風が火を揺らした瞬間、島の時間が動き出す――長崎“離島キャンプ”で焚き火が最高になるスポット&フェリー完全ガイド

キャンプ場

フェリーが桟橋を離れた瞬間、足元から「日常」がゆっくり剥がれ落ちていく感覚があった。

アウトドアライターとして全国のキャンプ場を歩き、300泊以上の野営を重ねてきた僕でも、長崎の離島に向かうフェリーのデッキに立つ時間だけは、いまだに胸がざわつく。潮風に混じる鉄の匂いと、船体が海を割る低い振動。あれは、旅のスイッチが静かに入る合図だ。

頬を冷たい潮風が撫で、振り返れば長崎の街の灯りが、遠ざかる星のように滲んでいく。その向こうで、まだ仕事メールの通知が鳴り続けているはずなのに、ここにはもう届かない。「本土の喧騒」が、海の向こう側に置き去りにされていく瞬間。

島に着く頃には、空の色は深く沈み、海は闇に溶け、焚き火だけが自分の「現在地」を教えてくれる灯台になる。僕はこれまで何度もその光に救われてきた。焚き火の赤は、都会の白い光では照らせない“心の奥”を映し出してくれる。

「離島で焚き火をする」という行為は、ただキャンプをすることじゃない。
火と風と波のリズムに、心の時計をそっと合わせ直すための、小さな再起動だ。島の夜ほど、焚き火の音が深く響く場所を僕は知らない。

この記事では、アウトドアメーカー勤務時代から現在まで、20年以上にわたり長崎の離島を歩き続けてきた僕・風間陸が、五島列島・壱岐・的山大島を中心に、“本当に焚き火が美しく見えるスポット”と、旅の成否を分けるフェリーの乗り方・注意点まで徹底的にガイドする。

あなたが次に島へ渡るとき、焚き火の前でふとこの文章を思い出してくれたら、ライター冥利に尽きる。


  1. 長崎は“島キャンプ天国”だった|離島数・自然・キャンプの魅力
    1. 長崎に島がそんなにあるって知ってた?
    2. なぜ今“長崎の離島キャンプ”が注目されているのか
      1. ① 密を避けつつ、ちゃんとワクワクできる
      2. ② “フェリーに乗る”だけで旅のテンションが一段上がる
      3. ③ 海・山・集落がギュッと詰まった“離島スケール”がちょうどいい
    3. 長崎の島キャンプについて、友だちによく聞かれる質問
      1. Q. 長崎の離島キャンプって、初心者でもいきなり行って大丈夫?
      2. Q. 島のキャンプって、本土と比べて何が一番違う?
      3. Q. 情報収集はどこを見るのが一番確実?
  2. 五島列島:海と焚き火がもっとも近い島|福江島のキャンプ場ガイド
    1. 五島列島が“キャンプ向きの島”と言われる理由
    2. 宮の森総合公園キャンプ場|街と自然のいいとこ取り
      1. 宮の森総合公園キャンプ場について、風間陸がよく聞かれる質問
        1. Q. テント泊とバンガロー、どっちがおすすめ?
        2. Q. 焚き火ってどんな感じで楽しめる?直火はできる?
        3. Q. 買い出しはどうしてる?島って物価高かったりしない?
    3. さんさん富江キャンプ村|海沿い芝生サイトで焚き火を囲む
      1. 海風と焚き火台の相性をちゃんと考えよう
      2. さんさん富江キャンプ村について、風間陸がよく聞かれる質問
        1. Q. テント泊とバンガロー、どっちが“さんさん富江らしさ”を味わえますか?
        2. Q. 手ぶらBBQって実際どう?自分で持ち込んだ方が安い?
        3. Q. 風が強い日のさんさん富江って、正直どうですか?キャンセルレベル?
    4. 五島列島へのフェリー&高速船アクセス完全ガイド
      1. キャンプ道具があるなら、高速船とフェリーどっちが向いてる?
        1. ● ジェットフォイル(高速船)が向いているケース
        2. ● フェリーが向いているケース
      2. 「五島行きフェリーの予約、ここだけは押さえておこう」
  3. 的山大島:静寂を味わう“野営の本丸”|大賀キャンプ場のリアル
    1. 観光地すぎない島で“暮らしの時間”にお邪魔する
    2. 無料で使える“大賀キャンプ場”の素朴な魅力
      1. 風が強い日の“大賀キャンプ場”設営テクニック
    3. 平戸〜的山大島フェリーの乗り方・注意点
      1. 島に着いてからの“足”も要チェック
      2. 的山大島キャンプが向いている人・向いていない人
      3. 大賀キャンプ場&フェリーについて、風間陸がよく聞かれる質問
        1. Q. 大賀キャンプ場って、本当に無料なんですか? 予約いらない?
        2. Q. トイレとかシャワーって、正直どう? 汚くない?
        3. Q. ソロで行っても浮きませんか? むしろ怖くない?
        4. Q. フェリー酔いが心配です…。的山大島行きって揺れますか?
  4. 壱岐島:はじめての離島キャンプに最適な“入門の島”
    1. 壱岐が“初心者向き”と言われる3つの理由
    2. 壱岐で焚き火を楽しむキャンプスタイル
    3. 博多港〜壱岐の高速船・フェリー攻略
      1. どっちを選ぶ? 荷物とスタイルで決めよう
      2. 連休・ハイシーズンの「予約のコツ」
      3. 壱岐キャンプ&フェリーについて、風間陸が友だちに答えているQ&A
        1. Q. はじめての離島キャンプ、いきなり壱岐でも大丈夫?
        2. Q. 壱岐って、キャンプしない時間も楽しめる?
        3. Q. 船が苦手なんだけど、それでも壱岐キャンプ行けるかな?
  5. 離島キャンプの“焚き火ルール”完全解説|直火禁止のワケと守りたいマナー
    1. なぜ多くのキャンプ場で直火が禁止されているのか
    2. 焚き火台の選び方|海風に負けない相棒を選ぶ
    3. 海キャンプならではの焚き火テクニック
    4. “焚き火ができる人”になるためのマナー
    5. 焚き火ルールについて、風間陸がよく聞かれる質問
      1. Q. 「直火OK」の海辺スポットもSNSで見かけます。どう思う?
      2. Q. 海のキャンプだと、どんな焚き火ギアを“追加”で持って行ったほうがいい?
      3. Q. 焚き火マナーって、どこまで気にすればいい? 正直ちょっと疲れちゃう…。
  6. フェリー旅のコツと“欠航対策”|長崎の海と仲良くなる方法
    1. 長崎のフェリーは「天気予報の一歩先」を読む
    2. 欠航しても折れない旅程の組み方
    3. フェリーにキャンプ道具を載せるときの工夫
    4. 船旅を「ただの移動」から「旅のハイライト」に変える
  7. 島で味わう“特別な夜”の過ごし方|焚き火と星と、少しの孤独
    1. 島の夜の“音景色(サウンドスケープ)”を味わう
    2. 焚き火の前でやりたい小さな儀式
    3. 離島キャンプで食べたい“簡単でうまい焚き火飯”
    4. フェリー&島の夜について、風間陸がよく聞かれる質問
      1. Q. 欠航が怖くて、離島キャンプに踏み出せません…。
      2. Q. フェリーの中での過ごし方、みんなどうしてる? 暇になりませんか?
      3. Q. 島の夜って怖くない? 真っ暗で寝られなさそう。
      4. Q. 島キャンプ飯って、どこまで「現地調達」に頼っていい?
  8. まとめ:風が火を揺らす瞬間に、旅は完成する
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  10. 参考情報・公式サイト一覧

長崎は“島キャンプ天国”だった|離島数・自然・キャンプの魅力

長崎に島がそんなにあるって知ってた?

まず最初にハッキリ言うと、長崎は日本でもトップクラスの「島だらけの県」です。

長崎県の公式資料や国土地理院のデータを見ていると、島の数え方によって数字は少し変わるんですが、ざっくり言って「とんでもない数の島がある」という事実だけは揺るぎません。県のキッズ向けページでも「島の数は594、そのうち多くが無人島」と紹介されていて、県全体の面積の半分近くが島々なんですよ。

さらに、長崎県がまとめている最新の離島資料では、国土地理院の計数をもとに1,000をゆうに超える島々があるとされています。離島振興の対象になっている「有人島」だけでも50以上。
公式の離島ページを見ているだけで、「ちょっと待って、こんなに島あるの!?」ってツッコミたくなります。

地図を開いてみるとよく分かるけど、長崎って、陸地の周りをびっしりと島々が取り囲んでいて、海の上にキャンプフィールドが無数に浮かんでいるような構図なんです。

で、アウトドア目線で整理すると、長崎のキャンプってだいたいこんな感じに分かれます。

  • 本土(長崎市・島原半島など)のキャンプ場
    車でサッと行けて、設備も整った“いつものキャンプ”。
  • 橋で渡れる「島キャンプ」
    伊王島や高島みたいに、フェリーや橋でサクッと行けるリゾート寄りの島キャンプ。
    例:伊王島エリアのキャンプ&海遊び、高島ふれあいキャンプ場など。
  • フェリーに揺られて辿りつく“本気の離島キャンプ”
    五島列島、壱岐、対馬、宇久島…もう完全に「島旅+キャンプ」の世界。

つまり長崎は、「アクセス難度」と「非日常感」のレベルを自分で選べるアウトドア県なんです。

「来週末、ちょっと気分転換したいな」って時は、本土や橋で行ける島へ。
「今年は一発、思い出に残るキャンプ旅をぶちかましたい」って時は、五島や壱岐へ。
この“段階的にアガれる感じ”が、長崎キャンプの沼ポイントだと思ってます。

公式の「ながさき旅ネット」には、長崎の島々やキャンプ場の情報がギュッとまとまっているので、まずはここをザッと眺めてみるだけでもイメトレが捗ります。
長崎しま旅公式サイト(ながさき旅ネット)


なぜ今“長崎の離島キャンプ”が注目されているのか

ここ数年、僕のところにも

  • 「長崎の離島でキャンプしてみたいんだけど、どこがいい?」
  • 「五島列島ってテント持って行ったらヤバい?」

みたいな相談がめちゃくちゃ増えました。

実際、検索トレンドを見ても
「長崎 離島 キャンプ おすすめ」
「五島列島 キャンプ場 海」

みたいなワードはじわじわ伸びています。

僕なりに現地を歩きながら感じている「人気の理由」は、このあたりかなと。

① 密を避けつつ、ちゃんとワクワクできる

正直、本土の人気キャンプ場って、ハイシーズンは「テント村」みたいになりますよね。
もちろんそれはそれで楽しいんだけど、

  • 焚き火してても、隣のサイトの会話が丸聞こえ
  • 夜中までランタンの光があちこちでチラチラ

みたいな環境だと、「自然の中にいる」というより「アウトドアフェス会場にいる」感じに近くなってくる。

その点、長崎の離島キャンプ場は、まだ“静けさ”が残っている場所が多いです。
特に五島列島や宇久島、大浜海水浴場キャンプ場なんかは、波の音がメインBGMで、人の声や車の音はかなり遠くに追いやられる。

