。ギアも相棒です。
どこで買うか、どう選ぶか。
それは、あなたがキャンプとどんな関係を築くかの始まり。
“道具を買う”という行為が、“生き方を整える”時間に変わる。僕はそう信じています。
次章では、その選んだギアをどうおしゃれに・機能的に組み合わせるかを、現場で培ったリアルなコツで解説します。
おしゃれで機能的なキャンプ用品を選ぶコツ
「おしゃれキャンプ」と聞くと、SNS映えだけを意識した“形から入る系”を想像する人も多いけど、
僕が現場で見てきた「本当におしゃれなキャンプ」は、見た目と機能のバランスが取れてるんです。
つまり──使いやすい=カッコいい。
ギアが自分の手に馴染んでるキャンパーほど、サイト全体の雰囲気が自然に整う。
今日はそんな「おしゃれ×実用」のリアルな選び方を、僕の体験ベースで話していきます。

1. “色数3色ルール”で一気に垢抜ける
これは撮影現場でも意識してるテク。
サイト全体を3色(例:カーキ×ブラック×ウッド)以内に絞ると、統一感が出て一瞬でプロっぽく見える。
地面・テント・チェア・テーブル、それぞれの色を見ながらトーンを合わせよう。
実体験:昔、赤×青×黄のギアを持ち込んでサイトが“おもちゃ箱”になったことがある(笑)。
翌週にナチュラルカラーで揃え直したら、同じギアでも別世界のように落ち着いた。
2. “素材感”で雰囲気が決まる
金属・ウッド・コットン・レザー、この素材のバランスがサイトの空気を作る。
ナチュラル志向なら木製テーブル+コットン混タープ。
無骨系ならスチール+ブラックギアで統一。
- ナチュラル派におすすめ:LOGOS Lifeシリーズ(ウッド天板)
- 無骨派に人気:DOD ブラックキャンプライン
僕のポイント:“触って気持ちいい素材”は、必ず使い続ける。
結局、長く愛せるものが一番おしゃれ。
3. 「おしゃれ=時短」だと気づいた瞬間
これ、キャンプ場で100回以上見て確信したこと。
美しいサイトの人ほど、設営も撤収も速い。
理由はシンプルで、整理整頓された構成=デザインが整ってるから。
収納ボックスをカテゴリ分け(調理/火まわり/寝具)しておくだけで、サイトの動線がキレイになる。
結果、見た目が整う。つまり、おしゃれは“構造”なんです。
僕はこの方法で、2人キャンプの撤収時間が1時間→25分になった。
動線がスッキリするほど、気持ちも整う。
4. 無印・ニトリ・ワークマンをなめたら損する
ここ、めっちゃ大事。
実は最近の無印良品・ニトリ・ワークマンは、キャンプとの相性が抜群なんです。
- 無印良品:ステンレス収納ボックスが名品。僕は焚き火道具入れに愛用。耐熱・防錆・見た目◎。
- ニトリ:キャンプギアシリーズが実は侮れない。折りたたみチェアやクーラーボックスの完成度が高い。
- ワークマン:耐火グローブや防水ブーツなど、コスパ神クラス。プロユース品質を市販価格で買える。
僕の愛用品:無印のステンレスボックスに焚火ツール、ワークマンのグローブで火いじり、ニトリのコンパクトチェアで一休み。
この3ブランドを組み合わせると、見た目も統一されて驚くほどスタイリッシュになります。
5. “おしゃれキャンプ=自己表現”
おしゃれって結局「自分の心地よさをデザインする」ことなんです。
他人のサイトを真似しても長続きしない。
自分が好きな色・素材・雰囲気でまとめたとき、そこに“あなたの物語”が生まれる。
誰かのキャンプ場で見た理想の景色を、自分のサイトで再現する。
これが、おしゃれキャンプの最高の楽しみ方だと僕は思います。
次章では、そんなお気に入りギアを長く使うための収納と保管のコツを、僕の実践例を交えて紹介します。
使うたびに整う、そんな“ギアとの付き合い方”を一緒に作りましょう。
キャンプ用品の保管・収納アイデア
