【香川】まんのう公園キャンプ完全攻略|焚き火と森がくれる“自由な夜”の過ごし方

キャンプイベント
夜、風がやさしく森を渡り、パチ…と薪が弾ける。炎の明滅がテントの壁を照らすたび、心のざわめきがひとつ、またひとつほどけていく。――「火を囲む時間は、人を自由にする」。その信条を胸に、僕は20年以上、300泊を超えるキャンプを重ねてきた。香川県まんのう町。満濃池を望む丘陵に広がる国営讃岐まんのう公園は、四国で唯一の国営キャンプフィールドだ。森と芝、水辺と空。その全てが、火を愛するキャンパーに最上の時間を与えてくれる。

本稿では、アウトドアライターとして全国のキャンプ場を取材してきた僕・風間陸が、まんのう公園での理想の過ごし方を“実践者の目線”で解説する。設営のコツ、焚き火の向き合い方、季節ごとの楽しみ方──経験とデータに裏打ちされた“まんのう公園キャンプ完全攻略”を、ここに記そう。

国営まんのう公園とは?香川の自然を体感できる理由

ここ、まんのう公園は四国で唯一の国営公園。初めて来たとき、駐車場から一歩出ただけで「スケール、デカ…!」って声が出た。満濃池を望む丘陵に芝生、森、せせらぎがバランス良く配置されていて、フィールドの“濃淡”が段違い。つまり、ソロの静けさからファミリーの賑やかさまで、シーンに合わせて楽しみ方を変えられる。

四季の表情も強い。春はネモフィラや桜、秋はコキア&紅葉、冬はイルミ(これ、想像以上に映える)。“どの季節に行っても主役がいる”から、僕は取材でもプライベートでも年3〜4回は来てる。

ポイント:巨大な芝生や水辺は開放感◎。一方で風が抜けるので、タープとレイヤリングの準備で快適性が跳ね上がる。

アクセス・予約方法・入園ルールを徹底解説

アクセスの目安(実走の所感つき)

  • 車:高松道「善通寺IC」から約25分。荷下ろし動線が素直で、週末でも詰まりにくい印象。
    ▶︎ 公式案内:アクセス|まんのう公園
  • 電車+タクシー:JR琴平駅から約15分。ギア多めならタクシー一択。
  • バス:「まんのう公園口」下車→徒歩約30分。荷物多いとキツい。
    ▶︎ 園の案内&送迎情報の参考:しこくる(四国ツーリズム)

予約・入園の基本(ここだけ押さえればOK)

  • キャンプ場は園内の「ホッ!とステイまんのう」で予約。
    ▶︎ キャンプ場|営業カレンダー予約ガイド
  • 春(花のピーク)・秋(コキア&紅葉)は週末1か月前から埋まる。僕は金曜INの前乗りか、連休明けの平日狙いが鉄板。
  • 料金や開園時間は季節イベントで変動あり。直前に公式で確認が安全。

初見さん向け・失敗しない持ち物チェック

  • 風抜け対策:30cm以上のペグ+張り綱多め/ポールキャップでタープのバタつき軽減
  • 朝露・結露:グランドシート+インナーシートで床冷えをブロック
  • 子連れ:ヘッドライト(子ども用)と反射テープで夜の導線を可視化

サイト選びのコツ:森・水辺・芝生、それぞれの魅力

主なサイトタイプ(僕の推しポイントつき)

一般カーサイト
電源・流し台付きでファミリーの幸福度が爆上がり。雨の日でもキッチンが安定するので、子どもがいても段取りが崩れない。
フリーサイト
レイアウト自由。せせらぎ+木立の音が常にBGMで、ソロの没入感はここが最強。夜はヘッドライトの色温度を落として“静かな夜”を作るのがコツ。
トレーラーハウス/キャビン
天候リスクを避けたい時の切り札。冬や梅雨でも“キャンプの雰囲気はそのまま”に楽しめる。子どもが小さい時期はここから入ると沼る。

詳しい施設案内と料金は公式へ:ホッ!とステイまんのう|キャンプ場

立地選びの判断軸(現地で毎回チェックしてる3点)

  • 風:丘陵ゆえ夕方に風が上がる日あり。タープは風下を低く、ペグは30cm以上を推奨。
  • 湿気:水辺は雰囲気満点だが、夜〜朝の結露に要注意。インナーを“浮かせる”と乾きが早い。
  • 日照:朝日派は東寄り、昼寝派は林間の日陰。秋〜冬は午後の日差しを背に受ける配置にすると体感温度が上がる。

僕は「子ども優先の導線」(テント⇄トイレ⇄炊事)と「焚き火の眺望」(炎越しに森や水面が見える位置)の2軸で決めてる。これだけで満足度が段違い。

設営と快適空間づくりのポイント

300泊の結論。設営は「風・傾斜・導線」の順で決めると早い。まんのうは広いがゆえに、情報量に迷って時間が溶けがち。僕は到着15分で“仮置き→本設営”までいく段取りを固定してる。

  • 風:最初にタープ。風上側を低く、ガイラインは“長め+本数多め”。
  • 傾斜:就寝方向にわずかな下りがあると疲れる。シート敷いて寝転ぶのが最速判定。
  • 導線:テント出入口→キッチン→焚き火→トイレの順路をライトで点にする。夜の事故を未然にカット。
  • 焚き火台:テントに対して風上配置。火の粉の飛びを「0」に近づける。

写真も雰囲気も上がる裏ワザ:タープの奥に“抜け”を作る。森や水面を額縁にして焚き火を眺めると、夜が一気に濃くなる。

焚き火・料理・夜の過ごし方

直火は禁止。必ず焚き火台+耐熱シートで。灰は指定場所へ。これはマナーというより、次のキャンパーへのギフトだと思ってる。
▶︎ 公式:キャンプ場ガイド

焚き火を“育てる”3ステップ(時短でも美しい炎)

