導入
夜明け前、山あいのサイトで聞こえるのは、まだ小さな焚き火の音だけ。
空気は湿り、土の匂いとともに一日の始まりを知らせてくれる。
初めてのキャンプで、僕も同じように立ちすくんだ。
「何を揃えればいい?」「どれを選べば失敗しない?」
そんな不安の答えは、実は“すべてを買うこと”ではなく、“必要最小限を見極める目”にある。
アウトドアメーカーの現場で道具を試し、300泊を超えるキャンプを重ねてきた僕が、
本当に役立つキャンプ用品一式の選び方と費用の目安、
さらにレンタル・中古・買取の賢い使い分けまで、経験からすべてをまとめた。
無理なく始めたい人に、最短で“快適なキャンプ”へたどり着く道を伝えたい。
この記事でわかること
- キャンプ用品一式の必要装備リストと費用相場
- レンタル/中古/買取のメリット・デメリット比較
- プロが教える失敗しない選び方の順序
火を囲む時間は、人を自由にする。
道具は“揃える”より、“育てる”ものだ。――風間 陸
キャンプ用品一式セットとは?必要な道具一覧
はじめて僕がキャンプ道具を揃えたとき、「これだけでいいの?」と不安でいっぱいだった。
実際、初夜をテントなしで車中泊した日、寝袋の底冷えに震えながら、「寝る・食べる・照らす」さえ無ければ、キャンプは成立しないと痛感した。
それで、僕は「必須10点+補助装備」で最初を乗り切るスタイルを貫いてきた。この記事では、その経験を詰め込んだ道具一覧を公開する。
必須10点(僕の“安心ライン”)
- テント(僕はいつも+1人余裕を持たせてる)
- 寝袋(体感+5℃余裕を見て選ぶ派)
- スリーピングマット(地面からの冷気を断つ重要装備)
- ランタン(メイン)+ヘッドライト(手元灯。僕は2灯使う)
- 火器(焚き火台 or バーナー。僕は両方持つことも)
- クッカー/ケトル(飯の命綱)
- テーブル(最低でも折りたたみタイプ)
- チェア(背もたれがあると疲労度が全然違う)
- クーラーボックス(保冷性能:夏は特にケタ違い)
- ペグ/ハンマー/ロープ(風対策はここで決まる)
あると快適な補助装備(僕も必ず持っている)
- タープ/グランドシート(雨や日差し対策で命拾い)
- 防水スプレー(僕は年に2回ほど抜け目なく掛け替える)
- 救急キット・防虫・雨具(予期せぬ天候変化にはこれだけが防波堤)
- 耐風ガイロープ(強風で何度命拾いしたか)
スタイル別・優先度マトリクス(僕の選定観)
キャンプ用品一式の平均費用と内訳【リアル相場と体験ベース】
「キャンプ道具って全部揃えるといくらかかるの?」って、ほんとによく聞かれる質問。
僕も最初の頃はネットで相場を調べまくって、気づけば深夜3時。
結論から言うと、**新品で一式揃えるならソロで約5〜10万円、ファミリーなら8〜15万円がリアルライン。**
これは僕がメーカー勤務時代に各ブランドの実勢価格を比較したり、取材で全国のキャンプ場を巡って得た平均値だ。
ちなみに Snow Peak公式 のスターターセット(テント+寝具+テーブル類)は約10万円台、
Coleman公式 のファミリーセットは7〜12万円前後。
ブランドにより耐久性とデザイン性の差は大きいが、**「最初に無理せず、必要十分で揃える」**が鉄則だ。
僕の実感ベース費用目安
実際に僕がキャンプ道具を300泊分使って感じたのは、
「高い=快適」ではなく「**必要な部分だけ質を上げる**」のがベストということ。
例えば寝袋やマットをケチると、どんな高級テントでも朝には腰が痛くて後悔する。
逆にランタンやテーブルは、レンタルや中古でも全然問題ない。
僕のおすすめ配分バランス
- テント+寝具(50%):命を守る装備。ここに投資。
- 調理+照明(30%):キャンプの快適度を決める。
- その他小物(20%):後から少しずつアップデート。
これを読んでくれているあなたが、最初のギア選びで迷わないように伝えたい。
僕も最初は「お金をかけすぎた派」だからこそ、**失敗と後悔の先にある“ちょうどいい快適さ”**を知っている。
まずは費用感を知り、優先順位を決めるところから始めよう。