僕も初めて宇久島でテント張ったとき、「あ、これはちゃんと脳が休まるやつだ」と感じました。
同じキャンプでも、「人の音」じゃなくて「波と風の音」がメインの夜って、それだけで別物です。

② “フェリーに乗る”だけで旅のテンションが一段上がる

これは島キャンプ経験者ならきっと共感してくれると思うんですが、フェリーに乗る瞬間って、やっぱりワクワクするんですよ。

港までのドライブ、ターミナルに着いたときのちょっとした緊張感、チケット売り場の雰囲気、デッキに出たときの風…。
もうその時点で、「今日は普通の日じゃないぞ」って体が理解し始める。

五島列島なら、長崎港からフェリーや高速船でアクセスできますし、壱岐なら博多港からサクッと行けます。詳しい情報はそれぞれ公式サイトが一番確実なので、旅の計画を立てるときは必ずチェックしてみてください。

個人的には、出港したあとデッキで飲むコンビニコーヒーがもう優勝です。
「今日は絶対いい夜になるな」って、まだ島に着いてもないのに確信してしまうあの感じ、ぜひ味わってほしい。

③ 海・山・集落がギュッと詰まった“離島スケール”がちょうどいい

島って、コンパクトだからこそ「いろんな遊びを一気に詰め込める」のが最高なんですよ。

例えば五島列島のキャンプ場なら、

  • 昼:ビーチで海水浴 or 釣り
  • 夕方:キャンプ場で焚き火&サンセット
  • 夜:星空タイム
  • 翌朝:ちょっとした散歩や教会巡り

みたいな感じで、1泊2日でも旅の密度がすごく高くなる
五島市のキャンプ場特集を見ていると、「魚津ヶ崎公園」「さんさん富江キャンプ村」「宮の森総合公園キャンプ場」など、海とキャンプがセットになった場所がずらっと並んでいて、正直どこから攻めるか迷います。

時間効率がいいのに、心の満足度が高い。
「現実逃避コスパがいい」って言ったら怒られるかもしれないけど(笑)、忙しい社会人にこそ刺さるバランスだと思います。

そして何より僕が長崎の島キャンプで好きなのは、焚き火がちゃんと主役になれる夜があるということ。

街明かりが少ない離島では、焚き火の赤い光が夜の中心になります。
波のリズムと火の揺らぎを眺めていると、不思議とスマホを触る気がしなくなるんですよね。

僕も最初の五島キャンプで、焚き火の前に座ったまま2時間くらい何もせず過ごしたことがあります。
そのときふと頭に浮かんだのが、

「潮風の向こうで、火は静かに息をしていた。」

という一文でした。
たぶん、あなたが長崎の島で焚き火を囲んだら、まったく別の言葉が浮かぶはずです。
その一行をぜひ、キャンプノートやスマホのメモに書き残しておいてほしい。


長崎の島キャンプについて、友だちによく聞かれる質問

ここからは、僕・風間陸が実際に友人たちから聞かれることに、本音で答えるQ&Aコーナーです。

Q. 長崎の離島キャンプって、初心者でもいきなり行って大丈夫?

A. 「場所さえ選べば、むしろ本土よりやさしい」と僕は思ってます。

たとえば五島市の「さんさん富江キャンプ村」や「宮の森総合公園キャンプ場」は、テントサイトに加えてバンガローもあって、シャワー・トイレ・炊事棟も揃っています。
「テント張るのちょっと不安…」という人は、バンガロー泊+外で焚き火、という遊び方でも全然アリです。

僕の体感では、「設備しっかり系の離島キャンプ場」→「ちょっとワイルドな無料キャンプ場」の順番でステップアップしていくと、怖くないし楽しいです。

Q. 島のキャンプって、本土と比べて何が一番違う?

A. 「撤収日も楽しい」ところですね。

本土キャンプだと、撤収の日ってちょっと現実に引き戻される感じが強いじゃないですか。
でも、離島キャンプだと、「撤収 → 港へ移動 → フェリーでゆらゆら」という流れがあるので、
そのフェリーの時間もまだ旅の一部なんです。

デッキでコーヒー飲みながら、「あの焚き火よかったな〜」「次はあの島行こうか」なんて話をする時間が、僕はすごく好きです。

Q. 情報収集はどこを見るのが一番確実?

A. まずは「公式サイト」と「自治体・観光協会サイト」をベースにしてください。

キャンプ場の営業状況・料金・ルール(直火禁止・焚き火台必須かどうかなど)は、年によって変わることがあります。
なので、SNSやブログの体験談だけを信じるのではなく、

あたりをセットでチェックしておくと安心です。

僕も取材に行く前は、必ず公式サイトをブックマークしまくってから出発してます。
「最新の正式情報は公式から」、これはキャンプも旅も共通の鉄則です。

五島列島:海と焚き火がもっとも近い島|福江島のキャンプ場ガイド

五島列島が“キャンプ向きの島”と言われる理由

長崎の離島キャンプの話になると、だいたい僕は「とりあえず一回、五島列島に行ってみて」って答えます。
それくらい、ここはアウトドア目線で見たときの完成度がやばい。

五島列島の中心が、今回の主役福江島
僕自身、仕事と遊びを合わせて何度もテントを張ってきた島なんですが、毎回フェリーを降りた瞬間に「うわ、また来ちゃったよ…」とニヤニヤします。

五島の魅力をざっくり言うと、一言で「情報量が濃い」んです。

  • 目の前に広がるエメラルドグリーンの海
  • 白い砂浜と、黒い溶岩のゴツゴツした海岸線
  • 断崖の上にぽつんと立つ教会や灯台
  • 黒潮に揉まれた魚と、ご当地食材だらけの居酒屋

この全部の上にキャンプ場が点在しているので、もう「旅」と「自然」と「暮らし」の全部盛りセット。
初めて来たとき、僕は福江港に着いた瞬間からテンションが振り切れてました。

五島市公式の観光サイト「五島の島たび」でも、
魚津ヶ崎公園キャンプ場・さんさん富江キャンプ村・宮の森総合公園キャンプ場の3つを“代表キャンプ場”として紹介しています。
公式のキャンプ特集ページもかなり充実しているので、まずはここをブックマークしておくのがおすすめ。
五島市キャンプ場特集|五島の島たび【公式】
五島の島たび【公式】トップページ

実際に何度か通ってみて、「ああ、これはキャンプ向きだな」と感じたポイントを、キャンパー目線で整理するとこんな感じです。

  • ① キャンプ場のバリエーションがエグい(いい意味で)
    オートサイトで車横付けの楽ちんスタイルもできるし、フリーサイトで「ザ・テント泊」も楽しめる。
    コテージやバンガローが揃っている施設も多いから、キャンプ初心者やファミリーでもいきなり島キャンプデビューしやすいんです。
    たとえば、奈留島の「宮の森総合公園キャンプ場」はバンガローが11棟あって、大浴場やBBQ炉まで完備。
    詳しい設備や料金は公式サイトに細かく出ているので、行く前に一度チェックを。
    宮の森総合公園キャンプ場|長崎しま旅【公式】
  • ② 海沿いサイトが多くて、「サンセット焚き火」が標準装備
    五島に来てまずやってほしいのが、海に沈む夕日を見ながらの焚き火
    富江湾に面した「さんさん富江キャンプ村」なんて、ビーチが目の前で、夕方になると空も海もオレンジに染まります。
    僕はここで何度か焚き火しましたが、「あ、焚き火ってこんなに絵になるんだ」と素で感動しました。
    コテージ・ケビン・テントサイト・手ぶらBBQ・温泉センターまで全部セットになっているので、正直ここだけで何泊かしても飽きません。
    さんさん富江キャンプ村【公式サイト】
    さんさん富江キャンプ村|五島の島たび【公式】
  • ③ 港町としての“生活インフラ”がちゃんとある
    五島市(福江島)は、離島とはいえスーパー・ドラッグストア・ホームセンター・温泉・居酒屋まで普通に揃ってます。
    「調味料忘れた!」「ペグ曲げた!」みたいなトラブルが起きても、だいたい何とかなります(笑)。
    特に、昼はキャンプ場で自然を満喫して、夜は港町の居酒屋で五島うどんや地魚をつまみに一杯、なんて贅沢な遊び方もできる。
    旅のスタイルを「ガチ野営」から「半分リゾート寄り」まで自由に振れるのが、五島の懐の深さだと思ってます。
    町全体の雰囲気や飲食店情報は、公式観光サイトがめちゃくちゃ参考になります。
    観光スポット・グルメ情報|五島の島たび【公式】

こんな感じで、五島列島は「キャンプ場の種類」「ロケーション」「街の便利さ」のバランスがとんでもなく良いんですよね。
だからこそ、「長崎 離島 キャンプ おすすめ」で検索したときに、真っ先に候補に出てくるのも納得だと思います。

このあと、具体的にどのキャンプ場がどんな雰囲気で、どんな過ごし方ができるのかを、僕が実際に歩いて感じたことも交えながらガッツリ掘り下げていきます。

宮の森総合公園キャンプ場|街と自然のいいとこ取り

五島列島で「どこを拠点にするか迷ってる」と相談されたら、僕がまず候補に挙げるのが奈留島の『宮の森総合公園キャンプ場』です。

ここ、正直かなりバランスいいんですよ。
離島らしい緑と海に囲まれているのに、設備はしっかり・遊び場もたっぷり・港からも遠すぎない
いきなり“ガチ野営”に振り切るのは怖い、という人にこそ使ってほしいキャンプ場です。

場所としては、五島列島の真ん中あたりに浮かぶ奈留島の中央部。
福江港から奈留島までは高速船で約30〜45分、奈留港から車で10分ほどで公園に到着します。
公式の島旅サイトがわかりやすくまとめてくれているので、まずはここをチェックしてみてください。
宮の森総合公園キャンプ場|長崎しま旅【公式】
宮の森総合公園キャンプ場 予約・詳細|五島の島たび【公式】

僕が初めて奈留島に入ったときは、港から車で坂を登っていくあいだずっと、
「おいおい、こんなところに本当にキャンプ場あるの?」って半信半疑だったんですが、
公園の入り口に着いた瞬間に一気にテンション上がりました。芝生の広場・ログ風のバンガロー・その向こうに海
「うわ、ここ完全に当たりじゃん」と。

