焚き火のぱちぱちという音が、都会でこびりついたノイズを一枚ずつ剥がしていく。
20年以上キャンプを続けてきて、延べ300泊以上テントで夜を越えてきたけれど、その感覚を一番強く思い出させてくれるのが、大分の夜だ。アウトドアメーカー時代に世界中のフィールドを見て回り、今はキャンプギア評論家として年間200本以上記事を書いている僕でも、「ここは特別だ」と素直に思う。
久住高原の草原で初めて夜を明かしたとき、仕事に追われてヘトヘトのまま、ほとんど気力だけでたどり着いた。テントを張る手も重くて、「今日はもう適当でいいか」とさえ思っていたのに、炎が立ち上がり、見上げた先に満天の星が広がった瞬間、胸の奥でずっと固まっていたものがふっとほどけた。
テントのファスナーをそっと開けた朝、そこには雲一つない久住の山並みと、柔らかな光に染まる草原が広がっていた。あの景色を見たとき、「ああ、やっぱり来てよかった」と、体の奥から静かにうなずく自分がいた。
実は、大分にはそんな「心をほどく時間」をくれる絶景キャンプ場が、森、湖、海、高原、そして温泉まで、ぎゅっと詰まっている。コンパクトなエリアの中に、まるで違う世界がいくつも重なっているのが、この土地の強みだ。
この記事では、アウトドアライター/キャンプギア評論家として活動する僕・風間 陸が、大分で実際に取材し、自分のキャンプ人生の中でも「ここは胸を張っておすすめできる」と感じた絶景キャンプ場を11カ所厳選して紹介する。定番の人気スポットはもちろん、本当はあまり広めたくない「まだ名前のないキャンプ場」のような穴場まで、実体験ベースでガイドしていこう。
スマホの電源を落としたら、代わりに星空の電源が入った──そんな感覚を味わいたい人へ。大分の森と炎の夜は、きっとあなたの心に、新しい余白をつくってくれるはずだ。
大分県のキャンプが「心をほどく」理由

大分の地図を広げると、正直ちょっとニヤけます。山・高原・湖・海・温泉が、キャンパーに都合よすぎるバランスで並んでいるからです。アウトドアライターとして日本各地を回ってきたけれど、「キャンプでここまでバリエーション楽しめる県、他にある?」と聞かれたら、僕はかなり真剣に大分を推します。
まずは山・高原エリア。くじゅう連山の麓に広がる久住高原は、標高およそ1,000m前後の高原地帯で、夏でも夜は長袖が欲しくなるくらい涼しいんです。久住高原(くじゅう高原)一帯は阿蘇くじゅう国立公園の一部で、放牧地や草原が広がる「THE・高原キャンプ」なロケーション。テントから一歩出たら、いきなり空と山だけ、という景色に立てる場所って、なかなか貴重です。僕はここで何度も夏キャンプしてますが、「下界の暑さは何?」って毎回思うくらい別世界ですよ。
次に湖・川エリア。別府と湯布院の中間あたりにある志高湖は、標高約600mの山あいにある静かな湖で、公式観光サイトでもキャンプ&アクティビティの拠点として紹介されています。湖畔のキャンプ場では、朝起きてテントのファスナーを開けた瞬間、鏡みたいな湖面に自分のサイトが映り込んでいる、あの不思議な感覚を味わえる。夏でも水辺のおかげで空気がひんやりしていて、夜にはカエルと虫の声がBGM代わりになるんですよね。
海エリアで象徴的なのが、国東半島の先端にある長崎鼻。ここは「花とアートの岬」として知られていて、大分県公式観光サイトや文化施設のページでも、春の菜の花・夏のひまわり・海と現代アートが楽しめるスポットとして紹介されています。キャンプで泊まると、昼は一面の花畑と青い海、夕方は海に沈む夕日、夜は波音と星空──っていうフルコース。僕はここでテントを張ったとき、「一泊でアルバム何枚分の写真撮らせるんだこの岬…」と本気で思いました。
そして大分といえばやっぱり温泉。別府・湯布院・長湯をはじめ、県全体で源泉数・湧出量ともに日本一クラスの「おんせん県」です。大分県観光情報公式サイトでも「温泉県おおいた」として全面的に推されていますが、キャンパー目線で言うと「キャンプ+本格温泉」がセットで組みやすいのがデカい。日中は高原や湖畔で遊んで、夜は別府八湯のディープな外湯に浸かってからサイトに戻る、なんて贅沢なルーティンが普通に組めちゃいます。
- 山・高原:久住高原や塚原高原など、標高の高いエリアは真夏でも夜は長袖必須レベルの涼しさ。テントから一歩出るだけで、くじゅう連山や由布岳のシルエットがドーンと出迎えてくれます。
- 湖・川:志高湖や大分川沿いのキャンプ場では、朝もやの湖面・川のせせらぎ・霧に包まれたテントという「音と空気のキャンプ」が味わえます。子ども連れなら水遊びも最高。
- 海:国東半島の先端エリアでは、長崎鼻のように花畑+海+アート+キャンプが一度に楽しめる場所も。潮風に吹かれながら飲むコーヒーは、正直ずるいおいしさです。
- 温泉:別府・湯布院・長湯などの温泉地とキャンプ場が車でサクッと行き来できる距離感で、「テントで寝て、温泉でリセット」が大分キャンプのデフォルトになってくるはず。
高原なら夏の夜もひんやりして寝袋が気持ちいいし、冬場は温泉と組み合わせることで「ととのうキャンプ」が完成します。ファミリーでワイワイ遊び倒したい人も、ソロで静かにメンタルのホコリを払いたい人も、とにかく選択肢が多いから、自分にフィットするフィールドがちゃんと見つかるんですよね。
僕自身、大分のキャンプ場は取材抜きでも何度もリピートしていますが、「今日は森でこもりたいな」と思えば耶馬渓や湯布院の山側に、「空と星を浴びたい」と思えば久住高原に、「水辺でゆるみたい」と思えば志高湖や川沿いに、とその日の気分で舞台を選べるのが本当に楽しい。この記事を書いている今も、「ああ、次はどのフィールドで焚き火しようかな」とワクワクしているくらいです。
このあと記事では、「森と物語」「高原と星」「水辺と温泉」「海と花」「ファミリー」「グランピング」というテーマごとに、僕が実際に歩いて、泊まって、「ここは間違いない」と感じた11のフィールドを、一緒に旅するつもりで案内していきます。
森と物語に浸る「絵本のようなキャンプ場」
1.ツリーハウスの森で遊ぶ「バルンバルンの森」(中津市・耶馬渓)

初めてバルンバルンの森に行ったとき、「うわ、ほんとに絵本の世界じゃん…」って声が勝手に出ました。キャンプ場というより、小さなテーマパークに迷い込んだ感じ。大分県中津市・耶馬渓にあるこの森は、もともと廃園寸前だった施設をご夫婦がリノベーションして生まれ変わらせた場所で、公式サイトでも「絵本の世界であそぶ・泊まる」をコンセプトに掲げています。
バルンバルンの森 公式サイト
場内には、手づくりのツリーハウスや、絵本作家「ザ・キャビンカンパニー」が描いた巨大な壁画モニュメント、ハンモックに揺られながら本が読める読書室「ヨムネルの巣」、絵本小屋「種と実」など、公式の施設紹介ページでもびっしり紹介しきれないくらいの“仕掛け”があります。
森の紹介ページを見てもらうとわかりますが、「あ、ここ子ども連れてきたら絶対帰りたがらないやつだ」とすぐ想像できるはずです。
宿泊はテントサイトと「森の小屋」の2本柱。とくにキャンパーに人気なのが、2区画限定のツリーハウス付きオートサイトと、晴れた日は星空がどーんと広がる「星空満天サイト」。どちらも電源付き・車横付けOKで、傾斜のないフラットサイトなので設営しやすいのもポイントです。洗い場はお湯が出るし、シャワー&有料の家族風呂、石窯やシェアキッチンまで用意されていて、「こじんまりしているのに設備はちゃんと揃ってる」という絶妙なバランス。
詳しくはテントサイト紹介ページがわかりやすいです。
テントではなく「森の小屋」に泊まるプランもあって、こちらは冷暖房はもちろん、室内ハンモック、屋根付きのウッドデッキ完備。雨が降ってもデッキでBBQができるので、キャンプ初心者のファミリーや「テントはまだ不安…」というカップルにもかなり心強い選択肢です。僕も一度、小屋泊で友人家族と行きましたが、子どもたちはツリーハウスとブランコからなかなか戻ってこないし、大人はデッキで焚き火と晩酌。全員ニコニコで一日が終わりました。
日帰り利用も人気で、入場料だけでツリーハウスや読書室を巡れたり、日帰り専用の「ピクニック小屋」やプライベートBBQスペースを使えたりします。キャンプまではいかなくても「森で半日遊びたい」「誕生日や記念日をちょっと特別な場所で過ごしたい」というときにもぴったりです。詳しい料金や利用時間は日帰りプラン案内をチェックしてみてください。
こんな人に向いているキャンプ場です。
- 小さな子ども連れで、「森のテーマパーク」みたいな場所を探しているファミリー
─ ツリーハウス、ブランコ、絵本小屋、読書室…「今日はもう帰ろう」と言うのが大変なくらい遊びが多いです。 - 世界観重視で、写真や動画に残したくなるキャンプがしたいカップル
─ 壁画モニュメントやツリーテラスはどこを切り取っても映えるので、正直カメラが忙しい。 - 森の静けさと物語性に浸りたい、感性派のソロキャンパー
─ 平日の静かな時間帯に行くと、ハンモックで本を読んでるうちに「あれ、今日何しに来たんだっけ?」ってなるくらい力が抜けます。 - テント泊デビュー前に「半歩だけキャンプ」に挑戦したい人
─ 森の小屋+デッキBBQなら、アウトドア感と安心感のバランスがちょうどいいです。
