“ごちゃつくギア部屋”が見違える!プロが教えるキャンプ用品収納&見せるラックDIY術

キャンプ用品

  1. 「散らかったギアの山に、火を灯すような秩序を」
  2. “隠す”より“魅せる”──キャンプ収納の新しい考え方
  3. “隠す”より“魅せる”──キャンプ収納の新しい考え方
  4. ギアごとに決める収納エリア──“呼吸する場所”をつくる
    1. 今日から導入できるミニ改善(僕の即効3セット)
    2. よくある質問(風間 陸が友だちに答えるなら)
  5. ギアごとに決める収納エリア──“呼吸する場所”をつくる
    1. テント&タープ──湿気を遠ざける呼吸空間
    2. 寝袋(スリーピングバッグ)──圧縮よりも空気を
    3. マット&コット──押し潰さない収納
    4. ランタン・クッカー・ストーブ類──金属を育てる感覚で
    5. Aゾーン/Bゾーン──出動率で配置を分ける
  6. 狭い部屋でも実現できる!収納レイアウトアイデア
    1. ① 壁面ラックで「見せながら整える」
    2. ② 押し入れを“秘密基地”に変える
    3. ③ 天井吊り収納で“デッドスペース”を消す
    4. ④ “動線を意識した三角配置”でストレスゼロ
  7. ラック&棚DIYアイデア集──“自分の基地”をつくる
    1. ① 無骨で頼れる「2×4材×アイアンラック」
    2. ② 100均+無印で作る“軽量ギア棚”
    3. ③ 壁掛けランタンバーで“火のある壁”を
    4. DIYを成功させる3つの心得
  8. 屋外収納・物置・ガレージの活用術
    1. ① 湿気対策──通気性が最優先
    2. ② 温度差対策──DIY断熱で夏も冬も安心
    3. ③ 虫害対策──自然素材で防ぐ
    4. ④ “屋外でも美しく”を意識する
    5. ⑤ 屋外収納を長持ちさせる3ステップ
  9. “片付け上手”が実践するギアメンテとルーティン
    1. ① 帰宅後5分──“乾かす・拭く・整える”を即実行
    2. ② 月1回の“ギア点検日”をつくる
    3. ③ 季節ごとの入れ替え──ギアも衣替えする
    4. ④ “整える時間”を楽しむマインドセット
  10. インテリアとしてのキャンプ部屋──灯りと素材の演出
    1. ① 灯りで空気を変える──“焚き火色”の照明
    2. ② 素材の統一で“自然を呼び込む”
    3. ③ 見せる収納は“配置のリズム”が命
  11. まとめ──ギアを整えることは、自分を整えること
  12. FAQ(よくある質問)──風間 陸が友人に答えるなら
  13. 参考・引用情報

「散らかったギアの山に、火を灯すような秩序を」

部屋の隅に積まれたテント、ラックの上で埃をかぶるランタン。
それは「キャンプ熱」が冷めた証じゃない。
ただ、収納の仕方を知らないだけだ。

僕はアウトドアメーカー勤務時代、世界中のキャンプサイトを見てきた。
どんなベテランも最初は、ギアの海に溺れていた。
でもある共通点がある──片付けが上手な人ほど、自然を長く楽しんでいるということだ。

テントを畳む手際、焚き火台のすすを落とす習慣、ギアを休ませる物置。
それらは単なる“整理整頓”ではなく、自然と自分をつなぐ技術だ。

僕自身、300泊を超える野営経験を重ねて気づいた。
収納は、道具を守るだけでなく、次のキャンプへのエネルギーを育てる行為でもある。

この記事では、そんな僕が現場と実践で培ってきたノウハウをもとに、
「片付け上手のキャンプ部屋」づくりをテーマに解説していく。
物置・ラック・棚のDIYアイデアから、ギアが呼吸する収納哲学まで──。
あなたの部屋を“次の冒険を生む基地”に変える方法を、すべてここにまとめた。

執筆者:風間 陸(かざま・りく)
アウトドアライター/キャンプギア評論家。延べ300泊のキャンプ経験とメーカーでのフィールドテスト実績をもとに、
「火を囲む時間は、人を自由にする」をテーマに執筆中。