キャンプの満足度を決めるのは、実は「収納力」です。
どんなに高級ギアを持っていても、片付けがぐちゃぐちゃだと次に行く気が失せる。
僕は300泊以上キャンプしてきて、収納を工夫するだけでキャンプの準備時間が半分以下になりました。
ここでは、僕が実際に現場で試してきた「出発がラクになる収納術」を紹介します。
家でも車でも、片付けやすく、すぐ出せる。そんな状態を作れば、キャンプは何倍も楽しくなります。

1. “機能別ボックス収納”が最強
僕の基本ルールはこれ。
ギアを「寝具/火まわり/調理/照明/雑品」の5カテゴリに分けて、それぞれをボックスで管理。
中身をラベルで分けておくと、現地で“あれどこ?”がなくなる。
- 無印良品のステンレス収納ボックスは、耐久性・見た目・堅牢さ◎。僕は焚き火ツール用に使用。
- キャンプ専用ではLOGOS スタックコンテナが定番。重ねられて車載しやすい。
- 車載重視ならTRUSCO 工具ボックスもおすすめ。業務用なのに見た目が無骨でカッコいい。
僕の体感:カテゴリ分けをしてから、撤収時間が約40分→15分に短縮。
“整理されたギア”は、そのまま“整った気持ち”につながるんです。
2. 収納は「次の出発の準備」と考える
帰宅後の片付けは、キャンプの一部だと思ってやっています。
ギアを“しまう”んじゃなくて、“次の出発モードに戻す”。
- 使い終えたあと、ボックスを洗浄・乾燥→再パッキング。
- ガス缶・調味料・ペーパー類は補充して「すぐ行ける状態」に。
- ランタンの電池は外しておく。液漏れ防止にもなる。
僕のコツ:車に積む順番で収納ボックスを配置。
焚き火道具は最後に積む(現地で最初に出すから)。この順番意識で現地の設営効率が爆上がりします。
3. 自宅での収納は“動線設計”がカギ
キャンプギアの収納は「見せる収納」と「隠す収納」のバランスが大事。
僕は玄関横の一角にキャンプ棚を作って、取り出しやすさを重視しています。
- 軽いギア:目線〜肩の高さ(すぐ持ち出せる)
- 重いギア:足元(持ち上げ負担を減らす)
- 小物:引き出し or ケース内ポーチ収納
ニトリのスチールラックはサイズがちょうどよく、DIY棚よりコスパがいい。
木目天板を追加すれば、リビングでも違和感なし。
ポイント:収納を“生活の一部”にすると、準備が面倒じゃなくなる。
僕は出発前日に「あれどこだっけ?」がなくなって、出発ストレスがゼロになりました。
4. 湿気対策&メンテでギア寿命が倍になる
キャンプ用品の大敵は「湿気」。特にテントと寝袋。
帰宅後は完全乾燥が鉄則です。
- テント:浴室乾燥やベランダでしっかり陰干し。撥水スプレーを定期的に。
- 寝袋:中綿をほぐして風通しのいい場所で保管。圧縮袋は長期NG。
- 焚き火ギア:油汚れ・ススを落としてサビ防止スプレーで仕上げ。
僕はシーズンごとにギアを点検して、破損があればメーカー修理。
Snow Peakも修理サポートが超優秀で、10年前のギアも直してくれる。
“メンテナンスを楽しむ”のが、真のキャンパーです。
5. 「収納=愛着を育てる時間」
キャンプ用品を整理していると、不思議とテンションが上がる。
「このチェア、あの夜に使ったな」「この鍋、雨の中で大活躍したな」って。
ギアって、思い出が詰まった道具なんですよね。
だから僕は、収納を“次の物語を準備する時間”だと思っています。
その準備が整うと、もう次の焚き火の音が聞こえてくるんです。
次章では、僕が実際に「これだけで充分」と感じた愛用ギア7選を紹介します。
派手さよりも、“現場で使えるか”にこだわったリアル装備をぜひチェックしてください。
風間陸が選ぶ「これさえあれば」ギア7選