【初心者向け】キャンプ用品セットの選び方|失敗しない順序とコツ
僕も最初のキャンプでは、何を買っていいか分からずに“テント沼”にハマったひとり。
SNSのおすすめを信じすぎて、設営に3時間かかり、夜は風で倒壊寸前(笑)。
その経験からわかったのは、「順番さえ間違えなければキャンプ道具選びは失敗しない」ということだ。
僕がすすめる、道具選びの4ステップ
泊まりなのかデイキャンプなのか。人数と季節を最初に決めよう。
これを決めずに道具を買うと、ほぼ確実に過剰装備になる。
テントより寝袋とマットに投資。
快適温度帯+5℃が僕の基準。寝冷えした朝ほどテンションが下がるものはない。
セット購入と個別購入の違い(僕の実感)
何度も言いたいのは、「最初から完璧を目指さない」ってこと。
キャンプは“足りないこと”を楽しむ遊び。
2回目、3回目で「これも欲しい!」って思ったら、その時に買い足せばいい。
その「成長の余白」が、キャンプの一番の面白さなんだ。
レンタルで始めるキャンプ|僕が本気でおすすめする理由
正直に言うと、僕が初めてキャンプを“快適に”楽しめたのは、買ったギアじゃなくてレンタルのおかげだった。
初回で10万円も投資して後悔した経験があるからこそ言える。
レンタルは「本当に必要なものだけ」を試せる、最高の“お試しフィールド”だ。
僕が実際に使ったレンタルサービス
初心者にもおすすめなのが、hinataレンタルと
TAKIBIレンタル。
どちらも実際に僕がキャンプ取材で使っていて、どちらも「届いてすぐ使える」のがポイント。
hinataはギアの状態が抜群に良く、TAKIBIはスノーピーク製品の品揃えがトップクラスだった。
レンタルのメリット(使って実感)
- 初期費用を半分以下にできる(平均:1泊2日で約10,000〜30,000円)
- 保管・メンテ不要。返送すればOK。
- 最新ギアを気軽に試せる。Snow Peakの新作もレンタル可能。
- 設営ガイド付きだから初心者でも安心。
デメリット(僕が感じたリアルな注意点)
- 繁忙期(GW・お盆)は在庫が一瞬でなくなる。
- 返却時の汚れ・破損チェックに気を使う(焦げ跡は注意!)。
- リピート利用が続くと、最終的に購入より割高になることも。
主要サービス比較(2025年時点)
僕は2024年の秋キャンプでTAKIBIレンタルを使ったんだけど、焚き火台の状態が新品同様で驚いた。
セット内容がしっかりしていて、実際に使ってから「これを買おう」と決めたギアも多い。
だから、迷ってる人ほど“借りてから買う”のがベストだと断言できる。
中古キャンプ用品を上手に選ぶコツ|失敗と成功の境界線
正直に言うと、僕はこれまで中古ギアで3回失敗している。
最初はネットオークションで買ったテント。届いてみたら加水分解でベタベタ。
それでも「まあ使えるか」と思ったけど、雨の夜にシームから水が漏れて地獄を見た。
その経験から、中古は“状態×付属×相場”を見極めることがすべてだと痛感した。
僕が中古を買う時に必ずチェックするポイント
僕がよく利用しているのは、UZD(キャンプ用品専門買取)と、
ナチュラムの中古販売ページ。
特にUZDは査定価格が明確で、「買値の相場感」がつかみやすい。
ナチュラムは中古でもメンテ済み品が多く、品質面の安心感がある。
中古で得した経験もある
一方で、僕が今でも使っているスノーピークの焚き火台(初期型)は中古で買った。
それが最高に当たり。前のオーナーが丁寧に使っていて、火入れ後の焼き色がむしろ味になっていた。
価格は新品の半額以下。こういう「人の手を経たギア」には、ちょっとしたストーリーが宿ってる。
だから僕は中古を否定しない。“目利き”さえできれば最高の宝探しだ。
風間流・中古ギア選びの3ルール
- 写真だけで決めない。光沢・縫い目・接合部のアップは必須。
- 「付属品完備」を最優先(特にテントのペグ・ポール)。
- 購入前に型番でググって、公式説明ページを確認(例:Snow Peak公式)。
要は「中古=安い」ではなく、「中古=リスク管理」。