  1. 着火:スギ葉・麻紐・フェザーで火口を作る(最初の30秒が勝負)。
  2. 積層:細→中→太の順に“呼吸できる隙間”を残す。
  3. 整える:火吹き棒は「酸素の注射器」。欲張らず小さく効かすと炎が安定する。

家族も喜ぶ簡単メシ(洗い物が少ないやつ)

  • 朝:ホットサンド+ドリップコーヒー(お湯はケトルで一撃)
  • 夜:ダッチでチキントマト煮(玉ねぎ・にんにく・トマト缶・ハーブ)
  • 体験:スモア(子どもは“焼き過ぎない”練習になる)

夜は静かめ。音を小さく、炎と会話しよう。僕は21時以降はBGMオフ派。

季節別のおすすめスタイル

季節 特徴(現地の肌感) 対策・おすすめギア
花×新緑で写真爆増。朝晩は冷える日あり。 春用シュラフ+ブランケット/花粉対策/朝露ケア(グランドシート)
日差し強め、風は抜ける。虫は活発。 遮熱タープ+メッシュ/USBファン/虫対策(手首足首を守る)
コキアと紅葉で“絵になる夜”。焚き火ベスト。 断熱マット/ウールレイヤー/薪多め(乾いた広葉樹)
人が少なく静寂濃い。放射冷却を体感。 限界温度-5〜-10℃寝袋/難燃ブランケット/ホットカーペット(電源サイト)

季節のイベントや見頃は公式でチェック:まんのう公園|公式

モデルプラン:1泊2日の理想スケジュール(実走版)

  • 09:30 到着。まずは影の動きと風向きをチェック→タープ角度決定。
  • 10:00 設営(タープ→テント→動線→焚き火台)。子連れはハンモックで待機スペース。
  • 12:00 ホットサンド&コーヒー。ゴミは分別ボックスに仮置き。
  • 13:30 サイクリングへ。全長5.88kmの一方通行で景色の切り替わりが楽しい。
    ▶︎ レンタサイクル|公式 / コースPDF:順路図
  • 16:00 焚き火準備。薪は細〜太の順を3束目安。
  • 18:30 夕食。ダッチで煮込み→パンを焚き火で炙ると優勝。
  • 20:00 ライト落として星空観察。BGMオフ。炎と虫の音だけ。
  • 翌07:00 スキレットでパンケーキ。撤収前に“使った場所の落ち葉もととのえる”。
  • 10:00 撤収・チェックアウト。忘れ物チェックは「焚き火台→シート→ガイライン→ペグ穴」順。

安全とマナー:自然と人に優しいキャンプの心得(リアル運用)

  • 焚き火台必須・直火不可。灰は指定場所へ。公式ガイドに従う。
  • 静粛時間は“自分のサイトの外で音量を測る”つもりで。林間は反響する。
  • ごみ分別・持ち帰りは基本。地面に残りやすい微細ゴミ(炭カス・マイクロプラ)は撤収チェック表に入れる。
  • 強風・落枝・ぬかるみ:前夜の天気と当日の風予報でタープ形状を変更(Aフレーム→片落としなど)。

“次の誰かの最高の夜”のために、僕らができることは多い。

風間陸の“自由を感じる”小さなこだわり(当事者のクセ)

  • 音の優先度:夜は焚き火と水音が主役。家族にも「BGMは夕食まで」のルールで共有。
  • 光の設計:暖色LEDを低い位置に。上ではなく横に置くと陰影がきれいで、写真も映える。
  • “抜け”への執着:タープ越しに森か水面が見えること。疲れがすっと抜ける。
  • デジタル断ち:21時以降は通知オフ。炎と会話する時間を作る。

まとめ:火を囲む時間がくれる自由

まんのう公園は、ただの“広い公園”じゃない。「焚き火の似合う地形」+「家族が動きやすい導線」+「四季の主役」が揃った、四国屈指のキャンプ・ステージだ。設営の段取り、炎との距離、季節のチューニング。これが噛み合うと、夜が長くて短い。僕は毎回、帰り道に「次はどの季節に来よう?」ってワクワクしてる。

よくある質問(風間陸が友だちに答えるノリで)

Q1. 初めての子連れでも大丈夫?どのサイトが安心?
A1. 一般カーサイト一択。電源・流し台付きだから、食事と就寝の段取りが崩れない。夜は足元ライトを“点”で置くのが事故予防。予約は早めにね。▶︎ キャンプ場案内
Q2. ソロで静かに焚き火したい。おすすめは?
A2. フリーサイトの林間寄り。風の通りを読んでタープ低め。21時以降はBGMオフにして、炎と虫の音だけで夜を味わうのが最高。
Q3. 直火できる?焚き火のルールは?
A3. 直火NG。焚き火台+耐熱シート必須。灰は指定場所へ。これは次のキャンパーへの“手紙”みたいなもの。▶︎ 公式ルール
Q4. 公共交通で行くなら現実的?
A4. JR琴平駅からタクシー15分は現実的。バス+徒歩30分は荷物次第。子連れや荷多めならタクシー推奨。▶︎ アクセス(公式)
Q5. 子どもが飽きないアクティビティってある?
A5. サイクリングが鉄板。全長5.88kmの一方通行で景色の切替が多く、危険箇所も少ない。春秋はレンタル混むから早めに動こう。▶︎ レンタサイクル(公式)
Q6. ベストシーズンは?
A6. 僕は推し。コキア×焚き火の相性がバグってる。写真も雰囲気も一気に上がる。春は花・新緑、冬は静寂を楽しむ玄人向け。
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