ここでは、僕が全国のキャンプ場で何百泊も重ねてきた中で、「これは本当に頼れる」と確信した道具を7つ紹介します。
どれも“高額=正義”ではなく、現場で信頼できた実用ギアです。実際に僕が今も使っていて、取材でも必ず持っていくリアル装備ばかり。

1. テント:Snow Peak エントリーパックTT
設営時間は約10分。タープとセットで統一感があり、初心者でも安心。
僕は最初のソロキャンプからいまだにこのテントを使うことがあります。
風が強い志賀高原でもビクともしなかった安定感。
「最初の1張りに迷ったら、これ」で間違いないです。
2. 寝袋:mont-bell ダウンハガー650 #3
“包み込まれる寝心地”とはまさにこのこと。
スパイラルストレッチ構造で寝返りしてもツッパらない。
僕は真夜中に気温5℃まで下がった高原でこの寝袋一枚で快眠できました。
重量・収納サイズ・価格のバランスも神レベル。
3. マット:Snow Peak キャンピングマット2.5w
「地面の冷気」は本当にバカにできません。
このマットは厚さ2.5cmで快適性が段違い。
キャンプ初心者の友人をこのマットに寝かせたら、「これホテルじゃん」って本気で驚いてた(笑)。
4. 椅子:Helinox チェアワン
軽量・耐久・快適、三拍子そろったキャンプチェアの金字塔。
僕がメーカー勤務時代、展示会で初めて座った瞬間に「これ、革命だ」と思った。
焚き火の炎が目線に入る高さで、腰のフィット感も最高。
バックパックにも入るので、ソロにも最適。
5. ランタン:Snow Peak たねほおずき
「灯りがあるだけで安心する」って、本当なんです。
このランタンは暖かい光が特徴で、テント内でも安全。
磁石付きで吊るす・貼り付けるも自由自在。
僕は夜、焚き火を消した後に“ほおずきの光”でコーヒーを飲むのが好きです。
6. コンロ:SOTO レギュレーターストーブ ST-310
名機中の名機。炎が安定してて、風にも強い。
僕はこれで標高2000mでも問題なく湯を沸かしてきました。
耐風性能と燃費のバランスが最高。どんな状況でも“火を扱える安心感”がある。
「火を制す者はキャンプを制す」って言葉、これは本当に実感します。
7. 焚き火台:Snow Peak 焚火台M
このギアは僕にとって“相棒”。
15年前に買って、今も現役。無骨な見た目と圧倒的な耐久性。
どんな地面でも安定するX構造は秀逸。
初めての夜、この焚き火台の前で一人で火を見つめてた時間が、僕のキャンプライター人生の始まりでした。
+α:風間流「使える小物たち」
- UNIFLAME 焚き火トング:長くて掴みやすい。炭調整のストレスがゼロ。
- ワークマン 耐熱グローブ:2,000円台で最強コスパ。ガチ焚き火勢の必需品。
- ニトリ スチールラック:収納に革命。棚ごと車に積めるレベル。
この7点+小物で、どんなキャンプ場でも快適に過ごせます。
僕がガイドで初心者を現地に連れて行くときも、この構成を持っていけば“まず困らない”。
ギアは増やすより、“信頼できる相棒”を見つけることが何より大事です。
次章では、ここまで紹介してきたギアと考え方を踏まえ、
最後に「キャンプの原点」──自然とつながる時間についてお話しします。
まとめ──道具は「自然とつながるための橋」
ここまで読んでくれたあなたに、まず伝えたいのはひとつだけ。
キャンプは、道具を使って“自然と会話する”時間だということ。
ギアを揃えることは、単なる買い物じゃない。
それは、自分の中の“野生”を取り戻す準備でもあるんです。
テントを立てる。火を起こす。湯を沸かす。その一つひとつに、自分の手の感覚が宿る。
その瞬間、「生きてるな」って実感が湧いてくる。
僕も最初の頃は、設営で汗だくになって、寝袋の中で寒さに震えて、コーヒーをこぼして(笑)──