ざっくり特徴を並べると、こんな感じです。

  • アクセスが素直で、買い出しもしやすい
    奈留港から車で10分前後、バス停から徒歩数分。島の規模感も大きすぎないので、
    「港→スーパー→キャンプ場」という動線がイメージしやすい。
    食材は港周辺で調達して、キャンプ場ではひたすら遊ぶ&焚き火、という使い方がしやすいです。
  • オートキャンプ・フリーサイト・バンガローの三刀流
    区画サイトで車横付けもできるし、テントだけのフリーサイトもある。
    さらに5人・8人・10人用のバンガローが合計11棟あって、冷蔵庫や冷暖房、キッチン付きのタイプも。
    「テントはまだ怖い」というビギナーやファミリーは、バンガロー泊から始めるとストレスが減ります。
  • 敷地内に“大浴場・炊事棟・東屋”がまとまっている
    ここ、個人的にかなり高ポイント。
    バンガロー群の近くに大浴場があり、そのすぐ横に炊事棟と広めの東屋。
    雨が降っても東屋でBBQできるくらいのサイズ感なので、天気に左右されにくいキャンプ場なんですよね。
    大浴場は利用料がかかりますが、離島キャンプで“ちゃんと湯船に浸かれる”のは正義です。
  • 遊び場が充実していて、子どもがひたすら元気
    テニスコート、ミニゴルフ、ローラースケート、ターゲットバード、アスレチック…と、
    公園全体が「一日中外で遊べるテーマパーク」みたいな構成。
    子どもが体力を使い切ってくれるので、夜の焚き火タイムは大人の時間になりやすいです(笑)。
  • 徒歩3分で透明度高めのビーチへダッシュできる
    キャンプ場から歩いてすぐのところに、玉砂利が気持ちいい宮の浜海水浴場があります。
    日中は海で遊んで、夕方テントに戻って焚き火の準備、という黄金パターンが組めるのも宮の森の強みです。

僕はここで何度かキャンプしてますが、毎回思うのは、
「離島キャンプの“めんどくささ”をいい感じに軽減してくれている場所だな」ということ。

水回りがまとまっていて、車も停めやすくて、お風呂もあって、遊び場もある。
でも公園をひと歩きすると、ちゃんと奈留島の静けさと星空がそこにある。
「街キャン」と「離島キャンプ」のいいとこ取り、まさにそんなポジションです。

利用料金やバンガローの設備詳細、休園日などは変わることもあるので、必ず公式情報をチェックしてから計画してみてください。
料金・空き状況はこちら(五島の島たび【公式】)
宮の森総合公園|五島市公式サイト


宮の森総合公園キャンプ場について、風間陸がよく聞かれる質問

Q. テント泊とバンガロー、どっちがおすすめ?

A. 初めて奈留島に行くなら、バンガロー1泊+テント1泊の“ハイブリッド”が一番楽しいです。

いきなり全部テント泊でもいいんですが、
「島に着いた初日は移動の疲れもある → バンガローでゆっくり」
「2日目はテントサイトに張り替えて、ちゃんとキャンプ気分」
みたいに分けると、体も心もラクです。
バンガローは冷蔵庫・エアコン付きのタイプもあって、夏場や子連れには本気でありがたい存在です。

Q. 焚き火ってどんな感じで楽しめる?直火はできる?

A. 焚き火台必須です。直火はNGなので、そこだけは絶対守ってください。

サイトは芝生や土なので、焚き火シート+焚き火台の組み合わせが安心。
僕はいつも、日没前に宮の浜から戻ってきて、サイトでゆっくり焚き火を育てながら、
「今日はどのタイミングで大浴場に入りに行くか」をニヤニヤしながら考えてます(笑)。

Q. 買い出しはどうしてる?島って物価高かったりしない?

A. 基本は奈留島の商店+福江島のスーパーを組み合わせてます。

肉や調味料、飲み物は福江島の大きめスーパーである程度まとめ買いしておいて、
足りないものや“島っぽいもの”は奈留の商店で追加する感じ。
物価が極端に高いという印象はなくて、むしろ「このクオリティの魚介がこの値段!?」と感動することの方が多いです。

こんな感じで、宮の森総合公園キャンプ場は「初めての五島キャンプのベースキャンプ」として、本気でおすすめできます。
ここを軸に、周辺のビーチや教会、他の島にも足を伸ばしていくと、五島列島キャンプの沼に気持ちよくハマれるはずです。

さんさん富江キャンプ村|海沿い芝生サイトで焚き火を囲む

「海キャンプの気持ちよさ、全部乗せでください」とお願いしたくなる場所が、さんさん富江キャンプ村です。
五島列島の中でも“海が主役のキャンプ場”と言っていいくらい、ロケーションが反則級。

公式サイトのキャッチコピーは「海・星空・朝陽に近い」。
これ、盛ってるわけじゃなくて、現地に立つと本当にそう感じます。
さんさん富江キャンプ村【公式サイト】
さんさん富江キャンプ村|五島の島たび【公式】

富江湾に面した芝生サイトの向こうに、白い砂浜とコバルトブルーの海、そのさらに先に多郎島がどーん
僕も初めて来たとき、車を降りた瞬間に「うわ、ここキャンプしていいやつなの?」って笑いました。
テンション上がりすぎて、設営する前にしばらく写真撮りまくってましたからね。

さんさん富江の魅力を、キャンパー目線で具体的にまとめると――

  • 芝生サイトがそのまま海へ滑り込んでいくロケーション
    サイトの足元は気持ちいい芝生で、その先には防砂林を挟んで一気にビーチ。
    テントから数十秒歩けば、白い砂浜と透明度高めの海が目の前に広がります。
    「海を眺めながらのコーヒー」「朝イチ裸足でビーチ散歩」がデフォルト装備。
  • バンガロー・ケビン・研修棟まで揃った“フルコース型キャンプ場”
    2階建てバンガロー、平屋バンガロー、ケビン、30名まで泊まれる研修棟…。
    一通りの宿泊スタイルがそろっていて、キャンプ初心者〜合宿まで全部受け止めてくれる懐の深さがあります。
    バンガローはキッチン・お風呂・トイレ付き、冷暖房や調理器具も完備。
    「テントはまだ…」というキャンプビギナーやファミリーも、ここなら安心して島キャンプデビューできます。
  • 手ぶらBBQ&朝食ホットドッグで“準備の大変さ”をほぼ消せる
    公式情報によると、BBQ食材セットは1人あたり3,500円前後、木炭+コンロは1セット1,250円。
    夕食は五島牛やさざえ入りのBBQ、朝は手作りホットドッグ、という“全部おまかせコース”も組めます。
    「買い出しどうしよう」「クーラーボックス足りるかな」みたいな不安が一気に消えるので、
    フェリー旅ビギナーにも本気でおすすめ。
  • シャワー・大浴場・温泉センターまでセットで使える
    場内に共同浴場があって、汗と潮を流してから焚き火に戻れるのが最高。
    さらに、車で数分のところには「富江温泉センターたっしゃかランド」もあるので、
    「海で遊ぶ → 温泉 → 焚き火 → 満天の星」という人間の正しい休日ループが完成します。
  • アクティビティが豊富で、1日中キャンプ村から出なくても楽しめる
    テニスコート、グラウンドゴルフ、サイクリング、アスレチック…。
    さらに五島の伝統漁法「すけ漁」体験までできるのがさんさん富江のヤバいところ。
    キャンプに来たのに、気づくと“遊びすぎて焚き火どころじゃない”くらい楽しんでしまうかもしれません。

そして何より僕が推したいのが、夕暮れ時のサイトの雰囲気です。

富江湾の向こう側に沈んでいく夕日が、海面をオレンジ〜赤に染めていく時間帯。
その手前で、芝生の上の焚き火がふわっと明るくなり始める。
テントのシルエット、遠くで遊んでる子どもの声、潮の匂い…。
「うわ、これカタログじゃなくて現実なんだ」って何度も思いました。

僕がさんさん富江で一番好きなのは、
「サイトで焚き火 → 少し歩いてビーチで星を見る → また焚き火に戻る」という贅沢な二重生活ができること。
正直、一泊じゃ足りないです。


海風と焚き火台の相性をちゃんと考えよう

さんさん富江はロケーションが最高なぶん、海風の影響もガッツリ受けます
ここを甘く見ると、「火の粉がテントに…!」みたいなヒヤッとする瞬間が増えるので、準備の段階で少しだけ工夫しておきましょう。

  • 深型で炎が収まりやすい焚き火台を選ぶ
    炎が横に広がる浅いタイプより、ある程度“器”の中に炎が立ち上がるタイプの方が海風には向いてます。
    風の通り道を意識しながら、「風下側に炎が飛び出しにくい」形を選ぶと安心。
  • 風防(ウインドスクリーン)+焚き火シートはほぼ必須
    特に春〜初夏・秋の海は、ときどき突風が混じります。
    ステンレスや難燃素材の風防を焚き火台の風上側に立てておくだけでも、火の安定感がかなり変わるので、1セット持っていくことをおすすめします。
  • タープは欲張らず、焚き火からしっかり距離をとる
    サイトが広いので、タープと焚き火をギリギリまで近づける必要はありません。
    「写真映え」よりも「安全第一」。
    風下側にタープを張らない&焚き火から充分距離をとる、この2点だけ守ればかなり安心です。

実際、僕も一度だけ、予想以上の横風で火の粉が思った方向と逆に飛んで肝を冷やしたことがあります。
それ以来、さんさん富江に行くときは、いつもよりワンサイズ小さめの焚き火にして、風とこまめに相談しながら火を育てるようにしています。

その代わり、風が落ち着いた瞬間の焚き火は、とんでもなくきれいです。
「今日はここまでかな」と思ったタイミングで、ふっと風が止んで、炎が真っ直ぐ立ち上がる瞬間があるんですよ。
そのときに見える富江湾の夜景と星空は、ちょっとズルいくらいの美しさです。


さんさん富江キャンプ村について、風間陸がよく聞かれる質問

Q. テント泊とバンガロー、どっちが“さんさん富江らしさ”を味わえますか?

A. 個人的には「1泊目バンガロー+2泊目テント」の欲張りコースを推します。

到着日は移動で疲れているので、まずはバンガローでしっかり寝る。
2日目以降にテントサイトに移って、芝生+海+焚き火フルセットを楽しむ、という流れが体にも優しいです。
バンガローはお風呂・キッチン・エアコン完備なので、雨の日や真夏・真冬でも安心度が段違いです。

Q. 手ぶらBBQって実際どう?自分で持ち込んだ方が安い?

A. コスパより「ラクさ」と「五島らしさ」を買うサービス、というイメージです。

もちろん自分で全部食材を持ち込めば、金額だけ見れば少しは安くなると思います。
でも、さんさん富江のBBQセットは五島牛・地元野菜・魚介類がしっかり入っていて、
「五島らしい晩ごはん」をいいとこ取りできるのが魅力。
フェリーでクーラーボックスパンパンにしていく手間を考えると、
初めての訪問時は一度“公式BBQフルセット”を体験してみてほしいですね。