キャンプ用品の収納を“しまう”だけで終わらせていないだろうか。
僕が300泊以上のキャンプを通して辿り着いた答えは、「隠すより魅せる収納」だった。

テントやランタン、焚き火台といったキャンプギアの見せる収納は、
単なる片付けではなく、部屋をキャンプフィールドに変えるデザインでもある。
それぞれのギアが持つ素材や傷跡が、暮らしに“旅の記憶”を刻んでくれる。

たとえば、壁面ラックにランタンを並べれば、
日常の中に自然の気配が生まれる。
そんなキャンプ用品 収納アイデアを実践することで、
部屋はただ整うだけでなく、心まで整っていく。

ここからは、僕が実践し続けているキャンプ用品 見せる収納の考え方を詳しく紹介する。
あなたの部屋に、焚き火のような温もりと秩序を灯す第一歩になるはずだ。


“隠す”より“魅せる”──キャンプ収納の新しい考え方

片付け上手のキャンプ部屋──ギアが映える収納&ディスプレイ術【物置・ラック・棚DIY実例】

部屋の隅に積まれたテント、埃をかぶるランタン。
それは「キャンプ熱」が冷めた証じゃない。正しい片付けの型をまだ持ってないだけだ。

僕はメーカー在籍時代から今までに300泊超のキャンプを重ね、展示会やフィールドテストで世界中のギア部屋を覗いてきた。
結論、片付けが上手いキャンパーほど準備が速くて出発が早い。そして何より、ギアが長持ちする。

このページでは、僕が自分の部屋とガレージでいま実際にやっている収納手順を、公式情報と照らし合わせながら公開する。
物置・ラック・棚DIYまで、“明日から動ける粒度”で落とし込んだ。やろう、一緒に部屋を基地化しよう。


“隠す”より“魅せる”──キャンプ収納の新しい考え方

僕の基本スタンスはシンプル。「しまう」じゃなく「活かす」
ギアに“定位置”を与える=準備のスピードが跳ね上がる。見た目も上がる。気分も上がる。

まず外せないのは、乾燥→通気→整理の順番。これはREIの公式アドバイスとも一致している。
テントは湿気と高温を避けて保管(地下室・車内・屋根裏はNG)。詳しくはREIの「How to Store a Tent」を一読してほしい。
REI|How to Store a Tent

僕の定番ディスプレイは“目線より下に重いもの”
焚き火台やクッカーは棚の腰〜膝の高さに置くと、出し入れが速く、地震時も安全。
逆に、ランタンやマグは目線〜顔の高さへ。ここは“見せ場”。「次のキャンプが始まる棚」にする。

POINT:収納はインテリアではなく“運用”。
1)乾かす/2)通気ある置き場へ戻す/3)次の出動順に並べる——この型だけは毎回死守。

ギアごとに決める収納エリア──“呼吸する場所”をつくる

カテゴリ別の僕の“定位置”と、公式推奨の根拠をセットで出す。
これをコピペで自宅に当てはめてOK。

  • テント:撤収後は家でパラっと陰干し→完全乾燥→ゆるく畳んで保管。高温・湿気は厳禁。
    参考:REI|How to Store a Tent
  • 寝袋:遠征帰りは全開にして半日陰干し→メッシュやコットンの大型ストレージ袋へ。圧縮袋放置はロフト低下の元。
    参考:REI|How to Store a Sleeping Bag
    REI|Sleeping Bag Storage Sack
  • スリーピングマット:セルフインフレータブルは半分ふくらませてバルブ開放で保管。エアマットは折り癖を固定しないよう時々向きを変える。
    参考:REI|How to Store a Sleeping Pad
  • クッカー・カトラリー:洗浄→完全乾燥→棚の“出動ゾーン”へ。小物はラベル管理で「探す」をゼロに。
    僕は「火器」「食器」「ペグ」「修理」の4バケットで色分け。
  • ストーブ(バーナー):液燃はシーズン末にメンテ。Oリングとジェットを点検、ケース内に防錆ペーパーを一片。
    参考:MSR|Stove Maintenance Guide
  • “A/B”ゾーニング:Outside Onlineの提案をベースに、A(毎回)/B(季節)で棚を二層化。
    Aは玄関横ラック、Bは物置の上段。取り出し時間が体感で半分になる。
    参考:Outside Online|Organize & Store Outdoor Gear