注意点としては、人気のキャンプ場なので週末や連休は予約が取りづらいこと。それと、静かな森を守るために「クワイエットタイム」(夜の静かな時間)がしっかり決められていて、わいわい飲み会系のグループ利用には向きません。逆に言うと、「子どもを早めに寝かせたい」「森の音だけ聞きながら過ごしたい」という人には最高の環境です。
焚き火を囲む夜、ランタンの光が木々を照らして、ツリーハウスのシルエットが浮かび上がる瞬間があります。その光景を見ながら、「この森を夫婦ふたりでコツコツ育ててきたんだよな」と思うと、ただの“映えるキャンプ場”以上に、場所そのものを応援したくなる。バルンバルンの森は、そんな温度を感じられるフィールドです。
2.由布岳を独り占めする「まだ名前のないキャンプ場」(由布市・湯布院)

もし「由布岳を正面にドーンと見ながらキャンプしたい」と言われたら、僕はまずここを推します。「まだ名前のないキャンプ場」。名前はゆるいけど、ロケーションはガチです。公式サイトのトップにもあるとおり、コンセプトは“心と身体が癒される極上の至福”。
まだ名前のないキャンプ場 公式サイト
ここ、もともとはしいたけ屋さんが始めた小さなキャンプ場なんですよ。湯布院観光協会の紹介文にも「しいたけ屋が新たな事業として始める小さなキャンプ場」と書かれていて、由布岳を一望&湯布院の街並みまで見渡せるロケーションが推されています。湯布院観光協会の紹介ページ
実際に行ってみると、まず「景色の抜け方」がエグい。サイトに車を停めて振り返ると、由布岳の三角形がすぐそこにそびえていて、その手前に湯布院の街並みがギュッと広がっている。夕方になると、街側から上がってくる灯りと、由布岳に残る残照のグラデーションが最高で、「あ、これポストカードか何かかな?」って思うくらいの景色になります。
サイト数は多くなくて、芝サイトと砂利サイトが数区画だけ。だからこそ、貸切プランがめちゃくちゃ生きるんですよね。なっぷや観光サイトでも「自分だけのキャンプ場として使える貸切プランあり」と紹介されていますが、その言葉どおりで、実際に友人グループで貸切ったときは「ここ、もう俺らの別荘でいいよね?」って冗談が飛び交うくらいの一体感でした。なっぷの紹介ページ
そしてここの一番の“推しポイント”は、なんと言ってもしいたけ狩り。隣接しているしいたけ栽培所で一年中しいたけ狩りができて、その場で収穫したやつをサイトに持ち帰って、焚き火でじっくり炙ったり、バター醤油でソテーしたりできるんです。これがもう反則級のおいしさで、肉厚しいたけにじゅわっと染みたバター醤油が口の中で爆発した瞬間、「あ、今日の主役、ステーキじゃなくてしいたけだわ」と全員が納得しました。
設備はシンプルですが必要なものはちゃんと揃っていて、シャワー棟やトイレ、BBQエリア、そしてスカイデッキなんていう最高の特等席まであります。スカイデッキに椅子を持ち込んで、コーヒー片手に由布岳を眺めながらボーッとしていると、時間の流れ方が明らかに都会と違う。スマホをいじるのがもったいなくて、気づくとただ山を眺めているだけの時間が30分、1時間と過ぎていきます。
こんな人に向いているキャンプ場です。
- 静かなロケーションで“景色勝ち”のキャンプがしたい人
─ 由布岳と湯布院の街を一望できるので、「ロケーションがすべてを許す」タイプのキャンプが好きならドンピシャです。 - 少人数でのんびり過ごしたいソロ・デュオキャンパー
─ サイト数が多くないので、人の出入りも少なめ。平日はとくに、自分のペースで静かに過ごせます。 - 貸切で仲間内キャンプをしたいグループ
─ サイトごとに程よい広さがあって、1組あたりのスペースがしっかり確保されているから「ギュウギュウ感」がありません。 - キャンプ飯を“ガチで楽しみたい”食いしん坊キャンパー
─ 採れたてしいたけ×焚き火=優勝、です。これを一度やると、他のキャンプでもしいたけを探し始めます。
いいことばかり書きましたが、注意点も少し。
- 設備は大規模な高規格キャンプ場ほどではないので、「完璧な設備がないと不安」という人には別のキャンプ場のほうが安心かもしれません。
- 由布岳が近いぶん、風と冷え込みはしっかり来ます。春秋でも夜はフリースや薄手ダウンがあると安心。タープの張り方も風を受け流す形を意識したいところ。
- シーズンによっては貸切予約が入っていることもあるので、公式サイトで営業日や空き状況を事前にチェックしておくのがおすすめです。
僕が最後にここでソロ泊したとき、焚き火の火が落ち着いてきたタイミングでふと顔を上げたら、真っ暗な空に由布岳のシルエットだけが浮かんでいたんですよね。その瞬間、「ああ、またここに帰ってくるな」と素直に思いました。派手なアクティビティがあるわけじゃないけれど、景色としいたけと静けさで勝負してくる、かなり“通好み”のキャンプ場です。
空と星に包まれる「高原・草原キャンプ」
3.360°草原と星空「久住高原 ボイボイキャンプ場」(竹田市)

「草原でキャンプしたいんだけど、どこが一番ヤバい?」って聞かれたら、僕はかなりの確率でここを出します。久住高原の「ボイボイキャンプ場」。名前はかわいいけど、景色は本気です。公式サイトでも“久住の大自然を満喫できる全面フリーサイトのキャンプ場”とうたっていて、その言葉に一切の誇張なし。ボイボイキャンプ場 公式サイト
ここ、まずサイトが全部オートフリーなんですよ。区画とかロープとかほぼなくて、「この辺いいな」と思ったところに車を停めて、そのままテントを張れるスタイル。公式情報でも約1万坪の敷地と書かれていて、とにかく広い。初めて来たときは、どこに張るか決めるだけで10分くらいウロウロしました(笑)。くじゅう連山を正面にドーンと見るか、少し奥まったエリアで“草原の海”に囲まれるか、選ぶのも楽しい時間です。
朝がまた最高で、特に春〜秋の早朝。テントのファスナーを開けると、一面の草原の向こう側に久住の稜線がうっすらと浮かんでいて、地面近くには薄く朝もや。深呼吸すると、冷たい空気と一緒に「今日なんかいいことありそうだな」って感覚まで一緒に吸い込んでる気がするんですよね。
そしてボイボイといえば星空。周りに高い建物も街灯もほぼないので、天気さえ味方してくれれば、360°プラネタリウム状態になります。夏は天の川がはっきり見えるし、冬はオリオン座と冬の大三角がくじゅう連山の上をゆっくり流れていく。焚き火の火が落ち着いたころ、コットに寝転がって空を見上げると、「あれ、今日って何時まで起きててもいいんだっけ?」って、時間の概念がゆるくなります。
設備面は素朴だけど、ちゃんとツボを押さえてくれています。炊事棟はお湯が出るし、トイレもきちんと清掃が行き届いていて、シャワーや売店もあり。薪や炭も購入できるので、「あ、薪足りないかも」というときも安心です。詳しい設備やマップは公式サイトの施設案内が見やすいので、一度チェックしておくとイメージが湧きやすいと思います。
こんな人にドンピシャなキャンプ場です。
- とにかく“抜けた景色”でキャンプしたい人
─ 360°草原+山の稜線なので、「視界に人工物を入れたくない」タイプの人にはたまりません。 - 星空をガチで撮りたいカメラ好き
─ 三脚立てて長時間露光しても、邪魔になる灯りが少ない。天の川撮影にはかなりいい環境です。 - ソロ〜少人数で、思い思いのレイアウトを楽しみたい人
─ フリーサイトなので、レイアウトの自由度が高いです。タープの張り方を試したり、ギアの配置を研究したりするのにも◎。 - 「ザ・高原キャンプ」を味わいたいファミリー
─ 子どもが全力で走り回れる広さ。ボール遊びやシャボン玉も、周りを気にせず楽しめます。
もちろんいいことばかりじゃなくて、ボイボイにはボイボイならではの注意点もあります。
- 風が強い日が多い
高原キャンプの宿命ですが、特に春先と秋口は風がビュンビュン吹く日があります。鍛造ペグや30cm以上のペグを用意しておくと安心。タープは低めに張るか、「今日はタープなしでいく」という判断も大事です。 - 夜の冷え込みが油断ならない
夏でも夜中は長袖+薄手ダウンくらいがちょうどいいことも。春秋はしっかりした寝袋(限界温度0℃〜マイナス域)を持っていくのがおすすめです。 - 日陰が少ない
木陰がほとんどないので、夏の昼間はタープ必須。熱中症対策の飲み物と帽子、サングラスもあると快適です。
僕がボイボイで一番好きな時間は、夕方の「ゴールデンタイム」。西の空に沈む太陽が草原とテントをじわっとオレンジ色に染めていくあの時間帯は、毎回「よし、また明日から頑張るか」と自然に思わせてくれるんですよね。星空だけじゃなくて、夕方〜夜へのグラデーションも含めて楽しんでほしいフィールドです。
4.草原と沢の涼風「久住高原沢水キャンプ場」(竹田市)

「久住のキャンプ場で、夏もちゃんと涼しいところ教えて」と聞かれたら、かなり上位で名前が出てくるのがここ。久住高原の「久住高原沢水(そうみ)キャンプ場」です。標高は約850m、敷地は14ヘクタールというスケール感。公式サイトでも“久住連山のふもとに広がる大自然のキャンプ場”として紹介されています。久住高原沢水キャンプ場 公式サイト
フィールドはざっくり言うと「大草原」と「森+沢」の二刀流。草原側のフリーサイトは、とにかく見晴らしがいい。テントを出た瞬間、視界いっぱいに久住の山並みと空が広がって、「あ、今日の空はこのキャンプ場が全部受け止めてくれてるな」って感じになります。車乗り入れOKのオートサイトもあるので、ファミリーや荷物多めキャンパーも安心です。
