荷物を減らして自由を増やす。ソロキャンプ用品おすすめランキング【軽量・コンパクトギア編】

キャンプ用品

「荷物を減らす」と聞くと、我慢や不便を想像する人が多い。でも実際は、その逆だ。荷を軽くするほど、自由が増える。移動が楽になり、設営も早くなり、焚き火の前で過ごす時間が増える。それが、ソロキャンプの本当の醍醐味だと僕は思っている。

僕はこれまで、国内外300泊以上のソロキャンプを経験してきた。山岳・海辺・真冬の長野……現場で叩き上げた知見から、軽量・コンパクトギアだけを厳選して「本当に背負って行きたい順」に紹介する。

この記事で紹介するのは、カタログ値ではなく現場での使い勝手と再現性。風に強いか、設営が速いか、燃焼が安定するか、パッキングで無駄がないか。そういう“実戦値”で並べたランキングだ。

荷物を減らすことは、自然との距離を縮めること。風の音、焚き火の匂い、夜明けの静けさをダイレクトに取り戻そう。
焚き火の音は、心のざわめきを浄化する。 その音をいち早く聞くために、身軽で行こう。

荷物を減らして自由を増やす。ソロキャンプ軽量・コンパクトギア【総合ランキング】

評価軸:重量/収納性/設営&操作性/快適性(座り心地・保温力・安定性)/価格の納得感。総合点で並べています。

1位:Naturehike Cloud Up 1(ソロULテント)

公称重量:約1.6kg / 収納サイズ:約41×13×13cm / 耐水圧:フライ約4000mm
公式サイト

使って感じたこと:背負って登る日でも“テントで寝るワクワク”を諦めなくていい。設営はポール1本の自立式に近い感覚で、風の稜線でも5分前後で形になる。前室にバーナーと靴が収まるミニマム感がちょうど良く、「必要最小限」=「十分」を実感できる一張り。

ここが刺さる:付属フットプリント込みでこの軽さと価格帯。結露は張りを強めに取り、頂点側を風上に向けると抑えられる。山の肩で2泊してもペグ抜けなし。

  • 設営スピード:★★★★★
  • 軽量性:★★★★☆
  • 耐候バランス:★★★★☆

2位:BUNDOK ソロベースEX(パップ型ソロ幕)

収納サイズ:約47×24×24cm(参考) / 特長:スカート&サイドウォール付属の拡張性
BUNDOK 公式ブランドサイト

使って感じたこと:“焚き火前提”のソロにハマる。幕前を跳ね上げれば居住&作業スペースが一気に広がり、雨でも火と会話できる。ポリコットンで火の粉に強く、冷気を切るスカートが肩口の寒さを和らげる。

注意:重量・収納容積はULではない。快適基地を軽量に最適化したい人向け。煙突ポートは非想定、テント内火器は絶対NG。

  • 設営スピード:★★★★☆(慣れ要)
  • 快適性:★★★★★
  • 軽量性:★★☆☆☆

3位:TOKYO CRAFTS 焚き火台 マクライト2

重量(実装):本体約500g+焼き台420g+ゴトク140g+ケース60g ≒ 約1,120g / 収納:約21×40×厚2.5cm / 参考価格:¥9,980(税込)
公式サイト

使って感じたこと:横風に強い。火床の傾斜とサイドパネルが熾火を守り、火力がぶれない。ゴトク高さ3段で炭火~直火調理がストレスなし。撤収も灰捨てしやすく、“使い切ってサッと畳む”ができる名作。

  • 燃焼安定:★★★★★
  • 軽量性:★★★★☆
  • 調理の自由度:★★★★★

4位:Helinox チェアワン

重量:約893g / 耐荷重:145kg / 収納:約35.5×11×11cm
Helinox 公式(EU)製品ページHelinox 日本公式

使って感じたこと:腰が休まる=翌日の行動力が変わる。張りのある座面とDACポールのしなりで、長時間でも疲れにくい。地面が柔らかい時はボールフィート併用で安定度UP。

