本記事は、UL(ウルトラライト)派とファミリー派の2軸で、現場で実際に効いたギアと運用を型番+公式リンクつきで“実名公開”。R値はASTM F3340準拠でメーカー横断比較可(例:Therm-a-Rest NeoAir XTherm NXT)、寝袋の温度表記はISO 23537(ISO 23537-1)に基づいて選ぶ。火器はテント内使用NGが原則(東京消防庁/NITE)。
ここから先は「設計」で勝つ:断熱→保温→安全の三段ロジック
まずは底冷えの根っこ=地面からの冷気をR値で止める。次に寝袋はISO 23537の温度表記(快適/下限/限界)を“数字から逆算”。最後に火器は屋外運用+常時換気+COチェッカーでゼロ事故設計。順番を守るほど体感は一気に上がる。
UL派|軽量×高断熱の“即戦力”
重量を削りつつ、R値6.0〜8.5帯で底冷えを止める布陣。

R=7.3≈439g
NeoAir XTherm NXT
冬ULの定番。軽量でR7超え。標高1,500m・−9℃でも熟睡できた手応え。

R=8.5≈475g
NEMO Tensor EC
静音×超断熱。寝返り音が少なく山の夜が静か。冷えやすい方の切り札。

Comfort≈−8℃
mont-bell Down Hugger 800 #0
ストレッチが秀逸。軽さと暖かさの両立でUL冬寝袋の軸。
ファミリー派|“暖かさと安心”重視の鉄板装備
扱いやすさ・洗える・子どもが寝返りしやすい──現実解で組む。

R=6.0
Therm-a-Rest LuxuryMap
自動膨張で設営ラク。厚みがあって“底冷え無縁”。家族分を並べてもフラット。

R=6.2
Sea to Summit Ether Light XT Extreme
分厚いエアで寝心地が良く、子どもの寝返りも安心。家族の“快眠装置”。

洗える
mont-bell Burrow Bag #0
化繊で濡れに強く、丸洗いOK。子どもの汗や結露でも安心。

防水透湿
NANGA AURORA LIGHT 600DX
結露に強いシェル。連結運用で親子“ダブル仕様”にも。
比較表:冬マット(R値・重量・タイプ)
モデル | R値 | 重量 | タイプ | 厚み | 得意シーン | 公式 |
---|---|---|---|---|---|---|
NeoAir XTherm NXT | 7.3 | ≈439g | エア | 7.6cm | UL冬山/軽量ソロ | 公式 |
NEMO Tensor EC | 8.5 | ≈475g | エア | 7.6cm | 静音/極寒対応 | 公式 |
Sea to Summit Ether Light XT Extreme | 6.2 | ≈720g | エア | 10cm | 家族の寝心地重視 | 公式 |
Therm-a-Rest LuxuryMap | 6.0 | ≈1,370g | フォーム | 7.6cm | オート/電源サイト | 公式 |
※ R値はASTM F3340準拠の公表値ベース。重量はサイズにより変動。
比較表:冬寝袋(形状・中綿・快適温度)
モデル | 形状 | 中綿 | 快適温度 | 重量 | 特徴 | 公式 |
---|---|---|---|---|---|---|
mont-bell Down Hugger 800 #0 | マミー | ダウン | ≈−8℃ | ≈1,100g | 伸縮&軽量でUL寄り | 公式 |
mont-bell Burrow Bag #0 | マミー | 化繊(Exceloft) | ≈−5℃ | ≈1,650g | 濡れ強い/洗える | 公式 |
NANGA AURORA LIGHT 600DX | マミー | ダウン | ≈−8℃ | ≈1,100g | 防水透湿シェルで結露に強い | 公式 |
※ 快適温度はISO 23537準拠表示の目安。体感差・着衣・敷層で実測は上下します。

まとめ|ULもファミリーも“設計”で凍えない
- UL派:R値6〜8.5+快適温度−8℃級で軽さと断熱を両立。
- ファミリー派:フォーム×化繊で“扱いやすさと安心”。結露・汗に強い構成を。
- 共通:火器は屋外運用+常時換気+COチェッカーでゼロ事故設計。
冬は過酷じゃない。正確な設計があれば、ただの静寂と星空だ。
FAQ(よくある質問)
Q1. まず1つだけ買うなら?
A. 高R値マット。体感が一番変わる。徒歩なら XTherm NXT、オートなら LuxuryMap。寝袋はその次でOK。
Q2. 子どもが寒がる。どう対策?
A. マット2枚重ね+湯たんぽ。湯たんぽは厚手カバーで足元。R値は合算で効いてくる。
Q3. ダウンと化繊、どっちがいい?
A. 乾いた氷点下=ダウン。湿雪や結露多発エリア=化繊。家族キャンプは洗える化繊が安心。
Q5. −8℃で本当に寝られるの?
A. 僕はR=7前後のマット+ダウンのマミー型で余裕。敷き順は「グランド→マット→(電気毛布)→寝袋」。湯たんぽは足元、ロフトを潰さない置き方がコツ。