一方で、森側のサイトは雰囲気がガラッと変わります。サイトのすぐそばを3本の沢がちょろちょろと流れていて、子どもが水遊びをするには最高のロケーション。真夏の昼間でも沢のそばは空気がひんやりしていて、足をつけると「ちょっと冷たすぎない?」って笑いながらも、結局ずっと浸かってしまうやつです。小さい子を遊ばせるなら、ライフジャケットと水遊び用シューズを持っていくと安心度がグッと上がります。
サイトタイプもいろいろあって、フリーサイト、オートサイト、区画サイトに加えて、バンガローやコテージも用意されています。テント泊にまだ自信がないファミリーや、天候が読みにくいシーズンはコテージ泊+外でBBQという選択も全然アリ。公式サイトの施設マップを見ると、「あ、ここテントで、この日はバンガローで…」と妄想が止まらなくなるはず。施設案内・場内マップ
個人的にいいなと思っているのが、ここが「温泉とのセット運用」がしやすいキャンプ場だという点。車で行ける範囲に、長湯温泉や久住高原の温泉がいくつもあって、提携の温泉施設も複数あります。僕はいつも、昼は草原側サイトでタープ張ってのんびり→午後は子どもたちと沢遊び→夕方は温泉でさっぱり→夜は星を見ながら焚き火、という「フルコース久住」みたいな流れで楽しんでいます。
こんな人に刺さるキャンプ場です。
- 「高原で涼しくキャンプしたい」人
─ 標高約850mなので、真夏の日中でも木陰や沢沿いに入ると一気に体感温度が下がります。夜は長袖必須。 - 子どもに“自然あそび”をガッツリさせたいファミリー
─ 草原で走る、沢で遊ぶ、虫を追いかける…という、ゲームも遊具もいらない一日が作れます。 - ソロやデュオで「ちょうどいい静けさ」を求めている人
─ ボイボイほど“ド・フリーな草原”ではないけど、そのぶん落ち着いた雰囲気で過ごせます。 - 温泉とセットでキャンプしたい人
─ キャンプ場から車でサクッと行ける温泉が複数あるので、「ととのうキャンプ」を組みやすいです。
久住高原沢水キャンプ場の注意ポイントもいくつか。
- 高原あるあるの「冷え込み」
夏でも夜〜明け方は一枚多めに着たくなることが多いです。特に沢沿いは体感温度が下がるので、子どものパジャマや予備の上着は多めに。 - 虫対策はしっかり
森+沢というロケーション上、夏場は蚊やブヨ、初夏〜秋はマダニ対策も意識しておきたいところ。長袖長ズボン+虫除けスプレー+虫刺され薬はマストです。 - 天気の変化に要注意
山の天気は変わりやすいので、雨雲レーダーでこまめにチェック。タープの張り方は雨・風両方を想定しておくと安心です。
僕がこのキャンプ場で一番好きなのは、夕方に沢沿いから草原サイトに戻ってくる瞬間。足元の水遊びゾーンから一歩上がると、目の前に久住の山と広い空がバーンと広がっていて、「あ、今日もちゃんと遊んだな」と体が教えてくれる感じがするんです。星空ガチ勢にも、ファミリーにも、バランス良くおすすめできる“万能型久住フィールド”だと思います。
5.標高950m、ブランド直営の高原「スノーピーク 奥日田キャンプフィールド」(日田市)

「スノーピークのキャンプ場って実際どう?」と聞かれたら、まず名前を出すのがここ。日田市前津江町の山奥にある「スノーピーク 奥日田キャンプフィールド」です。標高950mの高原にあるスノーピーク直営キャンプ場で、公式サイトでも“夏でも涼しく、九州では稀な雪中キャンプも楽しめるフィールド”と紹介されている本気の遊び場。
スノーピーク奥日田キャンプフィールド 公式ロケーションページ
まず、このキャンプ場のすごいところは「高原×ブランド直営」ならではの安心感。標高950mの椿ケ鼻高原に広がるフィールドは、夏でもカラッと涼しくて、日中汗だくになっても夜は長袖が欲しくなるくらい。周囲をぐるっと山に囲まれていて、晴れた日は公式ページのコピーどおり“青の濃淡が美しい山容”を真正面から味わえます。
ロケーションの詳細はこちら
サイト構成もさすがスノーピークで、電源付きの区画サイト、眺望抜群の丘の上サイト、フリーサイトと、スタイルに合わせて選べるラインナップ。なっぷの紹介でも「スノーピーク直営店併設!電源付き区画サイトから、眺望の良い丘の上サイト、フリーサイトなど好みに合わせて選べます」と書かれていて、初心者からベテランまでちゃんと受け止めてくれる器の大きさがあります。
なっぷの紹介ページ
実際に丘の上サイトに張ったときは、テントの前にチェアを置いて腰を下ろしただけで、「あ、ここが今日のリビングだわ」と納得できる景色でした。眼下にはキャンプフィールドと管理棟、その先には山々の稜線。夕方になると、山の向こうに沈む太陽がサイト全体をオレンジ色に染めていって、「ああ、ここで一杯やってからじゃないと帰れないな」と思わせてくるやつです。
そして奥日田の一番の特長は、スノーピークの直営ストアが場内に併設されていること。ショップにはスノーピークのテント・タープ・テーブル・チェア・焚き火台・アパレルまでズラッと並んでいて、レンタルサービスや「手ぶらCAMP」のプランも用意されています。公式ロケーション一覧でも「ストア併設/手ぶらCAMP/レンタルサービス/電源サイト有り」とアイコン付きで紹介されていて、ギア好きにはたまらない環境。
スノーピーク ロケーション一覧
ギアマニア的には、「あ、今日使ったこのテーブル、帰りにそのまま買って帰れるのか…」という危険な誘惑もあって、キャンプしているのか散財しに来ているのか一瞬わからなくなります(笑)。ただ、その場でスタッフさんにギアの使い方や相性を聞けるのは、他ではなかなか味わえない体験です。
こんな人に刺さるキャンプ場です。
- スノーピークの世界観が大好きなキャンパー
─ ギアもフィールドも全部スノーピークで揃えたい人には天国。実物を試してから買えるのも大きなメリットです。 - 「夏でもちゃんと涼しい高原キャンプ」がしたい人
─ 標高950mの高原なので、平地の猛暑日でも夜はかなり快適。避暑キャンプ地としてかなり優秀です。 - キャンプデビューしたいけど、道具を全部揃えるのは不安な初心者
─ レンタルや手ぶらCAMPプランがあるので、「一度ちゃんとやってみてから買い揃える」ができるフィールドです。 - 星空や四季の移ろいをがっつり感じたい人
─ 高原の澄んだ空気のおかげで星もきれい。時期によっては“九州で雪中キャンプ”というレア体験も狙えます。
もちろん、気をつけておきたいポイントもあります。
- 標高ゆえの冷え込み
夏でも夜はフリースや薄手ダウンが欲しくなることがあります。春・秋・冬はしっかりしたダウンと冬用シュラフが必須クラス。 - イベント時は賑やか
雪峰祭などのイベントシーズンは場内がかなりにぎわいます。「静かにこもりたい」人はイベントカレンダーと予約状況をチェックしてから日程を決めるのがおすすめです。
雪峰祭 奥日田会場の案内 - 山道の運転
奥日田エリアは山道の区間もあるので、雨や霧の日はスピード控えめで。冬場は路面凍結の可能性もあるので、スタッドレスやチェーンの準備も視野に入れておきたいところです。
僕が奥日田に行くときは、だいたい「キャンプ半分・ギア遠足半分」くらいの気持ちで向かっています。ランタンを灯してサイト全体がふわっと明るくなった瞬間、ふと後ろを振り返ると、管理棟の明かりと山の稜線がきれいに並んでいて、「ああ、これが“人生に、野遊びを。”ってやつか」としみじみしてしまうんですよね。ギア好きにも、初めてのキャンプにも、自信を持ってすすめられる高原フィールドです。
水辺に癒やされる「湖畔・川のキャンプ場」
6.湖畔にテントを張る人気フィールド「RECAMP別府志高湖」(別府市)

「湖畔にテント張ってみたいんだけど、どこが失敗少ない?」と聞かれたら、まず候補に出すのがここ。別府市の山あい、阿蘇くじゅう国立公園の一角にある「RECAMP別府志高湖」です。標高約600m、志高湖のほとりにテントを張れるロケーションで、RECAMP公式サイトでも“湖畔キャンプが楽しめるフィールド”として推されています。
まず、このキャンプ場の何が良いかって、「湖とテントの距離感」。ちゃんと安全な距離をとりつつも、テントの前にチェアを出して座ると、視界の大半が水面になるんですよ。朝、テントのファスナーを開けたら、目の前いっぱいに志高湖。水面には空の青と周りの山がくっきり映り込んでいて、「あ、スマホの壁紙より全然キレイだわ」と、すぐに画面をしまいたくなるレベルです。
志高湖自体は、別府市公式サイトでもキャンプ・ボート・散策が楽しめる観光スポットとして紹介されていて、周囲約2kmの湖を一周する遊歩道があります。これがまた気持ちよくて、朝のコーヒー前に湖畔を軽く一周ウォーキングするだけで、「今日もう勝ち確じゃない?」っていうくらいメンタルが整うんですよね。
サイトは湖畔エリアと林間エリアがあって、「ザ・湖畔キャンプ」感を味わいたいなら湖寄り、「静かにこもりたい&木陰が欲しい」人は林間側がおすすめ。区画サイト・フリーサイトともに車の乗り入れOKで、電源付きサイトもあります。炊事棟はお湯が出て、トイレもきちんと清掃されていて、シャワーや売店もあるので、キャンプ初心者やファミリーでもかなり使いやすい印象です。
あと、個人的に好きなのが時間帯ごとの“湖の顔つき”の変わり方。
- 早朝:湖面からうっすら霧が立ちのぼって、対岸の森が少しだけぼやけて見える時間帯。ここで飲む一杯目のコーヒーは、味が2割増しどころじゃないです。