  • 座り心地:★★★★★
  • 耐久性:★★★★★
  • 軽量性:★★★☆☆

5位:mont-bell シームレス ダウンハガー800 #3

想定快適温度:目安5℃前後 / 軽さと伸縮:スパイダーバッフル+ストレッチで寝返りが楽
モンベル公式製品ページ

使って感じたこと:寝袋の“突っ張り感”がないと、テントの狭さが気にならない。復元力の高い800FPダウンで夜明けの冷え込みも余裕。乾燥&保管を丁寧にすれば数年戦力。

  • 保温バランス:★★★★★
  • 軽量性:★★★★☆
  • 快眠度:★★★★★

6位:Klymit Static V2(スタティックV2)

重量:約454〜460g / R値:1.3(ASTM) / 収納:約20×8cm(目安:3×8インチ)
Klymit 公式(US)Klymit 公式(EU)

使って感じたこと:V字チャンバーが体を“面”で支え、寝返りでズレにくい。夏〜肩シーズンはこれ一枚、冬はクローズドセルと重ねると無敵。ザックの隙間に水筒サイズで収まるのが正義。

7位:trangia スピリットバーナー(B25)

重量:約110g / 燃料:アルコール / 特徴:静かな燃焼、メンテ不要のシンプル構造
Trangia 公式

使って感じたこと:“音のしない炎”はキャンプの質を上げる。ガスより時間はかかるが、湯気と匂いに意識が向く。メスティン炊飯と相性抜群、五徳や風防を工夫すると再現性が上がる。

8位:snow peak チタンシングルマグ 300(MG-142系)

重量:超軽量(シングルウォール) / 容量:300ml / 直火:可(※ダブルは直火不可)
Snow Peak 公式(英語製品ページ)Snow Peak 公式解説

使って感じたこと:朝の直火コーヒーが“軽さのご褒美”。焼け色が育つチタンは愛着が湧く。ハンドルは折りたたみでパッキングも美しい。

9位:SOTO フィールドホッパー ST-630

重量:約395g / サイズ:使用W297×D210×H78mm/収納W297×D110×H19mm / 参考価格:¥7,150(税込)
SOTO 公式

使って感じたこと:ワンアクションで“パチン”と展開する瞬間が気持ちいい。小鍋+シングルバーナーを載せてもたわまず、サイト整頓が一気に進む。撤収時もスリーブへ流し込むだけ。

10位:DOD コンパクトタープポール XP1-630-BK

収納長:約40cm / 最大高:約203cm / 仕様:径19mm・肉厚1.2mm、分割式
DOD 公式

使って感じたこと:サブポールとして“ちょうど良い剛性”。パップ幕の跳ね上げやタープの微調整に万能。ザック背面にも収まりやすい40cm収納。

主要ギアの比較表(軽量・コンパクト視点)

製品 重量 収納サイズ 参考価格 公式
Naturehike Cloud Up 1 約1.6kg 約41×13×13cm US公式$109〜 公式
BUNDOK ソロベースEX (公称未掲) 約47×24×24cm(参考) 市場価格変動・要確認 公式
TOKYO CRAFTS マクライト2 約1,120g(総重量) 約21×40×2.5cm ¥9,980 公式
Helinox チェアワン 約893g 約35.5×11×11cm モデルにより異なる 公式
mont-bell ダウンハガー800 #3 (軽量800FP) コンプレッション後:小型 要公式確認 公式
Klymit Static V2 約454〜460g 約20×8cm(3×8in) US公式 $74.99〜 公式
trangia スピリットバーナー B25 約110g 掌サイズ 要公式確認 公式
snow peak チタンシングルマグ300 超軽量 現行価格は直営参照 公式
SOTO フィールドホッパー ST-630 約395g 297×110×19mm ¥7,150 公式
DOD コンパクトタープポール 収納長約40cm 市場価格変動・要確認 公式