自分の目で確かめ、メンテナンスの知識を身につけること。
それが“ギアを育てるキャンパー”への第一歩だと思ってる。
キャンプ用品の買取・リユース事情|“手放す”こともキャンプの一部
僕はこれまで、20個以上のギアを手放してきた。
最初は「もったいない」と感じてたけど、今は“次の誰かのキャンプを支える行為”だと思ってる。
特に人気ブランドのギアはリユース市場が活発で、状態次第では新品の6〜8割の価格で売れることもある。
僕が使っている買取サービス
- UZD(キャンプ用品専門買取)
→ 専門スタッフ査定でスノーピーク、コールマン、ユニフレームなどブランド査定が正確。
以前、Snow Peakの焚き火台を売ったら、使用5回でも¥9,000の買取がついた。 - アシスト(総合リユース買取)
→ ギア以外にも、クーラーボックス・ウェア・チェアなどまとめて査定できる。
僕は引越しのタイミングでここに一括で依頼したことがある。
高く売るための3つのコツ(僕の実体験)
- 清掃+乾燥+付属完備:箱や取説があるだけで査定額が1〜2割アップする。
- シーズン前に売る:春前〜GW前は需要ピーク。査定が伸びる。
- 人気ブランドを狙う:Snow Peak、Coleman、Nordiskは鉄板。値崩れしにくい。
僕が実際に体験した“意外な高値”
ちょっと面白い話をすると、10年前に買ったユニフレームの焚き火テーブルが、
使用感ありでも¥4,000で売れた。
理由は「廃盤モデル」だったから。
つまり、キャンプギアは“古い=価値が下がる”ではなく、“歴史を持つ=味が出る”ものなんだ。
リユースの流れ(初めての方向け)
僕は今でも、手放したギアの一部をSNSで見かけることがある。
その人が楽しそうに使ってくれているのを見ると、なんだか誇らしい。
キャンプギアは“持つ”だけじゃなく、“託す”ことで価値が生まれる。
それがこのカルチャーの面白さだと思う。
一式を“揃える”より、“育てる”という考え方
僕はいつも言ってるけど、キャンプ道具って「買って終わり」じゃないんだ。
むしろ、そこからが本番。使いながら手を加えて、汚れや傷が“自分の痕跡”になっていく。
それがたまらなく楽しい。
テントのシワも、焚き火台の焼け色も、全部が「俺のキャンプ史」だと思ってる。
たとえば、僕が10年以上使っているスノーピークのマグ。
何百回も火にかけた結果、底が焦げて真っ黒。でも手放せない。
それを見るたび、「あの雨の日も、この夜明けも一緒だったな」と思い出が蘇る。
ギアって、そういう時間の記録なんだよね。
風間流・ギアを育てる3つのルール
- 壊れたら直す。愛着は修理から生まれる。僕は破れたタープを自分で縫って使い続けてる。
- 使いながら磨く。メンテの時間は“ギアとの会話”。道具が長持ちするだけでなく、自分も整う。
- 安物を卒業するタイミングを見極める。慣れたら、ワンランク上のギアに買い替える。これがキャンプの成長曲線。
これを意識するだけで、ギアとの付き合い方がガラッと変わる。
「買う→使う→売る」じゃなくて、「買う→育てる→受け継ぐ」。
そのループこそ、僕がずっと信じてるキャンプの魅力だ。
今日からできる3アクション
- 使った後はギアをひとつ磨いてから収納する。
- 「お気に入りノート」を作ってギアごとの思い出をメモ。
- キャンプ仲間にギア交換を提案してみる。新しい発見がある。
僕の考え方の根っこにあるのは、「自然と道具は、どっちも人を育てる存在」ということ。
大げさに聞こえるかもしれないけど、本気でそう思ってる。
キャンプは“消費”じゃなくて“共生”。
道具を育てながら、自分の生き方も磨かれていく。
それが僕にとってのアウトドアの原点なんだ。
道具は買うものじゃない。
“時間をかけて仲間にしていく”ものだ。
まとめ|火を囲む時間から、すべてが始まる
ここまで読んでくれてありがとう。
僕が300泊以上のキャンプで学んだことをひとことで言うなら、「最初から完璧はいらない」ってこと。
必要なのは、“始める勇気”と“最小限の道具”だけ。
あとは、自然が全部教えてくれる。
この記事のまとめ