- 夕方:山の向こうに沈む夕日が湖面をオレンジ色に染めて、カモがスーッと横切っていく。写真を撮る手が止まらないゴールデンタイム。
- 夜:風が落ち着いて湖面がフラットになると、星と対岸の灯りが水面に映り込んで「水鏡」状態に。焚き火の火と星と湖面の反射で、情報量多すぎてちょっと笑えます。
アクセスもかなり優秀で、別府インターから車で約15分。キャンプの前後に、別府八湯のどこかしらの温泉に寄るのがほぼデフォルトになる距離感です。僕はいつも、初日は昼過ぎチェックイン→湖畔でのんびり→夕方に別府の立ち寄り湯→戻って焚き火&湖畔ナイト、2日目は早朝散歩→ゆっくり撤収→別府でランチ、みたいな「湯×キャンプ」ルートで楽しんでいます。
こんな人におすすめのフィールドです。
- 「一度でいいから湖畔にテント張ってみたい」キャンプビギナー
─ サイトも設備も整っているので、いきなり野性味全開の湖畔に行くより、ここでデビューするほうが安心感あります。 - 家族で“静かな水辺キャンプ”を楽しみたいファミリー
─ 湖畔でのんびり散歩、ボート遊び、焚き火…と、激しいアクティビティじゃなくても一日ちゃんと楽しいです。 - ソロやデュオで、焚き火と湖を眺めながらゆっくりしたい人
─ 湖を正面に据えたレイアウトで、チェアに沈んでいるだけで“一生分ボーッとする時間”を稼げます。 - 温泉とセットでキャンプ旅を組みたい人
─ 別府IC至近&別府市街地までのアクセスの良さがイージーモード。キャンプと街遊びをミックスしやすいです。
逆に、気をつけておきたいポイントもいくつか。
- 湖畔ならではの湿気・冷え
夜〜早朝は想像以上に冷えます。特に春秋は、地面からの冷え込み対策にマットは厚め推奨。結露も増えるので、タープや前室をうまく使ってギアを守りたいところ。 - 風と天候の変化
湖面は風の通り道になりやすいので、タープは低め&しっかりペグダウン。雨が降ると一気に気温が下がるので、レインウェアと予備の防寒着も忘れずに。 - ハイシーズンの混雑
連休やトップシーズンは人気フィールドなので、静かにこもりたい人は平日やオフシーズンを狙うと◎。予約は早めが吉です。
僕自身、ここで湖面を眺めながら焚き火していると、「あ、今日一日、ちゃんと丁寧に使えたな」と思えるんですよね。スマホを閉じて、湖と山と空だけを相手に過ごす数時間は、ちょっとした贅沢ではなく、これからの自分のための“投資時間”だと思っています。湖畔キャンプを一度味わうと、きっとまたここに戻ってきたくなるはずです。
7.川と露天風呂のオアシス「城ヶ原オートキャンプ場」(由布市)

「川遊びも温泉もどっちもやりたいんだけど、そんな都合のいいキャンプ場ある?」と聞かれたら、真っ先に出てくるのがここ。由布市にある「城ヶ原オートキャンプ場」です。大分川と阿蘇野川に挟まれたロケーションで、場内には天然温泉かけ流しの露天風呂まであるという、大分らしさ全開のフィールド。詳しい設備は城ヶ原オートキャンプ場 公式サイトにまとまっています。
まず、このキャンプ場の良さは「川と緑に完全に包まれている感覚」。サイトにテントを張ってイスに座ると、視界の端から端までが木々の緑と川の流れで埋まります。風が吹くたびに、木の葉のザワザワと川のせせらぎがミックスされて、「あ、これBGMじゃなくてリアル音だよな」とニヤけてしまうやつです。
夏になると、場内に河川プールがオープンします。これは大分川の水を引き込んだ浅めのエリアで、小さい子でも安心して水遊びしやすいようにつくられたプール。公式サイトでも「夏季限定で河川プールを開設」と案内されていて、実際に行くと、午前中から子どもたちの笑い声がずっと響いています。足首〜膝くらいの水深の場所なら、小さな子でもライフジャケット+大人の付き添いで思い切りバシャバシャできます。
一日たっぷり遊んだあとのお楽しみが、場内にある天然温泉の露天風呂。源泉かけ流しで、キャンプ場利用者はお得な料金で入浴できます。夕方、少し日が傾いた頃にここに入ると、湯船から見える空の色がどんどん変わっていって、「あ、今まさに今日が終わりに向かってるんだな」と体で感じられるんですよね。汗と川の水を全部流してから、ポカポカの状態でテントに戻って焚き火にあたるのは、本当に反則級の気持ちよさです。
サイトはオートキャンプ区画がメインで、車を横付けできるので荷物が多いファミリーも安心。木陰になりやすいエリアも多いので、夏場でもタープ+木陰のダブルで日差しをコントロールしやすいのもありがたいポイントです。炊事場やトイレもきちんと整備されていて、「自然感」と「安心感」のバランスが絶妙なんですよね。
こんな人にどハマりするキャンプ場です。
- 子どもに川遊びデビューさせたいファミリー
─ 河川プール+浅瀬があるので、「いきなり本流はちょっと怖い…」という家庭にも使いやすいです。 - 温泉とキャンプをセットで楽しみたい人
─ 場内に露天風呂があるので、車を出さずに「キャンプ→温泉→焚き火」が完結します。 - 一日中フィールドの中で完結させたい人
─ 川遊び・温泉・焚き火・星空…外に出なくても、キャンプ場の中だけでちゃんと完結します。 - ソロだけど水辺と温泉の両方を楽しみたいキャンパー
─ 平日の静かな時間帯なら、川の音と虫の声だけを聞きながら、露天風呂で完全にとろけられます。
水辺キャンプならではの注意ポイントも、ちょっと真面目に。
- 子どもの安全管理は最優先
─ ライフジャケットは「念のため」ではなく「標準装備」くらいの気持ちで。目を離さない、流れが速いところには近づかない、増水の兆候(急な濁り・流木など)を見逃さない、この3つは徹底したいところです。 - 天候と水位の変化
─ 山の上流で雨が降ると、こちらが晴れていても水位が上がることがあります。キャンプ場のスタッフさんのアナウンスには素直に従うのが吉。「今日は危ないかも」と感じたら、無理して川に入らずサイト遊びに切り替えましょう。 - 夜と朝の冷え込み
─ 川沿いは地面からの冷えが案外強いので、スリーピングマットは厚めが安心。特に子どもは冷えやすいので、パジャマ+羽織りもののセットで調整できるようにしておくと快適です。
僕が城ヶ原オートキャンプ場で一番好きなのは、夜、お風呂上がりにサイトに戻ってきた瞬間です。体はまだポカポカしていて、頭の上には星がいくつか見え始めていて、暗闇の向こうからは川の音だけが聞こえてくる。その中で、焚き火台の火を少しずつ育てていく時間がたまらなくて、「ああ、これがあるからまたキャンプに来ちゃうんだよな」といつも思います。
川遊びもしたい、温泉も入りたい、焚き火も外せない──そんな欲張りな条件を、きれいに全部叶えてくれるのがこのキャンプ場。ファミリーキャンプの“ホーム”にするフィールドとしても、かなり有力候補だと思います。
花・海・アートを楽しむ「海キャンプ」
8.花とアートの岬で海を望む「長崎鼻リゾートキャンプ場」(豊後高田市・国東半島)

「海も花畑もどっちも全力で楽しみたいんだけど?」と聞かれたら、僕がニヤニヤしながらおすすめするのがここ。国東半島の先端あたりにある「長崎鼻リゾートキャンプ場」です。周防灘に向かって“鼻”のように突き出した岬に位置していて、公式サイトでも“花とアートの岬 長崎鼻”として紹介されている、かなり個性的なフィールド。
長崎鼻リゾートキャンプ場 公式サイト
まず一番のインパクトは、なんと言っても花畑のスケール。豊後高田市の公式観光サイトによると、春には約2,700万本の菜の花、夏には約160万本のひまわりが咲き誇るエリアで、もともとは耕作放棄地だった場所を地元の人たちが少しずつ開墾して、今の花公園になったそうです。
豊後高田市 公式観光サイトの紹介記事
初めて夏のひまわりシーズンに行ったときは、キャンプ場に向かう道の両側が一面ひまわりで、「あれ、今日ってひまわりの国の住人になる日だったっけ?」っていうくらいの景色でした。その向こうにキラッと海が見えてくるから、もうカメラが全然追いつかない。春はこれが菜の花に変わって、黄色い絨毯の向こうに青い海と空が広がる、ずるい構図になります。
キャンプエリアは大きく分けて「花畑側」「森のコテージゾーン」「海ゾーン(トレーラーなど)」に分かれていて、好きな世界観を選べるのも長崎鼻の面白いところ。岬の森ゾーンにはコテージが9棟あって、豊後高田市の紹介記事でもコテージA・B・Cのタイプ別に詳しく解説されています。ウッディな内装で、ファミリーやグループで「半分キャンプ、半分別荘」みたいな過ごし方ができるのも魅力。
長崎鼻リゾートキャンプ場ご案内
オーシャンフロント感を全開で味わいたいなら、海ゾーンのキャンピングトレーラーもおすすめ。段々畑の花と海を見下ろせるポジションにトレーラーが並んでいて、「ここ、本当に日本?」というくらいのリゾート感があります。波打ち際まで徒歩数十秒で、朝は東側の海から昇る朝日、夕方は反対側の海に沈む夕日の両方を楽しめるのも、岬ならではの贅沢ポイントです。
さらにこの場所を特別にしているのが、アート作品が点在していること。国内外のアーティストによる作品が花畑や岬のあちこちに設置されていて、「花×海×アート」という、他ではなかなか見ない組み合わせの景色が楽しめます。ひまわり畑の向こうに突如現れるアート作品は、正直ズルいくらい写真映えします。アートの詳しいラインナップは公式サイトのアート紹介ページを眺めてみてください。