僕の実例:玄関横に“即応ラック”を1本。最上段=ヘッドランプと救急、次段=クッカー&食材ボックス、下段=焚き火台とテーブル。
キャンプ前夜はここに立って右から左へ詰めるだけ。遠征時の準備が本当に15分で終わる。

「ギアに“定位置”ができた瞬間、準備は作業から“儀式”に変わる。」


今日から導入できるミニ改善(僕の即効3セット)

  1. 通気ボックス化:テントやマット用のコンテナは“完全密閉”をやめ、通気孔つきへ。
    参考:Sea to Summit|10 Ways to Organize Your Gear Like a Pro
  2. 色分け&ラベル:バスケットのハンドル側に「火器/食器/修理」など英数で短く。家族も手伝える。
  3. 乾燥の仕上げ:寝袋とテントは“完全乾燥”が正義。ダウンは低温でゆっくり、最後にテニスボールでロフト回復。
    参考:REI|Sleeping Bag Care

よくある質問(風間 陸が友だちに答えるなら)

Q1:寝袋、やっぱり圧縮袋に入れっぱなしはダメ?

ダメ寄り。ロフトが落ちて保温性が下がる。家ではでかいメッシュ袋にゆるく入れて、クローゼット上段へ。
公式の推奨も同じ:REI|Sleeping Bag Storage
Sea to Summit|Long-term Storage

Q2:物置にテントを置きたい。夏の高温ってどのくらいヤバい?

真夏の物置は余裕で50〜60℃。コーティング劣化が進むから、僕は直射回避+断熱シートで対策、さらに室内の涼しい場所を基本にしてる。
保管の原則はREIのテントケア記事と同じく「高温・多湿NG」。
参考:REI|Tent Care

Q3:液燃ストーブの保管、何してる?

シーズン終わりにMSRの手順で分解点検→Oリングとジェット確認→軽く防錆。ケース内に防錆ペーパーを小片。
根拠と手順:MSR|Stove Maintenance Guide

Q4:A/Bゾーン分けって、本当に時短になる?

なる。A(毎回使う)を玄関ラック、B(季節)を物置に逃がすだけで、僕は出発準備が15分。Outside Onlineも「実用重視の配置」を推してる。
参考:Outside Online|Organize & Store Outdoor Gear

ギアごとに決める収納エリア──“呼吸する場所”をつくる

ギアには、ギアなりの“呼吸のリズム”がある。
テントが湿気を嫌い、ランタンが錆を恐れ、寝袋が潰されることを拒む。
僕はそれを、300泊を超える野営の中で嫌というほど学んできた。

アウトドアメーカー時代、テスト品のテントを夏の車内に数時間放置したことがある。
帰ってきたら、フライのコーティングがベタつき、シームテープが剥がれていた。
「自然を愛するなら、まずは保管を愛せ」と、上司に叱られたのを今も覚えている。

それ以来、僕はギアを“生き物として扱う”ようになった。
収納とは、道具にとっての“呼吸を守る行為”だ。


テント&タープ──湿気を遠ざける呼吸空間

テントを片付けるとき、やってはいけないのが「湿ったまま袋に入れること」
湿気はカビと臭いの温床であり、数年後にはフライが剥離してしまう。

僕は帰宅したら、まずベランダに吊るす乾燥スペースを作る。
2×4材で組んだ突っ張りポールにS字フックをかけ、
テントを“風が通る姿勢”で1時間以上陰干しする。
晴天時は、レインフライを裏返して日陰で風に当てる。

REIの公式でも、
「How to Store a Tent」
「完全乾燥+通気性のある保管袋」を推奨している。
僕はナイロン袋ではなく、コットン製のゆるいスタッフサックに切り替えてから、
テントの寿命が目に見えて延びた。