Q. 風が強い日のさんさん富江って、正直どうですか?キャンセルレベル?

A. 風速次第だけど、「焚き火スタイルを変えれば十分楽しめる日も多い」です。

もちろん、台風接近レベルやフェリーが欠航するような日は論外ですが、
「ちょっと風強いな〜」くらいなら、

  • 焚き火をコンパクトにする(薪を細め・短め中心に)
  • 火を長時間ガンガン焚くより、「短時間+じっくり見る」スタイルに切り替える
  • ビーチでのんびりする時間を減らして、場内アクティビティ多めにする

といった感じで、その日のコンディションに合わせて遊び方を変えると、結果的にいい思い出になることが多いです。

むしろ、少し風がある日のほうが、焚き火の炎の動きがダイナミックで見ていて飽きない、なんてこともありますからね。

五島列島へのフェリー&高速船アクセス完全ガイド

五島列島キャンプの相談を受けると、ほぼ100%聞かれるのがこの質問です。
「で、フェリーどうすればいいの?」

テントや焚き火台をどれにするかより、ぶっちゃけフェリー選びと予約のほうが旅の成否に直結します。
なのでここは、アウトドアライターとして何度も五島に通っている僕の経験と、公式情報をセットでガッツリ整理しておきます。

まず、大前提として「長崎港 → 福江港」までは九州商船が運航していて、

  • ジェットフォイル(高速船) … 約1時間25〜45分
  • フェリー(椿・万葉など) … 約3時間10〜55分

というのが公式に案内されている目安の所要時間です。
(細かいダイヤや本数は季節・曜日で変わるので、必ず最新情報を公式でチェックしてください)

ざっくり言うと、「時間を取るか、運賃を取るか」の選択です。
でもキャンプ道具を抱えての移動になるので、もう一歩踏み込んで、キャンパー目線で整理してみましょう。


キャンプ道具があるなら、高速船とフェリーどっちが向いてる?

僕の感覚だと、こんな分け方がわかりやすいです。

  • 荷物少なめのソロ・デュオ → ジェットフォイル(高速船)
  • ファミリーキャンプ・グルキャン・道具モリモリ → フェリー

理由をもう少し具体的にいうと――

● ジェットフォイル(高速船)が向いているケース
  • ザックひとつ+コンパクトテント+軽量ギアで動けるソロキャンパー
  • 「金曜日の仕事終わり → 土日でサクッと五島」という弾丸トリップ派
  • 船の揺れが少ないほうが安心な人(※それでも海況次第ではそこそこ揺れます)

ジェットフォイルはとにかく速い
長崎港から福江港まで1時間半前後で着くので、「現地での滞在時間を1分でも長く取りたい」タイプのキャンパーにはぴったりです。

ただし、キャンプ道具をドカ盛りで持ち込むと、乗船前後の移動がちょっとしんどくなります。
大きなキャリーワゴンよりも、背負えるザック+ソフトクーラーみたいなスタイルが相性◎です。

● フェリーが向いているケース
  • ファミリーキャンプ(子どもがいると荷物が自然に増える)
  • タープ・大型テント・大型クーラーなど「快適装備」を全部持って行きたい人
  • 「移動時間も含めて旅を味わいたい」派

フェリーは時間こそかかりますが、そのぶん「体力の消耗が少ない」のがポイント。
大部屋や指定席でゴロゴロしながら移動できるので、子ども連れやキャンプ初心者にはかなり優しいです。

僕自身、ソロで軽量装備ならジェットフォイル、ファミリーやロングステイならフェリーというふうに使い分けています。
旅のテーマと荷物量で、ベストな選択がけっこう変わるので、出発前に一度じっくりイメトレしてみてください。


「五島行きフェリーの予約、ここだけは押さえておこう」

五島に限らず、離島キャンプでいちばん大事なのは「行き」より「帰り」です。

これは何度も五島に通っていると、いやでも実感します。

  • 連休・夏休み・GW・お盆・年末年始はとにかく混む
  • 復路の便が埋まっていて、「帰る日をずらすしかない」ということも普通にある
  • 海況次第で欠航・減便になると、キャンセル待ち合戦になる

なので、僕はいつもこう決めています。

  • ① 日程が決まったら、まず「帰りの便」から押さえる
    行きは多少時間帯がズレてもなんとかなることが多いですが、
    帰りは仕事や学校の予定が絡むので、ズラしにくいですよね。
    だからこそ、「帰りの足を最優先で確保」するのが鉄則です。
  • ② 最終便だけに頼らず、“一本前”を安全ラインにする
    最終便ギリギリに予定を詰めると、ちょっとしたトラブル(買い物の時間押し、渋滞、子どものぐずり etc.)で一気にピンチになります。
    「自分の中の最終便は一本前」くらいに考えて、余裕を持った計画を。
  • ③ 予備日 or プランB(別の遊び方)を用意しておく
    台風シーズンや冬場の季節風が強い時期は、どうしても欠航リスクが上がります。
    そんなときは、
    「五島が無理なら長崎本土でキャンプ」
    「日程をずらして別の離島へ」
    といった“心のセーフティーネット”をあらかじめ決めておくと、精神的にすごくラクです。

最新のダイヤ・運賃・予約方法は、必ず九州商船と五島市の公式ページで確認してください。

僕も、出発前はこのあたりのページをタブで全部開いた状態で、
カレンダーとにらめっこしながら「どの日程なら一番ストレス少なく楽しめるか」を組み立てています。

フェリーは「ただの移動手段」じゃなくて、離島キャンプの第一歩。
ここを丁寧に整えておくと、現地での焚き火時間のクオリティが一段上がりますよ。

的山大島:静寂を味わう“野営の本丸”|大賀キャンプ場のリアル

観光地すぎない島で“暮らしの時間”にお邪魔する

五島や壱岐のような「名前を聞いたことある島」じゃなくて、もう少しだけディープな島に行ってみたい。
そんなキャンプ好きに、僕がニヤニヤしながらおすすめするのが的山大島(あづちおおしま)です。

場所は長崎県の北西、平戸のさらに沖。
フェリーでしか行けない小さな島なんですが、ここがもう“野営好きのツボ”を容赦なく突いてくる島なんですよ。

五島列島や壱岐みたいに観光色がガッツリ前面に出ている島とは少し違って、
的山大島はどちらかというと、「島の人の日常」がベースにあって、その端っこにキャンプ場がそっと置いてある感じ。

フェリーで的山港に着いて桟橋を渡ると、
漁船がずらっと並ぶ港、集落へと続く細い坂道、遠くに見える山の稜線。
派手な観光施設はほとんどなくて、代わりに「生活の匂い」がちゃんと残っています。

平戸市の公式サイトでも、的山大島は「平戸とはまた違った雰囲気があり、行くたびに懐かしい気持ちにさせてくれる」と紹介されています。
離島キャンプ動画もアップされていて、現地の空気感がかなり伝わるので、行く前に一度チェックしてみてほしい。
離島でキャンプ in 的山大島・大賀キャンプ場|平戸市公式
大賀キャンプ場|HIRADO観光協会【公式】

港から島の中に一歩入ると、時間の流れ方が明らかに違います。
信号もコンビニもないかわりに、
朝は漁船のエンジン音、昼は鳥の声と風の音、夜は波と虫の声。

僕が初めて的山大島に上陸したときは、
「観光しに来た」というより「島の暮らしにちょっとお邪魔させてもらう」という感覚に近かったです。
それくらい、観光地っぽさより生活感が先に立つ島。

で、この島の東端にあるのが、今回の主役大賀キャンプ場
高さ40〜70mの断崖「大賀断崖」の真上に広がる草原のキャンプ場で、平戸市の観光サイトでも一年中無料で開放されている絶景キャンプ場として紹介されています。
大賀キャンプ場|HIRADO観光協会【公式】
大賀キャンプ場 紹介ムービー|平戸市公式

サイトは広々とした草原で、視界の先にはただただ海。
観光地のキャンプ場にあるような「場内イベント」とか「レンタルギアのショールーム」とかは一切ない。
あるのは炊事棟・トイレ・水シャワー・東屋くらいのシンプル装備。

だからこそ、ここでテントを張ると、
「自分でちゃんとキャンプしに来たな」って実感がじわじわ湧いてくるんですよね。

夕方、テントサイトの端っこから崖のほうに歩いていって、
展望台から下を見下ろすと、真下にはゴツゴツした断崖と、思いっきり広がる大海原。
夜になると、平戸市の紹介文どおり漁火がびっしりと海に並んで、本気でため息が出るレベルの景色になります。
大賀キャンプ場 観光情報|じゃらんnet
大賀キャンプ場 基本情報|いこーよ

派手な観光コンテンツはないけれど、
「島の時間は、火が揺れるたびにゆっくりほぐれていく」
的山大島は、そんな感覚を全身で味わえる島です。

観光地として整いすぎていないぶん、
テントを張って腰を下ろした瞬間から、島の暮らしの中に自分が少し混ざったような気持ちになれる。
静かな野営が好きな人には、たまらないフィールドですよ。

無料で使える“大賀キャンプ場”の素朴な魅力

「的山大島でどこにテント張ればいい?」と聞かれたら、僕が真っ先に名前を出すのが大賀キャンプ場です。

ここ、派手さはないんですが、キャンプ好きからするとニヤッとしてしまうポイントがいくつもあって、
個人的には「離島野営の入門〜中級編」くらいの位置づけで見ています。

まず押さえておきたいのが、

  • 利用料が無料(※必ず最新の公式情報を確認すること)
  • 炊事棟・トイレ・水シャワー・東屋・展望台がある=完全な野ざらしではない
  • 高さ40〜70mの断崖の上から海を見下ろすロケーションがエグい

という点。
平戸市や観光協会の情報でも、「一年中無料で開放」「炊事棟・駐車場・シャワーあり」「断崖の上の草原サイト」と紹介されています。
市内キャンプ場の利用案内|平戸市公式
大賀キャンプ場|HIRADO観光協会【公式】

僕が初めてここに行ったときは、的山港から車で20分ほど走って、
森のトンネルみたいな道を抜けた瞬間に視界がバーンと開けて、
「え、ここ全部キャンプしていい草原なの?」と素で声が出ました。

サイトはフリーサイトの草地で、車もある程度までは乗り入れ可能。
炊事棟とトイレ、水シャワーがまとまっていて、設備はシンプルだけど、
「本当に必要な最低限」はちゃんと揃っている、という感じです。

いわゆる高規格キャンプ場みたいに、売店やレンタル品がズラッと並んでいるわけではありません。
だからこそ、ここは「足りないものがあるからこその野営感」を楽しむ場所だと割り切ったほうが気持ちいいです。

ゴミは当然全て持ち帰り
薪も薪割り台も、調理器具も、全部自分で揃えて行く前提で準備しましょう。
そのぶん、夕方に焚き火を立ち上げた時の満足感は、街キャンプの数倍あります。

焚き火は直火NG・焚き火台必須です。
芝生と土のサイトなので、焚き火シート+脚付き焚き火台の組み合わせが安心。
展望台の近くで火を焚くときは、海風の向き・強さを必ずチェックしてから着火してください。