こんな人にビシッと刺さるキャンプ場です。
- 「とにかく写真撮りまくりたい」カメラ好きキャンパー
─ 花畑、海、空、アート、トレーラー…被写体が多すぎて、メモリーカードの残量に気をつけたほうがいいレベルです。 - 海も花もどっちも楽しみたいファミリー&カップル
─ 昼は花畑と海辺で遊んで、夕方は夕日タイム、夜は星空と波の音。1泊で「旅のハイライト」が何回も来ます。 - グランピング寄りの快適さも欲しい人
─ コテージやキャンピングトレーラーを使えば、テントを持っていなくても十分アウトドア気分を味わえます。 - 「ちょっと非日常なキャンプ」がしてみたい人
─ 花畑の中を歩いてトレーラーに戻る、なんて体験は、なかなか他ではできません。
一方で、海沿いキャンプならではの注意点もあります。
- 風が強くなりやすい
─ 岬の先端なので、風がビュンビュン吹く日もあります。鍛造ペグや長めのペグを使って、タープは低めにセッティング。風を正面から受けるより、「受け流す」角度を意識すると安定します。 - 塩害対策
─ 海風にさらされるので、焚き火台やランタンなど金属製ギアは、帰宅後の真水洗いと乾燥がおすすめ。サイトでも、波しぶきがかかりそうなギリギリの位置は避けたほうが安心です。 - ハイシーズンの混雑&暑さ
─ 花のベストシーズン(菜の花・ひまわり)は特に人気なので、予約は早めに。夏の日中は日差しがかなり強いので、タープと帽子、飲み物は多めに持っていきましょう。
僕が長崎鼻で一番好きなのは、ひまわり畑の向こうに海と空が繋がって見える夕方の時間帯。オレンジに染まった花畑の上を、海風がスーッと抜けていくのを感じながら、「ああ、これだから遠回りしてでもここに来たくなるんだよな」と毎回思います。
「海キャンプがしたい」「花の中でキャンプしてみたい」「アートな場所が好き」──その全部に手を挙げちゃう欲張りなキャンパーに、全力でおすすめしたい岬です。
子どもと一緒に安心して泊まれる「ファミリー向けキャンプ場」
9.巨大公園と一体で遊べる「るるパーク オートキャンプ場」(大分農業文化公園/杵築市)

「子どもをとにかく外で遊ばせたい。でも大人はちょっと休みたい…」っていう、全国の親の本音みたいな願いをかなえてくれるのがここ。杵築市にある「るるパーク オートキャンプ場(大分農業文化公園オートキャンプ場)」です。ダム湖・日指ダムをぐるっと囲む巨大公園の中にあって、公式にも“敷地面積は東京ドーム25個分”と紹介されているスケールおばけ。
るるパーク公式「泊まる」ページ / 杵築市観光サイトの紹介
公園全体の情報は公式サイトや大分県観光サイトにも詳しく載っていますが、ざっくり言うと「巨大な遊び場の中にキャンプ場がポンと入っている」イメージ。フラワーガーデン、体験農園・果樹園、貸しボート、貸し自転車、大型遊具、芝生広場…とにかく子どもが走り回る場所に困らない。初めて行ったとき、チェックインして30分で「これ、一日じゃ絶対遊びきれないな」と悟りました。
キャンプエリアは、AC電源付きのオートサイト・フリーサイト・コテージの3本柱。なっぷの情報によると、オートサイトは30区画・全サイトAC電源(500W・1口)付きで、車横付けOK。フリーサイトも含めてシャワー棟やコインランドリーが使えるので、連泊でもかなり快適に過ごせます。なっぷ「るるパークオートキャンプ場」詳細
コテージはログハウス風で、テーブル・冷蔵庫・電子レンジ、調理器具・食器類まで揃っていて“ほぼ手ぶら”で泊まれるタイプ。キャンプはしてみたいけど「テント泊はまだハードル高いな…」というファミリーには、ここから入るのがめちゃくちゃおすすめです。コテージ泊+外でBBQ&焚き火、というスタイルでも十分“キャンプした感”あります。
で、るるパークの真骨頂はやっぱり「遊びの選択肢の多さ」。代表的なのはこのあたり:
- 大型遊具エリア:サイトの近くに、子どもが吸い寄せられる系の巨大遊具ゾーンがドーンとあります。滑り台、ネット、クライミング風の遊具…「もうそろそろ帰ろうか」が何度も無視されるやつ。
- ダム湖まわりの遊歩道&サイクリング:貸し自転車で湖をぐるっと回るのも気持ちいい。ゆるいアップダウンなので、小学生くらいならいい運動になります。
- 体験農園・果樹園:季節によっては収穫体験ができて、「ごはんってこうやって育つんだよ」という話を現場でできるのが最高。野菜嫌いな子に効くかもしれません(笑)。
- ボート遊び:湖でペダルボートに乗ると、キャンプ場と公園全体を違う視点から眺められて、ちょっとした冒険気分になります。
キャンプ目線で見ると、「子どもが全力で遊び倒している間に、大人はサイトで少しだけ休める」のが本当にありがたい。キャンプ場のすぐそばに遊具エリアがあるので、子どもが遊んでいるのを見守りつつ、サイトでコーヒーを淹れたり、焚き火の準備をしたり…という「親の余白」がちゃんとあるんですよね。
こんなファミリーにドンピシャです。
- 「とにかく子どもを外で遊ばせたい!」アクティブファミリー
─ 公園の遊具・自転車・ボート・体験イベント…と、全力で遊んでもまだ足りないくらいコンテンツがあります。 - キャンプデビューしたいけど不安が多い初心者ファミリー
─ AC電源付きオートサイト+コテージ+シャワー・ランドリー完備で、「もしものときの保険」がたくさん。 - 下の子がまだ小さいorテント泊はきつい家族
─ 上の子は外で遊び倒しつつ、寝るのはコテージでゆっくり、というバランスのいい過ごし方ができます。 - 車でサクッと行ける“いつものキャンプ場”を見つけたい人
─ 東九州自動車道・大分農業文化公園ICから約2〜4分。アクセスが良いので、「ちょっと週末行く?」がしやすい立地です。
注意ポイントもいくつかあります。
- 週末・連休はかなり賑やか
─ ファミリー向けキャンプ場なので、子どもの声があちこちから聞こえる「にぎやか系」です。静寂を求めるソロには別フィールドをおすすめします。 - フリーサイトは日陰少なめな場所も
─ 時期や場所によってはタープ必須。夏場は特に、タープ+帽子+日焼け止め+飲み物多めで挑みましょう。 - グランピングではない
─ 公式FAQにも「ラグジュアリーなグランピング施設ではありません」と明記されています。食材準備・片付け・清掃まで自分たちで楽しむ“ちゃんとキャンプ”なスタイルです。
公式FAQ
僕がるるパークで好きなのは、夜になって公園全体が静かになってから、ふと空を見上げる瞬間です。昼間は子どもたちが走り回っていた広場の上に、今度は星がパラパラと浮かんでいて、「ああ、今日この子たち、ぐっすり寝るだろうな」と思いながら焚き火に当たる時間。親も子も、それぞれのペースでちゃんと満足できる、“ファミリーキャンプ専用チート空間”みたいな場所です。
10.重炭酸泉とサウナで“ととのう”「グランパーク長湯」(竹田市・長湯温泉)

「キャンプしながら、ととのいたい」と本気で思っている人に、まず教えたいのがここ。長湯温泉にあるオートキャンプ場「グランパーク長湯」です。公式サイトでも“日本有数の重炭酸泉の聖地・長湯温泉に誕生した、サウナと重炭酸泉を存分に楽しめる新感覚オートキャンプ場”と紹介されていて、山と川に囲まれたロケーションの中で温泉・サウナ・キャンプを全部まとめて味わえるフィールド。グランパーク長湯 公式サイト
長湯温泉といえば、言わずと知れた“炭酸泉の聖地”。竹田市の公式観光サイトでも、重炭酸泉の泉質と「日本一の炭酸泉」をうたう長湯温泉の特徴が詳しく紹介されています。
竹田市公式観光サイトの紹介
グランパーク長湯は、その長湯温泉の源泉を使った炭酸泉露天風呂・テントサウナ・水風呂・足湯を備えたオートキャンプ場。PR TIMESのリリースでも、「山・川・温泉をすべて満喫できる極上の新体験グランピング・オートキャンプ場」と紹介されていて、実際に行ってみるとその言葉にかなり説得力があります。PR TIMES リリース
サイトはオートキャンプ区画とフリーテントエリアがあり、なっぷの情報によると、オートサイトは1区画10m×10m・電源付き(料金込み)。各区画に車1台を横付けできて、芝生+砂利の使いやすいレイアウトになっています。施設利用料1人1,000円を払えば、隣接する「クアパーク長湯」の温泉棟も利用できるという、温泉好きにはたまらない仕組み。
なっぷ「グランパーク長湯」詳細
場内の設備もかなり充実していて、管理棟には売店・更衣室・シャワー、屋外には洗い場・トイレ・灰捨て場・ダンプステーション、そして目玉の重炭酸泉の露天風呂・足湯・水風呂・テントサウナが並びます。夕方、サイトで焚き火の準備をしてからタオルと水着を持って温泉エリアに向かい、まずは炭酸泉の露天にドボン。細かな泡が肌にまとわりついて、じわ〜っと体の芯から温まってくる感じがたまらない。
十分に温まったらサウナへ。ほどよいサイズ感のサウナ室でしっかり汗をかいて、外に出て芹川のせせらぎを感じながら水風呂へザブン。そのあと外気浴スペースで椅子に座ると、川の音と風の涼しさで一気に“無”モードに入って、「あれ、自分今どこに座ってたっけ?」ってなるくらい溶けます。これをキャンプ中に何セットもできるんだから、正直ズルいです。
キャンプサイト自体は、芹川沿いの開けた場所にあり、川の流れを眺めながら焚き火ができます。夜、風呂とサウナでととのった状態でチェアに沈んで焚き火を見ていると、時間の感覚がふわっとゆるんで、「あ、明日のことは明日考えよう」と素直に思えるんですよね。