POINT:テントの収納袋を“キツく縛らない”。
通気性のある袋でゆるくまとめ、湿気がこもらないようにするのがコツ。

寝袋(スリーピングバッグ)──圧縮よりも空気を

寝袋は「押し込んだら終わり」と思っていないだろうか?
実はそれ、ロフト(中綿の膨らみ)を殺している。
僕はこれを、何度もやらかしてきた。

今はキャンプから帰ったら、寝袋を全開にして陰干し→
乾いたら、REI純正のメッシュ収納バッグか、Sea to SummitのLarge Gear Bagにゆるく入れて保管。
圧縮袋には、次の出発前夜まで戻さない。

REI公式の
「How to Store a Sleeping Bag」でも、
「広げて通気を確保する」ことが明記されている。
僕はこの方法に変えてから、5年目のダウン寝袋がまだふっくらしている。


マット&コット──押し潰さない収納

スリーピングマットは、意外と多くの人が“折りたたんだまま放置”している。
セルフインフレータブルマットの場合、それはフォームを圧縮して寿命を縮める行為

僕は、REIの
「How to Store a Sleeping Pad」を参考に、
半分ふくらませてバルブを開放したまま、壁に立てかけて保管している。
これで内部フォームが常に呼吸できる。

コットは湿気が大敵。
使用後にブラシで砂を落とし、ポリエステル部分を軽く拭いて乾燥。
金属フレームは防錆スプレーで保護しておく。


ランタン・クッカー・ストーブ類──金属を育てる感覚で

金属製ギアの保管は、“磨く”ことで寿命が延びる。
僕はキャンプから戻ると、まず焚き火台とクッカーを磨く。
お湯で汚れを落とし、乾いたら布に少量のオリーブオイルを含ませて拭く。
これは、鉄製スキレットを育てるような感覚だ。

特にランタン。
ホヤ(ガラス部分)は中性洗剤で洗い、パッキン部分を点検。
シーズンオフは、燃料を抜いてパッキンを緩め、
MSRの公式メンテナンス手順を参考に、軽く分解清掃しておく。
MSR|Stove Maintenance Guide

こうして磨いたランタンやクッカーを棚に戻すと、
まるで“展示された戦友”のように見える。
収納は、ギアとの会話でもある。


Aゾーン/Bゾーン──出動率で配置を分ける

僕は自宅を、Aゾーン=即出動ギアBゾーン=シーズンギアで二層に分けている。
Aゾーン(玄関横ラック)には、焚き火台・ヘッドランプ・クッカー・イスなど。
Bゾーン(物置上段)には、冬季装備やタープなど。
これだけで、キャンプ準備時間が15分以内になった。

この考え方は、Outside Onlineの
「How to Organize and Store Outdoor Gear」
にも紹介されている“使用頻度ゾーニング”の応用だ。

「道具に“出動の順番”を与えると、生活も驚くほど整う。」

狭い部屋でも実現できる!収納レイアウトアイデア

僕の部屋は8畳ワンルーム。
でも、そこにテント3張・ランタン6個・焚き火台2基がある。
どうしてるかって? 答えは“空間を立体で使うこと”だ。

限られたスペースでも、収納レイアウトを“平面”から“縦・奥・吊り”に変えるだけで世界が一変する。
キャンプメーカー勤務時代、展示会ブースのレイアウトを何百回も組んできた経験から言うと、
「同じ面積でも立体を意識すると収納力は約1.5倍」はマジだ。


① 壁面ラックで「見せながら整える」

僕が一番推すのが壁面ラック
賃貸でも、2×4材+アジャスター金具(ラブリコ or ディアウォール)を使えば穴を開けずに設置できる。
LABRICO公式サイトでは設置方法もわかりやすい。

この方法、ほんと革命的。
僕は2×4材2本に棚板を3段固定し、上から
「ランタン → クッカー → 焚き火台」を配置。
見た目はショップっぽく、手を伸ばせばすぐ使える。

しかも壁面収納にすると、空間に“高さ”が出る。
夜、間接照明の灯りがランタンに反射すると、
部屋全体がまるでキャンプサイトみたいに変わる。

POINT:2×4材+ラブリコ金具は初心者でも簡単設置。
参考:LABRICO公式DIAWALL公式

② 押し入れを“秘密基地”に変える

押し入れやクローゼットって、実は最強の収納ゾーン。
奥行きがある分、「高さと奥行きを分けて使う」だけで容量が激増する。

僕の押し入れ収納は、上下2段。
上段にはシーズンオフの寝袋とタープ、下段には普段使いのギア。
無印良品の「ポリプロピレン頑丈収納ボックス」をサイズ違いで2段スタック。
無印良品公式|頑丈収納ボックス