夜になると、展望台から見えるのは、真っ暗な海と断崖、そして漁火の帯
「長崎の離島でキャンプしてるな〜」という実感が、ここで一気に押し寄せてきます。


風が強い日の“大賀キャンプ場”設営テクニック

的山大島のキャンプで一番意識したほうがいいのは、間違いなく「風」です。

断崖の上に広がるキャンプ場なので、
コンディション次第では「内陸のキャンプ場の2倍くらい風が来てるな…」と感じることもあります。

僕が実際にやっている風対策のコツを、いくつか共有しておきます。

  • 風上側に“壁”をつくる
    車で行ける人は、風上側に車を置いて簡易風よけにするのが手っ取り早いです。
    車がない場合は、背の低いタープやスクリーンタープを風上側に落とし気味に張って、
    テントと焚き火スペースをその風下にレイアウトするイメージ。
  • ペグは鍛造ペグ一択レベルで考える
    断崖の上は土の下に岩や砕石が混ざっていることも多く、ペグ抜けが起きやすいです。
    軽量なアルミペグより、30cm前後の鍛造ペグをメインに持って行ったほうが安心。
    風が強い日は、ガイロープの本数もケチらずしっかり張りましょう。
  • タープは“低く・コンパクトに”が基本
    見た目重視で高〜く張りたくなるところですが、
    大賀キャンプ場では「タープは低め・角は地面近く」が正解です。
    風を受け流すように、片側だけを少し高く、反対側は地面近くまで落として張ると、
    バタつきが減って夜もかなり静かに過ごせます。

テントやタープが一晩中バタバタ鳴っていると、地味にメンタル削られるんですよね…。
最初に10〜15分だけ頑張って「静かな幕構え」を作っておくと、
そのあと数時間続く焚き火タイムの質が本当に変わります。


平戸〜的山大島フェリーの乗り方・注意点

的山大島への玄関口は、長崎県平戸市の平戸港・田平港
ここから「フェリー大島」に乗って的山港へ向かうことになります。

平戸市の公式情報では、
平戸港〜田平港〜的山港を結ぶフェリーが1日5便程度・所要約40〜45分で運航。
ダイヤは改正されることもあるので、必ず出発前に公式時刻表をチェックしてください。
大島〜平戸「フェリー大島」時刻表|平戸市公式
大島フェリー切符売り場案内|HIRADO観光協会【公式】

大都市圏みたいに「乗りたいときにすぐ来る」船ではないので、
キャンプの行程は“フェリーの時間ありき”で組むのがポイントです。

  • 行きと帰りの便の時間を先に決める → その間にキャンプ&島時間を詰める
  • 最終便ギリギリを狙わず、一本前を「自分の中の最終便」と考える

僕も最初のころは、
「チェックアウトギリギリ→寄り道→温泉→買い出し→最終便ダッシュ」
みたいな詰め込みスケジュールを組んでヒヤヒヤしたことがありますが、
今はもう、フェリー出航の1時間前には港に着いてるくらいの余裕を持つようにしています。


島に着いてからの“足”も要チェック

的山大島のキャンプで意外と見落としがちなのが、島内の移動手段です。

大賀キャンプ場は、公式情報だと

  • 的山港から車で約20分
  • 立地は「海の見える高台・断崖上」

といった感じで案内されています。
大賀キャンプ場|HIRADO観光協会【公式】
市内キャンプ場の利用案内|平戸市公式

徒歩で行くにはかなり距離があるうえにアップダウンもあるので、

  • 車ごとフェリーに乗せる
  • 的山大島でレンタカー・レンタサイクルが使えるか確認する
  • バイク or 自転車+軽量装備で攻める

など、自分のキャンプスタイルに合った「足」を事前に決めておきましょう。

フル装備のキャリーワゴンを引きずって徒歩移動…は、的山大島ではかなりハードモードです。
「大賀でキャンプする」=「車かバイク前提」くらいに考えておくと、現地で困りません。


的山大島キャンプが向いている人・向いていない人

的山大島&大賀キャンプ場は、どんなキャンパーに向いているか?
ざっくり言うと、

  • 静かな場所で焚き火をしたいソロキャンパー・デュオキャンパー
  • 装備をある程度絞れるベテラン寄りのキャンパー
  • 「キャンプ場サービスより、自分のギアと時間を楽しみたい」タイプ

には最高のフィールドです。

逆に、

  • 小さい子ども連れで遊具や温泉・売店フル装備を求めるファミリー
  • 炊事場やトイレがピカピカの高規格じゃないと不安な人
  • 「手ぶらキャンプ」に慣れすぎて、自分の装備がほとんどない人

には、ややハードルが高く感じられるかもしれません。

とはいえ、「キャンプは自分で全部準備して、自分のペースで楽しむもの」という人には、
的山大島は本当にたまらない島です。


大賀キャンプ場&フェリーについて、風間陸がよく聞かれる質問

Q. 大賀キャンプ場って、本当に無料なんですか? 予約いらない?

A. 利用料は無料ですが、「予約なしで行っていい」とは限りません。

平戸市の案内を見ると、事前に電話で利用申請が必要とされています。
行く前に必ず、平戸市役所・大島支所に連絡して、
利用日・人数・テント数などを伝えておきましょう。

僕も初回はちゃんと電話で確認してから行きました。
「利用マナーを守ってもらえるなら、ぜひどうぞ」と、島側のスタンスもすごく好意的です。
無料で使わせてもらうぶん、ゴミ持ち帰り・マナー順守はいつも以上に徹底しましょう。

Q. トイレとかシャワーって、正直どう? 汚くない?

A. 「最新のグランピング施設」みたいな感じを想像するとギャップがありますが、僕は全然許容範囲でした。

トイレは水洗で、公園キャンプ場としては十分きれいなレベル。
水シャワーも、夏〜初秋ならむしろ気持ちいいくらいです。
ただし温水シャワーではないので、肌寒い季節は“身体拭きシート+温泉立ち寄り”前提のほうが快適です。

Q. ソロで行っても浮きませんか? むしろ怖くない?

A. ソロとの相性はむしろ最高クラス。ただ、夜の“静けさ”は覚悟しておいてください。

僕が行ったときも、ソロテントがいくつか点在していて、変な浮き方はしませんでした。
ただし、日によっては自分たちだけ・もしくは数組だけということも全然あり得ます。

「夜に真っ暗な断崖の上で焚き火してる」と想像してゾクッとするタイプの人は、
最初は仲間と複数人で行ってみるのがいいかもしれません。
静けさを楽しめるタイプなら、ソロでもきっとハマります。

Q. フェリー酔いが心配です…。的山大島行きって揺れますか?

A. 海況次第ですが、僕の体感だと「めちゃくちゃ揺れる日もあれば、穏やかな日もある」です。

外洋に出る時間はそれなりにあるので、酔いやすい人は事前の酔い止め+前日は睡眠をちゃんと取るのがおすすめ。
あと、スマホをずっと見ていると確実に酔いやすくなるので、
デッキに出て景色を見たり、風を感じたりしながら過ごすとだいぶ違います。

個人的には、フェリーのデッキで飲む缶コーヒーが、
「さあ、今から離島キャンプだぞ」という儀式みたいになっています。

壱岐島:はじめての離島キャンプに最適な“入門の島”

壱岐が“初心者向き”と言われる3つの理由

長崎の離島キャンプを調べていると、ほぼ確実に名前が出てくるのが壱岐島です。
僕自身も「離島キャンプデビューしたいんだけど、どこがいい?」と聞かれたら、かなりの確率で壱岐をすすめています。

理由を一言でいうと、「島らしさ」と「安心感」のバランスがめちゃくちゃいいから。

壱岐が「島キャンプの入門編」としておすすめされるポイントをざっくり整理すると、この3つです。

  1. アクセスがとにかく良い
    福岡・博多港から高速船(ジェットフォイル)で約1時間10分前後。フェリーでも約2時間20分。
    「ちょっと船旅してキャンプしてくるわ」のノリで行ける距離感です。
  2. 観光地としてのインフラが整っている
    壱岐市内にはスーパー・コンビニ・ドラッグストア・温泉・飲食店がしっかり揃っています。
    いきなり“ガチ野営”にはならないので、離島ビギナーでもかなり安心。
  3. キャンプ以外の楽しみ方も豊富
    日本の海水浴場百選に選ばれているビーチ、釣りスポット、古墳や神社めぐり、温泉、グルメ…
    壱岐観光ナビのモデルコースを眺めるだけでも、「これキャンプだけしてる場合じゃないな?」となります。

いきなり五島の奥地や、的山大島のような“野営濃度高め”の島に飛び込むのが不安な人は、
まず壱岐で「島キャンプデビュー」をしてみると、いい意味で肩の力が抜けると思います。


壱岐で焚き火を楽しむキャンプスタイル

壱岐のキャンプは、「海のそば+焚き火」が王道スタイルです。

壱岐観光ナビや壱岐ビーチ図鑑などを見ていると、
代表的なキャンプ場としてよく挙がるのが、

  • 筒城浜キャンプ場(日本の快水浴場百選・筒城浜ビーチに隣接)
  • 串山キャンプ場(北部・串山半島。冷水シャワー無料)
  • 少弐公園キャンプ場(玄界灘を見下ろす高台のビューサイト)
  • 壱岐出会いの村(芝生サイト+コテージ+体験プログラム)

どこもそれぞれキャラが違っていて、

  • 「海水浴+キャンプ+焚き火を一気に楽しみたい」なら筒城浜・串山
  • 「高台から海を眺める“景色重視キャンプ”がしたい」なら少弐公園
  • 「体験プログラムやコテージ込みで楽しみたいファミリー」なら壱岐出会いの村

みたいに、スタイルに合わせて選べるのが壱岐のいいところです。

ただし、焚き火まわりのルールはキャンプ場ごとに違うので、予約や下調べの段階で必ず確認しておきましょう。

  • 焚き火OKかどうか(一部キャンプ場は「BBQのみOK・焚き火NG」の場合もあります)
  • 直火NGかどうか → 基本は「直火NG・焚き火台+焚き火シート必須」と思っておく
  • 薪の販売があるか、自分で用意が必要か
  • 風が強い立地かどうか(高台サイトは特に要チェック)

公式サイトや壱岐観光ナビの各キャンプ場ページ、さらに最近のブログ記事やSNSをセットで見ると、
「設備・雰囲気・ルール」の最新情報が取りやすいです。

検索のときは、

  • 「壱岐 キャンプ 焚き火」
  • 「壱岐 キャンプ場 筒城浜」「壱岐 串山キャンプ場 設備」

あたりのキーワードで調べていくと、実際に行った人のレポートや写真付きの体験談がたくさん出てきます。

個人的には、1泊2日なら壱岐出会いの村 or 筒城浜あたりで“入門キャンプ”
2泊以上できるなら、1泊目は設備しっかり系+2泊目は少しワイルドな高台サイト、みたいな組み合わせも楽しいですよ。