こんな人に刺さるキャンプ場です。
- サウナも温泉もキャンプも全部楽しみたい欲張りキャンパー
─ 「キャンプ×温泉×サウナ」という組み合わせを、一箇所で完結させたい人にはド直球です。 - 日々の疲れを“ガチでリセット”したいソロキャンパー
─ サウナ→水風呂→外気浴→焚き火→星空のセットは、かなり強力なデトックスコースになります。 - 温泉好きのファミリー・カップル
─ 川遊びや周辺散策を楽しんだあとに温泉とサウナでゆっくりできるので、「癒やし」重視のキャンプ旅にぴったりです。 - 車中泊やバンライフ勢
─ RVパークとしても紹介されていて、電源付き区画で車中泊しつつ温泉とサウナをベースに旅を組むスタイルとも相性抜群です。RVパーク紹介ページ
一方で、こんな注意ポイントもあります。
- 水着必須のスタイル
─ 炭酸泉の露天風呂やサウナエリアは混浴・水着着用スタイル(レンタルもあり)。普段の温泉感覚で行くと戸惑うので、「水着で入る温泉&サウナ」と理解しておくとスムーズです。温泉利用案内参照 - 営業日と定休日
─ キャンプ場・温泉ともに水曜・木曜が定休のことが多いので、公式サイトの営業日カレンダーを必ずチェックしてから予定を組みましょう。 - 川沿いゆえの冷え込み
─ 特に秋〜春は、夜と朝がかなり冷えます。サウナ後にテントに戻るときのためにも、厚手の羽織りものや暖かい寝袋は必須です。
僕自身、ここに泊まったときは「キャンプしに来たのか、ととのいに来たのか、どっちなんだろう」と途中でわからなくなるくらい、温泉とサウナと焚き火のループにハマりました。朝、霧の残る川辺を散歩してからサイトに戻り、まだ少し火の残った焚き火にケトルをかけてコーヒーを淹れる時間は、完全に“リセットボタン”そのもの。
疲れが溜まりすぎているときほど、「ふつうのキャンプ」じゃなくて、こういう“ととのうキャンプ”を一度挟むのもアリだと思います。長湯温泉の重炭酸泉パワーを全身で浴びたい人は、ぜひ一度このフィールドに身を預けてみてほしいです。
手ぶらで楽しむ「トレーラー&グランピング」

11.由布岳麓のヴィンテージトレーラー「Big Dipper Yufuin」(由布市・塚原高原)
「テント張る元気はないけど、ちゃんとアウトドアしたいんだよな…」ってときに、僕が真っ先に思い浮かべるのがここ。塚原高原にあるヴィンテージトレーラーのキャンプ場「Big Dipper Yufuin」です。公式サイトでも“Travel Trailer Camping Style”と掲げていて、由布岳の麓でトラベルトレーラーに泊まれる、ちょっと大人なキャンプフィールド。Big Dipper 公式サイト
この場所の主役は、場内に並ぶ5台のヴィンテージトレーラーたち。1950年代製の「SPARTAN」、ピカピカのアルミボディが有名な「AIRSTREAM」、渋い佇まいの「AVION」など、アメリカの大地を走り回ってきたトレーラーが、日本の職人さんの手で蘇ってここに置かれています。初めてSPARTANに泊まったとき、ドアを開けた瞬間に感じた“古い木と金属の匂い+新しい木工の匂い”のミックスがたまらなくて、「あ、今日はこのトレーラーの物語の続きに、ちょっとだけ混ざらせてもらうんだな」と妙にテンションが上がりました。
室内は一台一台、間取りも雰囲気も微妙に違いますが、共通しているのは「ちゃんとキャンプだけど、ちゃんと快適」なところ。ふかふかのベッド、エアコン、冷蔵庫、電源、照明、 Wi-Fi(プランによる)など、宿としての快適さはしっかり確保されていて、トレーラーによってはキッチンや檜風呂付きのタイプもあります。夜、檜風呂にゆっくり浸かったあと、そのまま数歩歩いてデッキに出て焚き火の前に座る…という動線、控えめに言って最高です。
各トレーラーには専用のウッドデッキがついていて、ここが「外のリビング」。BBQグリルやテーブル、チェアが用意されているので、あとは好きな食材と飲み物を持ってくるだけでそのまま晩ごはんタイムに突入できます。夜はスクリーンやプロジェクターを持ち込んでアウトドアシアターを楽しむ人もいて、「今、自分は映画の中のキャンプシーン側にいるな…」という不思議な感覚になります。
立地は、標高約600mの塚原高原。由布岳を正面に望むロケーションで、高原の風がとにかく気持ちいい。昼間は由布岳を眺めながらデッキでコーヒー、夜はトレーラーのアルミボディに星が反射してキラッと光る──そんなシーンを見ていると、「テント張ってないのに、アウトドア欲はちゃんと満たされてるな」と実感します。
公式予約サイトやキャンプ予約サイトの情報をざっくりまとめると、Big Dipper Yufuinはこんなスタイルのフィールドです。なっぷのキャンプ場ページ
- 50〜70年代のアメリカ製ビンテージトレーラーが5台並ぶ、トレーラーハウス主体の小さなキャンプ場
- トレーラーには寝具・エアコン・冷蔵庫・キッチン用品などが揃い、基本は「食材だけ持ってくればOK」な手ぶらスタイル
- 車は各トレーラーのすぐそばまで乗り入れOKで、駐車スペース付き
- 外には専用デッキ+BBQスペース+焚き火スペースがあり、「室内の快適さ」と「外のワイルドさ」を行き来できる
こんな人に特に刺さります。
- キャンプには興味あるけど、いきなりテント泊は不安な人
─ 雨風や寒さの心配はかなり軽減されるので、「キャンプの良いとこ取り」から始めたいビギナーにちょうどいいです。 - ギアは好きだけど、今回は“身軽な旅”をしたいキャンパー
─ テント・タープ・テーブル・チェア…全部置いてきて、カメラとウェアと少しのギアだけ持って来られる解放感、かなりクセになります。 - ちょっと特別な記念日キャンプをしたいカップル
─ ヴィンテージトレーラー+由布岳ビューは、写真も思い出も濃度高めに残ってくれます。 - 子連れでも“オシャレさ”をあきらめたくないファミリー
─ 高原の風が気持ちよくて、子どもは外で走り回り、大人はデッキでコーヒーやワイン…という絵が自然に成立します。
逆に、こんなポイントは知っておいたほうがいいです。
- 「完全なるホテル」ではない
─ シーツや室内はきちんと整えられていますが、あくまでキャンプ場。虫もいるし、夜は暗いし、外はしっかり自然。ホテル並みのサービスを期待するより、「快適寄りのキャンプ」と捉えたほうがハッピーになれます。 - 高原ゆえの冷え込み
─ 室内にはエアコンがありますが、デッキで長く過ごすなら春秋でも一枚厚手の上着があると安心。特に夜の星見タイムは、思った以上に冷えます。 - 周りは本当に静か
─ 塚原高原自体が静かな場所なので、大音量の音楽や深夜の宴会には向きません。「静けさもごちそう」のフィールドだと思ってもらえるといいです。
僕がBig Dipper Yufuinで好きなのは、夜、デッキの灯りを少し落としてからトレーラーの横に立つ瞬間。由布岳のシルエットと星空、その手前に並ぶヴィンテージトレーラーを見ていると、「ああ、今日はいつものキャンプとは別の“旅”をさせてもらってるな」としみじみ感じます。
ギア満載の「ザ・キャンプ」も楽しいけれど、ときどきは身軽に、ヴィンテージトレーラーに自分の時間だけを詰め込んで過ごす夜も悪くない。大分でそんな“ご褒美キャンプ”がしたくなったら、塚原高原のBig Dipperを思い出してみてください。
失敗しない「大分・絶景キャンプ場」の選び方

ここまで11のキャンプ場を一気に駆け抜けてきて、きっとこう思ったはずです。
「で、結局どこに行けばいいの?」
正直に言うと、どこもいいです(笑)。僕自身、取材抜きでも何度もリピートしている場所ばかりで、「今日はあの山の麓で」「今回は湖畔でボーッと」「子どもがいるから公園一体型で」みたいに、そのときのコンディションや一緒に行くメンバーで選び分けています。
とはいえ、最初の1回でハズしたくないのも本音だと思うので、ここからは“実際に泊まってきたキャンパー目線”で、わかりやすい選び方の軸を整理してみます。迷ったときの「最後のひと押し」に使ってください。
ロケーションで選ぶ:まずは「何を見ながらコーヒー飲みたいか?」を決める
キャンプの満足度を一番左右するのは、やっぱりロケーション。僕はいつも、「明日の朝、テントの前でコーヒー飲むときに、何を見ていたいか?」をイメージして決めています。
- 森・物語系:バルンバルンの森/まだ名前のないキャンプ場
─ 木々に囲まれて、静かな時間をじわっと楽しみたい人向け。「森のテーマパーク」感が強いのがバルンバルン、由布岳ビューの抜け感が欲しいなら“しいたけキャンプ場”ことまだ名前のないキャンプ場。 - 高原・草原系:ボイボイキャンプ場/久住高原沢水キャンプ場/スノーピーク奥日田
─ 「とにかく空が広いところで寝たい」派にはこのライン。ボイボイは360°草原の解放感、沢水は「草原+沢」のバランス型、奥日田は「高原+スノーピーク直営」という安心感で選ぶ感じです。 - 湖・川系:RECAMP別府志高湖/城ヶ原オートキャンプ場
─ 水面を眺めながらボーッとしたいなら志高湖、川遊び&露天風呂までセットにしたいなら城ヶ原。どちらも「水の音がBGM」なキャンプ場です。 - 海・花・アート系:長崎鼻リゾートキャンプ場