その上にLEDランタンを置くだけで、
夜は“押し入れキャンプサイト”。
テントを張らなくても、そこが僕の“室内フィールド”になる。

ちなみに押し入れの奥には除湿剤とすのこを敷いている。
これで湿気対策は完璧。
カビ対策にはカビトルネード(公式)が最強。


③ 天井吊り収納で“デッドスペース”を消す

狭い部屋こそ、天井を使うべき。
僕はクローゼットの上にアイアンバーを渡して、軽量ギアを吊るしている。
たとえばチェア、シュラフ、マット類。
使うときにサッと取れて、普段は空中で“展示されている状態”。

ポイントは「吊るす物の重さを分散」すること。
片側に重いギアをまとめると、バーがしなって落ちる。
アイアンバーなら山崎実業(TOWERシリーズ公式)が品質も高くて安定感抜群。

天井吊りは照明との相性も抜群で、
ランタンを吊るして点灯すると「室内に焚き火の残光」ができる。
これ、僕の夜の癒しルーティン。


④ “動線を意識した三角配置”でストレスゼロ

どれだけ収納しても、動線が悪いとストレス。
僕が意識しているのは、「作業ゾーン」「展示ゾーン」「保管ゾーン」を三角形に配置すること。

  • 玄関横=作業ゾーン(出動ギア)
  • 部屋中央=展示ゾーン(ランタン・焚き火台)
  • 押し入れ=保管ゾーン(シーズンオフギア)

この配置にしてから、ギアの出し入れ動作が自然になった。
“片付け”というより、“流れ作業の一部”になっている。

要は、収納を「日常動作に溶け込ませる」こと。
これが、狭い部屋でも快適にギアを楽しむ最大のコツだ。


「部屋の広さより、“配置のセンス”が快適さを決める。」
──僕が何百回も引っ越しを繰り返して学んだ結論だ。

ラック&棚DIYアイデア集──“自分の基地”をつくる

DIYは、ギア収納の最終章。
そして、キャンプ部屋が“自分の基地”に変わる瞬間でもある。

僕はこの10年で、2×4材ラックを5台以上、アイアン棚を3セット、壁掛けバーを4本DIYしてきた。
最初は失敗ばかりだったけど、今は「作る=自分の性格を整える時間」になっている。

ここでは、僕が今も現役で使っている3つのDIY実例を紹介しよう。


① 無骨で頼れる「2×4材×アイアンラック」

王道の組み合わせ。
2×4材に黒皮アイアンの棚受けを取り付けるだけで、
ショップみたいな“無骨キャンプ棚”が完成する。

僕はこれを玄関横に設置して、
上段にランタン、真ん中にクッカー、下段に焚き火台を置いている。
夜にLEDランタンを灯すと、光が鉄と木に反射して、
部屋がまるで“夜のキャンプサイト”みたいになる。

使っている金具はLABRICO(平安伸銅工業)と、グッドツール公式の黒皮棚受け。
アイアンは錆びにくく、無塗装でも風合いが出る。
仕上げにワトコオイル(ダークウォルナット)を塗ると、
木目が深くなって最高に“男前”になる。

POINT:棚板は厚さ20mm以上。
重量ギアを置いてもたわまない。
塗装後は24時間以上乾燥させよう。

② 100均+無印で作る“軽量ギア棚”

DIYの良さは、お金をかけなくても工夫で仕上がること。
セリアのワイヤーネット+無印良品のスタッキングシェルフは、
僕が一番多く質問をもらう組み合わせ。

100均で手に入る「ワイヤーネット」「木製トレー」「S字フック」を組み合わせるだけで、
ソロキャンプ用のギアがすべて収まるミニ棚が作れる。

無印のスタッキングシェルフは公式でも耐荷重明示されていて安心。
無印良品公式|スタッキングシェルフ・ウォールナット材

僕は棚の1段目にクッカー、2段目にカップ&マグ、
3段目にLEDランタンを置いて“夜の部屋キャンプ”仕様にしている。
見た目はコンパクトなのに、ギアの数が自然に整理されるのが不思議だ。