でも、それすらも全部が“キャンプの一部”なんです。
失敗した夜ほど、次のキャンプがうまくいく。だから面白い。
これから道具を選ぶあなたに、僕が現場で学んだ最後のアドバイスを贈ります。
- 迷ったら、自分の「好き」に正直に選べ。
デザインでもブランドでもいい。好きだと思えるギアは、丁寧に使う。結果、長く続く。 - 高いギアより、育てられるギアを。
傷や煤がついて、ようやく“自分のもの”になる。それがキャンプの醍醐味。 - 完璧を求めすぎず、「次はもっと」を楽しめ。
失敗も笑いながらアップデート。それがキャンパーの成長曲線。
道具を手に取るとき、それは“自然との約束”みたいなもの。
僕らはギアを通して森とつながり、火を囲んで人とつながる。
その瞬間、日常のスイッチが切り替わるんです。
だから僕は、こう思ってます。
「ギアは自由の鍵」。
ひとつひとつのキャンプ用品が、あなたの週末を少しだけ豊かに、
そして心を少しだけ軽くしてくれる。
次の休み、まだ行ったことのないキャンプ場へ出かけてみてください。
風を感じて、焚き火の音を聴いて、星を見上げる夜が、
きっと“あなたのキャンプ物語”の始まりになります。
──火を囲む時間は、人を自由にする。
自然の中で過ごすその一夜が、あなたの中の何かを解き放つ。
では、また次のフィールドで会いましょう。風間 陸
よくある質問(FAQ)
- Q. 初心者はどこでキャンプ用品を買うのがベスト?
- A. 最初は実店舗+ネットのハイブリッドがおすすめです。
実店舗でサイズ感や素材を確認してから、価格比較はAmazonや楽天で。
特にAlpen Outdoorsやmont-bellストアは展示が豊富で、初心者にも親切。 - Q. 最低限、何を揃えればキャンプできる?
- A. 僕が初心者に必ず伝えているのは「寝る・照らす・食べる」の3セット。
テント・寝袋・マット・ランタン・バーナー・クッカー。
この6点さえあれば、快適な一泊は十分可能です。 - Q. 予算はどれくらい見ておくべき?
- A. 最初の一式を揃えるなら5万円前後が目安。
テント2万円・寝具1万円・ランタン5千円・コンロ5千円・その他でバランス良く。
ただし「買い足し前提」でOK。最初から完璧を求めないことが継続のコツ。 - Q. ブランドはどこを選ぶのが無難?
- A. 安定感ならColeman、品質ならSnow Peak、軽量重視ならmont-bell。
初心者向けならDODも人気です。 - Q. テントのサイズ選びで失敗しないコツは?
- A. 「人数+1人分」を目安に。
2人なら3人用を。荷物や雨の日のスペースを確保できます。
コールマンの公式サポートもわかりやすいですよ。
参考・引用情報(出典)
- Snow Peak「キャンプスターターガイド」 — 日本を代表するキャンプメーカーの入門情報。設営やギア選びの考え方が丁寧。
- mont-bell「登山装備ガイド」 — 温度帯別の装備選びや寝袋性能の基準を紹介。
- Coleman「きゃんさぽ!」 — 初心者向けに道具の使い方・選び方を詳しく解説。
- 日本レクリエーション協会「キャンプ初心者のための基礎講座」 — 安全・マナー・防災意識を体系的に学べる。
- Alpen Outdoors公式サイト — 国内最大級の展示スペースで、体験型販売が魅力。
これらの情報は2025年10月時点の公式サイト内容を基に構成。情報は最新のものをご確認ください。
※本記事は風間 陸による実地取材とメーカー公式情報を基に執筆しています。ギア仕様や価格は時期により変更される場合があります。購入の際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。