─ 海キャンプに花畑とアートまで盛りたい欲張りさん向け。ひまわり・菜の花シーズンは、とにかくカメラのバッテリーを多めに。 - ファミリー・公園系:るるパークオートキャンプ場
─ 「とにかく子どもを外で遊ばせたい!」という親の願いを全力で叶えてくれる場所。東京ドーム25個分の公園の中にキャンプ場がポツンとあるイメージです。 - グランピング・トレーラー系:グランパーク長湯/Big Dipper Yufuin
─ テント設営より「ととのい」「ヴィンテージ感」を優先したいときはこの2つ。長湯は重炭酸泉とサウナ、Big Dipperは由布岳麓のビンテージトレーラーに泊まる“ご褒美系キャンプ場”。
スタイルで選ぶ:誰と行くかで“正解”は変わる
同じキャンプ場でも、「誰と行くか」で満足度はガラッと変わります。ここはメンバーとの相性を意識して選びたいところ。
- ソロで静かにこもりたい:ボイボイキャンプ場/まだ名前のないキャンプ場/久住高原沢水キャンプ場
─ とにかく「抜け感」と「静けさ」が欲しいときの3つ。平日インできるなら、ボイボイや沢水の草原で一人焚き火はマジで効きます。 - ファミリーで安心して楽しみたい:るるパーク/RECAMP別府志高湖/城ヶ原オートキャンプ場
─ 遊具・湖・川・露天風呂…と、子どもが退屈しない仕掛けが最初から用意されているラインナップ。親が「遊びをプロデュースしすぎなくていい」のが本当にラクです。 - カップルで雰囲気重視:バルンバルンの森/長崎鼻リゾートキャンプ場/Big Dipper Yufuin
─ 世界観で攻めるならこの3つ。バルンバルンは絵本世界、長崎鼻は花畑と海、Big Dipperはヴィンテージトレーラーと由布岳ビュー。どこも写真と思い出の濃度が高く残ります。 - グランピング的に快適に過ごしたい:グランパーク長湯/Big Dipper Yufuin
─ 「ギアは最低限でいいから、とにかく整いたい・癒やされたい」ならこの2つ。温泉・サウナ・トレーラーの快適さに甘えてOKな日をつくるのも、大人のキャンプだと思います。
季節と標高で選ぶ:大分は「標高コントロール」が超重要
大分は海抜0mから標高1,000m級までギュッと詰まっている県なので、季節と標高の組み合わせを意識すると「暑すぎ/寒すぎ」をかなり避けられます。
- 真夏の避暑キャンプ
─ 久住高原(ボイボイ/沢水)、スノーピーク奥日田、塚原高原(Big Dipper)など、標高600〜1,000mクラスの場所が本命。下界が35℃の日でも、夜は「フリース持ってきてよかった」となることが多いです。 - 春・秋のベストシーズン
─ 基本的にどのキャンプ場も快適。特に長崎鼻の花シーズン(菜の花・ひまわり)は、気温も景色もベストバランスで、「あ、今来て正解だったな」と思いやすい時期です。 - 冬キャンプ
─ 温泉が近い(または場内にある)フィールドが圧倒的にラク。城ヶ原(露天風呂)、グランパーク長湯(重炭酸泉&サウナ)、RECAMP別府志高湖(別府温泉街近く)、スノーピーク奥日田(雪中キャンプも視野)あたりが候補。
雪や凍結が絡むエリアに行く場合は、スタッドレスや防寒装備を「ちょっとオーバースペックかな」くらいに振っておくと、当日ビビらずにすみます。
キャンプ初心者であれば、最初の2〜3回は「高規格寄り or グランピング寄り」の施設から始めるのがおすすめです。
- 1回目:るるパーク/RECAMP別府志高湖/バルンバルンの森あたりで「キャンプってこういう感じか」を体験
- 2回目:城ヶ原/久住高原沢水/スノーピーク奥日田などで、自然寄りフィールド&温泉セットを味わう
- 3回目以降:ボイボイや「まだ名前のないキャンプ場」のような、フリーサイトや高原の強風フィールドへチャレンジ
こんなステップを踏むと、失敗しづらくて、かつちゃんとレベルアップしていけます。
初心者がつまずかないための「3つの質問」
キャンプ場を決める前に、僕はよく友だちにこんな3つの質問をします。自分の中で答えを決めておくと、選ぶスピードが一気に上がります。
- 「一日のメインイベントは何?」
─ 焚き火? 川遊び? 温泉? 写真? 子どもと遊ぶ?
メインが決まれば、候補は一気に絞られます。 - 「どれくらい快適さを求める?」
─ ホテル寄り(グランパーク長湯・Big Dipper)なのか、ちゃんとキャンプ(るるパーク・志高湖)なのか、ワイルド寄り(ボイボイ・沢水)なのか。 - 「翌朝、どんな景色を見ていたい?」
─ 森/草原/湖/川/海/トレーラー…最後はこれで決めると、だいたい後悔しません。
よくある質問(風間陸が友だちに答えるとしたら)
Q1. 「初めてテント泊するなら、どこが一番安心?」
A. 僕なら「るるパーク」か「RECAMP別府志高湖」をすすめます。理由はシンプルで、設備が整っている・スタッフさんが慣れている・いざとなったら遊び場や街に逃げ込める(笑)から。
テント設営に自信がなければ、コテージ泊から始めて「次はテント持ってくるね」という流れでも全然アリです。
Q2. 「小さい子どもがいても楽しめるところは?」
A. るるパーク・城ヶ原・バルンバルンの森あたりが鉄板です。遊具・川遊び・森の仕掛け…と、フィールド側に“遊びの材料”がたくさん用意されているので、親がずっとエンタメ担当にならなくてすみます。
その分、夜に焚き火をゆっくり眺める余裕も生まれます。
Q3. 「ギアほぼ持ってないんだけど、それでも行ける?」
A. 余裕で行けます。グランパーク長湯やBig Dipper Yufuinは、「食材さえ持ってくればOK」に近いスタイル。寝具・キッチン・焚き火スペースまで揃っているので、最初は“泊まりながらフィールドリサーチ”する感覚で使うのもおすすめ。
その体験をもとに、「自分はこういうギアが欲しいな」とイメージしてから買い揃えると失敗が減ります。
Q4. 「ソロで行くなら、どこがいちばん“刺さる”?」
A. 静けさ重視ならボイボイと久住高原沢水、眺めと物語性ならまだ名前のないキャンプ場。
正直、どこも良いけれど、「今日はちょっと心のホコリを払いたいな」というときは、久住高原の草原で焚き火しながら星を見上げるのが、個人的には最強だと思っています。
Q5. 「最新情報はどこでチェックすればいい?」
A. 営業日・料金・予約状況・イベント情報は、必ず各キャンプ場の公式サイトと、大分県や市町村の観光サイトをセットで見るようにしています。例えば:
- 大分県公式観光情報サイト「おんせん県おおいた」
- 各キャンプ場の公式サイト(例:久住高原 ボイボイキャンプ場/RECAMP別府志高湖 など)
Googleマップの口コミも参考になりますが、最終的な情報ソースは必ず「公式」を見るクセをつけておくと、安全面でもトラブル減ります。
──こんな感じで、自分や一緒に行く人の「やりたいこと」「体力」「ギアの量」を素直にテーブルに並べてから、大分のフィールドを当てはめていくと、キャンプ場選びはぐっとラクになります。
あとはシンプルに、この記事を読みながら「一番ワクワクした場所」を選ぶのが、いちばん間違いない選び方かもしれません。ワクワクは、だいたい正しいです。
大分でキャンプを楽しむための注意点・マナー

ここまで読んで「よし、大分行くぞ!」と思ってくれていたら嬉しいんだけど、ちょっとだけ真面目な話もさせてください。僕自身、大分で300泊以上してきて、「あ、これ知っておかないと普通に危ないな」と感じたポイントがいくつかあります。
どれも難しい話じゃなくて、ちゃんと押さえておけば「安心して、もっと深く楽しめるコツ」みたいなものなので、出発前のチェックリスト代わりにどうぞ。
気象・防災のポイント:大分は「景色はご褒美、天気はシビア」だと思っておく
- 高原の冷え込みは、下界のニュースを信用しない
大分市内が「今夜も熱帯夜です」とニュースで言っていても、久住高原や奥日田、塚原高原あたり(標高800〜1,000m)では、夜は普通にフリースや薄手ダウンが欲しくなります。
僕も一度、真夏だからと油断して薄いシュラフで行ったら、夜中に寒くて何度も目が覚めて、「なんで山の夜を平地の感覚で判断したんだ俺…」と反省したことがあります。
高原キャンプに行くときは、天気アプリで「そのキャンプ場のある市町村+標高の高いエリア」の最低気温も確認しておくと安心です。 - 強風は“イベント”じゃなくて“前提条件”
ボイボイキャンプ場や久住高原沢水キャンプ場、長崎鼻のような高原・海沿いサイトは、風が吹く日は本当にビュンビュンいきます。
僕もタープのポールを高めに立てていたら、夜中の突風でペグが抜けかけて、ヘッドライトをつけて一人で必死に張り直したことがあります…。それ以来、鍛造ペグ+30cm以上のペグは久住・海沿いに行くときの「標準装備」にしています。
風が強そうな予報の日は、・タープの高さを低めにする ・メインポールを減らしてシンプルな形にする ・撤収しやすいレイアウトにしておく だけでも、だいぶ安心感が変わります。 - 急な天候変化と雷:山と海の「機嫌」を読む
久住や由布・九重エリアは、午前中快晴でも午後から一気にガスる(霧が出る)ことが珍しくありません。海沿いも、風向きが変わると一気に雲が流れ込んでくることがあります。
なので、「朝チェックして終わり」じゃなくて、数時間おきに天気アプリと雨雲レーダーを見るクセをつけておくと◎。