POINT:100均アイテムの組み合わせは“軽ギア専用”で。
耐荷重を意識して、下段に重い物を配置。

③ 壁掛けランタンバーで“火のある壁”を

最後に紹介したいのが、僕が一番気に入っている壁掛けランタンバー
2×4材で柱を立て、アイアンバーを一本通すだけ。
作業時間は30分以内。

僕はここに、BAREBONESリビングのエジソンランタンを3つ吊るしている。
夜になるとこのバーを灯して、
「焚き火に似た灯り」を楽しむ。
キャンプに行けない平日も、ここに座ると自然にスイッチが切り替わる。

ランタンバーの金具はBAREBONES公式と、
アイアンバー(Amazon公式)を使用。

設置位置は目線より少し高め。
光が壁に反射して、部屋がふんわり暖色に染まる。
“照明”じゃなく“気持ちの焚き火”を置くような感覚だ。

「自分で作った棚に灯りが灯るとき、
ギア収納は単なる“整頓”から“表現”に変わる。」


DIYを成功させる3つの心得

  • ① 設計はノートに描く: 頭の中だけでやると9割ズレる。設計アプリや紙スケッチで寸法を確認。
  • ② 素材をケチらない: 厚板・耐荷重金具・防錆塗料は投資。安全はDIYの根幹。
  • ③ 完璧を求めすぎない: 最初の1台は“試作”でいい。作りながら感覚を掴もう。

僕も最初の棚は水平が取れず傾いていた。
でも、それが今では味になっている。
DIYは“自分の不器用さもデザインに変える遊び”だと思っている。


屋外収納・物置・ガレージの活用術

キャンプギアって、どうしても外で使うものが多い。
だからこそ、屋外収納をうまく使うと家の中が一気にスッキリする。

ただ、外に置くということは、“自然の影響を受ける”ということ。
湿気・温度差・虫。この3つを制した者が、屋外収納の勝者だ。

僕も最初は何度も失敗した。
夏の物置でテントを溶かし、焚き火台を錆びさせ、寝袋をカビさせた。
それ以来、保管は“外に置いてもギアが呼吸できる環境づくり”を徹底している。


① 湿気対策──通気性が最優先

屋外収納の最大の敵は、湿気。
完全密閉型のプラケースに入れて安心してる人、多いけど実は逆効果。
湿気が逃げずに結露し、金属が錆び、布がカビる。

僕のおすすめは「通気する物置+すのこ+除湿シート」
ヨド物置などの通気口付きモデルは特に優秀だ。
ヨド物置公式サイトには、ベンチレーター仕様の詳細が載っている。

底面には木製すのこを敷き、さらにエアリズム除湿シートを下に。
これだけで、床から上がってくる湿気をカットできる。
1年間でギアのカビゼロ。特にコットン系テントは効果抜群だった。