博多港〜壱岐の高速船・フェリー攻略

壱岐への船は、基本的に九州郵船が担当しています。
ルートとしては、

  • 博多港 ⇔ 壱岐(郷ノ浦港・芦辺港・印通寺港)
  • 唐津東港 ⇔ 壱岐(印通寺港)

に、高速船(ジェットフォイル)とフェリーが就航しています。

  • 高速船(ジェットフォイル):所要時間 おおよそ約1時間10分前後
  • フェリー:所要時間 おおよそ約2時間20分前後

最新ダイヤや運賃は、必ず九州郵船の公式サイトで確認してください。
時期や曜日によって本数・時間が変わることがあります。


どっちを選ぶ? 荷物とスタイルで決めよう

僕が壱岐に行くときの決め方は、めちゃくちゃシンプルです。

  • ソロ/道具少なめ → 高速船でサクッと
  • ファミリー/グルキャン/ギア多め → フェリーでのんびり

高速船はとにかく速いので、「金曜の仕事終わり → 土日だけ壱岐キャンプ」みたいな弾丸トリップとの相性が最高です。
ザックひとつ+コンパクトなテント+軽量ギアくらいの荷物量なら、乗り降りもそこまで苦になりません。

一方で、

  • 2ルームテント
  • 大型タープ
  • ハイバックチェア
  • 大きめのクーラーボックス

みたいな快適装備フルセットで行きたい場合は、迷わずフェリーを選びます。

特に「子ども+キャンプ道具+食材」という組み合わせになると、
フェリーの「広さ・安定感・ゴロゴロできる感じ」が本当にありがたいんですよね。

僕の体感だと、

  • 壱岐ソロ1〜2泊 → 高速船で身軽に
  • 壱岐ファミリー2泊以上 → フェリーでゆったり

がちょうどいいバランスです。


連休・ハイシーズンの「予約のコツ」

これは五島や対馬にも共通しますが、壱岐も連休・夏休み・GW・お盆はかなり混みます。

なので、

  • 行きの便だけじゃなく、帰りの便もまとめて押さえる
  • 最終便ギリギリを狙わない(1本前を“自分の最終”と決める)
  • キャンプ場の予約とフェリー予約のタイミングをセットで考える

この3つを意識しておくだけで、現地での安心感がかなり違います。

僕はいつも、

  1. まずフェリー(高速船)の「行き&帰り」を仮決め
  2. その時間に合わせてキャンプ場を予約
  3. 最後に、島内での移動手段(レンタカー・バス・タクシー)を確認

という順番で計画しています。

壱岐観光ナビには、港ごと(郷ノ浦港・芦辺港・印通寺港)の周辺情報やモデルコースも載っているので、
「どの港に着く便を選ぶか」で旅の組み立てがだいぶ変わります。
キャンプだけじゃなく、温泉・神社・グルメも全部楽しみたい人は、港選びの段階からちょっと欲張っていきましょう。


壱岐キャンプ&フェリーについて、風間陸が友だちに答えているQ&A

Q. はじめての離島キャンプ、いきなり壱岐でも大丈夫?

A. むしろ「離島デビューで壱岐」は、かなり正解ルートだと思ってます。

本土とは違うワクワク感はちゃんとあるのに、
コンビニ・スーパー・病院・ガソリンスタンドなど、生活インフラはしっかり。
「もし何かあってもなんとかなるな」という安心感があるので、心に余裕を持って焚き火を楽しめます。

Q. 壱岐って、キャンプしない時間も楽しめる?

A. 正直、キャンプ抜きで普通に壱岐旅行したくなるレベルです。

ビーチ遊び、釣り、古墳・神社巡り、海鮮丼、おしゃれカフェ、温泉…。
壱岐観光ナビのスポット一覧を見ているだけで、1泊2日じゃ全然足りないのが分かるはず。

Q. 船が苦手なんだけど、それでも壱岐キャンプ行けるかな?

A. 高速船よりフェリー+デッキ移動が個人的にはおすすめです。

高速船は速いぶん、揺れ方が独特で酔いやすい人もいます。
フェリーなら甲板に出て風に当たりながら過ごせるので、
「酔い止め+前日しっかり睡眠+デッキで景色を見る」のセットでかなり楽になります。

博多港を出てしばらくすると、
「この先にあのテント張る場所が待ってるんだよな…」と考えるだけで、もうニヤニヤが止まらないはず。
その感覚も含めて、壱岐キャンプは“船からもう楽しい”旅ですよ。

離島キャンプの“焚き火ルール”完全解説|直火禁止のワケと守りたいマナー

なぜ多くのキャンプ場で直火が禁止されているのか

キャンプ歴が長い人ほど、たまにこう言いますよね。
「昔はそこらへんで直火してさ〜」って。

でも今は、離島に限らずほとんどのキャンプ場が直火NG
僕も取材先の管理人さんや行政の担当者に話を聞くことが多いんですが、
直火禁止にはちゃんと理由があります。

ざっくり分けると、この3つ。

  1. 土壌・植生へのダメージがデカい
    地面の上で直接焚き火をすると、表面だけじゃなく土の中まで高温になります
    微生物や植物の根がダメージを受けて、回復に時間がかかるんですよね。
    環境省やアウトドア団体が推奨している「Leave No Trace(跡を残さない)」の考え方でも、
    直火は「なるべく避けるべきインパクトの大きい行為」とされています。
  2. 焚き火跡がサイトの景観を一気に壊す
    黒く焦げた地面、炭が残ったままの跡が、サイトのあちこちにポコポコ…。
    想像してみてください。せっかくの海辺の草地サイトが、一瞬で台無しになります。
    管理する側からすると、跡の撤去・整備にかなりの手間とコストがかかるので、
    「焚き火するなら焚き火台で」というルールにせざるを得ないんです。
  3. 火事になったときのリスクがシャレにならない
    特に離島は、消防車がすぐ来るわけでもなく、水利も限られているケースが多いです。
    ひとつの火の不始末が、島全体の林・集落に広がるリスクがある。
    管理者目線では「ちょっとくらいなら…」とは絶対言えないんですよね。

なので今は、

「焚き火を楽しむ=焚き火台を使って、跡を残さない」

これが現代キャンパーのスタンダードだと僕は思っています。
「昔は直火できたのに」と嘆くより、今のルールの中でどう遊びの幅を広げるかを考えたほうが、結果的に楽しいです。


焚き火台の選び方|海風に負けない相棒を選ぶ

離島キャンプ、とくに海沿いサイトで焚き火をするなら、
焚き火台選びはかなり重要です。

内陸の森キャンとは違って、海キャンプは風の一発が強い
五島や壱岐、的山大島あたりで何度も焚き火してきた経験からいうと、
こんなポイントを意識しておくと失敗しにくいです。

  • ① なるべく深型で、炎が“囲われる”形状
    広くて浅い焚き火台は、見た目はかっこいいんですが、風に弱いんですよね。
    海風が横から吹くと、炎も火の粉もそのまま流されます。
    離島で使うなら、ある程度高さがあって「炎が器の中に立ち上がる」タイプがおすすめ。
    スノーピーク・ユニフレーム・コールマンあたりの深型モデルは、
    海キャンプでも安定感があります。
  • ② ゴトクがしっかりしているか
    五島や壱岐に行くと、つい魚を買っちゃうんですよ。
    サバ、イカ、アジ、カマス…。
    それを焚き火の上で焼くと、もうそれだけで優勝です。
    なので、ダッチオーブンやフライパンを安心して載せられるゴトクがあるモデルを選ぶと、
    離島キャンプ飯の幸福度が一段上がります。
  • ③ フェリー移動前提の“パッキングしやすさ”
    車だけで行く本土キャンプと違って、離島はフェリー or 高速船移動がほぼ必須。
    でかい焚き火台をドーンと積んで行くより、
    薄く畳める・収納袋がついている・バックパックにもギリ入るくらいのサイズ感がちょうどいいです。
    僕は「ここぞ」のロケ以外は、だいたいコンパクト系の焚き火台を連れて行ってます。

もしこれから焚き火台を買うなら、

  • 「本土のオートキャンプ場だけで使う前提」なのか
  • 「離島・海キャンプ・徒歩キャンプにも使いたい」のか

このあたりをイメージしておくと、失敗しにくいですよ。


海キャンプならではの焚き火テクニック

離島の海辺で焚き火する時に、僕が必ずやっているのは「まずは5分、風を観察する」ことです。

いきなり焚き火台を置かずに、

  • 煙がどっちに流れているか
  • サイトのどこが一番風を受けているか
  • タープを張るとしたら、どの向きならバタつきが少なそうか

この辺をぼーっと眺めながら決めていきます。

ポイントはこんな感じ。

  • 風下側にタープやテントを置かない
    当たり前なんですが、意外とやっちゃう人が多いです。
    焚き火の煙・火の粉が全部テントに向かって飛んでいくと、
    ニオイも穴あきリスクも一気に上がります。
  • タープと焚き火は“薪2〜3本分”くらい距離をあける
    写真映えを狙ってギリギリまで寄せたくなりますが、
    離島の海風は一瞬でコンディションが変わるので、「余裕を多めに」が正解。
    僕はだいたい、薪を2〜3本横に並べた長さ+αくらいを最低ラインにしています。
  • 焚き火シートはケチらない
    海辺の芝生サイトは、一部が焦げるとマジで目立つんですよ…。
    焚き火台の下に必ず耐熱シートを敷いて、
    火の粉・灰・小さな炭が地面に落ちないようにしておくだけでも、
    キャンプ場の人からの信頼度はかなり変わります。

「風の強さに合わせて、火を小さくする」「今日は攻めすぎない」といった判断も含めて、
海キャンプの焚き火は“コンディションと対話する遊び”だと思ってます。


“焚き火ができる人”になるためのマナー

離島で焚き火をするときは、
「自分のサイトだけじゃなく、島全体にお邪魔している」という感覚を少しだけ持っておくと、大きな失敗を防ぎやすいです。

具体的には、このあたり。

  • 薪の扱い方
    流木は一見「無料の薪」に見えますが、
    実は塩分や砂・不純物が多くて、煙やススも出やすいです。
    環境負荷の面でも推奨されていないことが多いので、
    基本はキャンプ場で売っている薪 or 本土で買って持ち込んだ薪を使う前提で。
    流木使用OKかどうかは、現地のルールを必ず確認してください。
  • 音・光・煙への配慮
    離島のキャンプ場って、いい意味でめちゃくちゃ静かなんですよ。
    だからこそ、ひとつのサイトの笑い声・音楽・ライトの光量が、本当に目立ちます。
    ・深夜まで大声で騒がない
    ・スピーカーは基本使わない or 音量を極小に
    ・ランタンは必要なぶんだけ、眩しすぎる光は避ける