※価格は時期・流通により変動。最新は各公式ページをご確認ください。

まとめ:軽くする=“自由時間”が増える。まずはひとつ、重いギアを手放してみよう

軽量化って、我慢じゃないんです。むしろ、時間を取り戻す行為。テント・椅子・火まわり・寝具――どれか一つでも軽くすると、設営も撤収もラクになる。その分、焚き火の前で“何もしない時間”が増える。これが、ソロキャンプのいちばん贅沢な瞬間だと僕は思う。

たとえば、僕は昔「焚き火台」を軽量モデルに変えただけで、設営時間が15分短縮された。TOKYO CRAFTS マクライト2にしてからは、収納も薄くなってザックの空きスペースが増え、調理器具や食材を余裕で積めるようになった。時間・スペース・体力、全部に余裕が生まれるんです。

順番としては、焚き火台 → テーブル → 椅子の順で軽量化するのがおすすめ。体感の変化が最もわかりやすい。特にSOTO フィールドホッパーは、たった数秒で設営完了。あの「パチン」と開く音を聞くだけで、もうキャンプモードにスイッチが入る。

軽くなるほど、自然の音が濃く聞こえてくる。荷物を減らすことは、感覚を取り戻すこと。“足るを知るキャンプ”って、意外と自由の入口なんです。

まずはひとつ、重いギアを置き換えてみよう。 その瞬間から、キャンプの時間軸が変わります。

Q. 軽量化すると快適性が下がりませんか?

A. 下げないコツ、ちゃんとあります。僕は「寝袋の快適温度域」と「マットのR値」だけは絶対に削らない派。たとえば夏〜肩シーズンは Klymit Static V2(R値1.3)で軽量化、寒い時期はクローズドセルを下に足して断熱を底上げ。椅子・テーブル・焚き火台の軽量化は“体感を下げずに荷物だけ軽くできる”おいしい領域です。

Q. 初めての一品は何から置き換えるべき?

A. 即効性ならこの2つ。1つ目は SOTO フィールドホッパー ST-630。ワンタッチで“パチン”と開き、400g弱とは思えない剛性で調理が一気にラク。2つ目は Helinox チェアワン。腰の疲労が明確に減る=翌朝の行動力が変わる。初回投資の満足度が高いのはこの2強です。

Q. ULテントは風や雨に弱くない?

A. 設営次第。僕のやり方は「張り綱の角度は45°前後」「ペグは最低8本」「風上に低い面」。Naturehike Cloud Up 1は前室も活かしてテンションを強めに取ると稜線ナイトでも粘ります。結露はベンチレーションを確実に開ける+フライの張りでかなり変わります。

Q. アルコールバーナーとガス、どっちがいい?

A. 「何を大事にするか」で選び分け。静けさと儀式感を楽しみたい日は Trangia スピリットバーナー(B25)。サイマーリングでとろ火~消火まで1台完結で、メスティン炊飯の再現性が高い。スピード・火力調整・低温時の安定性を優先する日はガス。僕は「朝=ガス、夕方=トランギア」で静と動を使い分けています。

Q. 予算が限られてる。どこに投資するべき?

A. まず寝具(寝袋+マット)。ここをケチると行動力と安全性が落ちる。3シーズンなら mont-bell シームレス ダウンハガー800 #3 が鉄板。次点で焚き火台(マクライト2)と椅子(チェアワン)。この3点を更新すると“キャンプの質”がガラッと上がります。

Q. UL思考での撤収時のコツは?

A. 使い終えた順に“戻し先が決まっている”こと。僕は「火まわりポーチ」「調理ポーチ」「寝るポーチ」の3モジュールに分割。フィールドホッパーはテーブル→スリーブに流し込むだけ、マクライト2は灰捨てがしやすく、撤収タイムが短縮できます。

参考リンク(公式)

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