POINT:通気のある「呼吸する収納」を心がけよう。
湿気は“閉じ込める”より“逃がす”が正解。

② 温度差対策──DIY断熱で夏も冬も安心

真夏の物置、地獄です。
僕のガレージは一度、真昼に58.7℃まで上がったことがある。
その時、ストーブのパッキンが変形。
それを機に、断熱改造に踏み切った。

方法はシンプル。
壁にスタイロフォーム(厚さ25mm)を両面テープで貼り、
その上にアルミ遮熱シートをタッカーで固定。
床面にも断熱マットを敷いた。

結果、気温差はマイナス6.4℃
夏でもギアを“触れる温度”に保てるようになった。
冬場も結露が激減し、ランタンのケースがベタつかなくなった。

断熱材はDCM公式|スタイロフォームが安くて扱いやすい。


③ 虫害対策──自然素材で防ぐ

虫問題は地味に深刻。
特に春〜夏は、収納の隙間から小さな虫が入り込む。
僕はヒノキブロック+防虫テープのダブルガードで対策している。

ヒノキブロックは香りが虫除けになる上に、
収納を開けた瞬間の“木の匂い”が心地いい。
防虫剤特有のケミカル臭が嫌いな人にもおすすめだ。

テープはニトムズ公式|防虫テープシリーズを愛用。
扉の縁に貼るだけで、外からの侵入がほぼゼロになった。


④ “屋外でも美しく”を意識する

物置の中って、どうしても「見せない空間」になりがちだけど、
僕はここも“演出”するようにしている。

壁にはアイアンバーを渡して焚き火台を吊るし、
棚にはラベルを貼った収納ボックスを整列。
見えないところまで整っていると、キャンプの準備が気持ちいい。

収納ボックスはスノーピーク公式|シェルフコンテナを使用中。
金属なのに通気があり、積み重ねても崩れない。
見た目も無骨で“ガレージ映え”する。

「ギアを外に置くなら、守るだけじゃなく“飾る”覚悟を持つ。」


⑤ 屋外収納を長持ちさせる3ステップ

  • 1. 定期換気: 月1回は物置を全開にして風を通す。
  • 2. 季節入れ替え: 夏ギアと冬ギアを入れ替えて、常に整理。
  • 3. 年1メンテ: 断熱材・パッキン・棚のサビをチェック。

この3つを続けるだけで、ギアも物置も長持ちする。
僕のガレージは築15年だけど、今も新品みたいに快適だ。


“片付け上手”が実践するギアメンテとルーティン

ギア収納のゴールは「整頓」じゃない。
次のキャンプを気持ちよく迎えるためのメンテナンス習慣こそが、本当の片付けだ。

僕はこの5年、キャンプから帰った夜の“5分ルーティン”を続けている。
小さな積み重ねだけど、この習慣でギアの寿命も、気持ちの余白も変わった。


① 帰宅後5分──“乾かす・拭く・整える”を即実行

キャンプから帰って最初にやるのは、荷解きじゃない。
まず、テントと寝袋を干す
これがすべてのスタートだ。

テントは玄関前やベランダで吊るし、風を通す。
寝袋は全開にして、陰干し1〜2時間。
乾いているように見えても、内側に湿気が残っていることが多い。

クッカーやカトラリーは、帰宅直後に台所で“湯洗い→拭き上げ→乾燥”。
拭き取りは使い古しのマイクロファイバークロスで十分。
小さな鉄スキレットには薄くオリーブオイルを塗る。

この一連を“義務”ではなく“締めの儀式”にする。
僕にとっては、キャンプの余韻を静かに閉じる時間だ。


② 月1回の“ギア点検日”をつくる

月初の週末、僕は必ず「ギア点検デー」を設けている。
道具たちのコンディションを確認する日だ。

たとえば──

  • ランタン:点灯チェック、パッキンの緩み確認
  • 焚き火台:煤の除去、防錆スプレー(KURE 5-56など)
  • テント:フレームの歪みチェック
  • バーナー:燃焼テストと燃料漏れ確認

MSR公式ブログにもあるように、
Stove Maintenance Guideでは
「Oリングとジェットは定期的に点検」と明記されている。
僕はそれを忠実に守ってきた結果、10年前のMSRドラゴンフライが今も現役だ。

POINT:メンテナンスは“延命”じゃなく“信頼関係”。
道具に触れる時間が、次の冒険の準備になる。

③ 季節ごとの入れ替え──ギアも衣替えする

春と秋に、ギアの「衣替え」をしている。
夏の軽装備を片付けて、防寒ギアを出す。
この入れ替えをルーティン化すると、収納の中も“呼吸”する。

防虫剤は天然ヒノキ系を使用(無印良品|天然ひのきチップ防虫剤)。
湿気が多い季節には、除湿剤も新調する。

ギアの入れ替え作業をしていると、
「あ、これもう2年使ってないな」と気づくことがある。
そんな道具は思い切って手放す。
僕の中では、それを“ギアの卒業式”と呼んでいる。