    このあたりの“ちょっとした遠慮”があるだけで、
    周りのキャンパーも、島の人も、みんな気持ちよく過ごせます。
  • 灰と炭の処理
    焚き火が終わったあと、「灰をどうするか」もかなり重要です。
    多くのキャンプ場では、灰捨て場が決まっているので、
    翌朝しっかり完全消火したうえで、指定場所に捨てるのが基本。
    無料キャンプ場や野営地の場合は、全部持ち帰りになることも多いです。
    焚き火シートの上に残った灰や小さな炭まできっちり片付けて、
    「ここで焚き火してたって、パッと見て分からないくらい」を目指すとカッコいいです。

よく言われるフレーズですが、あえてもう一度。
「来たときよりも美しく」は、離島キャンプだと本当に大事です。

本土のキャンプ場以上に、島の自然・島の人・キャンプ場管理者の3者で、
かろうじてバランスを取って成り立っている場所が多いので、
僕らキャンパー側ができる配慮は、やりすぎなくらいやっておきましょう。


焚き火ルールについて、風間陸がよく聞かれる質問

Q. 「直火OK」の海辺スポットもSNSで見かけます。どう思う?

A. 本当に管理側が許可している場所ならいいけど、「グレーな穴場」はおすすめしません。

「ここ、誰も注意しに来ないよ」「前も直火できたよ」みたいな口コミだけを頼りにすると、
実はルールが変わっている・そもそも非公式でやってただけ、というケースもあります。

僕は基本、

  • 公式サイト・看板・管理者に確認して「OK」と明示されている場所以外では直火しない
  • それでも迷ったら、焚き火台を使う

というスタンスです。
離島キャンプのフィールドは貴重なので、「一時のノリより、長く遊べる環境を優先」したいなと。

Q. 海のキャンプだと、どんな焚き火ギアを“追加”で持って行ったほうがいい?

A. 風防(ウインドスクリーン)と焚き火シートは、ほぼ必須装備だと思ってます。

とくに五島・壱岐・対馬あたりの海沿いサイトは、
「風がほとんどない最高コンディション」の日もあれば、
「横風ビュンビュンで焚き火台の位置を何度も変える日」もあります。

風防があるだけで、

  • 火の安定感がアップ
  • 火の粉の飛び方をある程度コントロールできる
  • 周りのサイトへの煙被害も少し減らせる

とメリットが多いので、
コンパクトに折りたためる金属製の風防+耐熱シート+深型焚き火台の3点セットは、
離島キャンプ用にひとまとめにしておくと便利ですよ。

Q. 焚き火マナーって、どこまで気にすればいい? 正直ちょっと疲れちゃう…。

A. 「全部完璧にやろう」じゃなくて、「これだけは守る3つ」を決めるのが現実的です。

僕の中では、

  1. 直火はしない・焚き火台とシートを必ず使う
  2. 火の始末は誰よりも丁寧にやる(完全消火+灰の処理)
  3. 音と光で周りの夜を壊さない

この3つだけは、どんな現場でも徹底すると決めています。

細かいところは、人によって価値観が違う部分もあると思いますが、
この3つを守っていれば、「焚き火ができる人」として胸を張っていい、と僕は思ってます。

離島で焚き火をしていると、
「この時間のためにここまで来たんだよな」と何度も噛みしめる瞬間があります。
その時間を、これからも長く楽しめるように、
ルールとマナーを味方につけていきましょう。

フェリー旅のコツと“欠航対策”|長崎の海と仲良くなる方法

長崎のフェリーは「天気予報の一歩先」を読む

離島キャンプの相談を受けると、ギアの話より先に必ず聞くのがこれです。

「フェリー、ちゃんと動くかな?」

テントの設営ミスはなんとかなりますが、フェリーの欠航だけはマジでどうにもなりません
長崎の海と仲良く付き合うには、「晴れか雨か」だけじゃなく、その一歩先の情報を見るクセが大事になってきます。

長崎近海のフェリー運航に影響するのは、ざっくりいうとこの3つ。

  • 風の強さ(風速)
  • 波の高さ
  • うねりの向き・周期

特に高速船(ジェットフォイル)は、フェリーよりも風・波の影響を受けやすいので、
「海は荒れてないのに、高速船だけ欠航・減便」なんてことも珍しくありません。

僕が出発前にチェックしているのは、このあたりです。

  • 通常の天気予報(晴れ / 曇り / 雨 / 気温)
  • 風速・風向き(出港地・航路付近・島周辺)
  • 波の高さ・うねり(日本海側か東シナ海側かでも変わる)
  • フェリー会社の運航状況ページ

具体的には、

  • 長崎〜五島・上五島・壱岐・対馬ルートの九州商船・九州郵船の運航情報
    → 出発前日と当日の朝は必ずチェック
    九州商船|運航状況
    九州郵船|運航状況
  • 気象庁の「海上警報・波・風」
    → 特に台風シーズンや冬の季節風シーズンは要チェック
    気象庁|マリン予報
  • WindyやWindy.appなどの風・波のビジュアルアプリ
    → 風の向きや強さを直感的にイメージしやすい

「晴れマークが出てるから大丈夫でしょ」じゃなくて、
「風は? 波は? 船会社のサイトは何て言ってる?」
ここまで見ておくと、現地での心構えが全然違ってきます。


欠航しても折れない旅程の組み方

長崎の離島に何回か通っていると、だんだん悟ってきます。

「完璧な天気だけ狙ってたら、一生行けない島が出てくる」って。

だから僕は、「多少の乱れがあっても折れない旅程」を組むようにしています。
これやっておくだけで、欠航や遅れに対するメンタルダメージがだいぶ減ります。

  • 行きの便はできるだけ早い時間を押さえる
    朝イチ〜午前中の便を選んでおくと、
    仮にその便が欠航しても「午後の便に振り替え」という選択肢が残ります。
    最初からギリギリの時間を狙うと、リカバリーの余地が少なくなります。
  • 帰りの便は「一本前」が自分の最終便
    公式に書かれている最終便を「本当の最終防衛ライン」と考えると、
    ちょっとしたトラブル(買い物・ガソリン・子どものぐずり…)で一気に詰みます。
    僕はいつも、自分の中では“1本前の便”を最終便扱いにしています。
  • できれば1日の余裕(予備日)を入れる
    連休の最終日キッチキチに予定を詰めるより、
    「帰る予定日の翌日も、いちおう休み取っておく」くらいの余裕があると、
    欠航時に「じゃあ1日延泊して島を満喫しようか」とポジティブモードに切り替えられます。
  • 第二候補の島 or 本土キャンプ場を決めておく
    例えば、
    「五島がダメなら壱岐か雲仙方面の本土キャンプ場に切り替える」みたいな、
    “プランB”を出発前に1つ決めておくと、当日の判断がめちゃくちゃ楽です。

大事なのは、

「絶対この島じゃなきゃダメ」「この日じゃなきゃ意味がない」

と自分を追い詰めすぎないこと。
海は僕らの事情を一切気にせず、いい顔したり悪い顔したりします。
「ダメな日は素直に引いて、機嫌のいい日に思い切り遊ぶ」くらいの距離感がちょうどいいです。


フェリーにキャンプ道具を載せるときの工夫

離島キャンプの現場で差がつくのは、実はキャンプ場じゃなくて“港”です。

フェリーターミナルで、

  • 荷物がまとまっていてスッと動ける人
  • カバンと袋とケースがバラバラで、乗船前からヘロヘロの人

だいたい、後者は現地に着く前に体力を半分使い切ってるんですよね…。
なので、フェリー前提のキャンプでは、「何を持っていくか」より「どう運ぶか」がかなり重要です。

  • キャリーカート or 大型バックパックを決める
    車あり+港からキャンプ場まで直行なら、キャリーカートも便利。
    でも、徒歩・バス・タクシー移動が絡むなら、
    基本は「背負えるスタイル」に寄せたほうが圧倒的にラクです。
    僕は、

    • 大型バックパック(テント・寝袋・マット・衣類)
    • サブショルダー(カメラ・貴重品・ノート・電子機器)
    • ソフトクーラー(食材・ドリンク)

    の3点構成にすることが多いです。

  • ガス缶・燃料は「ルールを必ず事前確認」
    フェリー会社ごとに、カセットガス・ホワイトガソリン・固形燃料などの扱いが微妙に違います。
    九州商船や九州郵船の「危険物・持ち込み制限」のページは、出発前に必ずチェックを。
    手荷物・車両での持ち込みについて|九州商船
    手荷物案内|九州郵船
    現地のホームセンターやスーパーでカセットガスが比較的手に入る島も多いので、
    「ガス缶は島で買う」「補給分だけ現地調達する」という選択肢もアリです。
  • 船内用の“手元バッグ”を用意する
    フェリーの乗船時間が2〜3時間になると、
    大きなザックをゴソゴソ開けるのが地味にストレスになってきます。
    なので、

    • 貴重品(財布・スマホ・チケット)
    • 酔い止め・常備薬
    • 飲み物・軽食
    • アイマスク or ちいさな枕(エア枕)
    • 羽織りもの(船内は意外と冷える)

    くらいを入れた小さめのサコッシュ or デイパックを1つ作っておくと、船内がめちゃくちゃ快適になります。

フェリーターミナルに着いて、
「あ、荷物の動線ちゃんと考えてきてよかった」と思えると、それだけで旅の難易度が一段下がりますよ。


船旅を「ただの移動」から「旅のハイライト」に変える

ここまで欠航対策とか運搬とか、ちょっと堅い話をしてきましたが、
僕は正直、フェリーの時間がめちゃくちゃ好きです。

特に、出港してしばらくしてからデッキに出て、
紙コップのホットコーヒーを一口飲んだ瞬間。

「ああ、ちゃんと旅に出たな」

って、毎回思います。

長崎港から五島へ向かう船、博多港から壱岐・対馬に向かう船。
港が遠ざかっていく景色って、何回見ても飽きません。

  • 港で見送ってくれる人たち
  • だんだん小さくなっていく街の明かり
  • 隣で同じようにワクワクしている旅人たち

スマホをポケットにしまって、
ただそれをぼーっと眺めるだけで、「この時間も旅の一部なんだな」って実感がじわっと湧いてきます。

個人的には、こんな楽しみ方をよくしています。

  • 出港と入港の瞬間は、なるべくデッキにいる
    ロープが外されて、ゆっくり岸壁が離れていく瞬間。
    逆に、島がだんだん近づいてきて、港の形が見えてくる瞬間。
    ここはフェリー旅の“クライマックス”だと思ってます。
  • 船内で「島でやりたいことリスト」を書く
    ・どのビーチで焚き火したいか
    ・どの店で何を食べたいか
    ・どのタイミングで温泉に入るか
    とかを、ざっくりメモ帳に書き出しておくだけで、島に着いてからの動きがスムーズになります。
  • 帰りの船で、旅のハイライトを3つ振り返る
    行きの船で「ワクワク」、帰りの船で「ひとり反省会&余韻タイム」。
    写真を見返しながら、
    「あの焚き火よかったな」「あの島飯マジでうまかった」
    ってやってると、次の旅のアイデアが勝手に出てきます。