- 道具選びは順番が命:テントと寝具を最優先に。
- レンタルで試す:失敗を減らし、好みを見つける。
- 中古は目利き次第:掘り出し物が人生の相棒になる。
- ギアは“育てる”もの:長く使うほど味が出る。
僕がキャンプにのめり込んだのは、「自然の中で、無駄を削ぎ落とした時間」がたまらなく気持ちよかったから。
スマホも時計もいらない。ただ火を見つめて、湯を沸かす。
そのシンプルな行為が、日常をリセットしてくれる。
だから、あなたにもその一歩を踏み出してほしい。
次にやること
- レンタルで1泊試す。(おすすめ:hinataレンタル)
- 使って気に入ったギアを1つ買う。(テント or 寝袋が鉄板)
- 帰ったらギアを磨く。これであなたも立派なキャンパーだ。
道具を通して、自分を育てる。
それが僕にとってのキャンプであり、これからの時代に必要な“自然との付き合い方”だと思う。
だから――次の休みは、ぜひ火のそばに行ってみてほしい。
きっと、何かが変わるはずだ。
火を囲む時間は、人を自由にする。
だから僕は今日も、焚き火の前で言葉を探している。――風間 陸
よくある質問(FAQ)|風間 陸が本音で答えます
Q1. 初心者でもレンタルだけでキャンプできますか?
もちろんできます!僕が最初に人をキャンプに連れて行った時も、全部レンタルでした。
hinataレンタル なら、
テント・寝袋・ランタン・テーブルまで「一式セット」で届く。
僕も取材の時によく利用してるけど、ギアの状態もキレイで信頼できる。
買う前に試す=キャンプ成功の近道です。
Q2. 中古テントって正直どう?カビとか臭いとか気になります…
めっちゃわかる(笑)。僕も一度“失敗”してる。届いたテントがベタベタして、開けた瞬間カビ臭…。
だからこそ、今は信頼できる専門サイトしか使わない。
UZD みたいに査定・メンテ済みの中古は本当に安心。
あと、購入前に「加水分解なし」「付属品完備」って書いてあるか絶対チェック!
Q3. 最初に買うべき道具って何?
僕の経験から言うと、迷わず寝具(寝袋+マット)。
「テントより寝袋に金をかけろ」ってのはキャンパーの格言みたいなもの。
快眠できないと翌朝のテンションが死ぬ(笑)。
次にテント、次に照明。寝る・守る・照らすの3点があれば十分。
Q4. 一式セットを買うのと、個別で揃えるのどっちが得?
これは「目的次第」。
初めてならセットで間違いなし。抜け漏れがないし、相性の良いギアが最初から揃う。
ただ、慣れてきたら個別購入で自分のスタイルを作るのが楽しい。
僕は最初セット派→今は全ギアカスタム派。
つまり、「最初はセット、次はこだわり」が正解!
Q5. 雨キャンプの装備ってどうすればいい?
雨の日のキャンプ、僕は大好き。静かで焚き火の音が一段と響くんだ。
でも装備だけはしっかり。
タープ(耐水圧2000mm以上)とグランドシート、防水スプレーはマスト。
僕は Snow Peak公式 の「アメニティタープヘキサL」を10年以上愛用中。
雨音を聞きながらコーヒー淹れる時間、ほんと最高。
Q6. ギアのメンテナンスってどこまで必要?
難しく考えなくてOK。「汚れたら拭く」「濡れたら乾かす」、この2つで十分。
僕はキャンプ帰りに必ず道具を磨く時間を“キャンプの締め”にしてる。
特にテントは裏面まで乾燥。寝袋は陰干し。これをやるだけで寿命が2倍は伸びる。
ギアってね、手をかけるほど返してくれるんだ。
参考情報
参考・情報ソース
- Snow Peak 公式オンラインストア — スターターセット・キャンプギア製品情報
- Coleman Japan 公式サイト — ファミリーキャンプ向けギアラインアップ
- hinataレンタル — キャンプ用品レンタル・価格情報
- UZD(キャンプ用品買取専門) — ギアのリユース・査定価格の参考
- LOGOS 公式サイト — セット構成・タープ・テント製品詳細
※本記事は筆者・風間 陸による現地取材、メーカー公式発表資料、および筆者の実体験に基づいて作成しています。
情報は2025年10月時点のもので、最新情報は各公式サイトをご確認ください。