雷の予報が出ているときは、高原でのタープ・ポール・高い木の下などに長時間いないように気をつけてください。僕は基本、「雷注意情報」が出てる日は、無理に山の上に張らないことにしています。
動物・虫対策:「野生のフィールドを借りている」という前提で
- イノシシ・シカなど野生動物への対策
大分の山側のキャンプ場(久住・耶馬渓・湯布院周辺など)は、普通にイノシシやシカが生息しているエリアです。日中に会うことはあまりないですが、匂いに敏感なので「食べ物と生ごみを外に出しっぱなしにしない」のは絶対ルール。
クーラーボックスやゴミ袋は、車内かフタ付きのボックスへ。夜に「なんかガサガサ音がする…」っていうホラー展開を防げます。 - 夏〜秋の虫対策(蚊・ブヨ・マダニなど)
森+沢・川沿い・草地は、虫からしたら「最高の生活環境」です。つまり、キャンパー的にはちゃんと対策しないと刺され放題になります。
僕が大分での夏キャンプに必ず持っていくのは、・ディートorイカリジン系の虫除け ・子ども用低濃度タイプ ・虫刺され薬(かゆみ止め) ・長袖長ズボン ・薄手の手袋や靴下。
マダニ対策としても、素足にサンダルより、靴+長ズボンをおすすめします。草むらに座り込むときは、レジャーシートやチェアを挟むだけでも全然違います。
温泉利用時のマナー:「キャンプの延長線」じゃなくて「温泉にお邪魔する」気持ちで
大分キャンプの大きな魅力のひとつが「キャンプ+温泉」。ただ、温泉はあくまで地域の人や他のお客さんと一緒に使う公共の場所なので、「キャンプノリ」のまま入ってしまうと、ちょっと浮きます。
- 施設ごとのルールは必ずチェック
入浴時間・タトゥーの扱い・サウナの利用ルール・水着の可否などは、施設によってかなり違います。
例:グランパーク長湯のように水着着用の炭酸泉&サウナスタイルのところもあれば、城ヶ原のような昔ながらの露天風呂タイプもあります。
それぞれの公式サイトや館内表示をちゃんと読んで、「ここはどういう文化なんだろう?」と一度立ち止まるクセをつけておくと、トラブルになりにくいです。 - サウナ・炭酸泉は“やりすぎ注意”
とくにキャンプ中は、日差しや焚き火で想像以上に体力を使っています。そこにサウナで追い打ちをかけると、普通の日よりものぼせや脱水のリスクが高まるので、
・「ちょっと物足りないくらい」で切り上げる
・水分(できれば水orお茶)をしっかり摂る
・お酒を飲んだあとは無理してサウナに入らない
このあたりは大人の自制心ポイントだと思ってます。
キャンプ場の基本ルール:「マナー」じゃなくて「共同生活のルール」くらいの感覚で
どのキャンプ場でも共通している、超ベーシックだけど大事なルールたちです。僕も最初のころは甘く見ていた部分があって、今思うと「あれやらかしてたな…」という反省も込めて。
- ゴミは“自分のキャンプの一部”だと思って管理する
「ゴミは持ち帰り」が基本で、一部のキャンプ場では分別して出せるところもあります。ただ、どちらにしても“とりあえずそこら辺に置いておく”はNG。
野生動物やカラス、風で飛んでいったゴミは、ほぼ100%誰かが拾っています。自分の未来のキャンプ仲間を疲れさせないためにも、フタ付きコンテナや大きめのゴミ袋を用意して、サイト内で完結させましょう。 - 直火禁止=「芝生や地面を守る約束」
大分のキャンプ場は芝生サイトが多く、直火禁止のところがほとんどです。焚き火台は必須で、芝を焦がさないために耐熱シートを敷くのもマナーというよりほぼ必須装備。
一度焦げた芝は、元に戻るまでけっこう時間がかかります。次にそのサイトを使うキャンパーのためにも、「焚き火の痕跡を残さない」を合言葉にしたいところです。 - 夜の音量は「焚き火のパチパチ+会話がギリ届くくらい」
クワイエットタイム(消灯時間)が決められているキャンプ場も多く、時間以降は静かに過ごすのが大前提。音楽は早めに止めて、焚き火と会話だけで楽しむくらいがちょうどいいです。
僕は「隣のサイトの会話はなんとなく聞こえるけど、内容まではわからない」くらいを目安にしています。
よくある質問(風間陸が友だちに話すとしたら)
Q1. 「大分って、やっぱり雨多い?」
A. 山側(久住・由布・九重エリア)は正直、雨は多めです。でも、そのかわり雲の切れ目から見える景色がエグいくらいキレイなことも多い。
僕は最初から「晴れたらラッキー、曇りでも良し、雨ならタープとコーヒーを楽しむ日」くらいのメンタルで行くようにしてます。レインウェアとタープさえあれば、雨の日キャンプも悪くないですよ。
Q2. 「子ども連れで一番気をつけたほうがいいのは?」
A. 圧倒的に水辺と火です。川・湖・沢ではライフジャケット必須、焚き火周りでは軍手や火ばさみを使わせる、走り回るエリアと焚き火エリアを分ける…など、「ルールを最初に一緒に決めておく」とだいぶ違います。
あと、夜のトイレに行くときは必ず大人が付き添う。ここは面倒くさがらずに。
Q3. 「地元の人とトラブルにならないコツってある?」
A. シンプルに「挨拶」と「路上駐車しない」の2つをちゃんとするだけで、ほぼ防げると思ってます。
山道や田んぼのあぜ道に適当に車を停めてしまうと、地元の人の生活や農作業の邪魔になることもあるので、必ずキャンプ場や指定の駐車場に停めるようにしましょう。
──ここまで書くと「なんか大変そう…」と感じるかもしれないけれど、実際は一度意識しておけば、あとは自然と体が動くようになります。
ルールやマナーは、楽しさを制限するためじゃなくて、「またこの場所で遊ばせてもらうためのパスポート」みたいなもの。大分の森や山や海と、これから長く付き合っていくつもりで、できるところから少しずつ意識してみてください。
そうやってフィールドを大事にするキャンパーが増えるほど、この先もずっと「大分でキャンプしようぜ」と胸を張って言える未来に近づいていくはずです。
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まとめ|焚き火のそばで、自分の“余白”を取り戻す旅へ
気づかないうちに、予定と通知で頭の中がパンパンになっていく日常から、そっと抜け出したくなるときがありませんか。
僕にとって大分は、その「脱出口」みたいな場所です。ツリーハウスの森で子どもたちがはしゃぐ声を聞きながらコーヒーを飲んだ朝も、久住高原で一晩中星を眺めていた夜も、長湯の重炭酸泉から上がってフラフラのまま焚き火にあたった時間も──どれも、仕事の肩書きとか、SNSのフォロワー数とか、そういうものが全部どうでもよくなる瞬間でした。
この記事で紹介してきたフィールドは、どれも「観光パンフレット的にキレイだから」選んだわけじゃありません。実際に何度も泊まって、雨に振られて、風にやられて、でもそのたびに「やっぱここ好きだな」と思えた場所だけを集めました。
- バルンバルンの森で、ツリーハウスの灯りが森の奥にポッと浮かぶのを眺めた夜。
- ボイボイキャンプ場で、草原に寝転がって「今日って何時まで起きてていいんだっけ」と本気で考えた夜。
- 志高湖で、霧の中から少しずつ山と空が姿を現していく早朝の散歩。
- 長崎鼻で、ひまわり畑の向こうに沈む夕日を見ながら「ここ、日本だよな?」と軽く混乱した夕方。
- グランパーク長湯で、ととのった頭のまま焚き火を見つめていたら、気づけば1時間くらい何も考えていなかった夜。
どれも、派手なアクティビティじゃないんです。ギラギラしたイルミネーションがあるわけでもない。ただ、山と森と湖と海と温泉があって、そのそばに、焚き火台を置けるだけのスペースがある。それだけ。
でも、その「それだけ」が、今の僕らにはけっこう効きます。
誰かとワイワイ笑いながら肉を焼くキャンプもいいし、ソロで静かに星を数える夜もいい。ファミリーで公園一体型のキャンプ場に行って、子どもたちをとことん遊ばせる週末も最高だし、ヴィンテージトレーラーやグランピングで「今日はちょっと贅沢するか」と決める旅もいい。
大分のすごいところは、その全部にちゃんとフィールドが用意されているところなんですよね。森・高原・湖・川・海・温泉、それぞれの場所に、それぞれの物語が待っている。公式な情報は
大分県公式観光情報サイト「おんせん県おおいた」や、各キャンプ場の公式サイトから確認できるので、気になった場所があったら、ぜひ一度のぞいてみてください。
最後に、これは僕自身が何度も実感していることなんですが──
焚き火の前に座っている数時間って、「何もしない時間」じゃなくて、「これからの自分のための仕込み時間」なんですよね。
炎をぼんやり眺めているあいだに、普段は見ないふりをしている本音がふっと浮かんできたり、「あ、あの人に一回ちゃんと連絡しよう」と思えたり、「もうちょっとだけ、好きなことに時間使ってみるか」と腹をくくれたりする。
大分のフィールドは、その“余白”を取り戻すための舞台として、めちゃくちゃ優秀です。あとは、あなたがどの景色に自分を置くかを決めるだけ。
次の休み、スマホのカレンダーにこう一行入れてみてください。
「大分で、焚き火の前の予定のない時間を過ごす」
そこから先の物語は、きっとキャンプ場と、炎と、大分の風がいい感じに書き足してくれます。
参考リンク・情報ソース
※料金・営業日・設備・予約方法などは、季節や運営状況によって変わることがあります。
僕も取材や再訪するときは必ず最新の情報をチェックしているので、みなさんも出発前に必ず公式サイトを確認しておいてください。