フェリーはただの移動手段じゃなくて、
「日常から島モードにギアを切り替える装置」だと思ってます。


島で味わう“特別な夜”の過ごし方|焚き火と星と、少しの孤独

島の夜の“音景色(サウンドスケープ)”を味わう

島キャンプの夜って、本当に音が少ないんですよ。

僕が好きな離島サイトの夜のBGMは、だいたいこんな感じです。

  • 一定のリズムで寄せては返す波の音
  • テントやタープをふわっと揺らす風の音
  • 薪が「パチッ」とはぜる小さな破裂音

街のキャンプ場だと、

  • 車の走る音
  • どこかのサイトの音楽
  • 遠くの街灯・自販機の光

みたいなノイズがどうしても混じりますが、
離島はそのあたりがごっそり削ぎ落とされるので、焚き火の音と波の音がすごくクリアに聞こえます。

僕はよく、島の夜には「スマホに触らない1時間」を自分に課しています。

ポケットにスマホをしまって、火と音と匂いだけに集中する時間を作るんです。

  • 薪が炭になっていく色の変化
  • ときどき風が変わるタイミング
  • 遠くで船が通る音

こういうのをぼーっと眺めていると、
頭の中を占領していた仕事のこと・SNSのこと・細かい心配ごとが、
だんだん「どうでもいい」とまでは言わないけど、一歩後ろに下がっていく感じがするんですよね。


焚き火の前でやりたい小さな儀式

せっかく島まで来たなら、焚き火の前でちょっとだけ“儀式っぽいこと”をやってみるのもおすすめです。
スピリチュアルとかじゃなくて、単純に心の整理がうまくいくんですよ。

  • 今日一日の「よかったこと」を3つ書き出す
    ・フェリーのデッキで見た景色
    ・たまたま入った食堂が当たりだったこと
    ・タープ設営がうまく決まったこと
    なんでもいいので、ノートやスマホに3つだけメモしておきます。
    後で見返すと、びっくりするくらい旅の記憶が鮮明に戻ってきます。
  • 「来年やりたいこと」を10個、焚き火を見ながら書いてみる
    仕事の話でも、趣味の話でも、なんでもOK。
    「来年、またこの島に来る」「別の島にも挑戦する」なんて目標が入ってきたら最高です。
  • 家族やパートナーと“今日一番楽しかった瞬間”を共有する
    子どもに「今日なにが一番楽しかった?」と聞いてみると、
    大人が「そこ!?」っていうポイントを挙げてきたりします。
    そういうちょっとした会話が、旅の一番のハイライトになったりするんですよね。

焚き火の前って、不思議と本音が出やすい場所です。
「普段なら照れくさくて言わないこと」も、火を挟むとするっと口から出てきたりします。


離島キャンプで食べたい“簡単でうまい焚き火飯”

島キャンプのごはんは、凝ったキャンプ飯をやるよりも、
「現地食材 × シンプル調理」のほうが圧倒的にうまいです。

僕がよくやるのは、このへん。

  • 港で買った魚を、塩だけ振って直焼き
    壱岐・五島・対馬あたりだと、
    朝どれのアジ・サバ・カマス・イカが普通にスーパーや鮮魚店に並んでます。
    それをシンプルに塩だけ振って、焚き火の上でじっくり炙る。
    皮がパリッとして、脂がじゅわっと落ちてくるのを見ているだけでビール1本いけます。
  • かまぼこ・ちくわ・干物をちょいあぶり
    長崎・壱岐・五島は練り物文化も豊富なので、
    ご当地かまぼこやちくわを買って、軽く焚き火であぶるだけでも最高のつまみになります。
    日本酒や焼酎好きなら、これはマスト。
  • ご当地野菜とソーセージの串焼き
    ピーマン・玉ねぎ・じゃがいも・ウインナーを串に刺して、
    オリーブオイル+塩コショウだけで焼く。
    子どもも一緒に作業しやすいし、洗い物も少ないので、ファミリーキャンプにもおすすめです。

もちろん、凝ったダッチオーブン料理やスパイスカレーも楽しいんですが、
離島キャンプでは「素材の力 × 焚き火の遠火」だけで、十分にごちそうになります。

スーパーや道の駅で、

  • 「島の名前が入っているもの」
  • 「地元メーカーのラベルが貼ってあるもの」

を探すのも、ちょっとした宝探しみたいで楽しいですよ。


フェリー&島の夜について、風間陸がよく聞かれる質問

Q. 欠航が怖くて、離島キャンプに踏み出せません…。

A. その不安はめちゃくちゃ分かります。でも「欠航しても大丈夫な組み方」にすれば、だいぶ気がラクになります。

・行きは朝の便
・帰りは一本前の便
・予備日を1日
・プランBのキャンプ場を1つ
これだけ用意しておけば、「欠航=旅が終わり」にはなりにくいです。

Q. フェリーの中での過ごし方、みんなどうしてる? 暇になりませんか?

A. 正直、暇を楽しむ時間だと思ってます(笑)。

本を読んだり、音楽を聴いたり、これから行くキャンプ場の写真を見返したり。
あとは、「到着してからのやりたいことリスト」を書くのもおすすめ。
フェリーの時間をうまく使える人は、旅上手だと思います。

Q. 島の夜って怖くない? 真っ暗で寝られなさそう。

A. 最初はちょっとだけ怖いかもしれません。でも、慣れるとその暗さがたまらなくなります。

ヘッドライトとランタンさえあれば、実際に困ることはほとんどありません。
むしろ、街の明るさがどれだけ「夜」を薄めているかがよく分かります。
怖く感じたら、焚き火を小さく長く焚きながら、本を読んだり、お湯を沸かしてお茶を飲んだりするのがおすすめです。

Q. 島キャンプ飯って、どこまで「現地調達」に頼っていい?

A. メインのタンパク質(魚・肉)は現地調達、主食・調味料・おやつは本土から、くらいがバランスいいです。

現地のスーパーや直売所には、その土地ならではの食材が並んでいるので、
そこはぜひ楽しんでほしいところ。
一方で、米・麺・基本の調味料(塩・胡椒・オイル)あたりは、
いつものものを持っていったほうが「味の安定感」が出ます。

フェリーと焚き火と島の夜。
この3つがそろうと、離島キャンプは一気に中毒性が増します。
ぜひ、自分なりの“儀式”や“楽しみ方”を見つけてみてください。

まとめ:風が火を揺らす瞬間に、旅は完成する

ここまで読んでくれたあなたは、きっともう頭の中で、
五島や壱岐、的山大島あたりの地図がうっすら浮かび始めているはずです。

僕自身、何度か長崎の島々をまわってみて、だんだんこう整理するようになりました。

  • 五島列島=「キャンプ場も観光も全部盛りの、“旅の拠点型”の島」
    福江島を中心に、オートサイトからフリーサイト、バンガロー、コテージまで揃っていて、
    「昼はビーチと教会巡り、夜は焚き火」という王道の島キャンプコースが組みやすい。
    まずは公式の「五島の島たび」で、キャンプ場・フェリー・モデルコースをさらっと眺めてみてください。
    五島の島たび【公式】
  • 的山大島=「静けさと断崖が主役の、“野営寄り”の島」
    高台の草地サイトから玄界灘を見下ろす大賀キャンプ場は、
    正直、設備よりもロケーションのインパクトで勝負してくるタイプ。
    「便利さ」より「自分のギアと向き合う時間」を楽しみたい人向けです。
    島全体の雰囲気は、平戸観光協会や旅ネットの島特集が分かりやすいので、一度チェックしてみてください。
    大島・的山大島エリア|平戸観光協会【公式】
    長崎しま旅【公式】(ながさき旅ネット)
  • 壱岐=「アクセス抜群で、“離島キャンプ入門”にちょうどいい島」
    博多港から高速船で約1時間ちょい。
    コンビニ・スーパー・温泉・観光スポットがぎゅっとまとまっていて、
    「離島のワクワク」と「本土並みの安心感」のバランスが本当にいい。
    まずは公式の壱岐観光ナビから、キャンプ場やビーチ、モデルコースを覗いてみるとイメージが湧きやすいです。
    壱岐観光ナビ【公式】

そして、これらの島をつないでくれているのが、長崎のフェリーや高速船たち。
最新のダイヤや運賃、欠航情報は、必ず公式サイトでチェックしてから計画を立ててください。

どの島にも共通しているのは、

「フェリーに乗らないと辿り着けない夜がある」ということです。

五島の芝生サイトで、海に沈む夕日を見ながら焚き火を育てた夜。
的山大島の断崖の上で、漁火を遠くに眺めながら一人でコーヒーをすする時間。
壱岐のビーチサイトで、子どもたちが寝静まったあとに、ひとりで火を見つめていた瞬間。

どの夜も、共通しているのはたったひとつ。

「フェリーのタラップを、一歩だけ踏み出した」という事実です。

キャンプ道具は、正直あとから何とでもなります。
完璧な装備じゃなくても、テントがちょっと曲がっていても、
島の風と火があれば、ちゃんと“特別な夜”になります。

僕は今でも、離島の焚き火を思い出すとき、必ずあの感覚がセットで蘇ります。

風が火を揺らした瞬間、「あ、ちゃんとここまで来てよかったな」と思ったあの感じ。

あの一瞬のためにフェリーに乗って、テントを張って、薪を組んで、
全部の準備をしているんだと思います。

もし、今のあなたがちょっとだけ疲れていたり、
「一回、日常から距離を置きたいな」と感じているなら――

次の連休、長崎の島へ焚き火をしに行ってみませんか。

五島でも、壱岐でも、的山大島でも、どこでもいい。
どの島を選んでも、風が火を揺らす瞬間に、その旅はちゃんと完成します。

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参考情報・公式サイト一覧

この記事の内容は、僕自身のフィールド経験に加えて、以下のような公的・公式サイトの情報をベースに整理しています。
キャンプ場の営業状況・料金・利用ルール、フェリーのダイヤや運賃は変わることがあります。実際に予約・計画を立てるときは、必ず各リンク先で最新の正式情報をチェックしてください。

上記リンクは、この記事執筆時点で実際にアクセスできる公式・信頼性の高いサイトを厳選して紹介しています。
ただし、キャンプ場の料金・予約方法・焚き火ルール・フェリーのダイヤや運賃・危険物の取り扱いなどは、年度やシーズンによって変わることがあります。

・キャンプ場を予約する前
・フェリーや高速船の切符を押さえる前
・ガス缶や燃料を持ち込む前

には、必ず最新の公式情報を確認してから、あなたの「島キャンプ計画」を仕上げてください。

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