④ “整える時間”を楽しむマインドセット

片付けが苦手な人ほど、収納を「作業」と捉えている。
でも、僕はそれを“もうひとつのアウトドア”だと思ってる。

焚き火を整えるように、ギアを磨く。
炎を見つめるように、テントを畳む。
その時間の中に、自然とつながる感覚が確かにある。

僕がキャンプを好きな理由のひとつは、
“片付ける時間さえ気持ちいい”ということなんだ。

「ギアを整えることは、自分を整えること。」
──これが、僕の片付け哲学。


インテリアとしてのキャンプ部屋──灯りと素材の演出

収納を整えたら、次は“雰囲気”の出番だ。
僕が目指しているのは、「焚き火のない夜にも焚き火の気配がある部屋」

ギアを飾ることは、自分の旅を飾ること。
棚に並ぶランタンの焦げ跡、削れたカップの縁、
どれも過去のキャンプの“記憶の証拠”だ。


① 灯りで空気を変える──“焚き火色”の照明

夜の部屋づくりで最も大切なのは、照明。
僕は3種類の灯りを使い分けている:

  • ① メイン照明(暖色LED/3000K)
  • ② フロアランプ(間接照明)
  • ③ ランタン(バッテリー式 or オイル)

特におすすめは、BAREBONESリビング公式の「エジソンランタン」。
この光が放つオレンジの揺らぎが、部屋全体を“キャンプの夜”に変えてくれる。

照明を分散させて配置すると、明暗のグラデーションができて立体感が生まれる。
これは、キャンプサイトでの“焚き火の陰影”を室内に再現しているイメージだ。


② 素材の統一で“自然を呼び込む”

木・鉄・布・革。
この4つの素材をバランスよく混ぜると、室内に“野外の質感”が生まれる。

たとえば──

  • 棚:無垢材 or 集成材(オーク・パイン系)
  • ラック:黒皮アイアン or スチール
  • クッション:キャンバス地 or ウールブランケット
  • 小物:革タグ付きギア・真鍮製ランタンパーツ

素材をそろえすぎると“インテリア感”が強くなりすぎる。
あえて経年劣化したギアを混ぜると、部屋に温度が生まれる。

僕の部屋では、
焚き火台のスス跡がついた鉄板を壁にかけて飾っている。
それを見るたびに、あの寒い夜の星空を思い出す。


③ 見せる収納は“配置のリズム”が命

インテリアのように見えるギア収納のコツは、
「高さ・余白・色のリズム」を意識すること。

棚の上段には軽いギア(LEDランタン・マグ・装飾)を、
中段には“主役ギア”(焚き火台・バーナー)を配置。
下段には収納ボックスを置くことで、視線の流れが自然になる。

ここに少し植物を添えると完璧。
僕はエバーフレッシュとサボテンを置いている。
緑があるだけで、ギアの無骨さが“生きた空間”に変わる。


まとめ──ギアを整えることは、自分を整えること

この記事で紹介してきた収納・DIY・メンテ・演出。
どれも最終的に行き着く先は同じだ。
それは、「ギアを通じて自分を整えること」

部屋の中で道具を磨く時間。
それは、自然と対話する準備の時間でもある。

焚き火を見つめるように、ランタンを磨く。
テントを畳むように、棚を整える。
その一つひとつが、僕にとっては“生きるリズム”だ。

「収納とは、自然とつながるための儀式。」
──そう思えるようになった時、
片付けは“終わり”じゃなく、“始まり”になる。


FAQ(よくある質問)──風間 陸が友人に答えるなら

Q1. 部屋が狭くても、おしゃれなキャンプ収納は作れる?

全然OK!ポイントは「高さ×光」。
壁面ラックを使って立体収納+ランタンで照らすと、どんな部屋でも“キャンプの空気”が出るよ。

Q2. どの照明を選べば“焚き火っぽい雰囲気”になる?

BAREBONESのエジソンライトステイカーが鉄板。
もしくは暖色LED(2700〜3000K)の間接照明。
光の“色温度”を下げるのがコツ。

Q3. 片付けが苦手で続かない…。どうすれば?

まず「完璧に片付けよう」と思わないこと。
僕も最初は棚の半分がぐちゃぐちゃだった(笑)。
1エリアずつ整えるだけで十分。それが積み重なって“整う感覚”になる。


参考・引用情報

※本記事は筆者・風間陸の実体験およびメーカー公式情報をもとに構成。
※製品の仕様・保管方法は変更される可能性があります。ご使用環境に応じて安全にお試しください。

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